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7章 家族みんなで冒険譚3 エルフェリアで過ごす夜
539 世界樹の護り (改)
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「……ダ、ダンさんの言っている事は分かったけど、レリックアイテムの研究と複製は無謀すぎないかな……?」
エルフェリア精霊国に新たなアウターを発生させたい。
その為にレリックアイテム整合の魔器を研究し、アウター発生用のマジックアイテムを開発することをライオネルさんに提案する。
俺としては達成できる見込みは充分にある目標だと思っているんだけど、レリックアイテムを研究する事に対して懐疑的な様子のライオネルさん。
無理も無い反応だけど、この反応は実績を持ってひっくり返していくしかないね。
「ま、あまり難しく考えないでよ。エルフたちの手を煩わせるつもりは、少なくとも今のところ無いからさ」
「……え? そ、そうなのかい……」
混乱と戸惑いに顔を顰めていたライオネルさんだったけれど、エルフに手伝わせるつもりは無いと聞いてホッとしたような表情を浮かべている。
そして幾分か落ち着きを取り戻した様子で、恐る恐る問いかけてくる。
「……でも、それならいったいどういうことかな? エルフに手伝わせる気が無いのなら、どうして私にこんな話を……」
「エルフェリア精霊国にアウターを作り出そうって話だから、エルフに無断で行なうわけにはいかないでしょ。ライオネルさんに話したのは、場所の提供をお願いしたかったからだよ」
「ば、場所の提供くらいなら構わないけど……。300人にも満たないエルフ族に、エルフェリアの地はあまりにも広すぎるからね……」
300人にも満たないエルフ族。
そう語るライオネルさんは、やっぱり少し寂しそうだ。
エルフェリアが最も大変な時にエルフの長を務めたライオネルさんには、是非とも繁栄したエルフェリア精霊国をお見せしたいところだね。
「さっきも言ったけど、エルフェリア精霊国にあったアウターを消滅させちゃったのは俺達だからさ。せめてもの罪滅ぼしだとでも思ってくれればいいよ」
「罪滅ぼしって……! ダンさん達がいなければ、確実に世界は呪いに沈んで……!」
「あーっとストップストップ! この言い方じゃ駄目かぁ……」
食って掛かってきそうだったライオネルさんを強引に制止する。
世界がどうとかって言い出したらキリが無いんだよな。攻め口を変えてみるかぁ。
「それじゃ罪滅ぼしじゃなくて、俺達の実験に協力して欲しいんだよ。俺がアウター作りを試してみたいから、それを試す場所を提供してくれない?」
「いやだから、場所ならいくらでも提供するよっ? だけどエルフ族を救ってくれたダンさん達に、これ以上負担をおかけするわけには……」
「ライオネルさん。アウター作りはエルフェリア精霊国のためだけに行なうわけじゃないんだ。将来的に世界中に必要になる技術だと思うから研究しようとしてるんだよ」
「はぁ? 世界中にアウターを作る必要なんて、いったい何処に……」
「これからこの国はどんどん人口が増えていき、人々の生活圏も拡大していくと思う。ひょっとしたら国の数も増えるかもしれない。そうなった時にアウターを作り出す技術を見つけておかないと、後々大変な事になると思ってるんだよ」
既にマグエルやヴァルハールでは空前のベビーブームが始まろうとしている。
その上職業浸透の知識が広まって親世代の生存率もぐっと上がり、人知れず国を蝕んでいた組織レガリアも壊滅済みだ。
これからは今までが嘘だったかのように、爆発的に人口が伸びて行くことが考えられる。
そうすると必ず、どこかのタイミングでアウターが足りなくなってくると思うんだよなぁ。
「ま、待ってくれ……! 今よりも人口が増えたとしても、アウターの数が足りなくなるとはどういうことかなっ……? アウターの魔力が尽きて、ドロップアイテムが得られなくなるとでも……!?」
「いや、迷宮が枯れる心配はしてないよ。もしかしたらこの世界の魔力量が足りなくなってそういった事態が起きる可能性はあるけど、今のところそんな兆候は見られないからね」
この世界の魔力は聖域の樹海とか、幾つかの要素でバランスを保たれてると思うんだよね。
もしかしたら魔物たちの存在も、この世界の魔力バランスを調整しているのかもしれないし。
「で、では……。ドロップアイテムの回収が間に合わなくなるってことかい? 増えすぎた人口によって消費が拡大しすぎて、アウターからの資源回収が追いつかなくなる……?」
「違う。1つのアウターで一定数以上の魔物狩りが同時に活動する事を懸念しているんだ。短期間で魔物を狩り過ぎると、アウターフェクトやイントルーダーを呼び寄せてしまうからね」
「あっ……! そ、そうか……!」
魔物察知が無ければ、建国の英雄リーチェ擁するうちのパーティですらアウターエフェクトと遭遇することは出来なかった。
けれど、察知スキルを習得していなかったノーリッテが数多のアウターエフェクトを討伐出来ていたことから、圧倒的な物量を持って察知スキルの不足分を補うことは恐らく可能なのだ。
「アウターエフェクトならまだしも、もしもイントルーダーなどに出てこられては、せっかく繁栄し始めた人類が壊滅させられかねない……! だからアウターの数を増やして人を分散させようと……!」
「そう。エルフェリアを襲ったメナスも複数のイントルーダーを従えていたからね。中堅どころの魔物狩りが間違えてイントルーダーを召喚してしまったら目も当てられないでしょ。だから対策をしておこうってね」
今の人口と戦闘力水準では、万が一にもそんなことが起きる心配は無いはずだ。
けれど職業浸透が進み、魔物狩りの数も何倍にも膨れ上がったいつかの未来に、アウターエフェクトさえ狩れない魔物狩りの集団が、誤ってイントルーダーを呼び寄せたりしてしまうかもしれない。
だから自然に人を分散させるために、魔物狩りが活動できるアウターの数を増やす必要性があるんだよ。
「勿論俺の考えすぎかもしれないし、もしこんな事態が起こったとしても、その時には俺はとっくに寿命を迎えた後だとは思うけどね。でも想定しちゃったからさ、備えておきたいんだ」
「……なるほど。説明されれば確かに想定しておくべき事態のように思えるよ。ならエルフ族としても協力しないわけにはいかないね」
表情を引き締めて、エルフェリア精霊国に新たなアウターを生み出す事を了承してくれるライオネルさん。
元々はエルフェリアの国力を維持するための話だったのに、随分説得に梃子摺ってしまったよぉ。
「我々エルフは何をしたらいい? 何か協力できることは無いのかな?」
「まずはレリックアイテムの研究から始めなきゃだからね……。ライオネルさんにはアウターが発生してもいい場所……またはアウターを作り出したい場所の選定をお願いしたいかな」
「狙った場所にアウターを生み出すなんて、まるで神の所業のようだね……。だが了解だ。アウターが出て欲しい場所はいくつか検討しておくよ」
ごめんライオネルさん。神とか言うのやめてくれない?
ただでさえ祝福の神トライラム様と同じことしてるとか言われてるんですよー。
ただでさえ魔人族に信仰されてるんですよー。
ほんとにもう勘弁して欲しいんですよー。
現時点で希望の場所がないか聞いてみると、出来ればライオネルさんは世界樹と宿り木の根があった場所、つまりノーリッテを打ち破った爆心地に新たなアウターを設けたいようだ。
あそこは爆心地なので当然周囲には何も無く、巨大なクレーターが広がるのみなんだよね~。
だけど整合の魔器を再現できれば森を生み出すことも可能かもしれないからな。
ライオネルさんの希望通り、あの場所にアウターを設置するのもアリだろう。
その後はエルフェリア精霊国の現状や中継都市の緑地化活動の進捗などを聞きながら、リュートが来るのをゆっくりと待った。
「それじゃサークルストラクチャーを渡しておくね。管理の説明は必要ないでしょ?」
「ああ大丈夫だ。早速中継都市に各種魔法士の転職魔法陣を設置させてもらうよ」
「お願いね。将来的には魔導師の転職魔法陣まで……って、どうやら終わったみたいかな?」
ライオネルさんと2人で数時間会話していると、リュートの気配がこちらに向かってくるのが感じられた。
えっと、アウラの髪を渡してから4時間くらい経過したのかな?
意外と男同士でも、仕事の話なら延々と続けられるもんだなー。
「お待たせダーンっ! 無事に完成したよーっ!」
おっぱいをぶるんぶるん弾けさせて駆け寄ってきたリュートは、椅子に座る俺の膝の上に横座りになって抱きついてきた。
膝の上に乗ったお尻の感触も、押し付けられているおっぱいの感触も最高すぎるぅ。ぎゅーっ。
「お疲れ様。だけど手ぶらなんだね? 俺には見せてくれないの?」
「あはっ。ごめんね、いくらダンにでも見せるわけにはいかないんだーっ。まずはアウラに見てもらいたいからさっ」
「了解、謝らなくて大丈夫だよー。アウラに贈られたあとでゆっくり見させてもらうねー」
ニコニコと謝罪の言葉を口にするリュートを抱きしめて、労いとお祝いのよしよしなでなでだ。
でもリュートも早くアウラに世界樹の護りを贈ってあげたいだろうし、そろそろお暇しようかな。
リュートをお姫様抱っこしたまま立ち上がり、ライオネルさんに挨拶をしてエルフェリア精霊国を後にした。
リュートを抱っこしたままパールソバータに転移したけれど、当然みんなの反応は無い。ちゃんと奈落に向かったようだ。
これでもかって注ぎ込んじゃったから、アウラもぐったりしちゃったんだよね。回復してよかった。
どの口が言ってんだって話ですけど?
「それじゃみんなと合流しに奈落に向かおう、と言いたいところなんだけど、リュートに1つお願いしていいかな?」
「んー? なぁにダン?」
奈落に向かう前にリュートと1つの約束を交わす。
そして約束を誓い合うように少しだけ唇を重ねたあと、みんなを追って奈落に向かった。
「うお、何気に凄いな。数時間で3階層まで行ってるのかぁ」
「ぼく達の時はフロア全てを虱潰しに調査してたんだっけ。最短距離で突き進めばこんなに早く進めるんだねー」
傾国の姫君と双竜の顎の混合パーティの進軍の早さに、リュートと一緒に思わず感心してしまった。
この調子なら明日にでも、アウターエフェクトモドキが犇く最深部に到着できるかもね。
「あっ、ダンさんっ。リーチェさんっ。早かったですねーっ」
みんなの反応を追って転移すると、持ち前のエロセンサーでいち早く俺に気付いたムーリが嬉しそうに抱き付いてくる。
思わずおっぱいに手を伸ばし、むにゅむにゅとリュートとムーリの感触の違いを堪能してしまう。
「お疲れムーリ。でも早かったかな? エルフェリアで4時間以上は過ごしたと思うんだけど」
「今日はリーチェさんと2人っきりでしたからねー。リーチェさんの意識を飛ばして、失神したリーチェさんを貪って、日没くらいまでは現れないかと思ってましたーっ」
「あははっ。そうしたいのは山々だったんだけどさぁ。やっぱり母親としては娘を待たせたくないじゃないかっ」
「ふふーっ。分かりますよリーチェさんっ。子供のために急いで帰ってきちゃったんですねっ」
おおう。我が家の巨乳担当の2人が、俺を挟んで声もおっぱいも弾ませているよぅ。
ああ、このままここで2人を押し倒して、すっかり硬くなったエロ乳首を散々イジメ倒してやりたい……!
だけど妻が娘を待たせたくないと言うのなら、俺も夫として可愛い奥さんを解放してあげないといけないな。
チュッとキスしてリュートを送り出し、ムーリを後ろから抱きしめてリュートの背中を見守る。
俺から解放されたリュートは、その手に美しい翠が眩しい世界樹の護りを取り出し、アウラのほうに向き直った。
「お待たせアウラ。すこーし時間がかかっちゃったけど、姉さんとぼくの2人分の願いを込めて、君に世界樹の護りを贈らせてもらうねっ」
笑顔でアウラの右手を取って、その手首に美しい翠の腕輪を装着させるリュート。
ドワーフ族らしい黒い肌をしているアウラに、世界樹の護りの鮮やかな翠がよく映える。
「さぁ最後の仕上げだよアウラ。君の精霊魔法を世界樹の護りに伝えてみてくれるかな?」
「せ、精霊魔法は使い慣れてないんだけと……。こ、こうかなぁ……?」
手馴れた様子のリュートと違って、たどたどしく精霊魔法を発動するアウラ。
恐る恐る精霊魔法を発動するアウラを微笑ましく見守るリュート。
うん、永遠に見ていられる光景だなっ。
アウラの精霊魔法が発動すると、世界樹の護りがうっすらと翠の光を放ったのが見て取れた。
「……うん。これで完成だよ。世界に1つだけのアウラの腕輪、大切にしてくれたら嬉しいよ」
「ありがとうリーチェママ! ……ううん、ありがとうリュートっ! すっごく嬉しい! こんなの大切にするに決まってるってばぁっ!」
はしゃいだ様子でリュートに抱きつくアウラと、抱きついたアウラに優しく微笑むリュート。
その2人の様子は、何処からどう見ても母と娘にしか見えなかった。
ムーリを解放した俺はそんな2人に歩み寄り、抱きあう2人を一緒に抱きしめる。
「お疲れリュート。おめでとうアウラ。世界樹の護り、とっても似合ってるよ」
「えへへー。綺麗だよねっ。まるでリュートの瞳みたいに綺麗な翠色だよぉっ」
「ふふ。ダンの言う通りとーっても似合ってるよアウラ。その腕輪は君の半身として、生涯アウラと寄り添ってくれるからねー」
己の半身として、悠久の時を生きるエルフと寄り添う世界樹の護りか。
ネフネリさんに盗まれた時、リーチェが俺なんかにすら縋ってくるほどに大切にしているアクセサリー。
……あーもうっ!
俺の娘も俺の妻も、2人とも最高に可愛いよぉ。ぎゅーっ。
「さてと。今日の探索はここまででいいかな? みんなの浸透も終わってるみたいだしさ」
笑顔の2人の頬にキスをして、まずは職業設定を済ませてしまう。
今日の探索でムーリとアウラは飛脚を、ラトリアとエマはそれぞれ武器職人を浸透させた。
ターニアの魔導師だけがちょっと不安だったけど、どうやら5人とも無事に職業浸透が完了してくれたようだ。
次の職業はラトリアとエマが順当に防具職人に、アウラが冒険者を選択した。
アウラが1人で行動することはありえないけれど、まずは何があってもいいようにアナザーポータルの習得を目指す事にしたのだ。
探索者になれれば魔力補正も付いてくるしね。
冒険者 最大LV50
補正 体力上昇 持久力上昇 敏捷性上昇-
スキル インベントリ ポータル
防具職人 最大LV50
補正 持久力上昇 身体操作性上昇 五感上昇
スキル 防具鑑定 防具作成 インベントリ
そして意外だったのが、ムーリとターニアの選択だった。
「え? 2人とも職人になるの? 別に構わないけどちょっと意外だなぁ?」
「ふふ。ラトリアさんたちも職人を上げていますし、せっかくなら合わせようかなって。それに職人を浸透させると、とーっても気持ちよくさせてもらえるみたいですしっ?」
「戦闘能力的にもちょうど良さそうだからねー。敏捷補正が沢山累積した今、私たちに足りないのは五感と身体操作性の補正だと思うからさー」
うむっ。エロ方面でも実戦面においても完璧なチョイスという事か!
素晴らしい選択をしたみんなには、たっぷり期待に応えてあげなきゃいけないなっ。
職人 最大LV30
補正 身体操作性上昇-
スキル 五感上昇-
みんなの職業設定を一気に済ませる。
……ヤバいなぁっ! 職業設定で垣間見る五感補正の多さに、胸と股間が膨らんじゃうよぉっ!
だけどごめんなエロムーリ。心の底から残念だけど、今日はお前を愛してあげられないんだ。
今日だけは絶対に譲れない先約があるからね。
エルフェリア精霊国に新たなアウターを発生させたい。
その為にレリックアイテム整合の魔器を研究し、アウター発生用のマジックアイテムを開発することをライオネルさんに提案する。
俺としては達成できる見込みは充分にある目標だと思っているんだけど、レリックアイテムを研究する事に対して懐疑的な様子のライオネルさん。
無理も無い反応だけど、この反応は実績を持ってひっくり返していくしかないね。
「ま、あまり難しく考えないでよ。エルフたちの手を煩わせるつもりは、少なくとも今のところ無いからさ」
「……え? そ、そうなのかい……」
混乱と戸惑いに顔を顰めていたライオネルさんだったけれど、エルフに手伝わせるつもりは無いと聞いてホッとしたような表情を浮かべている。
そして幾分か落ち着きを取り戻した様子で、恐る恐る問いかけてくる。
「……でも、それならいったいどういうことかな? エルフに手伝わせる気が無いのなら、どうして私にこんな話を……」
「エルフェリア精霊国にアウターを作り出そうって話だから、エルフに無断で行なうわけにはいかないでしょ。ライオネルさんに話したのは、場所の提供をお願いしたかったからだよ」
「ば、場所の提供くらいなら構わないけど……。300人にも満たないエルフ族に、エルフェリアの地はあまりにも広すぎるからね……」
300人にも満たないエルフ族。
そう語るライオネルさんは、やっぱり少し寂しそうだ。
エルフェリアが最も大変な時にエルフの長を務めたライオネルさんには、是非とも繁栄したエルフェリア精霊国をお見せしたいところだね。
「さっきも言ったけど、エルフェリア精霊国にあったアウターを消滅させちゃったのは俺達だからさ。せめてもの罪滅ぼしだとでも思ってくれればいいよ」
「罪滅ぼしって……! ダンさん達がいなければ、確実に世界は呪いに沈んで……!」
「あーっとストップストップ! この言い方じゃ駄目かぁ……」
食って掛かってきそうだったライオネルさんを強引に制止する。
世界がどうとかって言い出したらキリが無いんだよな。攻め口を変えてみるかぁ。
「それじゃ罪滅ぼしじゃなくて、俺達の実験に協力して欲しいんだよ。俺がアウター作りを試してみたいから、それを試す場所を提供してくれない?」
「いやだから、場所ならいくらでも提供するよっ? だけどエルフ族を救ってくれたダンさん達に、これ以上負担をおかけするわけには……」
「ライオネルさん。アウター作りはエルフェリア精霊国のためだけに行なうわけじゃないんだ。将来的に世界中に必要になる技術だと思うから研究しようとしてるんだよ」
「はぁ? 世界中にアウターを作る必要なんて、いったい何処に……」
「これからこの国はどんどん人口が増えていき、人々の生活圏も拡大していくと思う。ひょっとしたら国の数も増えるかもしれない。そうなった時にアウターを作り出す技術を見つけておかないと、後々大変な事になると思ってるんだよ」
既にマグエルやヴァルハールでは空前のベビーブームが始まろうとしている。
その上職業浸透の知識が広まって親世代の生存率もぐっと上がり、人知れず国を蝕んでいた組織レガリアも壊滅済みだ。
これからは今までが嘘だったかのように、爆発的に人口が伸びて行くことが考えられる。
そうすると必ず、どこかのタイミングでアウターが足りなくなってくると思うんだよなぁ。
「ま、待ってくれ……! 今よりも人口が増えたとしても、アウターの数が足りなくなるとはどういうことかなっ……? アウターの魔力が尽きて、ドロップアイテムが得られなくなるとでも……!?」
「いや、迷宮が枯れる心配はしてないよ。もしかしたらこの世界の魔力量が足りなくなってそういった事態が起きる可能性はあるけど、今のところそんな兆候は見られないからね」
この世界の魔力は聖域の樹海とか、幾つかの要素でバランスを保たれてると思うんだよね。
もしかしたら魔物たちの存在も、この世界の魔力バランスを調整しているのかもしれないし。
「で、では……。ドロップアイテムの回収が間に合わなくなるってことかい? 増えすぎた人口によって消費が拡大しすぎて、アウターからの資源回収が追いつかなくなる……?」
「違う。1つのアウターで一定数以上の魔物狩りが同時に活動する事を懸念しているんだ。短期間で魔物を狩り過ぎると、アウターフェクトやイントルーダーを呼び寄せてしまうからね」
「あっ……! そ、そうか……!」
魔物察知が無ければ、建国の英雄リーチェ擁するうちのパーティですらアウターエフェクトと遭遇することは出来なかった。
けれど、察知スキルを習得していなかったノーリッテが数多のアウターエフェクトを討伐出来ていたことから、圧倒的な物量を持って察知スキルの不足分を補うことは恐らく可能なのだ。
「アウターエフェクトならまだしも、もしもイントルーダーなどに出てこられては、せっかく繁栄し始めた人類が壊滅させられかねない……! だからアウターの数を増やして人を分散させようと……!」
「そう。エルフェリアを襲ったメナスも複数のイントルーダーを従えていたからね。中堅どころの魔物狩りが間違えてイントルーダーを召喚してしまったら目も当てられないでしょ。だから対策をしておこうってね」
今の人口と戦闘力水準では、万が一にもそんなことが起きる心配は無いはずだ。
けれど職業浸透が進み、魔物狩りの数も何倍にも膨れ上がったいつかの未来に、アウターエフェクトさえ狩れない魔物狩りの集団が、誤ってイントルーダーを呼び寄せたりしてしまうかもしれない。
だから自然に人を分散させるために、魔物狩りが活動できるアウターの数を増やす必要性があるんだよ。
「勿論俺の考えすぎかもしれないし、もしこんな事態が起こったとしても、その時には俺はとっくに寿命を迎えた後だとは思うけどね。でも想定しちゃったからさ、備えておきたいんだ」
「……なるほど。説明されれば確かに想定しておくべき事態のように思えるよ。ならエルフ族としても協力しないわけにはいかないね」
表情を引き締めて、エルフェリア精霊国に新たなアウターを生み出す事を了承してくれるライオネルさん。
元々はエルフェリアの国力を維持するための話だったのに、随分説得に梃子摺ってしまったよぉ。
「我々エルフは何をしたらいい? 何か協力できることは無いのかな?」
「まずはレリックアイテムの研究から始めなきゃだからね……。ライオネルさんにはアウターが発生してもいい場所……またはアウターを作り出したい場所の選定をお願いしたいかな」
「狙った場所にアウターを生み出すなんて、まるで神の所業のようだね……。だが了解だ。アウターが出て欲しい場所はいくつか検討しておくよ」
ごめんライオネルさん。神とか言うのやめてくれない?
ただでさえ祝福の神トライラム様と同じことしてるとか言われてるんですよー。
ただでさえ魔人族に信仰されてるんですよー。
ほんとにもう勘弁して欲しいんですよー。
現時点で希望の場所がないか聞いてみると、出来ればライオネルさんは世界樹と宿り木の根があった場所、つまりノーリッテを打ち破った爆心地に新たなアウターを設けたいようだ。
あそこは爆心地なので当然周囲には何も無く、巨大なクレーターが広がるのみなんだよね~。
だけど整合の魔器を再現できれば森を生み出すことも可能かもしれないからな。
ライオネルさんの希望通り、あの場所にアウターを設置するのもアリだろう。
その後はエルフェリア精霊国の現状や中継都市の緑地化活動の進捗などを聞きながら、リュートが来るのをゆっくりと待った。
「それじゃサークルストラクチャーを渡しておくね。管理の説明は必要ないでしょ?」
「ああ大丈夫だ。早速中継都市に各種魔法士の転職魔法陣を設置させてもらうよ」
「お願いね。将来的には魔導師の転職魔法陣まで……って、どうやら終わったみたいかな?」
ライオネルさんと2人で数時間会話していると、リュートの気配がこちらに向かってくるのが感じられた。
えっと、アウラの髪を渡してから4時間くらい経過したのかな?
意外と男同士でも、仕事の話なら延々と続けられるもんだなー。
「お待たせダーンっ! 無事に完成したよーっ!」
おっぱいをぶるんぶるん弾けさせて駆け寄ってきたリュートは、椅子に座る俺の膝の上に横座りになって抱きついてきた。
膝の上に乗ったお尻の感触も、押し付けられているおっぱいの感触も最高すぎるぅ。ぎゅーっ。
「お疲れ様。だけど手ぶらなんだね? 俺には見せてくれないの?」
「あはっ。ごめんね、いくらダンにでも見せるわけにはいかないんだーっ。まずはアウラに見てもらいたいからさっ」
「了解、謝らなくて大丈夫だよー。アウラに贈られたあとでゆっくり見させてもらうねー」
ニコニコと謝罪の言葉を口にするリュートを抱きしめて、労いとお祝いのよしよしなでなでだ。
でもリュートも早くアウラに世界樹の護りを贈ってあげたいだろうし、そろそろお暇しようかな。
リュートをお姫様抱っこしたまま立ち上がり、ライオネルさんに挨拶をしてエルフェリア精霊国を後にした。
リュートを抱っこしたままパールソバータに転移したけれど、当然みんなの反応は無い。ちゃんと奈落に向かったようだ。
これでもかって注ぎ込んじゃったから、アウラもぐったりしちゃったんだよね。回復してよかった。
どの口が言ってんだって話ですけど?
「それじゃみんなと合流しに奈落に向かおう、と言いたいところなんだけど、リュートに1つお願いしていいかな?」
「んー? なぁにダン?」
奈落に向かう前にリュートと1つの約束を交わす。
そして約束を誓い合うように少しだけ唇を重ねたあと、みんなを追って奈落に向かった。
「うお、何気に凄いな。数時間で3階層まで行ってるのかぁ」
「ぼく達の時はフロア全てを虱潰しに調査してたんだっけ。最短距離で突き進めばこんなに早く進めるんだねー」
傾国の姫君と双竜の顎の混合パーティの進軍の早さに、リュートと一緒に思わず感心してしまった。
この調子なら明日にでも、アウターエフェクトモドキが犇く最深部に到着できるかもね。
「あっ、ダンさんっ。リーチェさんっ。早かったですねーっ」
みんなの反応を追って転移すると、持ち前のエロセンサーでいち早く俺に気付いたムーリが嬉しそうに抱き付いてくる。
思わずおっぱいに手を伸ばし、むにゅむにゅとリュートとムーリの感触の違いを堪能してしまう。
「お疲れムーリ。でも早かったかな? エルフェリアで4時間以上は過ごしたと思うんだけど」
「今日はリーチェさんと2人っきりでしたからねー。リーチェさんの意識を飛ばして、失神したリーチェさんを貪って、日没くらいまでは現れないかと思ってましたーっ」
「あははっ。そうしたいのは山々だったんだけどさぁ。やっぱり母親としては娘を待たせたくないじゃないかっ」
「ふふーっ。分かりますよリーチェさんっ。子供のために急いで帰ってきちゃったんですねっ」
おおう。我が家の巨乳担当の2人が、俺を挟んで声もおっぱいも弾ませているよぅ。
ああ、このままここで2人を押し倒して、すっかり硬くなったエロ乳首を散々イジメ倒してやりたい……!
だけど妻が娘を待たせたくないと言うのなら、俺も夫として可愛い奥さんを解放してあげないといけないな。
チュッとキスしてリュートを送り出し、ムーリを後ろから抱きしめてリュートの背中を見守る。
俺から解放されたリュートは、その手に美しい翠が眩しい世界樹の護りを取り出し、アウラのほうに向き直った。
「お待たせアウラ。すこーし時間がかかっちゃったけど、姉さんとぼくの2人分の願いを込めて、君に世界樹の護りを贈らせてもらうねっ」
笑顔でアウラの右手を取って、その手首に美しい翠の腕輪を装着させるリュート。
ドワーフ族らしい黒い肌をしているアウラに、世界樹の護りの鮮やかな翠がよく映える。
「さぁ最後の仕上げだよアウラ。君の精霊魔法を世界樹の護りに伝えてみてくれるかな?」
「せ、精霊魔法は使い慣れてないんだけと……。こ、こうかなぁ……?」
手馴れた様子のリュートと違って、たどたどしく精霊魔法を発動するアウラ。
恐る恐る精霊魔法を発動するアウラを微笑ましく見守るリュート。
うん、永遠に見ていられる光景だなっ。
アウラの精霊魔法が発動すると、世界樹の護りがうっすらと翠の光を放ったのが見て取れた。
「……うん。これで完成だよ。世界に1つだけのアウラの腕輪、大切にしてくれたら嬉しいよ」
「ありがとうリーチェママ! ……ううん、ありがとうリュートっ! すっごく嬉しい! こんなの大切にするに決まってるってばぁっ!」
はしゃいだ様子でリュートに抱きつくアウラと、抱きついたアウラに優しく微笑むリュート。
その2人の様子は、何処からどう見ても母と娘にしか見えなかった。
ムーリを解放した俺はそんな2人に歩み寄り、抱きあう2人を一緒に抱きしめる。
「お疲れリュート。おめでとうアウラ。世界樹の護り、とっても似合ってるよ」
「えへへー。綺麗だよねっ。まるでリュートの瞳みたいに綺麗な翠色だよぉっ」
「ふふ。ダンの言う通りとーっても似合ってるよアウラ。その腕輪は君の半身として、生涯アウラと寄り添ってくれるからねー」
己の半身として、悠久の時を生きるエルフと寄り添う世界樹の護りか。
ネフネリさんに盗まれた時、リーチェが俺なんかにすら縋ってくるほどに大切にしているアクセサリー。
……あーもうっ!
俺の娘も俺の妻も、2人とも最高に可愛いよぉ。ぎゅーっ。
「さてと。今日の探索はここまででいいかな? みんなの浸透も終わってるみたいだしさ」
笑顔の2人の頬にキスをして、まずは職業設定を済ませてしまう。
今日の探索でムーリとアウラは飛脚を、ラトリアとエマはそれぞれ武器職人を浸透させた。
ターニアの魔導師だけがちょっと不安だったけど、どうやら5人とも無事に職業浸透が完了してくれたようだ。
次の職業はラトリアとエマが順当に防具職人に、アウラが冒険者を選択した。
アウラが1人で行動することはありえないけれど、まずは何があってもいいようにアナザーポータルの習得を目指す事にしたのだ。
探索者になれれば魔力補正も付いてくるしね。
冒険者 最大LV50
補正 体力上昇 持久力上昇 敏捷性上昇-
スキル インベントリ ポータル
防具職人 最大LV50
補正 持久力上昇 身体操作性上昇 五感上昇
スキル 防具鑑定 防具作成 インベントリ
そして意外だったのが、ムーリとターニアの選択だった。
「え? 2人とも職人になるの? 別に構わないけどちょっと意外だなぁ?」
「ふふ。ラトリアさんたちも職人を上げていますし、せっかくなら合わせようかなって。それに職人を浸透させると、とーっても気持ちよくさせてもらえるみたいですしっ?」
「戦闘能力的にもちょうど良さそうだからねー。敏捷補正が沢山累積した今、私たちに足りないのは五感と身体操作性の補正だと思うからさー」
うむっ。エロ方面でも実戦面においても完璧なチョイスという事か!
素晴らしい選択をしたみんなには、たっぷり期待に応えてあげなきゃいけないなっ。
職人 最大LV30
補正 身体操作性上昇-
スキル 五感上昇-
みんなの職業設定を一気に済ませる。
……ヤバいなぁっ! 職業設定で垣間見る五感補正の多さに、胸と股間が膨らんじゃうよぉっ!
だけどごめんなエロムーリ。心の底から残念だけど、今日はお前を愛してあげられないんだ。
今日だけは絶対に譲れない先約があるからね。
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彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
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