1 / 4
ショタコンおじさんが少年達と冒険します
2024年ハロウィン フランツ
しおりを挟む「あの……ハロウィンというイベントで仮装をすることはわかったのですが、僕はどうしてミイラ男なのでしょうか?」
「一番、肌の露出が多いからかな」
「え?」
私の言葉に、フランツは驚きの声を上げる。
それはそうだろう。
正直、言っている私自身も驚いている。
「もちろん、包帯の量によって変わるのだけど……。量は少なめでいきたいね」
「それはなぜですか?」
「フランツのきれいな肌をたくさん見たいからだね」
「なっ……今日のタカヒロさんはおかしいですよ?」
自分でもそう思う。
しかし、フランツのきれいな肌が見たいというのも本音だった。
本人は覚えていないようだが、添い寝したときのフランツの肌は本当にきれいだった。
ウォーリアという職業と今後の成長で失われてしまう前に、たくさん目に焼き付けておきたい。
「お祭りだからね」
「お祭りだから……そういうものなのでしょうか」
「そういうものなのですよ」
スラスラと謎理論が自分の口から流れ出す。
謎理論すぎるが、お祭りになるとタガが外れるということ自体は実際にある。
ドーパミン大放出といったところだろうか。
「……恥ずかしいですが、タカヒロさんが望むなら」
「望む望む、すごく望むよ。自分じゃ包帯を巻きにくいと思うから、私が巻いてあげるね」
「ありがとうございます」
私の謎理論に説得されてしまうフランツ。
そんなに簡単に流されて大丈夫なのかと心配になる面もあるが、そう仕向けたのは自分なわけなので余計なことは言わない。
「じゃあ、いったん全裸になろうか」
「ええ!」
「ミイラ男って服は着ていないと思うんだよ」
「それはそうかもしれませんが、さすがに全部脱ぐのはちょっと」
続けて、またしても驚きの発言が自分の口から飛び出す。
まあ、確かに服の上から包帯を巻いているミイラ男なんて見たことがない。
全裸の状態から包帯を巻かれているのが普通だと思うが、全裸になれなんて現代日本なら即逮捕案件である。
「じゃあ、下着は履いていていいよ。他は全部脱ごうね」
「は……はい……」
少しは理性が残っていたのか、下着の着用を許可する私。
なんだか自分で自分じゃないようで客観的になってきた。
客観的に言えば、下着姿でも結構アウトである。
「いや、やっぱり私が脱がせてあげよう」
「ええっ」
「そのほうが楽しいし」
前言撤回、理性など残っていなかった。
脱げというだけなら見ないという選択肢もありえたが、脱がせるとなると当然見るのだろう。
お巡りさん、ここに変質者がいます。
いや、私なんだけれど。
「やっぱり、今日のタカヒロさんはおかしいですよ!」
「まあまあ、ハロウィンだし」
そう言いながら、私はフランツの服を脱がせにかかる。
すでに防具は外しているので、シャツにズボン、ブーツといったところ。
フランツにバンザイをさせ、シャツの裾に手をかける。
顔を赤らめて恥ずかしがるフランツのシャツをあえて時間をかけて脱がせていく。
腹は引き締まった腹筋が、胸は槍を振るうのでかなり鍛えたれているものの、ムキムキではない引き締まった胸筋。
さらにまだ毛の生えていない脇。
腕はもっと鍛えられているが、ボクサーのようなすっきりとした筋肉で美しい。
「うう……」
顔を赤くしながら耐えているフランツが非常にかわいい。
顔は美少年で身体は細マッチョでありながら、まだ少年らしさを残している。
ショタから外れるか外れないかのギリギリのラインなのが非常にグッドである。
「じゃあ、続けてズボンも脱がすよ~」
「ええっ!」
私の宣言にフランツは慌ててズボンを押さえる。
さすがに抵抗感が強いらしい。
まあ、自分が逆の立場だったら絶対に嫌だけど。
いや、ショタにズボンを脱がされるというのはそれはそれでありなのか?
「おっと、その前に靴を脱がせないとだね」
「あ、はい」
私の言葉に、こちらは素直に答えるフランツ。
少年の裸足好きとしては靴を脱がせるのも興奮するのだが、そんな事はもちろん言わない。
ゆっくりと靴を脱がせてやると、少し火照った足裏が現れる。
日焼けする部分ではないので、腕などに比べると白い。
いや、赤みがかっていた。
いつもみたいに触ったり足裏マッサージしたい気持ちが持ち上がるが、それを始めると着替えがいつまでも終わらないので我慢する。
それでも、たまたま当たったふりをして手の甲で足裏に触れると少し汗ばんだ感触がして非常に興奮した。
「じゃあ、今度こそズボンを脱がすよ」
「本当に……そこまでしちゃうんですか?」
若干涙目になりながら、上目遣いに私を見てくるフランツ。
可哀想という気持ちももちろん出てくるのだが意地悪したい気持ちも持ち上がってくる。
フランツくん、それは逆効果だよ。
「流石に可哀想かな。じゃあ、自分で脱いでいいよ」
「本当ですか? ありがとうございます」
私の言葉に嬉しそうに笑顔を見せるとズボンを下ろそうとする。
しかし、私に見られているという状況を思い出したようで、急激に顔を赤くしてもじもじとする。
恥ずかしそうに顔を赤らめながらズボンを下ろしていく様子が、逆にエロさを醸し出してしまっていることには気づいていないようだった。
「うぅ……これでいいですか?」
「うん。じゃあ、あの辺りの床に横になってくれるかな?」
「……はい」
ジャック・オー・ランタンやオシャレなランタンでハロウィンっぽさを演出した床にフランツを寝かせ、少しずつ包帯を巻いていく。
とりあえず、下着を隠して胸の大事なところを隠した後は太ももや腕などにしっかりと包帯を巻いていった。
「あのー、これってかなり時間がかかりますか?」
されるがままになっていたフランツが、困ったような表情で質問してくる。
夢中になって一生懸命巻いていたが、巻かれている側は待っているだけな上に身体を触られているわけなので辛いかもしれない。
「うーん。全身包帯男にすると時間がかかるけれど、この辺で終わろうか」
「えっ? それはそれで、困ってしまうのですが……」
巻きやすい腕や脚にばかり包帯を巻かれ、胴体はほとんど裸なフランツは困惑しているようだった。
とはいえ、仮装させることよりもこの過程を楽しみたかったわけであるし……。
「このまま出歩けとは言わないから、フランツのかわいい姿をしばらく堪能させてよ」
「かわいい……ですか?」
「かわいいよ」
「……」
私の言葉に、フランツは顔を真っ赤にしてしまう。
そういうウブなところも本当にかわいい。
しかし、自分の口から出たとは思えないほどキザなセリフである。
そのままフランツをそっと抱きしめてやると、ほとんど半裸の胸元から激しい鼓動が伝わってくる。
相変わらず自分でも信じられないくらい大胆な行為だが、こんなにドキドキしてくれるなんてショタコン冥利に尽きるというものである。
0
あなたにおすすめの小説
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
《完結》僕の彼氏は僕のことを好きじゃないⅠ
MITARASI_
BL
彼氏に愛されているはずなのに、どうしてこんなに苦しいんだろう。
「好き」と言ってほしくて、でも返ってくるのは沈黙ばかり。
揺れる心を支えてくれたのは、ずっと隣にいた幼なじみだった――。
不器用な彼氏とのすれ違い、そして幼なじみの静かな想い。
すべてを失ったときに初めて気づく、本当に欲しかった温もりとは。
切なくて、やさしくて、最後には救いに包まれる救済BLストーリー。
続編執筆中
目線の先には。僕の好きな人は誰を見ている?
綾波絢斗
BL
東雲桜花大学附属第一高等学園の三年生の高瀬陸(たかせりく)と一ノ瀬湊(いちのせみなと)は幼稚舎の頃からの幼馴染。
湊は陸にひそかに想いを寄せているけれど、陸はいつも違う人を見ている。
そして、陸は相手が自分に好意を寄せると途端に興味を失う。
その性格を知っている僕は自分の想いを秘めたまま陸の傍にいようとするが、陸が恋している姿を見ていることに耐えられなく陸から離れる決意をした。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
