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吹奏楽部の私が異世界転生したら強キャラだった件。#6
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「アーケプト王国?」
聞きなれない語感に陽菜子は首を傾げる。何故か陽菜子は城の応接室へと招かれ、彼─ユウキと話し合っていた。
「そうだ、同盟を結ぶ隣国のヴァルエル帝国、北の山の向こうのレイテ王国…」
「レイテ王国、とは仲が悪いの?」
「悪いどころか停戦状態だ。その状態で12年が経過してる」
「ギスギスってわけね…」
「そんでレイテ王国のさらに北を行けば、魔族が支配しているシグルレーン地帯が有る…」
魔族。思い出してしまい寒気がした。
「さっきの…でもなんで、遠いんでしょ?」
「ケルト領はシグルレーンとも近いからな、時折ああやってゴブリンやオークが現れる」
茶色い紙の地図を見せてくれるユウキ。
なるほど確かに、黒く塗られたシグルレーン地帯はレイテ王国を囲み、その一部がケルト領の辺りまで達している。
「はぁ…?」
混乱した頭で思考を整理して、とりあえず自分が別の世界に居ることを認識する陽菜子。
「ところでお前、名前は?」
「…陽菜子」
「ヒナコ、か…さっきゴブリンを一撃で殺したな?」
「そ、そうらしいけど何がなんだか」
「低級魔族のゴブリンとはいえ普通の人間には互角にも渡り合えん」
「そうなの?」
「当たり前だろ。俺が見るに、ヒナコには特別な力が有る」
ユウキは陽菜子の手を掴み、舐め回すように眺め始めた。
「な、何!?怖い怖い怖い!?」
「指のたこ…楽器は吹けるのか?」
「…まぁ、て言うか、現役だし…」
トロンボーンを始めたのは中学一年生だ。6年近くもやっていると、スライドを持つ関係上右手の中指と人差し指の間に固いたこができてしまう。
「…試すか」
ユウキは短く呟くと、部屋の入口に居た執事に
「急用だ、今から首都へ向かう。馬車とヒナコに服の用意を」
と言いつけた。
「服?」
「その制服はそのままにしない方がいい。ゴブリンの血は病を呼ぶぞ」
ふと自分の制服を見下ろせば、泥と血でかなり汚れていた。
ユウキは少し思案すると紅茶を持ってきたメイドに
「彼女を風呂に入れてくれ、それから王に謁見するのに相応しいメイクアップも頼みたい」
「お任せ下さい」
恭しく頭を下げたメイドは、おそらくユウキより年上。
メイドや執事は分かるにしても、自分よりはるかに年上の兵士にまででかい顔(…失礼)をできるユウキは一体…?
「って、王に謁見!?」
「ん?」
悪びれる様子もなく首を傾げるユウキ。よく見てみればかなり凛々しい顔立ちをしている。
王に謁見というのはつまるところ日本で言う総理大臣とか天皇とかに会うみたいな感覚な訳で?
「悪いな、あとは任せる。俺はケルトの騎士長と話をつけてくる」
ユウキはそう言うと、陽菜子を残し鎧を鳴らして部屋を出ていった。
聞きなれない語感に陽菜子は首を傾げる。何故か陽菜子は城の応接室へと招かれ、彼─ユウキと話し合っていた。
「そうだ、同盟を結ぶ隣国のヴァルエル帝国、北の山の向こうのレイテ王国…」
「レイテ王国、とは仲が悪いの?」
「悪いどころか停戦状態だ。その状態で12年が経過してる」
「ギスギスってわけね…」
「そんでレイテ王国のさらに北を行けば、魔族が支配しているシグルレーン地帯が有る…」
魔族。思い出してしまい寒気がした。
「さっきの…でもなんで、遠いんでしょ?」
「ケルト領はシグルレーンとも近いからな、時折ああやってゴブリンやオークが現れる」
茶色い紙の地図を見せてくれるユウキ。
なるほど確かに、黒く塗られたシグルレーン地帯はレイテ王国を囲み、その一部がケルト領の辺りまで達している。
「はぁ…?」
混乱した頭で思考を整理して、とりあえず自分が別の世界に居ることを認識する陽菜子。
「ところでお前、名前は?」
「…陽菜子」
「ヒナコ、か…さっきゴブリンを一撃で殺したな?」
「そ、そうらしいけど何がなんだか」
「低級魔族のゴブリンとはいえ普通の人間には互角にも渡り合えん」
「そうなの?」
「当たり前だろ。俺が見るに、ヒナコには特別な力が有る」
ユウキは陽菜子の手を掴み、舐め回すように眺め始めた。
「な、何!?怖い怖い怖い!?」
「指のたこ…楽器は吹けるのか?」
「…まぁ、て言うか、現役だし…」
トロンボーンを始めたのは中学一年生だ。6年近くもやっていると、スライドを持つ関係上右手の中指と人差し指の間に固いたこができてしまう。
「…試すか」
ユウキは短く呟くと、部屋の入口に居た執事に
「急用だ、今から首都へ向かう。馬車とヒナコに服の用意を」
と言いつけた。
「服?」
「その制服はそのままにしない方がいい。ゴブリンの血は病を呼ぶぞ」
ふと自分の制服を見下ろせば、泥と血でかなり汚れていた。
ユウキは少し思案すると紅茶を持ってきたメイドに
「彼女を風呂に入れてくれ、それから王に謁見するのに相応しいメイクアップも頼みたい」
「お任せ下さい」
恭しく頭を下げたメイドは、おそらくユウキより年上。
メイドや執事は分かるにしても、自分よりはるかに年上の兵士にまででかい顔(…失礼)をできるユウキは一体…?
「って、王に謁見!?」
「ん?」
悪びれる様子もなく首を傾げるユウキ。よく見てみればかなり凛々しい顔立ちをしている。
王に謁見というのはつまるところ日本で言う総理大臣とか天皇とかに会うみたいな感覚な訳で?
「悪いな、あとは任せる。俺はケルトの騎士長と話をつけてくる」
ユウキはそう言うと、陽菜子を残し鎧を鳴らして部屋を出ていった。
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