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平和な街の異変
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会議室のドアをノックすると中から「どうぞ」と声が聞こえた。
中へ入ると、朝の刑事が待っていた。
「やぁ、砂月君、すまないね。本来ならば期待通りカツ丼でも振る舞ってやらねばいけないところなのだろうが、生憎、ここは取調室じゃないものでね」
そう軽く冗談を交えながら刑事は話しかけてきた。
「いや、気にしないでください、ここは日々退屈している生徒達が不毛な話を延々とする会議室ですから」
俺も会議室のところを強調しながらその刑事のジョークを切り返してやった。
「いやはや、今時の高校生にこんなに頭の回る子がいるとは」
刑事は切り返されたことに驚きつつ鞄からふと何かを取り出した。
「カツ丼ではないが、これもそれなりに雰囲気があると思うが、まぁお詫びと言ってはなんだが、これでも食ってくれ」
そう言って渡されたのはあんパンと牛乳だった。
(この人、どんだけ刑事もの好きなんだよ……)
「さぁてとそれじゃ早速本題に入らせてもらおう。君が今朝見た事を一通り教えてくれたまえ」
そう言われ、俺は今朝の一連の自分の動きと見た事を正確に話した。
「そうか、確かにあまり私達が現場検証して得た情報とさして変わらないな。最後にもう一つだけ聞かせてくれ、君はあの遺体を見て何を感じた?」
さっきまでとは少し雰囲気が変わり真剣な顔で刑事は聞いてきた。
「なんでそんな事を?」
その問いには刑事は答えず、自分の質問に答えろと言わんばかりの目で、睨みつけている。俺は短くため息を吐いた後に質問に答え始めた。
「すごく綺麗でしたよ、女の人の顔がどうこうって言うんじゃ無くて、死体としてですが、まるで死んでないかのように眠っているかのようでした」
「ほかには何か感じたかい? 例えば死体の置き場所とか?」
「そうですね、あの死体は見るからにこの高校とは無縁の人でした。おそらくここら辺の人でもないでしょう。まるでどこか違うところで殺してあそこに運んでわざと置いて行ったかのような……」
そこで俺は自分の話している内容の答えが分かり、その答えがあまりにも酷いものだと思い顔を歪めた。すると刑事はその表情にあざとく気付き、先を促すかのように、無言で続けろと手を動かした。
「俺たちにわざと見せつけるために、あの時間に俺たちがたくさんいる事をわかってわざと時間ギリギリに死体を置いて行った」
「その通りだよ、犯人は公には知られて無いが、今近辺で連続殺人を犯している、殺人鬼の仕業さ。奴の手口はいつも決まっている。一瞬寝てるだけかのような死体。傷はいつも首に細い切り傷のみ、そして死体発見現場と殺害現場はいつも違って死体の置き場所、殺人の時間帯はばらばら、ただ一つ共通点が、その時間帯に一番人が集まるであろう場所に置いている」
「自分の犯行を見せつけているってことですか?」
「いや、少し違うな。死体を人に見せているってところだろう」
「なんでそんな事を……」
「さあな、そこまではさすがに分からんな。それこそ犯人のみぞ知るって奴だろうよ」
(そこは嘘でも普通、神のみぞ知るって言うところなんじゃ……)
俺は心の中でこのふざけた刑事にツッコミを入れながら、今聞いた犯人の行動を考えていた。
それをまた読み取ったのか、刑事は今度は真剣な顔つきで口を開いた。
「砂月君、さすがに今の話は君が知らなくてもいい話だった。この話は忘れてくれ。それと事情聴取だが君からの話で充分そうだ。だから、君の彼女の確か、陽野浦さんだったかな、彼女からは話を聞く必要はもう無いからその旨を伝えておいてくれ」
そう言って刑事は会議室を立ち去った。俺は忘れてくれと言われたが、当然忘れられるわけも無く、その事について考えながら、コンビニまでの道を急いだ。
コンビニに着くと、いつもの場所で俺を待つ栞がいた。しかし、その待つ姿はいつもより元気も無く、今にも崩れそうになっていた。
そして栞は俺に気づくといつもの笑顔を浮かべようとしたが、やはりいつも程の明るい笑顔ではなかった。
「やぁやぁ、遅かったではないか、仁君よ。さすがに待ちくたびれて、そろそろ帰ろうかと思っていたよ」
いつも通りに明るく振舞おうとしている栞を見ると、胸が締め付けられる思いに駆られた。
「ごめんよ、栞姫」
俺は二重の意味で謝りつつ、栞のノリに合わせて、冗談を言ってやった、すると栞はいつも通り頬を染めていた。
「君は優しいな。あ、そうだ今度の日曜日は空いてるかい?」
「ん? 空いてるけど、どうかしたの?」
「いや、なに仁君をデートにでも誘いたいなとでも思ったんだが、どうだろうか?」
栞の予想外の提案に少し驚いたが、俺は同意した。
「栞姫がお望みとあらば、どこまでもお供させて頂きます」
栞はその答えに満面の笑みで答えた。
「そうと決まれば、たっぷりと買い物をするとしよう。なんたって心強い荷物持ちがいるんだからね」
「あ、あの栞さん? さすがに僕にも限界というものがあるのですが?」
「ならば、仁君よ、今こそその限界を超える時なのだ」
そういったやり取りをしながら気付くと電車の時間が迫って来ていた。
それに気付いた栞と俺はコンビニを後にしてお互いの帰り道へと向かい始めた。
「さっきのは冗談だよ、仁君。 じゃあ今度の日曜はまたあのコンビニに九時に集合でね、遅刻は厳禁だからね?」
そして帰りの分かれ道のところについたところで二人は向かい合った。
「じゃあまたね」
「じゃあ、また」
そう言ってお互いに家路へと足を運んだ。
(その夜俺は今日の会議室での会話が繰り返し頭に浮かんできていた。学校で突如起きた謎の殺人事件が今、巷で頻発している通り魔殺人の一件だという事。そして殺人犯の行動が明らかに死体を人目につく場所に置いて言っている事、いったいこの街で何が起きているのだろう……)
中へ入ると、朝の刑事が待っていた。
「やぁ、砂月君、すまないね。本来ならば期待通りカツ丼でも振る舞ってやらねばいけないところなのだろうが、生憎、ここは取調室じゃないものでね」
そう軽く冗談を交えながら刑事は話しかけてきた。
「いや、気にしないでください、ここは日々退屈している生徒達が不毛な話を延々とする会議室ですから」
俺も会議室のところを強調しながらその刑事のジョークを切り返してやった。
「いやはや、今時の高校生にこんなに頭の回る子がいるとは」
刑事は切り返されたことに驚きつつ鞄からふと何かを取り出した。
「カツ丼ではないが、これもそれなりに雰囲気があると思うが、まぁお詫びと言ってはなんだが、これでも食ってくれ」
そう言って渡されたのはあんパンと牛乳だった。
(この人、どんだけ刑事もの好きなんだよ……)
「さぁてとそれじゃ早速本題に入らせてもらおう。君が今朝見た事を一通り教えてくれたまえ」
そう言われ、俺は今朝の一連の自分の動きと見た事を正確に話した。
「そうか、確かにあまり私達が現場検証して得た情報とさして変わらないな。最後にもう一つだけ聞かせてくれ、君はあの遺体を見て何を感じた?」
さっきまでとは少し雰囲気が変わり真剣な顔で刑事は聞いてきた。
「なんでそんな事を?」
その問いには刑事は答えず、自分の質問に答えろと言わんばかりの目で、睨みつけている。俺は短くため息を吐いた後に質問に答え始めた。
「すごく綺麗でしたよ、女の人の顔がどうこうって言うんじゃ無くて、死体としてですが、まるで死んでないかのように眠っているかのようでした」
「ほかには何か感じたかい? 例えば死体の置き場所とか?」
「そうですね、あの死体は見るからにこの高校とは無縁の人でした。おそらくここら辺の人でもないでしょう。まるでどこか違うところで殺してあそこに運んでわざと置いて行ったかのような……」
そこで俺は自分の話している内容の答えが分かり、その答えがあまりにも酷いものだと思い顔を歪めた。すると刑事はその表情にあざとく気付き、先を促すかのように、無言で続けろと手を動かした。
「俺たちにわざと見せつけるために、あの時間に俺たちがたくさんいる事をわかってわざと時間ギリギリに死体を置いて行った」
「その通りだよ、犯人は公には知られて無いが、今近辺で連続殺人を犯している、殺人鬼の仕業さ。奴の手口はいつも決まっている。一瞬寝てるだけかのような死体。傷はいつも首に細い切り傷のみ、そして死体発見現場と殺害現場はいつも違って死体の置き場所、殺人の時間帯はばらばら、ただ一つ共通点が、その時間帯に一番人が集まるであろう場所に置いている」
「自分の犯行を見せつけているってことですか?」
「いや、少し違うな。死体を人に見せているってところだろう」
「なんでそんな事を……」
「さあな、そこまではさすがに分からんな。それこそ犯人のみぞ知るって奴だろうよ」
(そこは嘘でも普通、神のみぞ知るって言うところなんじゃ……)
俺は心の中でこのふざけた刑事にツッコミを入れながら、今聞いた犯人の行動を考えていた。
それをまた読み取ったのか、刑事は今度は真剣な顔つきで口を開いた。
「砂月君、さすがに今の話は君が知らなくてもいい話だった。この話は忘れてくれ。それと事情聴取だが君からの話で充分そうだ。だから、君の彼女の確か、陽野浦さんだったかな、彼女からは話を聞く必要はもう無いからその旨を伝えておいてくれ」
そう言って刑事は会議室を立ち去った。俺は忘れてくれと言われたが、当然忘れられるわけも無く、その事について考えながら、コンビニまでの道を急いだ。
コンビニに着くと、いつもの場所で俺を待つ栞がいた。しかし、その待つ姿はいつもより元気も無く、今にも崩れそうになっていた。
そして栞は俺に気づくといつもの笑顔を浮かべようとしたが、やはりいつも程の明るい笑顔ではなかった。
「やぁやぁ、遅かったではないか、仁君よ。さすがに待ちくたびれて、そろそろ帰ろうかと思っていたよ」
いつも通りに明るく振舞おうとしている栞を見ると、胸が締め付けられる思いに駆られた。
「ごめんよ、栞姫」
俺は二重の意味で謝りつつ、栞のノリに合わせて、冗談を言ってやった、すると栞はいつも通り頬を染めていた。
「君は優しいな。あ、そうだ今度の日曜日は空いてるかい?」
「ん? 空いてるけど、どうかしたの?」
「いや、なに仁君をデートにでも誘いたいなとでも思ったんだが、どうだろうか?」
栞の予想外の提案に少し驚いたが、俺は同意した。
「栞姫がお望みとあらば、どこまでもお供させて頂きます」
栞はその答えに満面の笑みで答えた。
「そうと決まれば、たっぷりと買い物をするとしよう。なんたって心強い荷物持ちがいるんだからね」
「あ、あの栞さん? さすがに僕にも限界というものがあるのですが?」
「ならば、仁君よ、今こそその限界を超える時なのだ」
そういったやり取りをしながら気付くと電車の時間が迫って来ていた。
それに気付いた栞と俺はコンビニを後にしてお互いの帰り道へと向かい始めた。
「さっきのは冗談だよ、仁君。 じゃあ今度の日曜はまたあのコンビニに九時に集合でね、遅刻は厳禁だからね?」
そして帰りの分かれ道のところについたところで二人は向かい合った。
「じゃあまたね」
「じゃあ、また」
そう言ってお互いに家路へと足を運んだ。
(その夜俺は今日の会議室での会話が繰り返し頭に浮かんできていた。学校で突如起きた謎の殺人事件が今、巷で頻発している通り魔殺人の一件だという事。そして殺人犯の行動が明らかに死体を人目につく場所に置いて言っている事、いったいこの街で何が起きているのだろう……)
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