水無瀬 涼

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同じ夢

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そこはまるで江戸時代の長屋が連なる町だ。

夜の町を提灯を持って現代のTシャツとスウェットで歩いてる俺がいる。
空は月のあかりで薄ら青い。
俺の手元には提灯。

暗がりの向こうから女の悲鳴と「ドサッ」と何かが倒れる音が聴こえる。
やがて長屋の曲がり角から男が2人歩いてくる。

1人は長身で顔を布で覆い、四角い箱を2つ持っている。
もう1人は少年のような身長でこちらも顔を布で覆っている。
そして俺が持っているのと似た提灯を両手で持っている。
男二人が近づいてくると音が聞こえてくる。
「ゴポゴポ」「ゲコゲコ」「カランコロン」
ゴポゴポと水の入ったコップにストローで空気を入れるかのような音だ。

大方長身の男が持っているから音がしているのだろう。

ゲコゲコはカエルだろう。

カランコロンとなる音は不思議で、少年の方から聞こえてくる。どこからその音がなっているかは分からない。

男二人が近づき俺を怪訝そうに一瞥して通り過ぎる。その後すぐ目が覚める。

この夢を一週間毎日見ている。
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