4 / 41
美人弁護士クリス
クリス
しおりを挟む
「はァそういえばそんな事件もありましたね」
早いものだ。もうあの事件から一週間になるのか。
「そうねえェ。最初はワイドショーでも追跡取材をしてたんだけど」
クリスがボソッとつぶやいた。
「そういえば、その間に大きな事件が続いたので、すっかり世間的には忘れ去られてしまったようですねえェ」
ワイドショーはより刺激の強い事件をフューチャーするものだ。
『ああァ、事件は白昼堂々、高齢の女性が頭を強打され、悲鳴を聞きつけたヤンキーが路地へ駆けつけたものの犯人らしき者が忽然と姿を消したって話しなんだ』
「そう言えば、それまでも何件か同じような事件があって、呪われた路地と呼ばれ出して一躍、心霊スポットになったとか言う」
「そうねえェ、防犯カメラにも犯人らしき姿は映ってないし」
美人弁護士のクリスもお手上げらしい。
「いち時期、妖怪の仕業とか言われていましたねえェ」
夏休みなので、小中学生目当ての番組タイトルだ。
『ハッハハッ、妖怪の仕業って。今どきの小学生だって、そんな言い訳はしないだろォ』
「確かに、そうだけど」
「ところが、あの事件の容疑者が捕まったのよ」
美人弁護士のマリリンが運転しながら苦笑した。
「はァそうなんですか。いったい犯人は誰だったんですか?」
ボクも多少、気になった。
『警察の話じゃァ、第一発見者のヤンキーだったらしいんだ』
「えェ、なァんだ。第一発見者が犯人なんですか?」
それなら犯人が消失するのも当たり前だ。
犯人が自分で殴って、駆けつけたように装って通報したのだろうか。
なんとも、あっけない幕切れだ。
「その容疑者が私の知り合いなのよ」
「え、知り合いなんですかァ?」
『そォッ、クリスは元ヤンだからねえェ。フフゥン』
ナポレオンは楽しそうに笑った。
「おいおい、ナポレオン。せっかく隠してんだから、私の黒歴史をほじくり出すなよ」
クリスはムッとしてクレームをつけた。
早いものだ。もうあの事件から一週間になるのか。
「そうねえェ。最初はワイドショーでも追跡取材をしてたんだけど」
クリスがボソッとつぶやいた。
「そういえば、その間に大きな事件が続いたので、すっかり世間的には忘れ去られてしまったようですねえェ」
ワイドショーはより刺激の強い事件をフューチャーするものだ。
『ああァ、事件は白昼堂々、高齢の女性が頭を強打され、悲鳴を聞きつけたヤンキーが路地へ駆けつけたものの犯人らしき者が忽然と姿を消したって話しなんだ』
「そう言えば、それまでも何件か同じような事件があって、呪われた路地と呼ばれ出して一躍、心霊スポットになったとか言う」
「そうねえェ、防犯カメラにも犯人らしき姿は映ってないし」
美人弁護士のクリスもお手上げらしい。
「いち時期、妖怪の仕業とか言われていましたねえェ」
夏休みなので、小中学生目当ての番組タイトルだ。
『ハッハハッ、妖怪の仕業って。今どきの小学生だって、そんな言い訳はしないだろォ』
「確かに、そうだけど」
「ところが、あの事件の容疑者が捕まったのよ」
美人弁護士のマリリンが運転しながら苦笑した。
「はァそうなんですか。いったい犯人は誰だったんですか?」
ボクも多少、気になった。
『警察の話じゃァ、第一発見者のヤンキーだったらしいんだ』
「えェ、なァんだ。第一発見者が犯人なんですか?」
それなら犯人が消失するのも当たり前だ。
犯人が自分で殴って、駆けつけたように装って通報したのだろうか。
なんとも、あっけない幕切れだ。
「その容疑者が私の知り合いなのよ」
「え、知り合いなんですかァ?」
『そォッ、クリスは元ヤンだからねえェ。フフゥン』
ナポレオンは楽しそうに笑った。
「おいおい、ナポレオン。せっかく隠してんだから、私の黒歴史をほじくり出すなよ」
クリスはムッとしてクレームをつけた。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる