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オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》

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砂の城……✨✨✨

当たり屋……✨✨✨

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「ううゥ……、お前は!!」
 親父は呻くように後部座席の私の方へ近づいてきた。


『ヤバい』私は運転手の肩を叩き、早く出せと手で指示を送ってかした。



「うッぐうゥ……」親父はウインドウに顔をくっつけて、必死に後部座席を覗きこもうする。
 
 しかし私は無視して、シートへ深く座り顔を伏せた。



「おい、ルナ!  お前はルナじゃないのか!!」
 親父は懸命にウインドウに顔をくっつけ覗き込もうとした。


「五味岡さん!  早く出して下さい!!」弁護士の桐山アキラも何かを察したのか、後部座席に座ったまま指示を送った。


「ハッハイ……」五味岡も恐る恐る発進させた。



「おいルナァーーッ!  ルナなんだろォ!!」
 親父は必死に車体にすがりつき、バンバンと手の平でウインドウを叩いた。しつこいヤツだ。



『くッそォォ』バカヤロー……。
 思わず私はクソ親父を怒鳴りつけたい気分だった。なんで、こんなトコロで出会でくわすんだ。



「大丈夫ですよ!  お嬢様。私がついていますから」
 すぐさまアキラは私の肩を抱き寄せ激励した。



「ウうッわァァァ……!  ルナァァーー」
 親父は走る車に追いつこうとするが、足がもつれ転倒した。



「あ……!」とっさに運転手の五味岡は引き返すか、どうか逡巡していた。

「良いから、早く行くんだ!」
 構わずアキラは命令した。




「ううゥッわァァァーー……!  ルナァァァ!」
 まるで親父は、かつての大映ドラマのように去っていく車に泣き叫んでいた。
 



「あ、あのォ……、ルナさんと言うのは?」
 運転しながら五味岡はバックミラーを確認し私に訊いてきた。


「……」私は無言で何度も首を横に振った。



「フゥン、五味岡さん。酔っ払いの当たり屋の言うれごとなんか、気にしないで下さい」
 けれど、そう言いながらアキラも後方の親父を気にかけ、私を抱き寄せた。 



「そうですか……」運転手の五味岡はルームミラーで私の様子を伺っているようだ。


 私はアキラに肩を抱かれ、うつ向いたまま拳を握りしめた。




『クソ親父のバカヤロー!』
 思いっきり叫びたい気分だったが、必死に耐えた。






 ☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚






 やがて親父は、ペッとツバを吐いて立ち上がった。
「死んだはずのルナが……、くッそォ、どうして」
 車が去っていった方角を睨んでいる。


 手には弁護士の桐山アキラから渡された名刺が握りしめられていた。





 ☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚





 黒塗りのベンツは路地を出て国道を走っていく。

 私は動悸が激しくなった。



 なぜ、よりにもよってあの男が、あの道に……。




 今、もっとも会いたくない男のひとりだ。











☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.
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