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九鬼神邸✨✨✨
ユージ✨✨✨
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「早くいえば、大掛かりな交換殺人さ」
ユージは応えた。
「うッ、ううゥ……、大掛かりな交換殺人?」
私はオウム返しをした。
「そうだ。紅い月夜に現れる『ブラディジャスティス』。正義の刃で次々と法で裁けぬ悪党どもを成敗していく。
そして、犯行現場には血まみれのタロットカードを残して立ち去っていく……。
秘かに、そんな【都市伝説】を流行らせていったンだよ。オレたちは!」
「ぬうぅ、【都市伝説】か。確かに……、交換殺人なら直接、動機がないので容疑者は絞りにくい」
視線を逸らしクッキー様も納得した様子だ。
「そうだな。法治国家では復讐殺人は認められない。どんなに阿久真を怨んでも、手を出せば罪に問われる。考えた末の『ジャスティスゲーム』さ」
「それで……、そのゲームのように、悪い人を殺していくの?」
私は眉をひそめ問い詰めた。
「まァ、早い話しがそうだ」
ユージは肩をすくめた。
「うッううゥン……」
だが、どんなに悪人でも法治国家では私刑は許されない。
「これが、オレたちの創り出したゲームさ。
『さァゲームの始まりです。
お楽しみはこれからだァァ!!』」
ユージは途中、ボイスチェンジャーを使った。
「くゥ……!!」やはりカレが。
ユージこそが、私を脅していた『ブラディジャスティス』だったのか。
ずっとストーカーして私の部屋に入り込んで脅迫状を置いたり、化粧品の位置を変えたりしたのもすべて。
「悪かったな。ミオ。ずっと怖がらせて……。どうしても『蒼井正義の亡霊』を世間にヘ広げたかったんだ」
ユージは頭を下げた。
「くうゥ……」なんとも言えない複雑な心境だ。
「お前は、初めから真島真一郎をマークしていたのか」
今度はクッキー様がユージを睨みつけた。
「ああァ……、ジョーダンから聴いて。彼が弟の真二郎を殺したいほど憎んでいた事を知っていたからね」
「真二郎を殺すために、紅い月夜にミオの同級生らを次々と兄の真一郎を教唆し殺させていった。
そして、ずっと真一郎をマークしていたんだな。真島家に盗聴器を仕掛けて……」
「ああァ、さすがクッキーだな。全部お見通しか。
あの夜は大変だったよ。真一郎もな」
「まず田山を殺した。そして自宅へ戻ると……」
「真二郎が母親に暴行していた。そして止めさせようと背後から真一郎が……」
「なるほど、その後、真一郎と父親が真二郎の遺体を清川の屋敷へ運んだ。ブラディジャスティスの犯行に見せかけ、清川仁に罪をなすりつけようと。
だがお前は、迷惑系YouTuberハリーケンに連絡し、その遺体を生配信させた」
「フフゥン、計画が狂ったからね……。遅かれ早かれ、真一郎が真犯人だと解ってしまうだろう。
まァ、クッキーが鮮やかに暴いてしまったけどね」
「ぬうぅ、計画通り行けば真一郎に清川も殺させ、すべてを清川仁ひとりの所為にさせるつもりだったのか」
「まァ、そんなところかな。さすが名探偵クッキー様だ。すべてバレバレだな」
「お前のやった事は、立派な殺人教唆だぞ」
「そうだな。初めから覚悟していたよ。けどな、オレたちがやらなきゃ、この世界は変わらないだろう。
悪人は裁かれなきゃならないんだ。
正義の刃で!」
「ぬうぅ……」クッキー様も小さく呻き声を上げた。
「ミオ……、オレの妹もちょうどミオと同じ歳だからな。生きていれば、妹もこんな綺麗になっていたのかと思うと感慨もひとしおだ……」
ユージは私に優しく微笑んだ。
「そんな私は別に……」
「ミオォ♪ ハッピーバースデー……♪」
突然、ユージが陽気に歌い出した。
「……」私は、少し面食らった。
「さァ、オレからもブルーローズのプレゼントだ」
笑顔で青い薔薇を一輪、差し出した。
「ええェ……?」
「妹に変わって、『夢を叶えて』くれ」
ユージは真剣な眼差しで見つめた。
「ゴックン……」私は固唾を飲んだ。
「ハイ」
精一杯、明るく返事をした。
「クッキー様。私たち幸せになりましょォ」
カレを仰ぎ見た。
「ンうゥ……? そうだね」
「夢はきっと叶うんだから!!」
何も考えず私はクッキー様に抱きついた。
ステキなバースデー。
きっと今夜の事は死ぬまで忘れないだろう。
夢は叶うのだから……。
その夜、私とクッキー様は結ばれた。
最高のバースデーになった。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
ユージは応えた。
「うッ、ううゥ……、大掛かりな交換殺人?」
私はオウム返しをした。
「そうだ。紅い月夜に現れる『ブラディジャスティス』。正義の刃で次々と法で裁けぬ悪党どもを成敗していく。
そして、犯行現場には血まみれのタロットカードを残して立ち去っていく……。
秘かに、そんな【都市伝説】を流行らせていったンだよ。オレたちは!」
「ぬうぅ、【都市伝説】か。確かに……、交換殺人なら直接、動機がないので容疑者は絞りにくい」
視線を逸らしクッキー様も納得した様子だ。
「そうだな。法治国家では復讐殺人は認められない。どんなに阿久真を怨んでも、手を出せば罪に問われる。考えた末の『ジャスティスゲーム』さ」
「それで……、そのゲームのように、悪い人を殺していくの?」
私は眉をひそめ問い詰めた。
「まァ、早い話しがそうだ」
ユージは肩をすくめた。
「うッううゥン……」
だが、どんなに悪人でも法治国家では私刑は許されない。
「これが、オレたちの創り出したゲームさ。
『さァゲームの始まりです。
お楽しみはこれからだァァ!!』」
ユージは途中、ボイスチェンジャーを使った。
「くゥ……!!」やはりカレが。
ユージこそが、私を脅していた『ブラディジャスティス』だったのか。
ずっとストーカーして私の部屋に入り込んで脅迫状を置いたり、化粧品の位置を変えたりしたのもすべて。
「悪かったな。ミオ。ずっと怖がらせて……。どうしても『蒼井正義の亡霊』を世間にヘ広げたかったんだ」
ユージは頭を下げた。
「くうゥ……」なんとも言えない複雑な心境だ。
「お前は、初めから真島真一郎をマークしていたのか」
今度はクッキー様がユージを睨みつけた。
「ああァ……、ジョーダンから聴いて。彼が弟の真二郎を殺したいほど憎んでいた事を知っていたからね」
「真二郎を殺すために、紅い月夜にミオの同級生らを次々と兄の真一郎を教唆し殺させていった。
そして、ずっと真一郎をマークしていたんだな。真島家に盗聴器を仕掛けて……」
「ああァ、さすがクッキーだな。全部お見通しか。
あの夜は大変だったよ。真一郎もな」
「まず田山を殺した。そして自宅へ戻ると……」
「真二郎が母親に暴行していた。そして止めさせようと背後から真一郎が……」
「なるほど、その後、真一郎と父親が真二郎の遺体を清川の屋敷へ運んだ。ブラディジャスティスの犯行に見せかけ、清川仁に罪をなすりつけようと。
だがお前は、迷惑系YouTuberハリーケンに連絡し、その遺体を生配信させた」
「フフゥン、計画が狂ったからね……。遅かれ早かれ、真一郎が真犯人だと解ってしまうだろう。
まァ、クッキーが鮮やかに暴いてしまったけどね」
「ぬうぅ、計画通り行けば真一郎に清川も殺させ、すべてを清川仁ひとりの所為にさせるつもりだったのか」
「まァ、そんなところかな。さすが名探偵クッキー様だ。すべてバレバレだな」
「お前のやった事は、立派な殺人教唆だぞ」
「そうだな。初めから覚悟していたよ。けどな、オレたちがやらなきゃ、この世界は変わらないだろう。
悪人は裁かれなきゃならないんだ。
正義の刃で!」
「ぬうぅ……」クッキー様も小さく呻き声を上げた。
「ミオ……、オレの妹もちょうどミオと同じ歳だからな。生きていれば、妹もこんな綺麗になっていたのかと思うと感慨もひとしおだ……」
ユージは私に優しく微笑んだ。
「そんな私は別に……」
「ミオォ♪ ハッピーバースデー……♪」
突然、ユージが陽気に歌い出した。
「……」私は、少し面食らった。
「さァ、オレからもブルーローズのプレゼントだ」
笑顔で青い薔薇を一輪、差し出した。
「ええェ……?」
「妹に変わって、『夢を叶えて』くれ」
ユージは真剣な眼差しで見つめた。
「ゴックン……」私は固唾を飲んだ。
「ハイ」
精一杯、明るく返事をした。
「クッキー様。私たち幸せになりましょォ」
カレを仰ぎ見た。
「ンうゥ……? そうだね」
「夢はきっと叶うんだから!!」
何も考えず私はクッキー様に抱きついた。
ステキなバースデー。
きっと今夜の事は死ぬまで忘れないだろう。
夢は叶うのだから……。
その夜、私とクッキー様は結ばれた。
最高のバースデーになった。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
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