迷宮攻略してたらいつの間にか世界救ってた

新世界の神

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人魔大戦:宗谷

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悠一郎の号令と共に優里を抱えて城壁を駆け下った俺は全速力で走り、先行していた戦士団に追いついた。
俺の速度は悠一郎には遠く及ばないが、一つに纏まった軍隊に追いつくくらいは容易い。
そこに優里を置き、俺自身は悠一郎を追って駆け出す。
大規模な混合魔術が撃ち込まれたが、魔物どもはすぐに回復して咆哮を上げる。
ざっと群れを見渡すと、一度は見たことがある魔物共が勢揃いしていた。
大丈夫だ。どの魔物も、弱点を知ってる。一撃で叩き潰せる。
一度強く地面を踏み込み、裂帛の気合いを上げて群れの中へ飛び込む。
気合いと声には魔力をたっぷりと乗せた。
音に乗った魔力は魔物の群れへ伝播し、硬直する。
これは、一部の部族の限られた者だけが使う一種の魔術。
「吼魔術」と呼ばれる魔術だ。
大音声と乗せた魔力によって相手の筋肉や神経を麻痺させ、動きを止める魔術。
ある程度の実力差が無ければ一瞬の拘束で終わってしまう。
実際、魔物も深層の魔物はそうだった。
だが、俺はその一瞬を逃すほど甘ったるい探索やってたわけじゃねえ。
拘束が解けるまでの刹那の間に魔物の下に滑り込み、思い切り拳を振り上げる。
亀のような魔物の甲羅を叩き割り、中の肉を軽々と貫通し、心臓を握り潰す。
刺したままの腕を振り上げて他の魔物からの攻撃を防ぐ。
奥に見える魔法を放っている魔物を早めに狩りたいが、どうだ。
いや、早めに狩りに行け。
亀をぶん投げて腕を振り払う。
蜂が羽ばたくような鈍い音に骨が砕ける音が重なり、更に魔物の悲鳴が重なる。
腕に纏わりついた魔物を捨てるように腕を振り抜き、死体を踏みつけて飛び上がる。
回し蹴りを放って一匹の魔物の首を飛ばしつつ片足で着地、上げた片足を振り下ろして地面を叩き割って目眩しし、間を縫うように移動して後列の魔法を放つ魔物へ。
不意に、目の前に魔物が飛び出た。
俺はそいつに跳ね飛ばされて引き離され元の道を逆戻りする。
さっさと終わらせて悠一郎のとこへ行ってやりたいが、厳しそうだ。
まぁ、戦士団が追いつくまでは食い止めよう。
そのぐらいのこと、出来て当然、やって当然だ。
せめて、悠一郎の足を引っ張ることだけはするまい。
俺と魔王では相性が悪い。
確かに俺に糸は効かないが攻撃は当てられないだろう。
その点、悠一郎のほうが魔王に対しては遥かに有利なのだ。
悠一郎も、それが分かっていて俺に優里を預けて飛び出したのだ。
なら、俺がするべきことは唯一つ。
その思いに応え、ここで魔物を皆殺しにすることだけだ。
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