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ブルーローズ✨✨✨
おネエのシオン✨✨✨
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帰宅途中、ユージの事を考えていた。
だが、ボーッとして立っていたのが悪かったのだろうか。
横断歩道の前で、不意に背中を強い力で押された。
「キャッ」思わず前に、ツンのめり掛けた。
車がクラクションを鳴らし目の前を通り過ぎていった。
「バッカヤロー! 死ぬ気かァァァァ!」
運転手がスゴい勢いで怒鳴っていく。
「くうゥ……」すぐに私はヒザ立ちした。
「だッ大丈夫?」そこへ女性が、後ろから抱き起こしてくれた。
「あッ、どうも……」私は礼を言って彼女の顔を見た。
「あら、ミオじゃン」彼女は私を見て驚いていた。
「ううゥ……、アナタは、美香さん!!」
抱き起こしてくれたのはシェアハウスの美香だ。
今日はいつもの派手な化粧はしていない。
「そう言えば、アナタ、神倉大学だったわね」
「あ、ハイ。じゃァ、まさか美香さんも」
「フフゥン、いけない。私が神倉大学の生徒じゃ」
化粧が薄いので、ヤケに若く思えた。
「いえ、別に……」てっきり年上の社会人かと思っていた。
水商売で、二十五、六歳かと。
しかし私の背中を押したのは誰だろう。
まさか、ブラディジャスティスが私の命を狙ったのだろうか。
シェアハウス・ソレイユへ帰ってきた私は、誰にも相談できずにいた。
頼みの綱のクッキー様にも、このコトだけは伝えられない。私の人間性を疑われる案件だ。
「ただいまァ」挨拶したが応答はない。
ラウンジには誰もいないようだ。
仕方なく部屋へ入ると、何か違和感があった。
「ンうゥ……?」まただ。
誰かが侵入したハッキリとした痕跡はなかった。
もちろん下着や何かを盗まれたワケではない。
だが、何か化粧品など細かい配置が変わっている。
「うッううゥ……」ザワザワと胸騒ぎがしてきた。
あの謎の密告者の言葉が脳裡をよぎった。
『ブラディジャスティスは、ミオのすぐそばにいる』
密告者の言った言葉が耳の奥でこだました。
「ンうゥ、私のすぐそばに……」誰なんだろう。
まさか。
同じシェアハウスの住人の窪田シュンなら、私の部屋へ侵入できるかもしれない。
シュンと茜が恋人同士なら合い鍵も持っているかも。
どんどん妄想が広がっていく。
怖くなり、すぐさま私は部屋を飛び出した。
「あッ!!」
ちょうどラウンジで、おネエのシオンと鉢合わせした。
「ああァら、どうしたの。ずいぶん慌てて」
「ハッ、ハイ……、それが」
「ずいぶんと暗いじゃない。
お隣りのイケメンさんと、クリスマスはパーティじゃないの!!」
「いえ、ちょっと」
誰にも相談できず思い悩んだ挙げ句、シオンに聴いて貰った。
「あのォ、ちょっと、お話しがあるんですけど……」
「どうしたの。改まって」
「それが、誰にも相談ができなくて……」
「わかったわ。いらっしゃい。私の部屋で話しましょ」
彼女の部屋へ誘われた。
「申し訳ありません」
部屋へ入ると、嗅いだことのない濃厚で甘美な匂いが漂っていた。
「いいのよ。さァ、なによ。聴いてもらいたいコトッて。隣りのクッキー様とか言うイケメンさんのコトかしら?」
どうやらコーヒーを作ってくれるようだ。
「いえ、クッキー様のことではなくて……。
あ、お構いなく」
「たいしたおもてなしは出来ないわよ」
できたてのコーヒーを差し出された。
「あの、いつも良い匂いがして……、嗅いだことのない匂いですね。なんの香水なんでしょうか」
辺りに漂う香水の匂いに酔ってしまいそうだ。
会った時から、この香水の薫りに魅せられた。
「ああァ、これ……、珍しいでしょ。友達のパフューマーに作って貰った新しい香水よ」
「パフューマーッて……?」
「えッ、まァ……、調香師の事ね」
「そうか。パフューマーッて言うんですね」
「そ、香水の名前は『ブルーローズ』よ」
「ブルーローズ……、ですか」
青い薔薇か。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
だが、ボーッとして立っていたのが悪かったのだろうか。
横断歩道の前で、不意に背中を強い力で押された。
「キャッ」思わず前に、ツンのめり掛けた。
車がクラクションを鳴らし目の前を通り過ぎていった。
「バッカヤロー! 死ぬ気かァァァァ!」
運転手がスゴい勢いで怒鳴っていく。
「くうゥ……」すぐに私はヒザ立ちした。
「だッ大丈夫?」そこへ女性が、後ろから抱き起こしてくれた。
「あッ、どうも……」私は礼を言って彼女の顔を見た。
「あら、ミオじゃン」彼女は私を見て驚いていた。
「ううゥ……、アナタは、美香さん!!」
抱き起こしてくれたのはシェアハウスの美香だ。
今日はいつもの派手な化粧はしていない。
「そう言えば、アナタ、神倉大学だったわね」
「あ、ハイ。じゃァ、まさか美香さんも」
「フフゥン、いけない。私が神倉大学の生徒じゃ」
化粧が薄いので、ヤケに若く思えた。
「いえ、別に……」てっきり年上の社会人かと思っていた。
水商売で、二十五、六歳かと。
しかし私の背中を押したのは誰だろう。
まさか、ブラディジャスティスが私の命を狙ったのだろうか。
シェアハウス・ソレイユへ帰ってきた私は、誰にも相談できずにいた。
頼みの綱のクッキー様にも、このコトだけは伝えられない。私の人間性を疑われる案件だ。
「ただいまァ」挨拶したが応答はない。
ラウンジには誰もいないようだ。
仕方なく部屋へ入ると、何か違和感があった。
「ンうゥ……?」まただ。
誰かが侵入したハッキリとした痕跡はなかった。
もちろん下着や何かを盗まれたワケではない。
だが、何か化粧品など細かい配置が変わっている。
「うッううゥ……」ザワザワと胸騒ぎがしてきた。
あの謎の密告者の言葉が脳裡をよぎった。
『ブラディジャスティスは、ミオのすぐそばにいる』
密告者の言った言葉が耳の奥でこだました。
「ンうゥ、私のすぐそばに……」誰なんだろう。
まさか。
同じシェアハウスの住人の窪田シュンなら、私の部屋へ侵入できるかもしれない。
シュンと茜が恋人同士なら合い鍵も持っているかも。
どんどん妄想が広がっていく。
怖くなり、すぐさま私は部屋を飛び出した。
「あッ!!」
ちょうどラウンジで、おネエのシオンと鉢合わせした。
「ああァら、どうしたの。ずいぶん慌てて」
「ハッ、ハイ……、それが」
「ずいぶんと暗いじゃない。
お隣りのイケメンさんと、クリスマスはパーティじゃないの!!」
「いえ、ちょっと」
誰にも相談できず思い悩んだ挙げ句、シオンに聴いて貰った。
「あのォ、ちょっと、お話しがあるんですけど……」
「どうしたの。改まって」
「それが、誰にも相談ができなくて……」
「わかったわ。いらっしゃい。私の部屋で話しましょ」
彼女の部屋へ誘われた。
「申し訳ありません」
部屋へ入ると、嗅いだことのない濃厚で甘美な匂いが漂っていた。
「いいのよ。さァ、なによ。聴いてもらいたいコトッて。隣りのクッキー様とか言うイケメンさんのコトかしら?」
どうやらコーヒーを作ってくれるようだ。
「いえ、クッキー様のことではなくて……。
あ、お構いなく」
「たいしたおもてなしは出来ないわよ」
できたてのコーヒーを差し出された。
「あの、いつも良い匂いがして……、嗅いだことのない匂いですね。なんの香水なんでしょうか」
辺りに漂う香水の匂いに酔ってしまいそうだ。
会った時から、この香水の薫りに魅せられた。
「ああァ、これ……、珍しいでしょ。友達のパフューマーに作って貰った新しい香水よ」
「パフューマーッて……?」
「えッ、まァ……、調香師の事ね」
「そうか。パフューマーッて言うんですね」
「そ、香水の名前は『ブルーローズ』よ」
「ブルーローズ……、ですか」
青い薔薇か。
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