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58話
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周りの人間が私の立場に関しての動揺を隠せずに居ると、防衛大臣は周りに多くの兵士や騎士が居る中で頭を下げてみせた。
「フロービス伯爵、部下の者が失礼をした。
しかし、城での魔法発動は許可が出ている際か緊急時以外禁止なのも、また事実だ。
そこで、ここは手打ちという事で、どうだろうか?
私達はフロービス伯爵が魔法を使用した事に関して口外しない。
その代わり、フロービス伯爵は部下の失礼を口外しない」
「分かりました。では、そのように。
アリア、行くわよ」
私は防衛大臣に返答してから、すぐにフィーナとアリアを連れて歩き出した。
◇
「あ、あの、お城で魔法を使ってはいけないんですか?」
私達が城から伯爵邸に戻る馬車の中で、アリアが質問してきた。
アリアの質問に、私は当然という態度で頷いた。
「ええ、王城では基本的に訓練をする人間しか魔法を発動させてはいけないわ。
理由としては、魔眼所持者に対する防御の為ね。
強力な魔眼所持者は、警備が厳重な城だとしても、城を破壊するのは用意だし、暗殺ならばもっと容易になるわ。
でも、魔法を使用するには魔力を使用しなければならない。
その魔力を感知し、即座に駆けつけることが出来れば、被害は最小限になる。
そして即座に駆け付ける為には、普段から魔力を使用して良い場所を決めておき、その場以外での魔法の発動禁止の条件は絶対に必要となるの。
それに付随して、魔法を発動させて良い場所でも、事前に申請している人間以外が魔法を使うと、兵士や騎士が飛んできて、捕らえられるわ。
これは城に侵入している不審者を捕らえられる為の措置だから、高位の貴族でも例外ではないわ」
「な、なるほど」
「ローニャ様、城での魔法の発動禁止について、お分かりになっているのに、何故発動させたのですか?」
フィーナが少しだけ責めるような目で私を見ながら、質問してきた。
フィーナの責めるような目から、目を反らしながら答えた。
「ようやく、フィーナを名実ともに私のに出来るのに、ふざけた事を抜かした馬鹿と同じ様な馬鹿が居かねないから、牽制しただけよ。
それに防衛大臣が利益と口約束を取るかも試したかったしね」
「と言いますと?」
「防衛大臣はアリアを、私に任せると言ったわ。
でも、私が魔法を使用した状態で、大勢の前でアリアの訓練を見ると言えば私は拒否出来ない。
その状態で、アリアとの交流を図る機会を取るのか、私に言った言葉を守るかを見たかったの」
「え、それって、私が頻繁に城に行く可能性があったんじゃぁ」
「ええ、あったわね。でも、黒色の魔眼所持者はどこの勢力に所属しても、城に赴く事になる機会はあるわ。
だから、あの時にアリアの訓練にも口を出されていたとしても、月に一回城に赴く事になるか、年に一回城に赴く事になるかの違いだったでしょうね」
「ね、年に一回?なにかあるんですか?」
「ええ、貴族の『お披露目会』ね。それには王国に所属している黒色の魔眼所持者には招待状を送る事になっているから、アリアも今の内から覚悟しておきなさい」
私がそう言うと、アリアは酷く驚いた顔をして、フィーナに顔を向け視線で確認を取った。
フィーナは、そんなアリアは一度頷き、私の言葉が正しい事を伝えた。
アリアは私の言葉が正しい事を理解すると、相応にはショックだったのか、億劫そうな顔をしていた。
「フロービス伯爵、部下の者が失礼をした。
しかし、城での魔法発動は許可が出ている際か緊急時以外禁止なのも、また事実だ。
そこで、ここは手打ちという事で、どうだろうか?
私達はフロービス伯爵が魔法を使用した事に関して口外しない。
その代わり、フロービス伯爵は部下の失礼を口外しない」
「分かりました。では、そのように。
アリア、行くわよ」
私は防衛大臣に返答してから、すぐにフィーナとアリアを連れて歩き出した。
◇
「あ、あの、お城で魔法を使ってはいけないんですか?」
私達が城から伯爵邸に戻る馬車の中で、アリアが質問してきた。
アリアの質問に、私は当然という態度で頷いた。
「ええ、王城では基本的に訓練をする人間しか魔法を発動させてはいけないわ。
理由としては、魔眼所持者に対する防御の為ね。
強力な魔眼所持者は、警備が厳重な城だとしても、城を破壊するのは用意だし、暗殺ならばもっと容易になるわ。
でも、魔法を使用するには魔力を使用しなければならない。
その魔力を感知し、即座に駆けつけることが出来れば、被害は最小限になる。
そして即座に駆け付ける為には、普段から魔力を使用して良い場所を決めておき、その場以外での魔法の発動禁止の条件は絶対に必要となるの。
それに付随して、魔法を発動させて良い場所でも、事前に申請している人間以外が魔法を使うと、兵士や騎士が飛んできて、捕らえられるわ。
これは城に侵入している不審者を捕らえられる為の措置だから、高位の貴族でも例外ではないわ」
「な、なるほど」
「ローニャ様、城での魔法の発動禁止について、お分かりになっているのに、何故発動させたのですか?」
フィーナが少しだけ責めるような目で私を見ながら、質問してきた。
フィーナの責めるような目から、目を反らしながら答えた。
「ようやく、フィーナを名実ともに私のに出来るのに、ふざけた事を抜かした馬鹿と同じ様な馬鹿が居かねないから、牽制しただけよ。
それに防衛大臣が利益と口約束を取るかも試したかったしね」
「と言いますと?」
「防衛大臣はアリアを、私に任せると言ったわ。
でも、私が魔法を使用した状態で、大勢の前でアリアの訓練を見ると言えば私は拒否出来ない。
その状態で、アリアとの交流を図る機会を取るのか、私に言った言葉を守るかを見たかったの」
「え、それって、私が頻繁に城に行く可能性があったんじゃぁ」
「ええ、あったわね。でも、黒色の魔眼所持者はどこの勢力に所属しても、城に赴く事になる機会はあるわ。
だから、あの時にアリアの訓練にも口を出されていたとしても、月に一回城に赴く事になるか、年に一回城に赴く事になるかの違いだったでしょうね」
「ね、年に一回?なにかあるんですか?」
「ええ、貴族の『お披露目会』ね。それには王国に所属している黒色の魔眼所持者には招待状を送る事になっているから、アリアも今の内から覚悟しておきなさい」
私がそう言うと、アリアは酷く驚いた顔をして、フィーナに顔を向け視線で確認を取った。
フィーナは、そんなアリアは一度頷き、私の言葉が正しい事を伝えた。
アリアは私の言葉が正しい事を理解すると、相応にはショックだったのか、億劫そうな顔をしていた。
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