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〜"デス"ゲーム、開幕〜
24話 終結
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目で追うのがやっとの速度で2つの影が切り結び、離れる。再び切り結び、離れる。そして時たま片方を援護するように伸びるもう一つの影。
執事、道化が魔王に挑むといった奇怪な光景にも関わらず、周囲の瞳は真剣そのものだった。
「あがあああああ‼」
『うがあああああ‼』
互いの得物が混じり合い、熾烈なつばぜり合いを繰り広げる度、双方は吠える。己を鼓舞するために。そして、己の強さを示すために。
その執事は、戦場で踊る。休むことなく駆け回り、そして最適解のルートでたったの一撃、されど一撃の支援を行い続ける。的確に、そして軽やかに一撃を与え続ける。
旋回、一撃、退避、旋回、一撃、退避。
結果から言ってしまえば、そのどれもが巧みな剣技によりいなされ続けていた。
だが、その煩わしい動きは確実に標的の集中力を分散するに値していた。
そしてその動きは、いつか必ず転機を運ぶ。
「ふんっ‼」
カイザの魔剣が空を切る。軌道は間違いなく、セバスの拳を捉えていた。
これまでのセバスの拳を。
(もらった!)
セバスの金色の拳が、三度目の正直と言わんばかりに右肋骨へと向かう。
――ガーーーーン‼
「んんっ!?」
セバスの拳は、確かにカイザの右肋骨を捉え、そして直撃した。だが、カイザの鎧の損傷は悪化せず不可解な衝突音が辺り一面に鳴り響く。
遮られたのだ。漆黒のオーラに。
魔王覇気の変異状態、『邪王覇気』。それは、『自身の身に漆黒のオーラを纏い、それは総HPの半分の耐久力を持つ』というもの。つまり、カイザのHPの半分、280のHPが実質的に加算されるのだ。
総力戦でようやく削った体力を丸ごと回復されたのと同義のそれは、絶望というのに相応しいだろう。
『うがああああ‼』
カイザが魔剣を振り上げ、セバス目掛け振るう。無理矢理低姿勢での攻撃に入ったセバスは無論、避けることなど不可能だ。
「あがあああああ‼」
だが、もう一人、最終兵器とも呼べる存在を忘れてはならない。
フェイスはカイザが振り下ろした魔剣の更に上から刀を振り下ろす。
空中で結び合った二つの得物は、互いに互いの得物を己の軌道に乗せようとせめぎ合う。
上から押す力と、下から抵抗する力。有利なのは間違いなく上から押す力だろう。
そして僅かに上回るATK。せめぎ合う二つの得物の結果は見えていた。
――ブンッ
刹那、セバスの耳元に歪な風切り音が届き、直後右半身をかなりの風圧が襲う。
フェイスを信じていたのだろうか、起こった出来事に動揺の一つもせず地を踏みしめ後退する。
「フェイス、助かりました。ありがとうございます」
(お安い御用です)
セバスの感謝の言葉に、心の中のフェイスが返答する。
「残り1分、ですか」
フェイスがカイザと一進一退の攻防を繰り広げる中、セバスは真剣な眼差しで己の腕時計を見つめる。
「レオ、レイ。私は1分後、戦闘不能になります。ですが、その代わりにあの漆黒のオーラが剥げるはずです。そうなれば、無駄に高い私のHPが1になるわけですから、あなた達のあれで、決着がつくでしょう」
セバスがカイザとフェイスの戦いを見つめながら言う。
「分かった」
「分かりました」
レオとレイの反応に満足したのであろうセバスは、僅かに笑みを作り、そしてすぐさま真剣な顔つきに変わる。
「限界突破」
セバスがそう口にすると、今まであふれ出ていた深紅のオーラ、金色のオーラが体内に収束していく。
外見は何の変哲もない老紳士。だが、その身の内に秘めた爆発的な身体能力はカイザを上回る。
――ふっ
突如、セバスの姿が消える。残されたのは僅かな土煙のみ。その土煙は、カイザやフェイスとは逆方向に流れていった。
「ハアァァァァア‼」
セバスの声が、カイザの耳元で轟く。
――パキッ
その瞬間、カイザの纏う漆黒のオーラが弱々しい音を鳴らし、風を置いていく速度でカイザの体が吹き飛ぶ。
カイザが壁に直撃する直前、目の前に一つの影が現れる。
「ハアァァァァア‼」
罅の入った漆黒のオーラを容赦なく正拳突きで迎える。
――ビキビキッ
「フェイス!断ち切りなさい!」
セバスがフェイスに向かうカイザを血眼になり見つめながら指示を出す。
「あがあああああ‼」
フェイスの刀がカイザを一閃する。
――パリンッ
地面に倒れ伏したカイザから、何かが割れたような音が響く。その姿を見ると、漆黒のオーラは靄が晴れるように雲散していった。
「後は、任せます」
その直後、レオとレイに振り返りながらセバスがそう口にし、膝から崩れ落ちる。
^
カイザ様、申し訳ありません。無礼は承知の上で、使わせていただきます。
「【罪】」
カイザ様、大変申し訳ございません。無礼は承知の上、カイザ様のために、使わせていただきます。
「【罰】」
2人の少年少女は心に罪悪感を渦巻かせながらも、はっきりとスキルの名を口にしカイザに手を向ける。
「罪を、犯したな?」
レオが『疑問』、というより『確認』といった形で言葉を口にする。
「罰を与える」
レイの言葉。それは報告ではない。宣告だった。
レイが言葉を口にした直後、カイザの頭上にどす黒い穴が出現し、そこから絶え間なく怨嗟を具現化したような、死人の顔をした煙が悲鳴を上げながらカイザに渦巻いていく。
『ああああああああ‼ううう、うがああああああああ‼』
「……っく」
「……カイザ様、お許しください」
カイザが苦痛を露わにし、絶叫する。それでも2人は顔を歪めながらも止めようとはしない。
『あああああああ‼ああああああああ‼』
怨嗟の渦の中でカイザが暴れまわるも、破られる気配が一向にない。拳、魔剣、魔術。己のとれるすべての手段を実行するも、全くもって意味をなさない。
『ああああ、ああ、あああああああ‼』
<残りHPが10をきりました。フルオートモードを解除し、セーフティーモードを復旧します>
^
「うん、暴走状態も安全に復旧できる。ふふふ、死なせないよ?今はまだ」
執事、道化が魔王に挑むといった奇怪な光景にも関わらず、周囲の瞳は真剣そのものだった。
「あがあああああ‼」
『うがあああああ‼』
互いの得物が混じり合い、熾烈なつばぜり合いを繰り広げる度、双方は吠える。己を鼓舞するために。そして、己の強さを示すために。
その執事は、戦場で踊る。休むことなく駆け回り、そして最適解のルートでたったの一撃、されど一撃の支援を行い続ける。的確に、そして軽やかに一撃を与え続ける。
旋回、一撃、退避、旋回、一撃、退避。
結果から言ってしまえば、そのどれもが巧みな剣技によりいなされ続けていた。
だが、その煩わしい動きは確実に標的の集中力を分散するに値していた。
そしてその動きは、いつか必ず転機を運ぶ。
「ふんっ‼」
カイザの魔剣が空を切る。軌道は間違いなく、セバスの拳を捉えていた。
これまでのセバスの拳を。
(もらった!)
セバスの金色の拳が、三度目の正直と言わんばかりに右肋骨へと向かう。
――ガーーーーン‼
「んんっ!?」
セバスの拳は、確かにカイザの右肋骨を捉え、そして直撃した。だが、カイザの鎧の損傷は悪化せず不可解な衝突音が辺り一面に鳴り響く。
遮られたのだ。漆黒のオーラに。
魔王覇気の変異状態、『邪王覇気』。それは、『自身の身に漆黒のオーラを纏い、それは総HPの半分の耐久力を持つ』というもの。つまり、カイザのHPの半分、280のHPが実質的に加算されるのだ。
総力戦でようやく削った体力を丸ごと回復されたのと同義のそれは、絶望というのに相応しいだろう。
『うがああああ‼』
カイザが魔剣を振り上げ、セバス目掛け振るう。無理矢理低姿勢での攻撃に入ったセバスは無論、避けることなど不可能だ。
「あがあああああ‼」
だが、もう一人、最終兵器とも呼べる存在を忘れてはならない。
フェイスはカイザが振り下ろした魔剣の更に上から刀を振り下ろす。
空中で結び合った二つの得物は、互いに互いの得物を己の軌道に乗せようとせめぎ合う。
上から押す力と、下から抵抗する力。有利なのは間違いなく上から押す力だろう。
そして僅かに上回るATK。せめぎ合う二つの得物の結果は見えていた。
――ブンッ
刹那、セバスの耳元に歪な風切り音が届き、直後右半身をかなりの風圧が襲う。
フェイスを信じていたのだろうか、起こった出来事に動揺の一つもせず地を踏みしめ後退する。
「フェイス、助かりました。ありがとうございます」
(お安い御用です)
セバスの感謝の言葉に、心の中のフェイスが返答する。
「残り1分、ですか」
フェイスがカイザと一進一退の攻防を繰り広げる中、セバスは真剣な眼差しで己の腕時計を見つめる。
「レオ、レイ。私は1分後、戦闘不能になります。ですが、その代わりにあの漆黒のオーラが剥げるはずです。そうなれば、無駄に高い私のHPが1になるわけですから、あなた達のあれで、決着がつくでしょう」
セバスがカイザとフェイスの戦いを見つめながら言う。
「分かった」
「分かりました」
レオとレイの反応に満足したのであろうセバスは、僅かに笑みを作り、そしてすぐさま真剣な顔つきに変わる。
「限界突破」
セバスがそう口にすると、今まであふれ出ていた深紅のオーラ、金色のオーラが体内に収束していく。
外見は何の変哲もない老紳士。だが、その身の内に秘めた爆発的な身体能力はカイザを上回る。
――ふっ
突如、セバスの姿が消える。残されたのは僅かな土煙のみ。その土煙は、カイザやフェイスとは逆方向に流れていった。
「ハアァァァァア‼」
セバスの声が、カイザの耳元で轟く。
――パキッ
その瞬間、カイザの纏う漆黒のオーラが弱々しい音を鳴らし、風を置いていく速度でカイザの体が吹き飛ぶ。
カイザが壁に直撃する直前、目の前に一つの影が現れる。
「ハアァァァァア‼」
罅の入った漆黒のオーラを容赦なく正拳突きで迎える。
――ビキビキッ
「フェイス!断ち切りなさい!」
セバスがフェイスに向かうカイザを血眼になり見つめながら指示を出す。
「あがあああああ‼」
フェイスの刀がカイザを一閃する。
――パリンッ
地面に倒れ伏したカイザから、何かが割れたような音が響く。その姿を見ると、漆黒のオーラは靄が晴れるように雲散していった。
「後は、任せます」
その直後、レオとレイに振り返りながらセバスがそう口にし、膝から崩れ落ちる。
^
カイザ様、申し訳ありません。無礼は承知の上で、使わせていただきます。
「【罪】」
カイザ様、大変申し訳ございません。無礼は承知の上、カイザ様のために、使わせていただきます。
「【罰】」
2人の少年少女は心に罪悪感を渦巻かせながらも、はっきりとスキルの名を口にしカイザに手を向ける。
「罪を、犯したな?」
レオが『疑問』、というより『確認』といった形で言葉を口にする。
「罰を与える」
レイの言葉。それは報告ではない。宣告だった。
レイが言葉を口にした直後、カイザの頭上にどす黒い穴が出現し、そこから絶え間なく怨嗟を具現化したような、死人の顔をした煙が悲鳴を上げながらカイザに渦巻いていく。
『ああああああああ‼ううう、うがああああああああ‼』
「……っく」
「……カイザ様、お許しください」
カイザが苦痛を露わにし、絶叫する。それでも2人は顔を歪めながらも止めようとはしない。
『あああああああ‼ああああああああ‼』
怨嗟の渦の中でカイザが暴れまわるも、破られる気配が一向にない。拳、魔剣、魔術。己のとれるすべての手段を実行するも、全くもって意味をなさない。
『ああああ、ああ、あああああああ‼』
<残りHPが10をきりました。フルオートモードを解除し、セーフティーモードを復旧します>
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「うん、暴走状態も安全に復旧できる。ふふふ、死なせないよ?今はまだ」
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