【都市伝説殺人事件】 クッキー様 ！ とろけるように甘く謎を解決《とい》てください！ 紅い月夜に死者が舞う！！

クッキー様！ とろけるように甘く謎を解いてください

♯３ すべての謎はクッキー様に解かれたがっているのよ✨😜✨💕

　今夜も凄惨な殺人事件がまき起こった。





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　私の名前は石動イスルギミオ。

　石が動くと書いて、『イスルギ』と読む。


　初対面では､ほとんどのひとが読めない珍名だ。
　
　自己紹介してもちゃんと聞き取ってもらえない。

　『イソガシ』とか『イバラキ』とか呼ばれがちだ。二､三度呼んで､正確に『イスルギ』と呼ばれれば御おんの字だ。



　だから親しい人には名前の『ミオ』と呼んで貰っていた。
　




　そして、私の隣りの超絶イケメンが､九鬼神天真テンマ。
　彼の名前も珍しい名だ。


　九ここのつの鬼の神と書いて、『クキガミ』と読んだ。


　まるでどっかの新興宗教の教祖のような名前だ。


　少し名前が硬いので私は敬愛を込めて､【クッキー様】と呼んでいる。


　自称ホラー作家のジョーダンが『クッキー』と呼んでいたので私もあやかった次第だ。



　彼は『クッキー様』と私が呼ぶと､照れるのでやめてくれと言うが､王子様のように格好良いのでお似合いだ。



　スラッとモデルみたいに背が高くこの世のモノとは思えないほどイケメンだ。

　まさに国宝級イケメンと言っても良いだろう。
　宝塚の男役のように凛々しく美しい。


　しかも知性的で優しくミステリー好きで趣味も一緒だ。
　私よりも遥かにミステリーに関して造詣が深い。
　

　
　こんな好条件な物件は滅多にない。
　都心の一等地の高層タワーマンションの最上階くらいだろう。


　もちろんこんな好条件の物件なら競争率は半端じゃない。
　


　二十歳代前半なので結婚はまだだろうが、当然､恋人ステディの一人や二人はいるモノかと覚悟していた。



　だが彼はまったく女性には免疫がないらしい。

　私が腕を組んだだけで､はにかんで頬を紅く染めていた。


　そこが可愛らしくて堪らない。


　もちろん今､流行りのＢＬッてワケでもないようだ。

　当然の事ながら私のコトに好意を寄せている。

　自惚うぬぼれではなく間違いなく私の事が好きだろう。

　いくら恋愛偏差値が三十七の私でも､それくらいはわかる。




　これは､攻勢あるのみ。
　先行投資の先物買いよ。
　当たって砕けろッて感じね。
　砕けちゃイケないけど……。




　とは言っても､私の方も男子とは付き合いもない。
　まともにデートさえした事がなかった。


　なにしろ恋愛偏差値三十七だ。



　恋愛受験戦争の落ちこぼれも良いトコロだろう。



　そんな恋愛ホームレスの私に降って湧いたような国宝級のイケメンが現れたのだ。


　そりゃァ、流行りの新型感染症オミクロンよりも容易たやすく【恋愛ウイルス】に感染しちゃうだろう。

　

　彼と出逢ったのはつい先日のコトだった。





　最近になってやっと出来た彼氏の二階堂達也にも裏切られ､お先真っ暗な状況《とき》､目の前に現れた救世主が彼。





　九鬼神天真クッキー様だった。


　







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