【都市伝説殺人事件】 クッキー様 ！ とろけるように甘く謎を解決《とい》てください！ 紅い月夜に死者が舞う！！

罪と罰✨✨✨

罪と罰✨✨✨

「フィナーレだ」
　クッキー様は天井を指差した。



『ケェッ、ヒーローがお姫様を救出し､めでたしめでたしかァ！   あいにくだったな。そううまくはいかないよ。バッドエンドの方が面白いだろう！！』
　シオンは､また銃口をグリッと私のこめかみに向け押しつけていった。



「キャァァァーー！  助けてェ……」
　まだ死にたくない。お願い。
　やっとクッキー様と出会えたのに。




「よせ。シオン！  ミオはマジで関係ないんだ！
　あの大惨事にも､正義君を無視したのも……」
　クッキー様も必死に交渉していた。



『はァ……、なんだと！   何を言ってるんだ！！
　シカトして､何が関係ねえェだァ』



「あの時､ミオには蒼井正義が見えていなかったんだ。目の前で何が起きているのか」


「ええェ……？」


『ふざけんじゃない！   目の前のコトが見えないだとォォォ！！』



「そうだ。数日前、ミオは目の前で最愛のお母さんを事故で亡くしたんだ！」



「ああァ！！」そうだ。
　あの日……。思い出した。


　お母さんが私を助けるために暴走車から身を呈して私を救ってくれたんだ。



「そのショックから立ち直れず､一週間後、登校した小学校であの大惨事が起きたんだ」



「うッううゥ……」徐々にあの日のコトが蘇ってくるようだ。




「美術の時間……､蒼井正義君は真島らからイタズラで非常ベルを押せと唆そそのかされた。
　その時、教室へ入るミオと正義君の目が合ったんだろう」



『そうだ。必死に､正義は泣きそうな顔でミオへ懇願したのに。
　あの時､ミオが真島や飯沼らをちゃんと注意していれば､正義もあんなイタズラは止めていたんだ』



「うッ、ううゥ……､そうか」
　そうなのか。やはり私が､あの時､真島らヤンキーを注意しなかった所為で最悪の事態を招いたのだろうか。

　あの時､私が彼らを注意していれば､あの悲劇は防げたのかもしれない。




『だけど、ミオに無視シカトされて仕方なく正義はイタズラに手を染めてしまった。
　そう正義は遺書に書き残していたンだ！
　間違いない！』



「うッ､ううゥ……、それがあの大惨事の引き金に」
　後悔しても後の祭りなのか。

　　

　そこへもうひとり女性が飛び込んで叫んだ。

「違うのよ。シオンさん！！」姉のリオだ。
　彼女が転がるように現れた。

　手にはサクラと言うリボルバーが握られている。




「お、お姉ちゃん！！」
　とっさに私はリオを『お姉ちゃん』と呼んだ。



「あの時､リオには正義君が視界に映っても理解ができなかったのよ」



『な、なにィ！！』



「あの時のミオは､正常な心ではなかったの。壊れる寸前だったのよ。目には映っても感情がない。
　考えるコトが出来なかった。
　空虚うつろな状態だったの」


「ああァ……」そうだったのか。



『知るかァーー！   お前らの戯ざれ言を聴いていられるかァァァァ！！」
　シオンは､姉のリオに向かってガバメントの引き金を絞った。
　
　同時に､リオもリボルバーを撃ち応戦した。
　



「キャァァァァァーー……ッ」死ぬうううゥ……。
　私は顔を背け両目を瞑った。




　瞬間､『パァーン』と言う銃声が地下室内に響いた。










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