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ショタコンおじさんが少年達と冒険します
2部第1章 フランツ視点
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*「ショタコンおじさんが少年達と冒険します」の2部第1章の5話、6話を再構成したお話です。
あやかしの国の旅館、大浴場の湯気の中で、僕はかつてないほど緊張していました。
「えっと、洗い終わったから次はフランツの背中を洗ってあげるね」
タカヒロさんのその言葉に、僕は思わず裏返った声を上げてしまいました。
「ふぇ!? は……はいっ」
誰かに身体を洗ってもらうなんて、幼い頃に亡くなった父上以来です。僕はタカヒロさんに背を向け、小さくなって座りました。
「フランツ、もっと力を抜いていいんだよ? くすぐったいかな」
「あ……すみません。いえ、大丈夫です。お願いします」
タカヒロさんの手が、石鹸の泡と一緒に僕の背中を滑ります。
「あっ……」
「ごめん、痛かったかい?」
「ち、違います。……その、少し驚いただけですから」
本当は、触れられるのが嬉しくて、でも恥ずかしくて、心臓がうるさいくらいに鳴っていました。
タカヒロさんは僕のことを「癒やしたい」と言ってくれますが、僕の中には尊敬だけではない、もっと熱い感情が芽生えているのです。
「このまま、腕も洗ってあげようか」
「え? あ……はい。お願いします」
タカヒロさんの優しい提案に、僕は逆らうことができません。
腕を取られ、肩から指先まで丁寧に洗われるたび、触れられた場所が熱を帯びていくのを感じました。
「じゃあ、次は足だね」
「ええっ、足までですか!? そんな、恥ずかしいです」
「はは、遠慮しなくていいよ。はい、力を抜いて」
タカヒロさんは僕の前に回り込み、僕の脚を掴みました。
そして、たっぷりの泡で太もももからふくらはぎ、足の裏まで洗ってくれたのです。
「うわっ……あ、あ……っ」
「くすぐったかったかな?」
「は……はいぃぃ……」
タカヒロさんの手つきがあまりに優しくて、僕は身体から力が抜けてしまいました。
桶で泡を流してもらいながら、僕はぼんやりと、あやかしの国へ向かう道中で起きた「あのできごと」を思い出していました。
*****
それは、数日前の宿でのことでした。
タカヒロさんの瞳が赤く光り、中に入っている英雄神様が突然僕たちに語りかけてきたのです。
「小僧共、少し我の話に付き合え」
英雄神様の威圧感に、僕たちは姿勢を正しました。
「はっ、はい。なんでしょうか?」
「お前達、数ヶ月経っても全然進展しておらぬな。タカヒロのことが好きなのではないのか?」
「好きですよ、もちろん」
僕が即座に答えると、レイやリカード、ダイも口々に同意しました。
「なら、いつまでもプラトニックな関係ではなく、肉体関係に発展したらどうだ?」
その言葉に、僕とダイは絶句しました。
「に……肉体……」
「か……関係?」
「おいら、今でもにーちゃんと肉体関係だよ~!」
リカードが無邪気に言いましたが、レイがすぐにクールに突っ込みました。
「身体をくっつけて寝るのは肉体関係とは言わないよ。……あんた、本気で言ってるの?」
英雄神様は不敵に笑いました。
「タカヒロのいた世界では、お前たちはまだ未成年のようだ。だからあやつは手を出せん。進展させたければ、お前たちから大胆になることだな」
「……フランツより先においらがしちゃうかも!」
「なっ……リカード、お前、いくらなんでもそれは……っ」
僕は顔を真っ赤にして言い返しましたが、英雄神様は「我を楽しませろ」とだけ残して、タカヒロさんに意識を返して去っていきました。
「フランツ? やっぱりのぼせちゃったかな」
タカヒロさんの声で、僕は現実に戻りました。
「あ、いえ……なんでもありません」
「そう? 顔が真っ赤だよ。さあ、あがって甚平に着替えようか」
僕は湯船から上がり、用意されていた甚平に袖を通しました。
鏡に映る自分は確かに小柄ですが、もう立派な大人です。
そして、胸の奥にある想いは、もう抑えきれないほど膨らんでいました。
「タカヒロさん」
「ん、どうしたんだい?」
着替えを終えたタカヒロさんの袖を、僕はぎゅっと掴みました。
「僕、タカヒロさんのこと……本当に、大切に思っています。いつか、あなたを守れる騎士になりたいんです」
「ありがとう、フランツ。君はもう立派な騎士だよ」
タカヒロさんは僕の頭を優しく撫でてくれました。
その手は温かく、僕は心の中で英雄神様の言葉をもう一度反芻しました。
(僕から、積極的にならないと……)
「……今夜も、一緒に寝てくださいますか?」
「もちろん。フランツが隣にいてくれると、私も安心するからね」
タカヒロさんの笑顔を見て、僕は決意を固めました。
今はまだ、この温もりに甘えることしかできないけれど。
いつか、英雄神様が望むような「特別な関係」になれるまで、僕は絶対に離れないと。
「……大好きです、タカヒロさん」
「ん? 何か言ったかい?」
「いえ! なんでもありませんっ」
僕は赤くなった顔を隠すように、タカヒロさんの後ろを付いて部屋へと向かいました。
この旅館での時間は、僕たちの関係を大きく変えていく……そんな予感がしていました。
あやかしの国の旅館、大浴場の湯気の中で、僕はかつてないほど緊張していました。
「えっと、洗い終わったから次はフランツの背中を洗ってあげるね」
タカヒロさんのその言葉に、僕は思わず裏返った声を上げてしまいました。
「ふぇ!? は……はいっ」
誰かに身体を洗ってもらうなんて、幼い頃に亡くなった父上以来です。僕はタカヒロさんに背を向け、小さくなって座りました。
「フランツ、もっと力を抜いていいんだよ? くすぐったいかな」
「あ……すみません。いえ、大丈夫です。お願いします」
タカヒロさんの手が、石鹸の泡と一緒に僕の背中を滑ります。
「あっ……」
「ごめん、痛かったかい?」
「ち、違います。……その、少し驚いただけですから」
本当は、触れられるのが嬉しくて、でも恥ずかしくて、心臓がうるさいくらいに鳴っていました。
タカヒロさんは僕のことを「癒やしたい」と言ってくれますが、僕の中には尊敬だけではない、もっと熱い感情が芽生えているのです。
「このまま、腕も洗ってあげようか」
「え? あ……はい。お願いします」
タカヒロさんの優しい提案に、僕は逆らうことができません。
腕を取られ、肩から指先まで丁寧に洗われるたび、触れられた場所が熱を帯びていくのを感じました。
「じゃあ、次は足だね」
「ええっ、足までですか!? そんな、恥ずかしいです」
「はは、遠慮しなくていいよ。はい、力を抜いて」
タカヒロさんは僕の前に回り込み、僕の脚を掴みました。
そして、たっぷりの泡で太もももからふくらはぎ、足の裏まで洗ってくれたのです。
「うわっ……あ、あ……っ」
「くすぐったかったかな?」
「は……はいぃぃ……」
タカヒロさんの手つきがあまりに優しくて、僕は身体から力が抜けてしまいました。
桶で泡を流してもらいながら、僕はぼんやりと、あやかしの国へ向かう道中で起きた「あのできごと」を思い出していました。
*****
それは、数日前の宿でのことでした。
タカヒロさんの瞳が赤く光り、中に入っている英雄神様が突然僕たちに語りかけてきたのです。
「小僧共、少し我の話に付き合え」
英雄神様の威圧感に、僕たちは姿勢を正しました。
「はっ、はい。なんでしょうか?」
「お前達、数ヶ月経っても全然進展しておらぬな。タカヒロのことが好きなのではないのか?」
「好きですよ、もちろん」
僕が即座に答えると、レイやリカード、ダイも口々に同意しました。
「なら、いつまでもプラトニックな関係ではなく、肉体関係に発展したらどうだ?」
その言葉に、僕とダイは絶句しました。
「に……肉体……」
「か……関係?」
「おいら、今でもにーちゃんと肉体関係だよ~!」
リカードが無邪気に言いましたが、レイがすぐにクールに突っ込みました。
「身体をくっつけて寝るのは肉体関係とは言わないよ。……あんた、本気で言ってるの?」
英雄神様は不敵に笑いました。
「タカヒロのいた世界では、お前たちはまだ未成年のようだ。だからあやつは手を出せん。進展させたければ、お前たちから大胆になることだな」
「……フランツより先においらがしちゃうかも!」
「なっ……リカード、お前、いくらなんでもそれは……っ」
僕は顔を真っ赤にして言い返しましたが、英雄神様は「我を楽しませろ」とだけ残して、タカヒロさんに意識を返して去っていきました。
「フランツ? やっぱりのぼせちゃったかな」
タカヒロさんの声で、僕は現実に戻りました。
「あ、いえ……なんでもありません」
「そう? 顔が真っ赤だよ。さあ、あがって甚平に着替えようか」
僕は湯船から上がり、用意されていた甚平に袖を通しました。
鏡に映る自分は確かに小柄ですが、もう立派な大人です。
そして、胸の奥にある想いは、もう抑えきれないほど膨らんでいました。
「タカヒロさん」
「ん、どうしたんだい?」
着替えを終えたタカヒロさんの袖を、僕はぎゅっと掴みました。
「僕、タカヒロさんのこと……本当に、大切に思っています。いつか、あなたを守れる騎士になりたいんです」
「ありがとう、フランツ。君はもう立派な騎士だよ」
タカヒロさんは僕の頭を優しく撫でてくれました。
その手は温かく、僕は心の中で英雄神様の言葉をもう一度反芻しました。
(僕から、積極的にならないと……)
「……今夜も、一緒に寝てくださいますか?」
「もちろん。フランツが隣にいてくれると、私も安心するからね」
タカヒロさんの笑顔を見て、僕は決意を固めました。
今はまだ、この温もりに甘えることしかできないけれど。
いつか、英雄神様が望むような「特別な関係」になれるまで、僕は絶対に離れないと。
「……大好きです、タカヒロさん」
「ん? 何か言ったかい?」
「いえ! なんでもありませんっ」
僕は赤くなった顔を隠すように、タカヒロさんの後ろを付いて部屋へと向かいました。
この旅館での時間は、僕たちの関係を大きく変えていく……そんな予感がしていました。
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