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宝石姫と魔女
宝石姫と魔女2
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「まぁ、キレイなお花ね」
女性は言いました。少しかすれたような声をしています。
「ありがとうございます。キレイですよね。お友達からいただいたの」
「いいわね。私はお友達、いないから」
その声は少し寂しそうです。
「そんなこと言わないでください。きっと、私ともお友達になれますよ」
「そうだといいのだけれど」
女性はくすりと笑いました。
「友達になるには、まず名前からですよね。私はベリル。あなたのお名前は?」
「私はへベッド。闇の国から来たの」
「闇の国ですか。私は行ったことはありませんが、少し遠い国ですよね? わざわざ石の国の私のお店に来てくれてありがとうございます」
ベリルはペコリと頭を下げました。
「いいのよ。ここは望みのものを与えてくれると聞いて来たの」
へベッドは不気味に笑いました。
「ここにはどんな宝石でもありますよ。へベッドさんはどんな宝石が好みなのですか?」
ベリルは聞きます。
「私は宝石は付けたことないわ。黒い物しか持ってないのよ。それに……」
そう言うと、へベッドは花を一輪摘みました。するとどうでしょう。触れた花がみるみる黒く変色していきました。
「私の呪い。触ったものはなんでも黒く闇に染まってしまうの」
へベッドは口元にうっすら笑みを浮かべながら、黒く染まった花を見ていました。
「それはかわいそうですね。この世界には美しい色であふれているのに……」
ベリルは残念そうに言いました。
「でも、大丈夫ですよ」
ベリルは明るく答えます。
「黒くても美しい宝石があります。ほら、これです」
ベリルはお店のカウンターから一粒の宝石を取り出しました。
へベッドは目が悪いのか、うんと顔を近づけて見ました。ベリルの手には丸い宝石が乗っていました。深く、吸い込まれそうな黒色をしています。
「この宝石はオニキスという宝石ですよ。他の色のオニキスもあるのですが、この宝石は黒が美しくて有名ですね。まるで周りの光を全て吸収してしまったような真っ黒で、とても美しいですよね」
へベッドは少し驚いていました。黒い宝石があるなんて思っていなかったのです。
ベリルに促され、へベッドはそっとオニキスの宝石を摘みました。黒色はもちろん黒色のままです。へベッドは初めて触れる宝石を不思議そうに手の中で転がしていました。
「本当はあなたの呪いがとけて、色とりどりの宝石で着飾れたらいいのですが……。私にはそんな力はないので、今はこのオニキスと一緒に、美しく着飾ってあげてください」
ベリルはそっと笑って言いました。へベットは思いました。ベリルは本当に誰にでも優しく、いい子なんだと。だからこそ、困らせたいのだと。
「じゃあ、この石をいただこうかしら」
へベッドは言いました。
「ありがとうございます。今、宝石をアクセサリーに加工しますね」
そう言うと、ベリルはへベッドに背を向け、作業台で作業を始めました。
作業に熱中するベリルにへベッドはそっと近づきます。その手には毒針が握られていました。
女性は言いました。少しかすれたような声をしています。
「ありがとうございます。キレイですよね。お友達からいただいたの」
「いいわね。私はお友達、いないから」
その声は少し寂しそうです。
「そんなこと言わないでください。きっと、私ともお友達になれますよ」
「そうだといいのだけれど」
女性はくすりと笑いました。
「友達になるには、まず名前からですよね。私はベリル。あなたのお名前は?」
「私はへベッド。闇の国から来たの」
「闇の国ですか。私は行ったことはありませんが、少し遠い国ですよね? わざわざ石の国の私のお店に来てくれてありがとうございます」
ベリルはペコリと頭を下げました。
「いいのよ。ここは望みのものを与えてくれると聞いて来たの」
へベッドは不気味に笑いました。
「ここにはどんな宝石でもありますよ。へベッドさんはどんな宝石が好みなのですか?」
ベリルは聞きます。
「私は宝石は付けたことないわ。黒い物しか持ってないのよ。それに……」
そう言うと、へベッドは花を一輪摘みました。するとどうでしょう。触れた花がみるみる黒く変色していきました。
「私の呪い。触ったものはなんでも黒く闇に染まってしまうの」
へベッドは口元にうっすら笑みを浮かべながら、黒く染まった花を見ていました。
「それはかわいそうですね。この世界には美しい色であふれているのに……」
ベリルは残念そうに言いました。
「でも、大丈夫ですよ」
ベリルは明るく答えます。
「黒くても美しい宝石があります。ほら、これです」
ベリルはお店のカウンターから一粒の宝石を取り出しました。
へベッドは目が悪いのか、うんと顔を近づけて見ました。ベリルの手には丸い宝石が乗っていました。深く、吸い込まれそうな黒色をしています。
「この宝石はオニキスという宝石ですよ。他の色のオニキスもあるのですが、この宝石は黒が美しくて有名ですね。まるで周りの光を全て吸収してしまったような真っ黒で、とても美しいですよね」
へベッドは少し驚いていました。黒い宝石があるなんて思っていなかったのです。
ベリルに促され、へベッドはそっとオニキスの宝石を摘みました。黒色はもちろん黒色のままです。へベッドは初めて触れる宝石を不思議そうに手の中で転がしていました。
「本当はあなたの呪いがとけて、色とりどりの宝石で着飾れたらいいのですが……。私にはそんな力はないので、今はこのオニキスと一緒に、美しく着飾ってあげてください」
ベリルはそっと笑って言いました。へベットは思いました。ベリルは本当に誰にでも優しく、いい子なんだと。だからこそ、困らせたいのだと。
「じゃあ、この石をいただこうかしら」
へベッドは言いました。
「ありがとうございます。今、宝石をアクセサリーに加工しますね」
そう言うと、ベリルはへベッドに背を向け、作業台で作業を始めました。
作業に熱中するベリルにへベッドはそっと近づきます。その手には毒針が握られていました。
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