迷宮攻略してたらいつの間にか世界救ってた

新世界の神

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炎龍:其の二

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後ろへ飛び、足元を追って発射される炎弾を回避する。
地面を蹴って回転しながら小さな金属塊であるつぶてを放つ。
遠心力と人外の筋力がたっぷり乗せられた三つの礫は、しかし、表面で弾かれる。
それを見て歯噛みしながら地面を削って着地。
しなる尾が打ち据える其の先は
「…!!」
早希だった。
硬直して動けない早希の前に割り込み、衝撃を流して逸らす。
足を絡めて、下にした右足を上に振り抜く。
空気が破裂したような音と共に尾の先端が弾け切れる。
空中で先端をキャッチし、倉庫にしまう。
尋常でない再生力により、尾はすぐに生え変わった。
見下ろす炎龍の目が、変わった。
縦に割れた黄金の目が、体色に同化するような真紅の瞳に変わっていく。
そして、それが変わり切った瞬間、炎龍から噴き上がる莫大な熱量が、跳ね上がった。
周囲を舐め回し、天を衝くそれは正に炎龍と言うべきだ。
口内に、得体の知れないエネルギーが溜まるのが分かった。
本能が反応し、体が勝手に動く。
足が動き、その場から消える。
次の瞬間には炎龍の目の前へ移動。
最大まで魔力の込められた踵を叩き落とす。
爆音と共に上顎が落ち、発射寸前のエネルギーは暴発する。
牙の隙間から漏れ出た焔は冷たくも見える蒼色だ。
それは、それだけ温度が高いということを表している。
鉄では太刀打ち出来ないだろう。
身体を焼く熱に即行離れる。
後方に下がりながら様子を見る。
宗谷を引き連れて飛び出し、熱に顔を顰めながら領域に突っ込む。
宗谷の拳が放たれる。
追い討ちで衝撃波が弾丸でも発射したかのような速度で駆け抜ける。
破裂音と共に抜けた衝撃波は炎龍を内側から打ち据える。
口から吐き出された膨大な量の血が蒸発し、意図しない目眩しになる。
素早く右手に刀を創り出して蒸気に扮した攻撃を受け流す。
刀で尾を滑らせ、引き戻して爪を流す。
手の中で半回転させて後ろから迫る火球を切り裂く。
戻して刀で牙を防ぎ、離した左手で魔法を放つ。
魔法は岩砲弾。
大地魔法の一つ。
基本は拳大の岩を放つだけの魔法。
それに今回は自分なりのアレンジを加えてみた。
高速回転させ、大きさは人差し指位に。
先端は尖らせ、浅く線状に彫る。
放たれたそれはキュインと独特の音を立てながら炎龍を貫く。
筋肉と筋繊維と血管と神経がごちゃまぜにされる感覚に炎龍が悲鳴を挙げる。
尾と爪が荒れ狂い、吹き荒れる溶岩がそこらじゅうに飛び散る。
無造作に作られた魔法が全方位に撒き散らされる。
一頻り暴れ終わった後、炎龍が僕を見た。
そしてその口内に何かが溜まる。
今度は、避けられなかった。
蒼が、世界を、埋め尽くした。
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