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荒く息を吐きながら地面を削って飛び、独楽のように回転しながら空気を切り裂く。
短い息と裂帛の気合いを吐き出して体を伏せる。
頭上を掠める弾丸が通り過ぎ、急迫する拳を鎧で受ける。
凄まじい打撃力を誇るその拳は、純龍の鎧に阻まれ、衝撃すら吸収されて無効化される。
拳の勢いを利用して後ろへ下り、地面を蹴る。
体が爆発的な推進力を得て跳ね飛ぶ。
雷速で迫った三本の槍のような雷は地面を掘削して止まり、魔力に変わって霧散する。
そして回避した先にもう一つ魔法が飛ぶ。
曲線を描く雷弾は空中に居る対象へ突き刺さる。
鈍い音を立てて地に落ち、雷故に神経が侵されて身動きが取れなくなる。
そこへ、拳と銃弾が飛ぶ。
もちろん、電磁加速された弾丸が先に突き刺さる。
凄絶な衝撃を撒き散らす弾丸は、銃弾自体を鎧に弾かれて効果を為さず、防御のない頭を狙った拳は寸前で拘束が外れた手で対応する。
掌に魔力の鎧と障壁を作りながら拳を掴む。
それだけで辺り一帯の地面を吹き飛ばす拳が掌へ入る。
地面へ叩き込まれ、半径一メートル程の地面が捲れ上がる。
そして地面へ埋め込まれたまま、動けないうちに魔法が飛来する。
黒い雲が出来上がり、閃光が、落ちる。
地面を破壊して手を着き、足を叩きつけてバク転しながら起き上がる。
轟音に耳を潰され、閃光に目を灼かれながら跳びのき、投げられた短剣を魔力を薄く広げて感知し、回避する。
そして短剣につけられた細い糸も感知。
甲高い音がすると共に…短剣が帰る。
息を詰めながら身を翻し、短剣を避けながら回復した視力がとらえた緑の光を未来位置を予測して回避し、足元に突き刺さった弾丸の衝撃波を相殺しながら地面を蹴る。
不意に、後ろに気配が生じる。
僕より少し低いが、長身の男の気配。
そしてその片手には槍斧。
引き絞られたそれが、空気を殺して迫る。
魔力を通したそれは純龍の鎧すら抜くもの。
瞬光に、極限の集中力が相まって世界が色褪せ、鈍化する。
その世界で槍の先が鎧に触れる。
泥のように足を捉える砂を振り切り、鎧の表面で流す。
だが、槍の側面の斧が衝撃波を放ち、吹き飛ばされる。
そこで迫る銀の閃光。
純龍の鱗で被覆されたフルメタルジャケットの弾丸。
指先に幾十の障壁を作り出す。
小さい分、強度は普段の障壁とは比べ物にならない。
だが、それを弾丸は食い破る。
甲高い音を立てる回転する弾丸が障壁と激突する。
あっさりとなくなる障壁は、しかし、速度を落とす。
音速程度まで速度が落ちたそれを避ける事など至極簡単。
砂を巻き上げながら消え、宗谷の背後へ出る。
外套が翻り切る前に拳を叩き込む。
が、莫大な魔力の流れが吹き荒れ、直後、鎧に仕込まれた衝撃変換により、変換された打撃力が叩き込まれる。
逃す事のできなかった衝撃は鎧を貫通し、内臓を傷つける。
然程重要な器官ではないが、内臓が破裂し、盛大に吐血する。
空気混じりの血を吐き出しながら下から迫る斧を避ける。
赤く染まった大地を横目に、手に槍を作り出す。
担ぐように構えたそれを左足を踏み切りながら投げる。
目で追えないような速度で投げられたそれは空の彼方まで吹き飛ぶ。
杖を作り出し、両手で持って嵐の様に振るう。
足を払い、逆の端は喉を突くように。
掌で一回転させて周りを振り払い、下から掬い上げるように。
途中で杖を回して軌道を変更し、手首を打ち据える。
鈍い音が響いて手首が折れ曲り、宗谷が顔を歪める。
膝を叩き、直立した足を、膝を支点として回った杖が掬う。
宙に浮かぶ体を丸めて、受け身を取ろうとするが、体に杖を当て、丸めて衝撃を逃がされないようにする。
結果、輝く障壁が展開され、それに衝撃を吸収された。
下から伸びる脚に膝を打たれ、前のめりになる。
その腹へ拳が叩き込まれた。
確実に骨が何本か逝き、やり場の無い痛みが体の中で荒れ狂う。レッドアラートのように視界が点滅する。
至近距離から放たれた拳の威力とエネルギーを、鎧は吸収しきれなかったようだ。
さらに、そこへ追い討ちがかかる。
宗谷の中で莫大な魔力が蠢くのを感じ、拳から大瀑布の水圧の如き衝撃波が放たれる。
胸骨が割れ、肺も、片方が破裂する。
腕を奔る衝撃が、腕の筋肉と骨を断裂させる。
幸い、骨盤や脊髄には異常は無い。
だが、脚も骨が粉微塵になり、動かない。
もはや、痛覚が麻痺したのか、痛みも無い。
優里が駆け寄り、その手から癒しの波動が送られる。
水に揺蕩うような感覚が体を包み、腕から癒えていく。
破裂した肺は元通りになり、胸骨は継ぎ直される。
脚の骨は再生し、動くようになった。
変な方向に曲がっていた腕は正常に動くようになる。
詰めていた息が吐き出される。
さて、まだまだ鎧には改善の余地がありそうだ。
「ありがとう。優里。」
「どういたしまして。」
一言交わし、全員から装備を回収して宿に戻る。
心配する早希を撫で、装備を並べる。
もっと、堅く、それでいてどんな攻撃にも対応できる柔軟性を。
まだ、完成には程遠いようだ。
短い息と裂帛の気合いを吐き出して体を伏せる。
頭上を掠める弾丸が通り過ぎ、急迫する拳を鎧で受ける。
凄まじい打撃力を誇るその拳は、純龍の鎧に阻まれ、衝撃すら吸収されて無効化される。
拳の勢いを利用して後ろへ下り、地面を蹴る。
体が爆発的な推進力を得て跳ね飛ぶ。
雷速で迫った三本の槍のような雷は地面を掘削して止まり、魔力に変わって霧散する。
そして回避した先にもう一つ魔法が飛ぶ。
曲線を描く雷弾は空中に居る対象へ突き刺さる。
鈍い音を立てて地に落ち、雷故に神経が侵されて身動きが取れなくなる。
そこへ、拳と銃弾が飛ぶ。
もちろん、電磁加速された弾丸が先に突き刺さる。
凄絶な衝撃を撒き散らす弾丸は、銃弾自体を鎧に弾かれて効果を為さず、防御のない頭を狙った拳は寸前で拘束が外れた手で対応する。
掌に魔力の鎧と障壁を作りながら拳を掴む。
それだけで辺り一帯の地面を吹き飛ばす拳が掌へ入る。
地面へ叩き込まれ、半径一メートル程の地面が捲れ上がる。
そして地面へ埋め込まれたまま、動けないうちに魔法が飛来する。
黒い雲が出来上がり、閃光が、落ちる。
地面を破壊して手を着き、足を叩きつけてバク転しながら起き上がる。
轟音に耳を潰され、閃光に目を灼かれながら跳びのき、投げられた短剣を魔力を薄く広げて感知し、回避する。
そして短剣につけられた細い糸も感知。
甲高い音がすると共に…短剣が帰る。
息を詰めながら身を翻し、短剣を避けながら回復した視力がとらえた緑の光を未来位置を予測して回避し、足元に突き刺さった弾丸の衝撃波を相殺しながら地面を蹴る。
不意に、後ろに気配が生じる。
僕より少し低いが、長身の男の気配。
そしてその片手には槍斧。
引き絞られたそれが、空気を殺して迫る。
魔力を通したそれは純龍の鎧すら抜くもの。
瞬光に、極限の集中力が相まって世界が色褪せ、鈍化する。
その世界で槍の先が鎧に触れる。
泥のように足を捉える砂を振り切り、鎧の表面で流す。
だが、槍の側面の斧が衝撃波を放ち、吹き飛ばされる。
そこで迫る銀の閃光。
純龍の鱗で被覆されたフルメタルジャケットの弾丸。
指先に幾十の障壁を作り出す。
小さい分、強度は普段の障壁とは比べ物にならない。
だが、それを弾丸は食い破る。
甲高い音を立てる回転する弾丸が障壁と激突する。
あっさりとなくなる障壁は、しかし、速度を落とす。
音速程度まで速度が落ちたそれを避ける事など至極簡単。
砂を巻き上げながら消え、宗谷の背後へ出る。
外套が翻り切る前に拳を叩き込む。
が、莫大な魔力の流れが吹き荒れ、直後、鎧に仕込まれた衝撃変換により、変換された打撃力が叩き込まれる。
逃す事のできなかった衝撃は鎧を貫通し、内臓を傷つける。
然程重要な器官ではないが、内臓が破裂し、盛大に吐血する。
空気混じりの血を吐き出しながら下から迫る斧を避ける。
赤く染まった大地を横目に、手に槍を作り出す。
担ぐように構えたそれを左足を踏み切りながら投げる。
目で追えないような速度で投げられたそれは空の彼方まで吹き飛ぶ。
杖を作り出し、両手で持って嵐の様に振るう。
足を払い、逆の端は喉を突くように。
掌で一回転させて周りを振り払い、下から掬い上げるように。
途中で杖を回して軌道を変更し、手首を打ち据える。
鈍い音が響いて手首が折れ曲り、宗谷が顔を歪める。
膝を叩き、直立した足を、膝を支点として回った杖が掬う。
宙に浮かぶ体を丸めて、受け身を取ろうとするが、体に杖を当て、丸めて衝撃を逃がされないようにする。
結果、輝く障壁が展開され、それに衝撃を吸収された。
下から伸びる脚に膝を打たれ、前のめりになる。
その腹へ拳が叩き込まれた。
確実に骨が何本か逝き、やり場の無い痛みが体の中で荒れ狂う。レッドアラートのように視界が点滅する。
至近距離から放たれた拳の威力とエネルギーを、鎧は吸収しきれなかったようだ。
さらに、そこへ追い討ちがかかる。
宗谷の中で莫大な魔力が蠢くのを感じ、拳から大瀑布の水圧の如き衝撃波が放たれる。
胸骨が割れ、肺も、片方が破裂する。
腕を奔る衝撃が、腕の筋肉と骨を断裂させる。
幸い、骨盤や脊髄には異常は無い。
だが、脚も骨が粉微塵になり、動かない。
もはや、痛覚が麻痺したのか、痛みも無い。
優里が駆け寄り、その手から癒しの波動が送られる。
水に揺蕩うような感覚が体を包み、腕から癒えていく。
破裂した肺は元通りになり、胸骨は継ぎ直される。
脚の骨は再生し、動くようになった。
変な方向に曲がっていた腕は正常に動くようになる。
詰めていた息が吐き出される。
さて、まだまだ鎧には改善の余地がありそうだ。
「ありがとう。優里。」
「どういたしまして。」
一言交わし、全員から装備を回収して宿に戻る。
心配する早希を撫で、装備を並べる。
もっと、堅く、それでいてどんな攻撃にも対応できる柔軟性を。
まだ、完成には程遠いようだ。
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