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23話 早朝の聴取⑤
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私はお父様の言葉に驚き、目を見開いた。
お父様は各家から集めた戦力を騎士団にし、その団長にはオーディン様を据える計画に賛成らしい。
確かに、功績や実力のみで考慮するならオーディン様よりも相応しい人物は居ないと言っても過言ではない。
しかし、オーディン様だって『異能者』である前に主家の一員であり、襲撃者の狙いでもある。
そんなオーディン様が団長になっても、良い事があるとは思えない。
それにオーディン様には手段は分からないまでも学園が休みの日には国境に高速で移動して、他国に睨みを効かせているのではないかという噂がある。
実際、短い休みの間にも国境周辺に現れているという情報もある。
そんなオーディン様に騎士団を纏める時間が、まして他の主家全ての護衛計画を立てる時間ある訳が無い。
オーディン様だって他の人にも仕事は振るだろうけれど、ご自身が一番戦闘で優れている為に無茶をする事も増える可能性が高いと思ってしまう。
総合すると、新たな騎士団の創設はオーディン様に負担を増やすだけ。
私はそう考えて、お父様に進言した。
「お父様、やはり騎士団を作るべきではありません。
仮に騎士団を作る事になっても、オーディン様は関わらせるべきではないと思います」
「関わらせるべきではないか。
確かに、私達は多くの責務を押し付けてしまっている」
お父様はそう言ってから、目を閉じ考え込むように眉間にシワを寄せた。
それから少しして目を開いた。
「そうだな。
騎士団の創設には反対しよう。
スーはあまり眠れなかったのだろう?
学園には連絡しておくから、今日は休んでゆっくりとしなさい」
お父様は優しい顔でそう言った。
お父様の言う通りにあまり休んだ感じはしなかったので、その言葉に甘える事にした。
「そうします」
私はお父様にお礼を言ってから部屋に下がった。
ただ、部屋に戻ってからは出来る事があまり無かった。
私が起きている事は侍女達も知っていたので部屋の中に居るし、昨日の今日なので起きている時には護衛も部屋の中に居る。
人目がある為に『異能』を試す事が出来ない。
考える事は出来ても、それを紙に書き起こすことも出来ない。
その為にお茶を飲むか、本を読むかしか無かった。
そんな中で暫く本を読んでいると、ふとした瞬間に外から何かを感じた、気がした。
その為に外を見ると、ドースベルク家の家紋入りの馬車が見えた。
その馬車を見て、これはチャンスなのでは無いかと思った。
なので、私はすぐに側に居たミリーに声をかけた。
「ミリー、あこそにドースベルク家の馬車があるけど、何か聞いている?」
「いえ、私は聞いておりませんが」
ミリーがそう言ったので、私は部屋の中に居た者達にも視線を向けた。
すると、護衛の1人が口を開いた。
「ご当主様から、朝の内にオーディン・ドースベルク様が訪ねてこられると聞いています。
スコット様が同席を望まれるなら話を通すように仰せつかっています」
お父様は各家から集めた戦力を騎士団にし、その団長にはオーディン様を据える計画に賛成らしい。
確かに、功績や実力のみで考慮するならオーディン様よりも相応しい人物は居ないと言っても過言ではない。
しかし、オーディン様だって『異能者』である前に主家の一員であり、襲撃者の狙いでもある。
そんなオーディン様が団長になっても、良い事があるとは思えない。
それにオーディン様には手段は分からないまでも学園が休みの日には国境に高速で移動して、他国に睨みを効かせているのではないかという噂がある。
実際、短い休みの間にも国境周辺に現れているという情報もある。
そんなオーディン様に騎士団を纏める時間が、まして他の主家全ての護衛計画を立てる時間ある訳が無い。
オーディン様だって他の人にも仕事は振るだろうけれど、ご自身が一番戦闘で優れている為に無茶をする事も増える可能性が高いと思ってしまう。
総合すると、新たな騎士団の創設はオーディン様に負担を増やすだけ。
私はそう考えて、お父様に進言した。
「お父様、やはり騎士団を作るべきではありません。
仮に騎士団を作る事になっても、オーディン様は関わらせるべきではないと思います」
「関わらせるべきではないか。
確かに、私達は多くの責務を押し付けてしまっている」
お父様はそう言ってから、目を閉じ考え込むように眉間にシワを寄せた。
それから少しして目を開いた。
「そうだな。
騎士団の創設には反対しよう。
スーはあまり眠れなかったのだろう?
学園には連絡しておくから、今日は休んでゆっくりとしなさい」
お父様は優しい顔でそう言った。
お父様の言う通りにあまり休んだ感じはしなかったので、その言葉に甘える事にした。
「そうします」
私はお父様にお礼を言ってから部屋に下がった。
ただ、部屋に戻ってからは出来る事があまり無かった。
私が起きている事は侍女達も知っていたので部屋の中に居るし、昨日の今日なので起きている時には護衛も部屋の中に居る。
人目がある為に『異能』を試す事が出来ない。
考える事は出来ても、それを紙に書き起こすことも出来ない。
その為にお茶を飲むか、本を読むかしか無かった。
そんな中で暫く本を読んでいると、ふとした瞬間に外から何かを感じた、気がした。
その為に外を見ると、ドースベルク家の家紋入りの馬車が見えた。
その馬車を見て、これはチャンスなのでは無いかと思った。
なので、私はすぐに側に居たミリーに声をかけた。
「ミリー、あこそにドースベルク家の馬車があるけど、何か聞いている?」
「いえ、私は聞いておりませんが」
ミリーがそう言ったので、私は部屋の中に居た者達にも視線を向けた。
すると、護衛の1人が口を開いた。
「ご当主様から、朝の内にオーディン・ドースベルク様が訪ねてこられると聞いています。
スコット様が同席を望まれるなら話を通すように仰せつかっています」
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