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3章前半 『エンドシート学園』編
96話
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あれからフィーナと夕食を食べている間は、久しぶりに楽しかった。
なによりも最初の頃は私に文句を言いに来ていたやつらのペアを模擬戦で瞬殺してやっているうちに、周りが静かになったので最近はようやくゆっくりと出来るようになったから、それも良かった。
それからの1日は模擬戦を観戦して、他のペアの実力を見たり、新しく作れそうな魔法を頭の中で作り、『序列部屋争奪戦』が終わっている明日には試してみようと演習場を予約したりと色々しているうちに、夜になった。
そして、夕食を取ってから城の部屋でフィーナを待っているものの、そのフィーナが来ない。
『エンドシート学園』の消灯時間は12時であり、現在は11時なのでまだ時間はあるものの話が長くなれば、話が途中で切れてしまうかもしれない。
だから、早く話を始めたいけど、フィーナが来ないので、まだ来ないのかと気持ちが急かされてしまう。
そんな事を考えているうちに、城の扉がノックされた。
フィーナだと思ったものの、一応他の人間が訪ねてきた時の事を考えて、扉の向こうの誰かに言った。
「こんな夜更に誰?もう消灯時間も近いけど」
私がそう言っても、扉の向こうの誰かは何も言わなかった。
扉の向こうに居るのが、フィーナでないとしても、返事が無いのはおかしいと思い、フィーナと話すのだからと寝間着になっていなかった事をいいことに、静かに扉に近づき、一気に扉を開け放った。
すると、扉の向こうは一寸先も見えないような真っ黒闇だった。
「は?」
それに驚き、呆然と声を出してしまったが、真っ黒闇は私の声に反応してか、一気に部屋の中に押し入ろうと迫ってきた。
そこまで来て、ようやく正気に戻った私は『氷壁』を咄嗟に使って、部屋への侵入を防いだ。
しかし、咄嗟に使った『氷壁』は厚くなく、すぐにヒビが入り、長くは保たないと思われたが、私がそう思った次の瞬間には『氷壁』が割れた。
そして、私の体が誰かに抱えられ床から浮き上がり、その次の瞬間には部屋の扉が閉められた。
「はぁ、はぁ、だ、大丈夫、ですか。ローニャ様」
抱えられていた私はそんな声をかけられながら、床に降ろされた。
私を抱えていたのはフィーナだった。
おそらく、『氷壁』が私の予想よりも早く割れたのもフィーナが割ったからだろう。
しかし、それよりもまず私はフィーナの体を見て、聞かなければいけないことがあった。
「フィーナ!?その体は大丈夫なの!?」
フィーナは今、床に両膝を付き、体の至る所に黒い水のような何かが付着しており、その黒い水はまるで生きて居るように、少しづつではあるものの動いていた。
なによりも最初の頃は私に文句を言いに来ていたやつらのペアを模擬戦で瞬殺してやっているうちに、周りが静かになったので最近はようやくゆっくりと出来るようになったから、それも良かった。
それからの1日は模擬戦を観戦して、他のペアの実力を見たり、新しく作れそうな魔法を頭の中で作り、『序列部屋争奪戦』が終わっている明日には試してみようと演習場を予約したりと色々しているうちに、夜になった。
そして、夕食を取ってから城の部屋でフィーナを待っているものの、そのフィーナが来ない。
『エンドシート学園』の消灯時間は12時であり、現在は11時なのでまだ時間はあるものの話が長くなれば、話が途中で切れてしまうかもしれない。
だから、早く話を始めたいけど、フィーナが来ないので、まだ来ないのかと気持ちが急かされてしまう。
そんな事を考えているうちに、城の扉がノックされた。
フィーナだと思ったものの、一応他の人間が訪ねてきた時の事を考えて、扉の向こうの誰かに言った。
「こんな夜更に誰?もう消灯時間も近いけど」
私がそう言っても、扉の向こうの誰かは何も言わなかった。
扉の向こうに居るのが、フィーナでないとしても、返事が無いのはおかしいと思い、フィーナと話すのだからと寝間着になっていなかった事をいいことに、静かに扉に近づき、一気に扉を開け放った。
すると、扉の向こうは一寸先も見えないような真っ黒闇だった。
「は?」
それに驚き、呆然と声を出してしまったが、真っ黒闇は私の声に反応してか、一気に部屋の中に押し入ろうと迫ってきた。
そこまで来て、ようやく正気に戻った私は『氷壁』を咄嗟に使って、部屋への侵入を防いだ。
しかし、咄嗟に使った『氷壁』は厚くなく、すぐにヒビが入り、長くは保たないと思われたが、私がそう思った次の瞬間には『氷壁』が割れた。
そして、私の体が誰かに抱えられ床から浮き上がり、その次の瞬間には部屋の扉が閉められた。
「はぁ、はぁ、だ、大丈夫、ですか。ローニャ様」
抱えられていた私はそんな声をかけられながら、床に降ろされた。
私を抱えていたのはフィーナだった。
おそらく、『氷壁』が私の予想よりも早く割れたのもフィーナが割ったからだろう。
しかし、それよりもまず私はフィーナの体を見て、聞かなければいけないことがあった。
「フィーナ!?その体は大丈夫なの!?」
フィーナは今、床に両膝を付き、体の至る所に黒い水のような何かが付着しており、その黒い水はまるで生きて居るように、少しづつではあるものの動いていた。
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