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65話 激突
選抜大会は今回から組み合わせの抽選を事前に公開で行う事になった。抽選会は放課後に行われる。
私とヴィンセントは抽選会に行かなかったが、ジンは行ったみたいだ。
私とノエル、ヴィンセントが食堂で食べていると、慌ててジンが戻って来た。
「大変だぞ、レオン、ヴィンセント。1回戦の対戦相手はお前ら同士だぞ」
そう言うとジンは紙に書かれたトーナメント表をテーブルに広げた。
確かに1回戦で私とヴィンセントが当たるようだ。
私は少し驚いたが、ヴィンセントは平然としていた。
「どうせレオンとは戦うのだ、早い方がいい」
「しかしお前らが1回戦で激突か、事実上の決勝戦だな」
「それは分からない。3年生なら氷帝、2年生なら残りの2人がいる。1年生はユリウスとか言ったか?」
「ユリウスならまだまだだろ」
「とはいえ1回戦で最大の強敵に当たることは間違いない」
「私にとってもな、レオン」
私達は食事を続けた。
そしてついに選抜大会の日がやって来た。今日はエマとアメリアが観戦に来ていた。
「レオン、ヴィンセント頑張ってね」
「実は、1回戦で俺とヴィンセントが対戦するんだ」
「え、そうなの!」
「エマさんはどちらを応援するしますか?」
「それは……どちらも応援するわ」
そそくさとエマ達は観客席に向かって行った。
そして、豪華な馬車で学校に乗り付けて来た。どうやらマリアンナが来たらしい。マリアンナは馬車から私を見つけると馬車から降りて近づいて来た。
「レオン……来たわよ」
「ああ、ありがとう」
「必ず優勝してね」
「もちろんだ」
それだけ言葉を交わすとマリアンナは護衛を連れて観客席に向かって行った。
そして大会の挨拶が終わった。
今日はヴィンセントとは話していない。挨拶の後の休憩時間もヴィンセントとは会わなかった。
私は指定された第4闘技場に向かって歩く。その少し後をヴィンセントが歩いていた。
闘技場に上がると私は所定の位置に着いた。少し遅れてヴィンセントも所定の位置に着いた。
ヴィンセントが私に連敗した場合、彼は変わってしまうのだろうか。そんな心配を私はした。
しかしヴィンセントを見ると闘気が蜃気楼のように上がっていた。それを見て私はそんな甘い考えを捨てた。
全力で行かなければ勝てない。そんな思いが私の中を駆け巡る。
最初に神速を超える神速の突きを出す……それで終わりだ……
「始め!」
間合いに飛び込んで突きを出そうとした瞬間、悪寒が走った。今、剣を出せば斬られる。私の本能がそう言っていた。私はとっさに後ろに下がった。
するとヴィンセントはゆらりと前に進んだ。
私は上段から斬り下ろした。
しかしヴィンセントはゆらりとこれを躱す。
何度か斬りつけるが、ヴィンセントはやはり、ゆらりゆらりと躱す。
ヴィンセントが炎帝戦の時に見せた戦法に似ている。だが何かが違う。より軽い、まるで木の葉のようにヴィンセントは剣を躱した。
「ならばこれはどうだ」
ヴィンセントに体を接近させて神速を超える神速で斬り上げた。
しかしヴィンセントはこれもひらりと躱した。
ヴィンセントから距離を取りながら、正直手詰まりになっているのを感じた。
「どうした?ならばこちらから行くぞ」
ヴィンセントがゆらゆらとこちらに向かって来た。
ならば必殺の剣しかない。神速を超える神速の突きを。
突きはヴィンセントの首元に吸い込まれるように進む。しかし剣が当たる前にヴィンセントはふわりと躱した。
次の瞬間私は何かに叩きつけられ、地面に倒れた。
「勝者11番」
それはヴィンセントの番号だった。私は負けたのだ。
「今度は私の勝ちだな」
「ああ、さすがヴィンセントだ」
ヴィンセントに手を差し出されたが、それを断り自力で立ち上がり闘技場を後にした。
私が闘技場を出るとマリアンナが大粒の涙を目に溜めてやって来た。
「私のレオン……」
するとマリアンナに抱きしめられた。
「レオン……レオン……私のレオン……何があってもよ……」
それから長い時間マリアンナに抱きしめられていた。
その後優勝はヴィンセントに決まった。
食事は取らずに部屋に戻り、しばらく茫然としていた。
すると部屋がノックされた。
「レオン、大丈夫?」
ノエルとジンが励ましに来てくれたのだ。2人を部屋に入れ、少し話をした。
しかし、私の心は晴れなかった。ヴィンセントに勝つ手立てが見えないのだ。
おそらくどれ程速い動きであったとしても、ヴィンセントは躱してしまうだろう。
そんなことを考えながら毎日を過ごした。
そして3年生に進級した。
私とヴィンセントは抽選会に行かなかったが、ジンは行ったみたいだ。
私とノエル、ヴィンセントが食堂で食べていると、慌ててジンが戻って来た。
「大変だぞ、レオン、ヴィンセント。1回戦の対戦相手はお前ら同士だぞ」
そう言うとジンは紙に書かれたトーナメント表をテーブルに広げた。
確かに1回戦で私とヴィンセントが当たるようだ。
私は少し驚いたが、ヴィンセントは平然としていた。
「どうせレオンとは戦うのだ、早い方がいい」
「しかしお前らが1回戦で激突か、事実上の決勝戦だな」
「それは分からない。3年生なら氷帝、2年生なら残りの2人がいる。1年生はユリウスとか言ったか?」
「ユリウスならまだまだだろ」
「とはいえ1回戦で最大の強敵に当たることは間違いない」
「私にとってもな、レオン」
私達は食事を続けた。
そしてついに選抜大会の日がやって来た。今日はエマとアメリアが観戦に来ていた。
「レオン、ヴィンセント頑張ってね」
「実は、1回戦で俺とヴィンセントが対戦するんだ」
「え、そうなの!」
「エマさんはどちらを応援するしますか?」
「それは……どちらも応援するわ」
そそくさとエマ達は観客席に向かって行った。
そして、豪華な馬車で学校に乗り付けて来た。どうやらマリアンナが来たらしい。マリアンナは馬車から私を見つけると馬車から降りて近づいて来た。
「レオン……来たわよ」
「ああ、ありがとう」
「必ず優勝してね」
「もちろんだ」
それだけ言葉を交わすとマリアンナは護衛を連れて観客席に向かって行った。
そして大会の挨拶が終わった。
今日はヴィンセントとは話していない。挨拶の後の休憩時間もヴィンセントとは会わなかった。
私は指定された第4闘技場に向かって歩く。その少し後をヴィンセントが歩いていた。
闘技場に上がると私は所定の位置に着いた。少し遅れてヴィンセントも所定の位置に着いた。
ヴィンセントが私に連敗した場合、彼は変わってしまうのだろうか。そんな心配を私はした。
しかしヴィンセントを見ると闘気が蜃気楼のように上がっていた。それを見て私はそんな甘い考えを捨てた。
全力で行かなければ勝てない。そんな思いが私の中を駆け巡る。
最初に神速を超える神速の突きを出す……それで終わりだ……
「始め!」
間合いに飛び込んで突きを出そうとした瞬間、悪寒が走った。今、剣を出せば斬られる。私の本能がそう言っていた。私はとっさに後ろに下がった。
するとヴィンセントはゆらりと前に進んだ。
私は上段から斬り下ろした。
しかしヴィンセントはゆらりとこれを躱す。
何度か斬りつけるが、ヴィンセントはやはり、ゆらりゆらりと躱す。
ヴィンセントが炎帝戦の時に見せた戦法に似ている。だが何かが違う。より軽い、まるで木の葉のようにヴィンセントは剣を躱した。
「ならばこれはどうだ」
ヴィンセントに体を接近させて神速を超える神速で斬り上げた。
しかしヴィンセントはこれもひらりと躱した。
ヴィンセントから距離を取りながら、正直手詰まりになっているのを感じた。
「どうした?ならばこちらから行くぞ」
ヴィンセントがゆらゆらとこちらに向かって来た。
ならば必殺の剣しかない。神速を超える神速の突きを。
突きはヴィンセントの首元に吸い込まれるように進む。しかし剣が当たる前にヴィンセントはふわりと躱した。
次の瞬間私は何かに叩きつけられ、地面に倒れた。
「勝者11番」
それはヴィンセントの番号だった。私は負けたのだ。
「今度は私の勝ちだな」
「ああ、さすがヴィンセントだ」
ヴィンセントに手を差し出されたが、それを断り自力で立ち上がり闘技場を後にした。
私が闘技場を出るとマリアンナが大粒の涙を目に溜めてやって来た。
「私のレオン……」
するとマリアンナに抱きしめられた。
「レオン……レオン……私のレオン……何があってもよ……」
それから長い時間マリアンナに抱きしめられていた。
その後優勝はヴィンセントに決まった。
食事は取らずに部屋に戻り、しばらく茫然としていた。
すると部屋がノックされた。
「レオン、大丈夫?」
ノエルとジンが励ましに来てくれたのだ。2人を部屋に入れ、少し話をした。
しかし、私の心は晴れなかった。ヴィンセントに勝つ手立てが見えないのだ。
おそらくどれ程速い動きであったとしても、ヴィンセントは躱してしまうだろう。
そんなことを考えながら毎日を過ごした。
そして3年生に進級した。
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