【都市伝説殺人事件】 クッキー様 ！ とろけるように甘く謎を解決《とい》てください！ 紅い月夜に死者が舞う！！

捜査本部✨✨✨

神崎、富田✨✨（三人称）

「ンッでェ……、蒼井正義の顔写真は？」
　本部長が渋い顔で訊いた。


「それが……蒼井は七年前に亡くなっているんです」
　
　

「なッな、何ィィィーー……！！」
「ふざけてるのか！！  トミー」
　捜査本部内が騒然となった。


「いえ、滅相もない」富田は恐縮至極だ。
「……」神崎管理官も眉をひそめた。



「どういうコトだ。まさかその蒼井正義の亡霊が復讐してるワケじゃないだろう」
　本部長も立ち上がり険しい顔で冨田ら捜査員を追求した。



「もちろんそんな亡霊なんかではありません。おそらく【虐殺天使】の総長は､偽名を使っていたと思われます」



「偽名……、そうか。なるほど、ッで顔写真は」
　


「いえ、今のトコロ、虐殺天使の総長､蒼井正義の正体は不明でして……、一説には整形しているとか」

「ぬうぅ、整形だとォ……」本部長はキレ気味だ。


「わかりました。ところで、七年前、蒼井正義君が亡くなったのは､どういう経緯でしょうか」
　今度は､神崎管理官が目を光らせた。



「あ、ハイ、七年前、横須賀の小学校で大惨事がありまして､死者ひとり重軽傷多数だったそうです」
　富田の説明に､隣りに座るイスルギリオは眉をひそめ睨みつけた。



「大惨事……？  うッ､ううゥン……、じゃァその大惨事に巻き込まれて､蒼井正義は亡くなったのか」
　本部長が訊いた。



「いえ、蒼井正義はその大惨事を引き起こした張本人だったそうです」
　

「な、何ィィ！  張本人……！ やった方なのか」
「ハイ､一応そう言うコトです」


「なんだ。その一応とは」
「やらされた可能性もあるので」


「やらされただッてェ……」本部長は憮然とした顔で富田の説明を聞いていた。


「では飯沼､吉木公平らから強要され蒼井正義がイタズラをした。その結果､大惨事になって安倍マリアが亡くなったのですね」
　神崎管理官が眉をひそめた。


「ハイ､そうです」


「チィッ……」コワモテの鰐口警部は貧乏揺すりをして舌打ちをした。
「……」隣りにいる新人刑事の日吉も気が気でない。



 「ぬうゥ……、それでどうして蒼井正義は亡くなったんだ」
　本部長が富田を睨んで訊いた。



「直接の原因は､大惨事を引き起こした所為でのイジメだそうです」

「なにィ……､イジメかァ」
　

「ハイ、イジメにより蒼井正義は校舎の屋上から飛び降り……」
　富田は言葉を濁した。


「ぬぅッ､自殺かァ……」
　本部長が沈痛な面持ちで訊いた。


「ハイ……、亡くなった蒼井正義の同級生が殺された飯沼勝利です」



「おおッ」また一気に捜査本部がザワついた。
「……！！」神崎管理官の顔も曇りがちだ。




　鰐口警部もイスルギリオ警部補も憮然としていた。

　








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