【初期構想版】『半魚囚人ジル』 深海監獄アビスロックからの脱出

アオミ レイ

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第二章 深淵を裂く影の侵攻

CHAPTER26『深海への潜行』

第二階層、霧の幻影の拠点。 影虎は静かに指示を下した。
「ゼオン、クロウ、ディナイ……少数精鋭で潜入する。政府高官マーロウを消すぞ」

【キャラクター紹介:クロウ】
種族:カマス魚人
所属:霧の幻影
性格:冷静で慎重派。常に状況判断に優れており、影虎の信頼が厚い。
能力:高速での突撃攻撃を得意とし、俊敏な動きで敵を翻弄する。


【キャラクター紹介:ディナイ】
種族:アオリイカ魚人
所属:霧の幻影
性格:冷静沈着で寡黙な忍者タイプ。影虎の側近として潜入任務に特化している。
能力:体の色を自在に変化させて周囲に溶け込み、完全に姿を隠すことができる。


ゼオンが軽く頷き、問いかける。
「ジルたちが第三階層から帰った後、入口は完全封鎖されたはずだが……どうするつもりだ?」

影虎は微かに微笑んだ。
「我々が第三階層に侵入するときは、いつも使っている隠し通路がある。あれを使う」

第二階層 給排水設備

一行は静まり返った給排水設備に到着した。辺りは湿気に満ちており、水滴が時折管を叩く音だけが響く。


クロウが慎重に辺りを見回す。
「……監視はないようだな」

「念のためだ、油断するなよ」ディナイが小声で警告した。


影虎たちは静かに水音が響く、人が入れるか入れないかギリギリの狭さの排水路を抜ける。


ゼオン(…俺が助けられたときもここを通ったのか、意識が朦朧としていて何も覚えていないな)



そして第三階層へ侵入。

壁に貼り付くように移動し、周囲に気を配る。


ゼオンが囁いた。 
「ジルから聞いた話だと、牢獄エリアの壁の向こうに研究区画C-7があったらしい」

影虎は頷いた。 
「ならば、心当たりがある……ここからは絶対に物音を立てるな」


影虎が指示を出すと、ディナイがスッと前に出た。 
「俺が様子を見てこよう」

ディナイの肌がゆっくりと周囲の色に馴染んでいき、やがて完全に透明となった。そのまま看守詰所へ向かって静かに進む。


──看守詰所


狭い通路の隅で看守が二人、雑談をしている。
 「最近騒動が多すぎるよな…」
 
「ああ、副監獄長もかなりピリピリしている。仕事が増える一方だ」


看守たちのすぐそばを、透明化したディナイが息を殺して通り抜ける。鍵のある壁のフックまで辿り着き、慎重に鍵を掴み取った。


「ん?今、何か動かなかったか?」

一人の看守が辺りを見回す。ディナイは微動だにせず、看守の目が逸れるのを待った。


「気のせいだろ?」 

「そうだな、疲れてるのかもな」

再び看守が雑談に戻る。ディナイは再び静かに歩き出した。

ディナイが扉の前で影虎に合図を送る。影虎たちは素早く合流した。

扉がゆっくりと開かれると、C-7への通路が薄暗く広がっている。

ディナイが小声で報告する。 「周囲に誰もいない、今なら行ける」


影虎が仲間に視線を送る。 (…行くぞ)


全員が音を立てずに扉の中へと滑り込んだ。


──研究区画 C-7前

扉越しに僅かに会話が漏れてくる。 ギルバートとマーロウの話し声だ。

ゼオンが小さく息を吐く。
 「隣にギルバートがいるようだな……絶対に気づかれるなよ」

影虎が緊張をはらんだ声で囁く。 
「ここからが本番だ」


──第三階層C-7研究区画

「ゼファー殿、そろそろ魚人兵器の成果を見たいのだが……動かしてもらえるかな?」
マーロウは薄い笑みを浮かべ、ゼファーに目配せした。

「もちろんでございますぞ、マーロウ殿」
ゼファーが合図を送ると、三体の魚人兵器が動き始める。

【キャラクター紹介:クロコ】
種族:イリエワニ獣人
所属:元深海の狂気の兵士
性格:生前は短気で獰猛だった。
能力:鋭い牙とパワーを生かした噛みつき攻撃
【キャラクター紹介:ギルロイ】
種族:ティラピア魚人
性格:冷静で用心深い策略家。冷徹な殺戮マシーン。
能力:水流を利用した高速移動と鋭利な鰭による斬撃攻撃
備考:政府高官の暗殺を企てて失敗、処刑された戦士
【キャラクター紹介:ヴィクター】
種族:電気ナマズ魚人
所属:元沈黙の牙の幹部
性格:冷酷無慈悲、拷問と尋問を専門とする。
能力:強力な電撃で相手を麻痺させ、動きを封じる。
特徴:監獄内の情報を握り、尋問術に優れている。


ヴィクターがの腕に電気がほとばしり、バチバチッと空気が震えるほどの強力な電気が周囲に放たれた。
「どこだ……ここは……?」

クロコが鋭い歯を剥き出しにして低いうなり声を上げながら顎を大きく開き、周囲を威嚇する。 
「殺してやるぞ……!」

ギルロイは静かに立ち上がり、冷たい目を周囲に走らせ無感情に口を開く。
「…すべて切り刻む」

マーロウはヴィクターの電気に目を輝かせる。
「素晴らしいじゃないか……ゼファー殿、これは実に見事だな、だが、本当の実力を測るには実戦を見てみたいものだ。…実際に戦うところを見られるかね?」

ギルバートは少し不満げな表情を浮かべたが、すぐに何かを思いついたように口角を上げた。
 「…それならば、丁度うってつけの男がいる」


──第三階層牢獄エリア

ギルバートたちが魚人兵器を連れて牢獄エリアに向かう。

その姿を通路の陰から影虎たちが静かに見守り、呼吸音さえも抑えて状況を注視していた。


影虎が仲間に合図を送る。
「静かに動け。奴らに気づかれれば終わりだ」

緊張感が張り詰める中、ギルバートたちは牢獄エリアに着きルードヴィヒを呼び寄せた。

そして、ある檻の前に向かった。
「ルードヴィヒ、奴を解放しろ」

ルードヴィヒは驚いた表情を浮かべるが、すぐに楽しげに檻へ近づいた。
「フフフ…残念だったなぁ、監獄長が君を必要としているよ」

牢獄が開き、痩せ衰え、憔悴した姿のサイファーが姿を現す。
「無茶をしますねぇ、監獄長殿……」

サイファーの目が魚人兵器とギルバート、マーロウを順に捉え、冷たく光った。

──こうして、静かな地獄の幕が上がろうとしていた。
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