5 / 8
5話
商人が王都へ戻ってから、十日が過ぎようとしていた。
辺境の十日は、王都の十日より長く感じる。
一日の中に“やるべきこと”が詰まっているからだ。水路の補修。配給所の掲示板の更新。倉庫の鍵の管理。記録係の交代の確認。
それでも私は、ふとした瞬間に耳を澄ませてしまう。馬の蹄の音が近づいていないか。門の外で誰かが名を呼んでいないか。
待つのは得意ではない。私はいつも、待つ時間さえ手順に変えてきた。
十日目の午後。砂を含んだ風が少し弱まり、空に薄い雲が流れていた。雲があるだけで、町の人々の視線が上を向く。
雨が降るかもしれない、という希望は、こんなにも簡単に人の呼吸を軽くするのだと私は知った。
そのとき、門番の声が役所の廊下に走ってきた。
「王都から使者です!」
私は手にしていた帳簿を閉じた。閉じる音は小さかったはずなのに、部屋の中ではよく響いた。
私は立ち上がり、外套を羽織る。心臓が早くなるのを、自分でも感じた。
“戻れ”という言葉を聞く準備はできていた。
けれど、聞く瞬間の痛みまで、準備できるわけではない。
役所の前庭に出ると、三頭の馬が並んでいた。馬は汗ばんで湯気を発していた。旅程を急いだのだろう。
その中央に、王都の紋章を刻んだ筒を抱えた男が立っている。鎧は磨かれ、外套は新しい。辺境の砂が、彼にはまだ馴染んでいない。
男は私を見ると、杖のように背筋を伸ばした。
「レティシア・アルヴェーン殿」
呼び方が、ぎこちない。
殿下の婚約者だった私を、どう呼べばいいのか。
“罪人”と呼ぶ勇気も、“貴婦人”のように呼ぶ資格も、彼の中で決まっていない。
その曖昧さが、王都の今を表している気がした。
「はい。私です」
私は丁寧に返した。丁寧に返すとき、自分が硬い人間だと笑いたくなる。
でも、その硬さは今、私を守る壁になる。柔らかさは、彼らの都合で形を変えられてしまうから。
使者は筒を差し出した。
封蝋には王太子の印が押されている。赤い蝋は、夜の舞踏会の床の光を思い出させた。
私は受け取らず、筒の口を見ただけで言った。
「口頭で構いません。要件を」
使者が一瞬だけ目を瞬かせた。
形式より内容。王都の人間にとってそれは、少しだけ怖い。
「……王都が混乱しております。干ばつの影響が広がり、基金の運用に不備が生じ、市場の取引も停滞し……」
彼は用意してきただろう言葉を並べた。
丁寧な言葉。責任を曖昧にする言葉。
私は最後まで聞いた。その上で、静かに訊く。
「それで、殿下は何と」
使者は咳払いをした。
そして、ここが本題だと言わんばかりに声を整えた。
「王太子殿下は、あなたに王都へ戻るよう命じられます。国政補佐として、財務院に復帰し――」
命じる。
その言葉を聞いた瞬間、胸の奥で何かが硬く鳴った。
怒りが湧いたのではない。
“なるほど、変わっていない”という確認が、冷たい音になって心に響く。
私は一歩だけ、使者の方へ近づいた。距離を詰めると、彼はわずかに身を引いた。
王都の紋章がついた筒が、彼の腕の中で小さく揺れる。
「命令ですか」
私は問い返した。
少し棘のある態度になってしまったと、言い終わってから気づく。
もしかしたら、私は自分が怒っていないと思いたいだけなのかもしれない。
使者は目を逸らし、言葉を選んだ。
「……殿下のご意思です」
ご意思。
命令を柔らかく包んだ言葉。
私はその包み紙ごと、その場に広げるように言った。
「承知しました。では、私の意思もお伝えください」
使者が息を呑む。
王都では、意思を持つのは殿下で、他は従うものだ。
でも私はもう、従う立場ではない。
ここで従えば、また同じことになる。
私は外套の内側から、薄い紙束を取り出した。辺境の役所で書き直した、簡潔な条文だ。
紙の質はそれほど良くないけれど、その内容に貴賤はない。
「私は王都へ向かいます。ただし、条件があります」
使者の喉が鳴った。
風が砂を転がし、庭の隅で小さな音がした。
その音だけが、広い空の下で不思議なほど大きく感じられる。
「第一に、公開監査です」
私は一つ目の条件を、ゆっくり置いた。
「干ばつ救済基金の収支。支出命令の決裁者。用途変更の履歴。これらを、記録水晶を用いて公の場で示します。私は“裏で説明”はしません。隠せる余地を残すからです」
使者は顔色を変えた。
公開。公の場。
それは、王都の貴族が最も嫌う言葉だ。
密室なら、物語で勝てる。でも公開なら、記録が勝つ。
「第二に、聖女セシルの功績の検証です」
私は二つ目を置く。
ここで声色を変えないように努めた。セシルへの嫌悪が混ざれば、ただの私怨と思われるかもしれないからだ。
実際、今の私の怒りは“個人”ではなく“仕組み”に向いている。
「祈りを否定しません。ですが、祈りによって集めた寄付の行き先は記録で示していただきます。水と食糧に変えたなら、その契約書と支払いを。変えていないなら、理由を」
使者は口を開けたまま、言葉を探した。
言葉が出てこないのは当然だ。
彼は“祈り”と“帳簿”を同じ机に載せたことがないのだろう。
「第三に、辺境支援の長期契約です」
私は最後を置いた。
「私はここで水路を作り、配給を整え始めました。王都が私を呼び戻すなら、その穴を塞がなければなりません。支援は一時金ではなく、月ごとの固定予算として契約に落とします。治水、備蓄、輸送。担当部署と決裁者も明記してください」
最後の一言は、少しだけ硬くなった。
「責任の所在が溶ける書類は、もう作りません」
使者は、唇を震わせた。
彼の背後では、役所の者たちが遠巻きにこちらを見ている。
見ているのは野次馬の好奇心ではない。
“自分たちの明日”が、この会話にかかっていると分かっている目だ。
使者は、恐る恐る言った。
「……殿下が、そのような条件をお飲みになると……?」
私は、笑わなかった。
勝ち誇った顔もしない。
それは上品さのためではない。
ここで笑えば、私は彼らにとって“敵”になるかもしれない。敵になれば、また物語で処理される。
「飲みます」
私は静かに断言した。
「飲まなければ、崩れます。殿下が理解していなくても、周りが理解します。支払いが止まれば、軍も商会も黙りませんから」
使者は背筋を固くした。
脅しだと思ったのだろう。
でもこれは脅しではない。現実だ。
私は紙束を差し出した。
「この条文を持ち帰り、殿下の印を得てください。印が得られ次第、私は王都へ向かいます」
使者は紙を受け取った。指先が少し震えている。
震えているのは恐れだけではない。
彼の中で、王都の“常識”が音を立てて崩れているのかもしれない。
「……分かりました。すぐに王都へ戻り、伝えます」
使者は深く頭を下げた。
さっきのぎこちない呼び方より、今の礼の方がずっと正しい形に見えた。
礼は政治の道具だ。
それでも、礼の角度には真実が混じる。
馬が向きを変え、砂を蹴って走り出す。蹄の音が遠ざかっていく。
私はその音が消えるまで、庭に立っていた。
風が外套の裾を揺らす。
雲が薄く流れ、日が陰る。
私は空を見上げた。
雨は、いつ降るだろう。
私は雨を約束できない。
でも、支援の契約なら約束できる。
――私は王都へ戻る。
けれど、あの舞踏会の光の中へ、黙って戻るのではない。
私は戻る条件を、紙に落とした。
紙は嘘をつかない。嘘をつくのは人だ。
だから私は、嘘がつけない形にする。
役所の玄関へ戻る途中、グレン領主が立っていた。いつからそこにいたのか分からない。
彼は私の顔を見て、短く言った。
「行くのか」
「はい。ただし、条件付きで」
私が答えると、彼は頷いた。
止めない。励ましもしない。
ただ、現実の人間らしく、必要な言葉だけを渡す。
「ここは守る。君が整えた仕組みは、私が潰させない」
胸の奥に、熱が生まれた。
この熱に恋の甘さが含まれるかどうかは、今の私にはわからない。
ただ確実に言えることは、この人が信頼できるということ。
「ありがとうございます」
私は礼をした。
そして、部屋に戻り、机の上に記録水晶を置いた。
冷たい水晶の表面に、午後の光が乗る。
その光は、舞踏会の嘘の魔法とは違う。
逃げ場をなくすための光だ。
私は指先で水晶に触れ、心の中で短く言った。
――今度は、私が“物語”を終わらせる。
記録で。
責任で。
そして、誠実に。
辺境の十日は、王都の十日より長く感じる。
一日の中に“やるべきこと”が詰まっているからだ。水路の補修。配給所の掲示板の更新。倉庫の鍵の管理。記録係の交代の確認。
それでも私は、ふとした瞬間に耳を澄ませてしまう。馬の蹄の音が近づいていないか。門の外で誰かが名を呼んでいないか。
待つのは得意ではない。私はいつも、待つ時間さえ手順に変えてきた。
十日目の午後。砂を含んだ風が少し弱まり、空に薄い雲が流れていた。雲があるだけで、町の人々の視線が上を向く。
雨が降るかもしれない、という希望は、こんなにも簡単に人の呼吸を軽くするのだと私は知った。
そのとき、門番の声が役所の廊下に走ってきた。
「王都から使者です!」
私は手にしていた帳簿を閉じた。閉じる音は小さかったはずなのに、部屋の中ではよく響いた。
私は立ち上がり、外套を羽織る。心臓が早くなるのを、自分でも感じた。
“戻れ”という言葉を聞く準備はできていた。
けれど、聞く瞬間の痛みまで、準備できるわけではない。
役所の前庭に出ると、三頭の馬が並んでいた。馬は汗ばんで湯気を発していた。旅程を急いだのだろう。
その中央に、王都の紋章を刻んだ筒を抱えた男が立っている。鎧は磨かれ、外套は新しい。辺境の砂が、彼にはまだ馴染んでいない。
男は私を見ると、杖のように背筋を伸ばした。
「レティシア・アルヴェーン殿」
呼び方が、ぎこちない。
殿下の婚約者だった私を、どう呼べばいいのか。
“罪人”と呼ぶ勇気も、“貴婦人”のように呼ぶ資格も、彼の中で決まっていない。
その曖昧さが、王都の今を表している気がした。
「はい。私です」
私は丁寧に返した。丁寧に返すとき、自分が硬い人間だと笑いたくなる。
でも、その硬さは今、私を守る壁になる。柔らかさは、彼らの都合で形を変えられてしまうから。
使者は筒を差し出した。
封蝋には王太子の印が押されている。赤い蝋は、夜の舞踏会の床の光を思い出させた。
私は受け取らず、筒の口を見ただけで言った。
「口頭で構いません。要件を」
使者が一瞬だけ目を瞬かせた。
形式より内容。王都の人間にとってそれは、少しだけ怖い。
「……王都が混乱しております。干ばつの影響が広がり、基金の運用に不備が生じ、市場の取引も停滞し……」
彼は用意してきただろう言葉を並べた。
丁寧な言葉。責任を曖昧にする言葉。
私は最後まで聞いた。その上で、静かに訊く。
「それで、殿下は何と」
使者は咳払いをした。
そして、ここが本題だと言わんばかりに声を整えた。
「王太子殿下は、あなたに王都へ戻るよう命じられます。国政補佐として、財務院に復帰し――」
命じる。
その言葉を聞いた瞬間、胸の奥で何かが硬く鳴った。
怒りが湧いたのではない。
“なるほど、変わっていない”という確認が、冷たい音になって心に響く。
私は一歩だけ、使者の方へ近づいた。距離を詰めると、彼はわずかに身を引いた。
王都の紋章がついた筒が、彼の腕の中で小さく揺れる。
「命令ですか」
私は問い返した。
少し棘のある態度になってしまったと、言い終わってから気づく。
もしかしたら、私は自分が怒っていないと思いたいだけなのかもしれない。
使者は目を逸らし、言葉を選んだ。
「……殿下のご意思です」
ご意思。
命令を柔らかく包んだ言葉。
私はその包み紙ごと、その場に広げるように言った。
「承知しました。では、私の意思もお伝えください」
使者が息を呑む。
王都では、意思を持つのは殿下で、他は従うものだ。
でも私はもう、従う立場ではない。
ここで従えば、また同じことになる。
私は外套の内側から、薄い紙束を取り出した。辺境の役所で書き直した、簡潔な条文だ。
紙の質はそれほど良くないけれど、その内容に貴賤はない。
「私は王都へ向かいます。ただし、条件があります」
使者の喉が鳴った。
風が砂を転がし、庭の隅で小さな音がした。
その音だけが、広い空の下で不思議なほど大きく感じられる。
「第一に、公開監査です」
私は一つ目の条件を、ゆっくり置いた。
「干ばつ救済基金の収支。支出命令の決裁者。用途変更の履歴。これらを、記録水晶を用いて公の場で示します。私は“裏で説明”はしません。隠せる余地を残すからです」
使者は顔色を変えた。
公開。公の場。
それは、王都の貴族が最も嫌う言葉だ。
密室なら、物語で勝てる。でも公開なら、記録が勝つ。
「第二に、聖女セシルの功績の検証です」
私は二つ目を置く。
ここで声色を変えないように努めた。セシルへの嫌悪が混ざれば、ただの私怨と思われるかもしれないからだ。
実際、今の私の怒りは“個人”ではなく“仕組み”に向いている。
「祈りを否定しません。ですが、祈りによって集めた寄付の行き先は記録で示していただきます。水と食糧に変えたなら、その契約書と支払いを。変えていないなら、理由を」
使者は口を開けたまま、言葉を探した。
言葉が出てこないのは当然だ。
彼は“祈り”と“帳簿”を同じ机に載せたことがないのだろう。
「第三に、辺境支援の長期契約です」
私は最後を置いた。
「私はここで水路を作り、配給を整え始めました。王都が私を呼び戻すなら、その穴を塞がなければなりません。支援は一時金ではなく、月ごとの固定予算として契約に落とします。治水、備蓄、輸送。担当部署と決裁者も明記してください」
最後の一言は、少しだけ硬くなった。
「責任の所在が溶ける書類は、もう作りません」
使者は、唇を震わせた。
彼の背後では、役所の者たちが遠巻きにこちらを見ている。
見ているのは野次馬の好奇心ではない。
“自分たちの明日”が、この会話にかかっていると分かっている目だ。
使者は、恐る恐る言った。
「……殿下が、そのような条件をお飲みになると……?」
私は、笑わなかった。
勝ち誇った顔もしない。
それは上品さのためではない。
ここで笑えば、私は彼らにとって“敵”になるかもしれない。敵になれば、また物語で処理される。
「飲みます」
私は静かに断言した。
「飲まなければ、崩れます。殿下が理解していなくても、周りが理解します。支払いが止まれば、軍も商会も黙りませんから」
使者は背筋を固くした。
脅しだと思ったのだろう。
でもこれは脅しではない。現実だ。
私は紙束を差し出した。
「この条文を持ち帰り、殿下の印を得てください。印が得られ次第、私は王都へ向かいます」
使者は紙を受け取った。指先が少し震えている。
震えているのは恐れだけではない。
彼の中で、王都の“常識”が音を立てて崩れているのかもしれない。
「……分かりました。すぐに王都へ戻り、伝えます」
使者は深く頭を下げた。
さっきのぎこちない呼び方より、今の礼の方がずっと正しい形に見えた。
礼は政治の道具だ。
それでも、礼の角度には真実が混じる。
馬が向きを変え、砂を蹴って走り出す。蹄の音が遠ざかっていく。
私はその音が消えるまで、庭に立っていた。
風が外套の裾を揺らす。
雲が薄く流れ、日が陰る。
私は空を見上げた。
雨は、いつ降るだろう。
私は雨を約束できない。
でも、支援の契約なら約束できる。
――私は王都へ戻る。
けれど、あの舞踏会の光の中へ、黙って戻るのではない。
私は戻る条件を、紙に落とした。
紙は嘘をつかない。嘘をつくのは人だ。
だから私は、嘘がつけない形にする。
役所の玄関へ戻る途中、グレン領主が立っていた。いつからそこにいたのか分からない。
彼は私の顔を見て、短く言った。
「行くのか」
「はい。ただし、条件付きで」
私が答えると、彼は頷いた。
止めない。励ましもしない。
ただ、現実の人間らしく、必要な言葉だけを渡す。
「ここは守る。君が整えた仕組みは、私が潰させない」
胸の奥に、熱が生まれた。
この熱に恋の甘さが含まれるかどうかは、今の私にはわからない。
ただ確実に言えることは、この人が信頼できるということ。
「ありがとうございます」
私は礼をした。
そして、部屋に戻り、机の上に記録水晶を置いた。
冷たい水晶の表面に、午後の光が乗る。
その光は、舞踏会の嘘の魔法とは違う。
逃げ場をなくすための光だ。
私は指先で水晶に触れ、心の中で短く言った。
――今度は、私が“物語”を終わらせる。
記録で。
責任で。
そして、誠実に。
あなたにおすすめの小説
愛人を連れて帰ってきた翌朝、名前すら呼ばれなかった私のもとに王太子殿下が迎えに来ました 〜三年間冷遇された妻、今は毎日名前を呼ばれています〜
まさき
恋愛
侯爵家に嫁いで三年。
夫に名前を呼ばれたことは、一度もなかった。
社交の場ではただ隣に立つだけ。
屋敷では「妻」としてすら扱われない。
それでも、いつかは振り向いてもらえると信じていた。
――けれど、その期待はあっさりと壊れる。
夫が愛人を伴って帰宅した、その翌朝。
私は離縁状を残し、静かに屋敷を出た。
引き止める者は、誰もいない。
これで、すべて終わったはずだった――
けれどその日、私のもとに現れたのは王太子殿下。
「やっと手放してくれたか。三年も待たされました」
幼い頃から、ただ一人。
私の名前を呼び続けてくれた人。
「――アリシア」
その一言で、凍りついていた心がほどけていく。
一方、私を軽んじ続けた元夫は、
“失ってはいけないもの”を手放したことに、まだ気づいていない。
これは、三年間名前を呼ばれなかった私――アリシアが、
本当の居場所と愛を取り戻す物語。
学園では婚約者に冷遇されていますが、有能なので全く気になりません。〜学園でお山の大将されてても、王宮では私の方が有能ですから〜
織り子
恋愛
王都カラディナにある国立魔術学園では、満十六歳の生徒たちの社交界デビューを兼ねた盛大なパーティーが開かれていた。
侯爵令嬢タレイア・オルトランは、婚約者である第二王子アスラン・オグセリアの迎えを待つも、結局ひとりで会場へ向かうことになる。
学園では身分の差がないとはいえ、アスランが公然とタレイアを侮辱し続けてきたことで、彼女は生徒たちから冷笑と蔑視の的となっていた。しかしタレイアは、王城で政務を担ってきた聡明さと矜持を失わず、毅然と振る舞う。
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
「お姉様の味方なんて誰もいないのよ」とよく言われますが、どうやらそうでもなさそうです
越智屋ノマ
恋愛
王太子ダンテに盛大な誕生日の席で婚約破棄を宣言された侯爵令嬢イヴ。
彼の隣には、妹ラーラの姿――。
幼い頃から家族に疎まれながらも、王太子妃となるべく努力してきたイヴにとって、それは想定外の屈辱だった。
だがその瞬間、国王クラディウスが立ち上がる。
「ならば仕方あるまい。婚約破棄を認めよう。そして――」
その一声が、ダンテのすべてをひっくり返す。
※ふんわり設定。ハッピーエンドです。
【完結】私を捨てた国のその後を見守ってみた。
satomi
恋愛
侯爵令嬢のレナは公然の場でというか、卒業パーティーで王太子殿下イズライールに婚約破棄をされた挙句、王太子殿下は男爵令嬢のラーラと婚約を宣言。
殿下は陛下や王妃様がいないときを狙ったんでしょうね。
レナの父はアルロジラ王国の宰相です。実家にはレナの兄が4名いますがみんなそろいもそろって優秀。
長男は領地経営、次男は貿易商、3男は情報屋、4男は…オカマバー経営。
レナは殿下に愛想をつかして、アルロジラ王国の行く末を見守ろうと決意するのです。
次男監修により、国交の断絶しているエミューダ帝国にて。
その支払い、どこから出ていると思ってまして?
ばぅ
恋愛
「真実の愛を見つけた!婚約破棄だ!」と騒ぐ王太子。
でもその真実の愛の相手に贈ったドレスも宝石も、出所は全部うちの金なんですけど!?
国の財政の半分を支える公爵家の娘であるセレスティアに見限られた途端、
王家に課せられた融資は 即時全額返済へと切り替わる。
「愛で国は救えませんわ。
救えるのは――責任と実務能力です。」
金の力で国を支える公爵令嬢の、
爽快ザマァ逆転ストーリー!
⚫︎カクヨム、なろうにも投稿中
これまでは悉く妹に幸せを邪魔されていました。今後は違いますよ?
satomi
恋愛
ディラーノ侯爵家の義姉妹の姉・サマンサとユアノ。二人は同じ侯爵家のアーロン=ジェンキンスとの縁談に臨む。もともとはサマンサに来た縁談話だったのだが、姉のモノを悉く奪う義妹ユアノがお父様に「見合いの席に同席したい」と懇願し、何故かディラーノ家からは二人の娘が見合いの席に。
結果、ユアノがアーロンと婚約することになるのだが…
愚か者が自滅するのを、近くで見ていただけですから
越智屋ノマ
恋愛
宮中舞踏会の最中、侯爵令嬢ルクレツィアは王太子グレゴリオから一方的に婚約破棄を宣告される。新たな婚約者は、平民出身で才女と名高い女官ピア・スミス。
新たな時代の象徴を気取る王太子夫妻の華やかな振る舞いは、やがて国中の不満を集め、王家は静かに綻び始めていく。
一方、表舞台から退いたはずのルクレツィアは、親友である王女アリアンヌと再会する。――崩れゆく王家を前に、それぞれの役割を選び取った『親友』たちの結末は?