【都市伝説殺人事件】 クッキー様 ！ とろけるように甘く謎を解決《とい》てください！ 紅い月夜に死者が舞う！！

姉のリオ

♯１５ 姉のリオ

　姉のリオは誰からも羨まれる美少女だったが､私はどちらかと言えば地味で目立たない存在だった。



　学芸会では姉は､よくヒロインのお姫様役を任された。
　それに引き換え私は､その他大勢の取るに足らない役ばかりだ。


　私が落ち込んでいるのを察したのだろうか。



「ミオさんだって､間違いなく美人だよ。ジョーダンも言ってただろう！！  『百年にひとりの美少女』だって」
　クッキー様も笑顔でフォローしてくれた。



「ン､ジョーダンは誰でもオッケーなんでしょ！！
　ＤＤなんだから」
　

「えェ……、ＤＤ？」スラングには疎いようだ。



「そう､『誰でも大好き』なＤＤよ。
　私じゃなくたって､ちょっと可愛い子ならみんな『百年にひとりの美少女』なのよ！！」
　彼のお世辞は､あまりにも上辺だけなのでうんざりしてくる。



「フッフフ、まァ言えなくもないけど。ボクはミオさんのコトを『百年にひとりの美少女』だと思うよ」
　クッキー様に目を見つめて言われるとドキドキしてくる。



「そッ、それは、どうも……」
　そんなに面と向かってクッキー様に褒められると照れてしまう。


　普段、褒められないので頬が火照って真っ赤になってしまった。



　だが、どうしてもクッキー様に訊かなければならない事があった。


「それは､そうとクッキー様？」
「ンうゥ……、なんだい」


「姉のリオとは､どういう関係なンですか」



「えェ……、リオさんと」
「そうよ。サークルの先輩後輩とは聞いたけど」
　それ以上の詮索はしていない。
　まさか元彼氏、元彼女の関係なのか。



「ン、リオさんとの関係は……。説明すると少し長くなるけど」
　クッキー様も曖昧に応えて言葉を濁した。



「良いわよ。夜は長いンだし……。まさかエッチして時間を潰すワケにもいかないでしょ」
　つい口を滑らせて過激な下ネタを言ってしまった。



「いや、まァ、そうなんだけど……」
　照れたのだろうか､かすかにクッキー様は頬を赤らめた。










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