覇王セリスの後日談

あかみみ

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平和な世界

銀世界を乗り越えて

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 11月10日

 吐く息が真っ白になる程の寒さ、生き物が殆ど生きられない銀世界。
 聞こえてくるのは歩く度に雪を踏み固める音ばかり。

 セリスから借りたローブを目深に被り、効力によって寒さが和らいでいる。それでも指先が悴む感覚。

 そんな私の鼻に冷たい何かが当たり、空を見上げた。

「ケホ……また雪…………」

 昨日に続き今日も雪が降り始めた……
 これだけ雪が降り足を進められなくても腐る心配の無い物を積み込んでいた、それだけが唯一の救い。

 雪が降り積もってから一週間は建ちましたがろくに動けません。

 食料ももう殆ど無い。
 私はナイフを振り上げ、枯れ木へと振り下ろす。

 小動物すら居ないこの場所。
 食料があるうちに別の食べ物、食べられる虫を探し木を削っていく。
 ターニャやセリスはどうか分かりませんが、私は田舎育ちでイナゴを食べる事に抵抗がありませんし、こういうのは師匠に生きる術として教わっている。

「メリル!メリルー!」

 木を削っていると大声で私の名を呼ぶセリスの声が聞こえてきた。

「セリス……セリスーッ!!!ケホッ!ケホッケホ!!」

「メリル!」

 私は掠れた声で可能な限り大声で返す。
 咳き込み視界の歪む中で確かにセリスの姿を認識したと思った瞬間、転移魔法で私の目の前で一瞬で移動してきた。
 セリスは強く、けれど弱々しく私を抱きしめる。
 そして、弱っている私でも分かるほどにセリスは震えていた。

「メリル……メリルゥ………」

「………ケホ……はいはい、私はここにいますよ」

 私は抱き返すようにしてセリスの背中をポンポンと叩く。
 やっぱりセリスの魔力は暖かいな。
 側に居るだけで落ち着いてくる気がする。

「あぁ……メリル、怪我は無いかい?
 どこか痛んだり……本当に……無理はしないでくれ……座って待っていてくれと言ったろ……頼むから………」

 確かに私の種族は人より寒さに弱いですがセリスは過保護すぎだと思います。
 なので心配無用と、泣きそうな顔をしたセリスに私は笑顔で返す。

「ケホ……大丈夫ですよ。
 私、昔から運だけはすごく良いんです。
 食べ物だって探さないと……私だけ何もしないなんて………
 それに……ケホ……セリスは何日も食べてない……」

「私は魔法使いだから魔力で補えるって何度も言ってるでしょ?
 私の為を思うなら無理はしないでくれ……頼むよ……」

 昨日からセリスはこんな調子だ。
 いえ、今の様子は昨日よりずっと酷い。

 食料を探すから待っててと言い、セリスとターニャが別れたのを見届けた。
 その時の私の体調やセリスの様子から少しくらい探しても平気だろうと考えたけど、甘かったかな……
 たぶん、体力でなく精神に余計な負担を与えないようにしてくれて我慢してくれていた。

 けれど……私が居ない事に気付いて、こんなに震えている。

 私を失うのが怖くて。
 私を、心配してくれて。

「あの、ケホ……セリス、ごめんね、心配かけて。
 私、どれだけセリスに大切にされているか、ケホ、ちゃんと理解できてなかったみたい。
 ごめんね……確かに頼らない事はケホ……商人の誇りとして大切だと思う」

 以前セリスは国宝になり得る魔法薬であるエリクサーを私に飲ませようとしてきていたけれど、今はそれが無い。
 私は、あの時エリクサーというモノが私にとって値段の付けようの無い、私なんかに使って良いモノでないと半場ムキになっていた。

「でもその意地でケホ、ケホ……セリスを傷つけるなら止めようと思う………
 だからセリス……エリクサーをくれないかな?
 意地より……私は……ケホ……セリスといる事を選ぶよ」

 それを聞いたセリスは苦しそうな表情をした。
 私がその表情を見間違いだろうかと確認しようとした時、痛みが走る。

 ギリギリと音が鳴る程強く、セリスが私の肩が強く掴む。

「いっ……痛い……」

「っ!?すまない!」

 手を離し慌てた様子で距離を取る。
 そのセリスの頬からは大粒の涙が零れていて、そして、不安で、心配で仕方ないと魔力が私にそう訴えかけていた。

「……ごめんメリル。エリクサーは使えない。
 これはエリクサーに限った話じゃないのだけど、ある程度の悪い状態を迎え魔法薬を使用すると急激な回復により体への多大な負担がかかって逆に壊れてしまうんだよ。
 それでも使われるのは元々ソイツが強い力を持ち耐えられと分かっているからか、ほっといて死ぬよりは負担に耐えられる事に賭けた方が良いからの二つ。
 だから使うとしても今は使えない」

「そんなに……私は悪い状態なのですか?」

 うつ向いているセリスは私の言葉を聞き、ほんの僅かにだけれど確かに頷いた。

「ケホ……そっか、だからセリスはあんなにも飲むように言ってきてたんだ……」

「そう、もうそこまで行ったならある程度回復するのを待ってから飲ませないとメリルは死んでしまう」

「ケホ、ケホ……ねえセリス……私の自業自得だけど……セリスに頼ったら今の状況……どうにかなる?」

「……良いのかい?」

 ハッと顔を戻してくれたセリスはせっかくの美人が台無しと言いたくなる程で、ほら、うっすらと鼻水まで流れて……
 それでもやっぱりセリスは美人だなと思いながら手を伸ばし、セリスの涙を拭うけど何の抵抗もしてこない。

「うん……ケホ、私はまだ死にたくない。
 こんなにも私を思ってケホ、くれる人を残すなんてしたくない」

 またそうやって泣いてしまう。
 意外と泣き虫なセリスの首へ手を回し、抱き締めながらそう言った。

「……ありがとう」

 セリスも腕を回し、少し痛いくらい強く抱き締めてくるので頬擦りで返し、

「ケホ……と言うより、セリスもそう言う大事な事をケホ……聞かれるか言う必要が出るまで言わない癖直しましょうね」

 耳元でほんの少し嫌味を言ってやった。
 だってそれを知っていたらここまで無茶しなかったですって。
 セリスが居なかったら死んでいたのは確実だからそれは切り捨てるとしても、ちゃんと伝えてくれなきゃ分からない。
 私はセリスみたいに心理を見透かし嘘を見破るなんてできないから。

「……そうだね、分かった、今後は気を付ける。
 ターニャが向こうにいるから戻ろう、少し我慢して」

「あっ……」

 セリスが私の体を抱え飛行魔法を使い、フワリと浮遊感を感じる。

 同時に、私の事をとても大切にしてくれている事が、触れている肩、股を通じ、羽へと到達し、とても暖かい魔力が守ってくれていると実感させてくれる。

 セリスは凄い。
 本当に……本当に私なんかには勿体なさすぎるほど凄い友達です。

「ターニャ!目的地を変えるよ!
 もう限界だ!これ以上はいけない!」

 ターニャと会話するに不自由無い距離まで飛んだセリスがそう言いながら着地する。

「ヒレルの方向でも分かったのか?」

 私達は東にあるヒレルの町へ向かう途中で遭難してしまっています。
 今現在は東に向かえば良いのか、それとも西に向かえば良いのか全く不明な状態です。

「そんなの魔法使えば一瞬で分かる。
 けどメリルがこんな状況だから私の家に帰る方が良い。
 念のため目立たないよう木々の多い場所に移動しよう」

 セリスの家……確か空を飛ぶ……
 それくらいしか覚えてないけれど……

「セリスの家が近くにあるのか?」

「無いけど関係ない」

「……」

「ケホッケホ……セリスですから」

「そうだな、セリスだもんな」

 最近これが私とターニャ二人の共通認識です。

 私達の感覚では理解できないのですから身を委ねるしかありません。
 セリスに好きなように力を出して良いと言ったのですから尚更です。

 数分進んで葉っぱの無い、左右が坂になっている林道へ来ました。

 そこでセリスが取り出したのは銀色で純度の高そうな鉄の鍵。

 その鍵に魔力を付与すると水色じみのような妖しく小さな光りが溢れ出す。

 鍵を空の何も無い空間に差し込み、捻る。

 すると私達の頭上で一瞬だけ何かが光った気がした。
 しかし私には見上げられるだけの元気がありませんので残念ながら確認できませんでした。

「……流石に世界を越えて転移するだけあってかなり消耗している様子だけど問題なさそうだね。
 良かった……出てきてくれて本当に……良かった………」

「助かりますか……?」

「ん……絶対に助けるから、もう少しだけ我慢しておくれ」

 セリスはぎこちないながらも優しく微笑んでくれた。
 その笑顔に私は不安になった。

 なんで、そんな笑顔をするの?
 絶対無理してるよ。
 どうせするならいつもみたいに猫みたいな笑顔を見せてよ、不安になるから。

 けれど、それは言えない。
 そんな風に追い込んだのは私が原因。
 ちゃんと説明してくれなかったセリスにも原因はあるけど、元はと言えば私の安っぽい意地が招いた結果セリスをここまで苦しめた。

 セリスもだけど……私も素直じゃない………っ!?

「……え?なにこれ………」

 金色の魔力が体を覆ったと気が付いた次の瞬間。

 視界一杯に豊かな自然と広大な青空、そして年期の感じさせる巨大な建造物がある場所へと荷馬車ごと転移していました。

「ヒュ~……凄いなこれは」

「ようこそ私の家、天空城へ」

「……天空城?」

 遠くを見れば道が途中で途切れていて、その先の光景にあるのは、山の頂上が全て私達の場所より低い所にある不思議な光景。

「本当に空に………」

「さて、メリルを休ませたいしさっさと行くよ」

 セリスが荷馬車を進め、進行方向を見るとそこには立派な、立派すぎる巨大な城がありました。

 なんと言いますか、少なくともこの城は人種の大きさを想定して建てられたものではありません。
 もっと巨大な、言うならば巨人とかドラゴンでも住んでいるのかと思うほど巨大な扉や窓、とにかく何もかも巨大です。

「……デカすぎねーか?
 欠陥設計も良いところだな」

「この城は天使からジャックしてそのまま戦利品として貰っただけだから。
 私の為の設計じゃなくて破滅をもたらす大天使用の設計だよ」

 数分馬車に揺られ門が目の前に来ました。
 門は私の身長の20倍は軽くありそうですね。

 ターニャはその大きな門に気圧されているようですが、私はむしろこの場所はセリスの家だと断言され、周囲の魔力の色もセリスに似ているのもあってとても落ち着きます。

 そう、本当に落ち着いてしまいました。

「ケホ、ケホケホケホッ!!!」

 気が抜けた私は一気に疲れが出てきたのか咳が止まらない。
 息すらできなくなるほどに。

「メリル!」

 セリスが私を引き寄せ背中を撫でるとそこから魔法を使った気配が羽へ伝わってくる。
 暖かな感覚が全身へ広がり、呼吸できない程の咳が徐々に引いていき楽になっていきます。

「凄い……」

「気休め程度だけどこれで我慢できるかい?
 ごめんよ、私は回復魔法は苦手なんだ」

「いえ……ありがとうございます」

 暖かい……本当に暖かな魔力。

「……メリル?」

 私はセリスに寄りかかり、羽をセリスに擦り付ける。

「……そうしていた方が楽なのかい?」

「はい……とても暖かい………」

「なら少しそれで我慢しておくれ」

「はい…………」

 セリスのその暖かな魔力を直に感じながら、私はゆっくりと眠気に飲まれて眠ってしまいました。


 ・


 夢を見ている。

 夢の中の私はこれが夢だと理解できていた。

 夢の中で私はとても巨大な通路を進んでいた。
 現実と大きな違いを言うならば、馬ではなく自分の足で進んでいる事だろう。

 歩いていると私に影がかかり、ふと上を見上げてみる。

 そこにはとても美しい白の羽を持つ人達が飛んでいました。
 その人達は何か慌てた様子で飛び回り、立派な鎧を纏った一人が周囲に指示をしていた。

 しかし、横の壁が赤くなり、徐々に白く変色して盛り上がるという奇妙な光景を目の当たりにし、何が起きているのか理解するよりも早く巨大な爆発で吹き飛んだ。
 翼の人達はその黒い炎による爆発に飲み込まれて消えてしまう。

 その爆発を引き起こしたのは1人の女性。

『セリ……っ!?』

 今ではすっかり見慣れたセリスだ。
 しかし、似ているけど、私が今見ているセリスはとてもじゃないけどセリスと同一人物に見えず言葉を飲み込むしかできなかった。

 そのセリスはとても怖かった。
 とても冷たく、無造作に、なにも考えず動く。
 生きているのに生きているのか分からないセリスのその様子がとても怖かった。
 1人、また1人と羽虫を叩き落とすように、血肉へと変わっていく羽の人達。
 その度にセリスの頬はつり上げる。
 セリスのその笑顔はとても猟奇的で、とにかく破壊を楽しむような、そんな風に感じた。

 そんな姿を見て、セリスが前に話してくれたのはコレかと確信した。理屈とかじゃなくて、私の心がそうだと思った。

 これこそがセリスの持つ狂気であり、狂いながら戦いに集中して自分自身の心を守っていた。
 これは必要不可欠な要素だったと言っていたのを思い出す。

 目の前のセリスはとても怖い。
 けれど、私の仮説は間違いじゃなかったと確信させられた。 

 あれだけ優しいセリスが望んで得た力でこんな状態になる訳がない。
 確かに、力を望んだのは本当かもしれないけれど、セリスが力を望んだのは不器用ながらも幸せになる為……幸せを守る為だと語っていた。
 セリスはただ、幸せに生きたかったんだ。
 普通に家族に囲まれ、友達に囲まれて……けれど、覇王に対して世界がそれを許さない。

 そして、この光景は何か。
 何故、羽の人達は誰一人として逃げようとしない。
 これ程圧倒的な力の差があって今も何十とあっという間に潰されているのに、放たれた矢のように止まらない。

 一見、戦う事しか頭になくて狂っているのはセリスのように見えるけれど、張り付けた仮面のように表情を一切変えず、操り人形のように動き、糸が切れたように動かなくなり命を捨てる羽の人達。
 そのどちらが狂っているのか疑問に思うかもしれない光景。

『セリス……』

 私にはどちらも狂っているように見えて、セリスは、生きる為には力を得ざるを得なかったんだと、そう確信させられた。

 セリスは破壊を続け、偶然か、私の髪を掠めるように魔法が通りすぎ、背後の壁を破壊した。

 あまりの速さで私の方に魔法が放たれた事に気づく事ができず、私の認識としてはいきなり背後で爆発が起きたという感じでした。

 爆発に驚き、当然確認しようと振り向いて、私はその光景を見てしまった。

『ひっ……』

 それは恐怖を駆り立てる程におぞましい光景だった。
 羽の人達が作り出していたその光景は、とにかく赤かった。

 気持ちの悪いほど、赤くて赤くて真っ赤だった。

 赤意外の色からは白い糸で沢山の赤い色が縫い合わさり、脈打ち、1つのオブジェとしてできていて、羽の人達は笑っていた。
 表情を変える事なく、笑っていた。

 そこまで認識した途端、私の中の何かが全力でそれ以上この光景を認識してはいけないと、否定しようと思考がグルグルと高速で動き、何もできない。

 その光景の中では誰も彼も生かされたまま、その光景を作る道具にされていた。

『セ……セリス………』

 私はとても強い恐怖を受けて目を離す事ができなかったが、すがるべき、私を守ってくれる人へ手を伸ばす事だけはできた。

『……?』

 しかし、その手は触れる事はできずすり抜けてしまっていた。

 触れた感触が無い事を疑問に思えたお陰で残酷な光景から目を離す事ができた。

 そして、セリスの顔を見て後悔しそうになった。
 それほど比べ物にならない恐怖をセリスから感じた。

 セリスはその目に涙を流しながら口が裂けてしまうのではないかと思うほど、とても怖い笑みを浮かべていた。

『セリス……セリス!!!』

 私はセリスが二度と戻れなくなる程壊れてしまうのではないかと恐怖してセリスに強く呼び掛けた。

 けれどその声はセリスに届かない。

 不意にセリスの涙が途切れ、表情が抜け落ちる。

 羽の人達が一斉にセリスへ飛び掛かる。
 同時に、セリスが青い魔法陣を展開したと思った次の瞬間には魔法が発動した。
 その凄まじい光と爆音で何も見えなくなる。

 煙が晴れると、セリスはクレーターの上に浮かんでおり、セリスを中心とした半径数十数メートルは全て消し飛んでいた。

 あの赤い光景も、全て消し飛んでいた。

 もう既に満身創痍と言えるほどボロボロになっているセリスはポーションを一飲みし、裂けてしまいそうな笑みを浮かべながら空を飛び、破壊活動を続けた。

『セリス!セリス!!』

 私がいくら呼び掛けても、叫んでも、セリスには届かない………


 ・


「セリス………」

 私の意識が現実へと戻る。
 目を開くよりも先に口が動くなんて珍しいな。なんて考えられるほど、さっきまでの必死さが嘘のように頭の中はクリアになっていました。
 強いていうなら熱で体が重たいくらい。

 どうやら私はベッドに移されたようだ。
 後でお礼を言わなければと考えながら部屋を見渡す。
 私は貴族様が使うような大きなベットにいた。
 部屋もとても広く、とても豪華な装飾品まであって私が使うには場違いにも程がある。

 セリスは王様だったという話、疑っていた訳ではありませんが実際にこの部屋を見せられると遠くの人なんだなって思わされてしまいますね。
 身分も、種族も、力も、生き抜いてきた世界すらも……

「お目覚めでしょうか、メリル様」

 声がかかり、そちらへ目を向け……

「ひっ……」

 一瞬で血の気が引いた。

「あの……メリル様?」

 私は目の前の彼女に酷く恐怖した。
 私を心配そうに呼ぶ女性は、あの慈悲などと言う言葉が存在しない光景を作り出していた者達と同じ白い羽を持っている。

 その羽を持つ女性は扉からこちらに近づいてきた。

「来ないで……」

 震えた声で弱々しく絞り出した拒絶の声を耳にして女性は足を止めて考え込んだ。

「どうやら混乱しているご様子なのでセリス様を呼んできましょう。
 あ、セリス様にとってメリル様は大のお気に入りのようですね。
 先程城の調子が悪い事を報告するまで一歩もメリル様の側を離れようとしなかったのですよ?」

 女性はそう言いながら部屋を出ていき、私は安堵のため息をもらした。

 その後、熱が酷いのか、それとも腰を抜かしてしまったのか、起き上がる事もできず身動きが取れなかった。
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