血の魔法使いは仲間を求める

ロシキ

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1章 第1部 追放と一人目

1話 死亡

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『ねえ、また、会えるかな?』

冷たい雨が降りしきる戦場で、俺の最後の支えとなっていた俺と同年代の彼女は下半身を消し飛ばされた状態で泣きながらそう言った。
そんな彼女の言葉に俺は何も言えずに、彼女を抱きしめ、彼女は俺の腕の中で死んでいった。

俺はその死んでいった彼女の上半身を抱きしめたまま、戦場だった筈のこの場に留まっていた。
彼女にも俺が所属していた傭兵団の団長や仲間達にも『例え誰が死んでも戦場では止まるな』と言われていたし、実際に昔仲間が死んだときも足だけは止めなかった。

それでもこの場に留まっていた理由は、既にこの戦場から逃げられる段階は過ぎているからだ。

そもそもこの戦争は影から国々を支配した悪魔達が、上位悪魔でも一体ならば例え上位悪魔の配下が居ても誰も死なずに殺すことが出来る、俺達の事を邪魔に思い、消すために起こしたのだと傭兵団が壊滅し、俺とさっき死んだ彼女だけになったときに知った。
知ってからは、すぐに彼女と戦争から逃げようとしたが、逆にその時には包囲されていて、彼女が世界一の魔術師でなければ、例え魔法使いの俺があても、俺も彼女ももっと早く死んでいただろう。

彼女は包囲された状態から周囲に幻影を作り周りを惑わせ、結界を敷き俺と彼女が逃げられるようにした。
彼女は世界一といわれる程に魔術師に長けていたので、俺の魔法と剣術があれば本来ならば逃げられる筈だった。

だが、その場に悪魔がいた事で状況は一変し、彼女の魔術は全て消され、消されなかった俺の魔法も対多数戦闘には向かず俺が悪魔の魔術に殺されそうになった所で、彼女が俺を庇いつつ転移の魔術を使用して、この場に逃げてきた。
しかし、彼女は俺を庇った時に受けた攻撃で下半身が消し飛び、そして俺の腕の中で死んでしまった。

そんな彼女が文字通りに命を使って伸ばしてくれた時間も、既に終わりが見えた。
この場に悪魔がやってきたのだ。
それも彼女の下半身を消し飛ばした奴とは別に、3体の悪魔を加えて。

いくら俺が魔法の使い手でも、1人で悪魔の相手をするのは無理ではないが自殺に近い為に無謀であり、そんな悪魔が計4体居るのだから勝てるわけは無い。
それでもせめて彼女の体は傷つけさせまいと、悪魔達と対峙し彼女の体を背で庇った。

そんな俺を見て彼女の下半身を消し飛ばした悪魔は唸った。

「流石は世界最強の魔術師と魔法使い。まさか、私と敵対して一時的とはいえ逃げ、この状況から生き残れないと分ったなら仲間の体を庇うとは。その心の強さは驚愕に値する。死んでからも誇っていい」

悪魔に褒められても嬉しくはないし、そもそもこの状況になったのは俺達が弱かったせいもあるが、人類が悪魔に対し付け入られ易すぎるせいもある。
そんな今考えてもどうしようもない事を考えながらも、悪魔に言葉を返した。

「例え上位悪魔に褒められても嬉しくはないな。お前達が俺達の傭兵団を壊滅させたのは最上位悪魔による指示か?」

俺の言葉に彼女の下半身を消し飛ばした悪魔の後ろにいた悪魔が俺を見下しながら言った。

「フン、貴様らなど中位悪魔を殺して浮かれているおめでたい頭をしている猿だろう?その猿にあの御方の指示とはいえ我々が直々に対処してやるのだから、光栄に思え」

一体の悪魔がそう言うと、他の悪魔も頷いた。
そして頷いた後、彼女の下半身を消し飛ばした悪魔が俺に魔術を発動させながら言った。

「お前の覚悟強さに免じて、お前とその女の体は何もせずに私が責任を持って灰にしてやる。有り難く思え」

この世界では死体は悪魔や禁術の使用に利用されないように火葬される。
高位悪魔は灰にした体を再構成出来るが、再構成しても灰にする前の性能の1割にも満たない為に、死体は灰にするのがこの世界の常識だ。

そして、何よりも悪魔は嘘はつかない。
分かりづらい言い回しをしたりはするが、言質を取りさえすれば人間よりも信頼できる。

なので、俺は俺の体と彼女の体が利用されないと分かったので、安心出来た。
そんな安心の中で俺は悪魔が放った魔術の炎に包まれて、意識を失い死んだ。


















そして時は流れ、それから長い時間が経った後、俺はある宣言をされた。

「貴様とアイリス王女は婚約破棄し、この僕と婚約をすると言っている!!さっさと僕達の前から消えよ!!」
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