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オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》

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嵐の中で……✨✨✨✨

嵐の中で……

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 三浦半島から上陸した台風は勢力を拡大させながら、横浜、東京と京浜地帯一帯に甚大な被害をもたらしていった。





 私たちは横浜中区の住宅街にある高級マンション『ソレイユ』まで、ようやくたどり着いた。




 この四階にアキラの部屋があるらしい。

 百億でバージンを売るなんて、夢物語もはなはだしい。




 部屋に入った途端、このイケメン弁護士が襲い掛かってきたら、電光石火のエルボースマッシュをお見舞いしてやろうと身構えていた。


「おいおい、なんだよ。ルナ!!  怖い顔をして。
 何も獲って喰おうッてワケじゃないんだから」
 よほどカレも殺気を感じたようだ。

 アキラは肩をすくめ苦笑いを浮かべた。



 室内にはショパンのピアノ曲『雨だれ』が流れていた。メロディアスで落ち着いた気分にさせる。



 外は滝のような土砂降りだが、防音設備が整っているのだろうか。まったくと言って良いほど気にならない。





 部屋の中は独身男性にしては綺麗に整頓されていた。
 よほど几帳面なのだろう。


 さすが独身貴族だ。セレブ感満載なインテリアが並んでいた。




「フフ……、ここがゲストルームだ。自由に使ってくれ。中からカギも掛けられる。
 外からは開けられない」
  


「ヘェ、じゃァ、このゲストルームで殺されれば密室殺人ッてワケェ……?」
 カマをかけるように物騒な事を言った。


「フフ……、まァ、そう言うことになるのかな」
 しかしカレは苦笑しジョークを聞き流すように肩をすくめた。
 

「こっちがバスルームだ。すぐに沸くはずだから……」
 ひと通り部屋の中を案内した。


「フフゥン、なァんだ。つまらない。彼女の気配がないじゃン!!」
 遠慮なく室内を物色していった。

「だから居ないよ。この部屋には彼女なんてェ……」









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