しすとら

sayure

文字の大きさ
10 / 16

違う場所

しおりを挟む
本日、鹿児島空港に到着予定の航空機JAS101は、空の中での到着となります。

乗客の皆様、ご了承下さいませ。

じゃないけれど、みたいなものかな。

僕が次の技に入る前に、吉木の蹴りを食らってしまうから、僕は空振りした左足の蹴りの着地を諦め、左の膝を軸に左足を折り畳み、足の踵を足の付け根に持ってきて、腰回りに次の技の重心を作る。

そのまま後ろ蹴りできるはずもなく、右足の踵で少し地面を蹴り、腰を少し浮かせ、プールに飛び込む様に、頭を斜め下にダイブさせた。頭の上には、突風…。



よし!!



吉木の上段回し蹴りは、僕の上半身が前に折れた事で、攻撃対象が遠ざかり、空振りをする。



「…はぁぁっ!」



僕は地面を少し蹴った右足をそのまま折り畳み、体を浮かしている状態で、背後にいる吉木に後ろ蹴りを放った。



ドグッ…!!



「ってぇ…!」



吉木の苦痛の声が漏れる。



どうだ吉木。



春の県大会、君との試合は叶わなかったけど、少しは満足してもらえたかな。



もう中学にいる間は、空手部には戻れないけれど、僕も楽しめたよ。



吉木の方を振り返ると、吉木は痛みに苦い顔をしながらも、清々しい顔をしていた。



急に、空が右回りに回転し、周辺もそれに合わせる様に回り出す。

おええ…。酔う、酔う!

徐々に暗くなり、視界が相当悪くなった時、鎖の様な物が千切れ、そして地面に散らばった金属音が響いた。










あ…。



蟻が1匹、2匹と。



アスファルトの上を歩いているのかな?



あれ?地面に倒れているよ、僕は。



何だ、僕は気を失っていたのか。



あれ?



凛春りんしゅん



誰かと話しているのかな。



「おい、凛!」





僕の方を向いて、あれ?と不思議そうな表情をする凛春。

僕はいつからここにいたのかな。

辺りを見回すと、まだ元の場所に戻って来れていないのかな。

しかし、何処だここ。

何で凛春は落ち着いているのか。

前にも、ここに来た事がありそうだな。



何て危ない奴だ。



好奇心旺盛も時にはいいかも知れないけれど、危険もいっぱいはらんでいるんだぞ。



戻れなくなったら、どうするんだ。



父さんがとても心配してるのがよくわかるよ。



ああ、そうだ。



よし!万歩計は1500歩行ったぞ!



1500円獲得だ。



万歩計をみて喜んでいる僕に、冷ややかな目を向ける凛春。

お兄ちゃんはね、凛春みたいに、何もしなくてもお小遣いが貰えるシステムがないんだよ。



「にいのくせに…」



またいつもの暴言が、凛春の口から飛び出す。



「…お兄様に向かって、何て口を利くんだ。こんなに妹の事を心配してくれるお兄様は、この日本中の何処を探しても…おい、凛?聞いてる?」



僕の話に見切りをつける様に、僕に背を向けて誰かと話している。冷たい奴だな、凛春は。



あれ?凛春と話している人。



見た事あるな…。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

会社員の青年と清掃員の老婆の超越した愛

MisakiNonagase
恋愛
二十六歳のレンが働くオフィスビルには、清掃員として七十歳のカズコも従事している。カズコは愛嬌のある笑顔と真面目な仕事ぶりで誰からも好かれていた。ある日の仕事帰りにレンがよく行く立ち飲み屋に入ると、カズコもいた。清掃員の青い作業服姿しか見たことのなかったレンは、ごく普通の装いだったがカズコの姿が輝いて見えた。それから少しづつ話すようになり、二人は年の差を越えて恋を育んでいくストーリーです。不倫は情事かもしれないが、この二人には情状という言葉がふさわしい。

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。 カレンと晴人はその後、どうなる?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様を書いたストーリーです。

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...