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1章 第2部 街へと二人目
24話 不安
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「むうぅ~」
「ん?」
唸り語が聞こえた方を見れば、アイミナが凄く苦そうな顔をしていた。
「アイミナ?どうした?」
俺がそう聞くと、アイミナは俺の服を引っ張ってきて言った。
「ボス!!早く寝るのです!!さぁ、早く、早く!!」
そう言って、アイミナは俺を無理矢理立たせて、ずるずると引っ張られて部屋の外へと出されてしまった。
なので、部屋の外からではあるがエリーシアに声をかけた。
「え!?ちょっ、アイミナ!?引っ張んないで!?あ、エリーシア、拠点の中は勝手に見て歩いて貰って構わないから!!それと寝る所も好きな所に寝て貰って構わないから!!」
そう言ったものの、そのままアイミナに寝室に引っ張られて行ってしまった。
どうやらアイミナにはもう自力では敵わないらしい。
そして、そのまま寝室に入ると寝具(簡単な寝台と毛布)に俺を掴んだままダイブした。
器用に俺とアイミナ自身をどこにもぶつけずにいつものように毛布に包まった。
その後はアイミナは拗ねた子供のように俺の胸の辺りに頭をぐりぐりと押し付けてきた。
俺がアイミナはこんな事をしてくるのは初めてで戸惑っていると、アイミナが小さな声で聞いてきた。
「ボスは、何処かに行っちゃうのですか?」
その言葉でアイミナが何を思っているのかを察する事が出来た。
アイミナは俺が『ダンジョン都市』に興味を示している事を理解して、『ダンジョン都市』に俺一人で行ってしまうのではないかと考えているのだろう。
だから、アイミナの頭を撫でながら言った。
「そうだな、いつかは分からないけど、『ダンジョン都市』には行くことになると思う。
でも『ダンジョン都市』に行くなら、アイミナと一緒にだ。もしも、アイミナが人間が怖いなら『ダンジョン都市』に行くこと自体を止めてもいい」
俺がそう言うとアイミナは頭でぐりぐりとするのを止めて、俺を見上げてきた。
「で、でもボスは人間の街に行きたいんじゃないのですか?」
「え?」
「ボスは何か悩むときは殆どを魔法で解決するのに、たまに『街なら、もっと便利なんだけどな』と言っていたのです。だから、」
アイミナは「だから、」の先は続けなかった。
だが、「街に1人で行くんじゃないかって」という言葉が続くのは明白だろう。
そんな事を考えていたアイミナに対して、俺はアイミナがしている勘違いに頭を抱えたくなった。
しかし、そんな感情は心の奥に仕舞って、元々考えていた事をアイミナに伝えた。
「アイミナ、確かに俺はたまに『街なら、もっと便利なんだけどな』と言っていたのは、もっと沢山の物を見てほしかったからだ」
「沢山の物、ですか?」
「ああ、俺やアイミナの様に魔法使いは魔力があれば自身の想像を実現に出来るから、万能であり強い。でも、万能のであり強いだけであって、全能であり最強じゃない」
「万能で強いけど、全能で最強じゃない?」
「そうだ。例えば、火が水で消えるという現象を知らなければ、魔法や魔術なんではなくただの火で危険に落ちいった時に、どうしようもなくなる。
それにな、世界は広いんだ。アイミナの世界は多分、この魔の森だけだろう?だけど、魔の森の外には砂だけが延々と広がっている場所や一面水が広がっている場所、逆に一面人で溢れ返ってとても賑やかな場所もある。
だから、アイミナには外に興味を持って欲しくて、興味を持ちやすいように俺と同じ人間の街の話をよく出してたんだが、失敗だったな。直接話したほうが良かったな、悪かった」
俺がそう言うと、アイミナは頭を横に振って何かを考えるように顔を伏せた。
「それなら、ボスは私が1人で色々場所に行った方が良いと考えているのですか?」
「違うぞ、アイミナ。前に出来るだけ一緒に居るって言ったろう?」
俺がそう言うと、アイミナは目を見開いた。
そして、その後に嬉しそうに笑顔で言った。
「それなら、色んな所を見たいのです。だからボス、私と一緒に行ってくれますか?」
「あぁ、勿論」
俺がそう言うと、アイミナは安心したように眠った。
そして、それを確認した俺も同様に眠った。
「ん?」
唸り語が聞こえた方を見れば、アイミナが凄く苦そうな顔をしていた。
「アイミナ?どうした?」
俺がそう聞くと、アイミナは俺の服を引っ張ってきて言った。
「ボス!!早く寝るのです!!さぁ、早く、早く!!」
そう言って、アイミナは俺を無理矢理立たせて、ずるずると引っ張られて部屋の外へと出されてしまった。
なので、部屋の外からではあるがエリーシアに声をかけた。
「え!?ちょっ、アイミナ!?引っ張んないで!?あ、エリーシア、拠点の中は勝手に見て歩いて貰って構わないから!!それと寝る所も好きな所に寝て貰って構わないから!!」
そう言ったものの、そのままアイミナに寝室に引っ張られて行ってしまった。
どうやらアイミナにはもう自力では敵わないらしい。
そして、そのまま寝室に入ると寝具(簡単な寝台と毛布)に俺を掴んだままダイブした。
器用に俺とアイミナ自身をどこにもぶつけずにいつものように毛布に包まった。
その後はアイミナは拗ねた子供のように俺の胸の辺りに頭をぐりぐりと押し付けてきた。
俺がアイミナはこんな事をしてくるのは初めてで戸惑っていると、アイミナが小さな声で聞いてきた。
「ボスは、何処かに行っちゃうのですか?」
その言葉でアイミナが何を思っているのかを察する事が出来た。
アイミナは俺が『ダンジョン都市』に興味を示している事を理解して、『ダンジョン都市』に俺一人で行ってしまうのではないかと考えているのだろう。
だから、アイミナの頭を撫でながら言った。
「そうだな、いつかは分からないけど、『ダンジョン都市』には行くことになると思う。
でも『ダンジョン都市』に行くなら、アイミナと一緒にだ。もしも、アイミナが人間が怖いなら『ダンジョン都市』に行くこと自体を止めてもいい」
俺がそう言うとアイミナは頭でぐりぐりとするのを止めて、俺を見上げてきた。
「で、でもボスは人間の街に行きたいんじゃないのですか?」
「え?」
「ボスは何か悩むときは殆どを魔法で解決するのに、たまに『街なら、もっと便利なんだけどな』と言っていたのです。だから、」
アイミナは「だから、」の先は続けなかった。
だが、「街に1人で行くんじゃないかって」という言葉が続くのは明白だろう。
そんな事を考えていたアイミナに対して、俺はアイミナがしている勘違いに頭を抱えたくなった。
しかし、そんな感情は心の奥に仕舞って、元々考えていた事をアイミナに伝えた。
「アイミナ、確かに俺はたまに『街なら、もっと便利なんだけどな』と言っていたのは、もっと沢山の物を見てほしかったからだ」
「沢山の物、ですか?」
「ああ、俺やアイミナの様に魔法使いは魔力があれば自身の想像を実現に出来るから、万能であり強い。でも、万能のであり強いだけであって、全能であり最強じゃない」
「万能で強いけど、全能で最強じゃない?」
「そうだ。例えば、火が水で消えるという現象を知らなければ、魔法や魔術なんではなくただの火で危険に落ちいった時に、どうしようもなくなる。
それにな、世界は広いんだ。アイミナの世界は多分、この魔の森だけだろう?だけど、魔の森の外には砂だけが延々と広がっている場所や一面水が広がっている場所、逆に一面人で溢れ返ってとても賑やかな場所もある。
だから、アイミナには外に興味を持って欲しくて、興味を持ちやすいように俺と同じ人間の街の話をよく出してたんだが、失敗だったな。直接話したほうが良かったな、悪かった」
俺がそう言うと、アイミナは頭を横に振って何かを考えるように顔を伏せた。
「それなら、ボスは私が1人で色々場所に行った方が良いと考えているのですか?」
「違うぞ、アイミナ。前に出来るだけ一緒に居るって言ったろう?」
俺がそう言うと、アイミナは目を見開いた。
そして、その後に嬉しそうに笑顔で言った。
「それなら、色んな所を見たいのです。だからボス、私と一緒に行ってくれますか?」
「あぁ、勿論」
俺がそう言うと、アイミナは安心したように眠った。
そして、それを確認した俺も同様に眠った。
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