十秒探偵『ナポレオン&トモロー』 すべての謎はナポレオンに解かれたがっている!

オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》

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神堂クリス

神堂クリス

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 外は茹だるような暑さだ。
 今年の夏も例年以上に暑い。



 セミの声が耳を煩わせた。
 真夏の日差しが眩しい。


「うわァマジかよ」
 相変わらず今日も酷暑日だ。



 ボクが玄関の前で待っていると真っ赤なポルシェが玄関の前に停車した。


 行き交う通行人らもその真っ赤なポルシェを観て驚いていた。



「ううゥ……」マジかよ。
 ヤケに派手な外車だ。

 このポルシェがクリスの車なのだろうか。



 そういえば、ナポレオンが元ヤンだと紹介していた。

 口や鼻にピアスをし、肩から腕にかけてタトゥーだらけの女の子だったらどうしよう。



 ただでさえ女の子と会話するのが苦手なのに緊張する。

 できれば勘弁してもらいたい。



 美人で元ヤンの弁護士って、いったいどんな女性なんだろう。おまけに彼は巨乳だと言っていた。



 おもむろにドアのウインドウが下がった。


「あッ!」ボクは彼女の顔を見て思わず息を飲んだ。



 車内から金髪の美女が顔を出しボクに微笑んだ。



「ああァら、ボクちゃんがナポレオンのツレ?」
 サングラスを掛けているので素顔はわからない。

 けれども間違いはなく美女なのだろう。
 
 やはり彼女がクリスのようだ。



「えェ、ハイ、はじめまして。クリスさんですか?」
 ボクは緊張した面持ちで挨拶を返した。

 思っていた以上に美女だ。


 ボクは多少、早口で対応した。



「ええェ、ボクちゃん。ちゃんとオムツは履き替えてきた?」
 クリスは上から目線でボクを値踏みした。
 クチャクチャッとガムを噛んでいた。



「いやいやァ、オムツなんて履くような年じゃありませんよ」
 ナポレオンの言ったとおりだ。美人だがかなりの毒舌家だ。


「早くお入り。ボクちゃん。冷房が逃げるから」
 クリスはアゴで助手席を差して指示を送った。


 すぐにウインドウを閉めた。

 







 


    
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