一年生からやり直し。

恥野うわぬり

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第二章 学校への登校

4わ がっこうでのいちにち

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妹に、妹として扱われて、悔しいどころか温かい気持ちで満たされて、真琴は自分がわからなくなり始めていた。
 真琴にとっては小さく感じる教室の後ろ側に、真琴の席はあった。

 可愛いランドセルを置いてから椅子に座る。
 木製の椅子のひんやりとした感触が、真琴の太ももをダイレクトに撫でる。

(つめたい……ぅ……女の子っていっつもこうなの……?)


 先ほどのこともあり真琴の精神はもう限界ギリギリだった。
 誰かと話でも出来れば少しは気がまぎれるのかもしれないが十歳も年下の子供と話が合うはずもない。
 周りよりも一回り以上大きな真琴を見る視線も独特だ。
 興味関心、だけど近づこうとはしない。見下されているようなニュアンスこそ感じないものの、不思議なものを見るような純粋な視線が逆に痛い……。

 膝の上に手を置いて、この時間が早く過ぎ去るように祈る。


「はーい、みんな~座ってくださいねぇ」

 チャイムがなる、それと同時に“さいとう先生”が入ってくる。今日が始まる……。壁の方を見ればそこには時間割表が貼られている。

 今更小学生の授業なんて……。

 そんな風に考えながら真琴は窓の外に目をやった。本当なら、今頃。高校で……。

 でも、そんな妄想には何の意味もない。

「きりつ! きをつけ! れい!」


 子供特有の区切るような、甲高い声に従って頭を下げる

「「「よろしくおねがいしまぁす!」」」


 子供の声に、自分の声を乗せる……。小学校の授業が始まった……。



 中学校の授業は五十分だったのに対して、小学校の授業は四十五分しかない。時間こそ短いものの今更小学生の、それも一年生の授業を受けるのは真琴にとっては退屈でしかなかった。

 一タス一はいくつか。十の次は幾つか、程度のことを真面目に学んでいく。
 いっその事さぼりに徹することができればいいのだが、真琴の立場ではそれも許されない。
 かわいいノートとかわいい鉛筆、それらで黒板を板書する。
 久しぶりの鉛筆は少しつかいにくくてノートもとりにくかった。


 量の少ない給食も、内容の薄いレクリエーションも、真琴にとってはすべてが足りないもので……。

(本当は、高校生なのに……。)


 ただ、そんな思いだけが、心の内を支配していく。

 終らない。小学生としての新しい日常は、ただ静かに続いていく……。
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