魔gic Operation Girl! HARUKA

sayure

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第2章 それは夢を謳い…紡ぐは絶望

堂々の諜報活動

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夜も更け、月が闇夜を照らす。その夜の空に、大型戦艦ベイオアルガが浮かんでいる。その大型戦艦の甲板に、様々な色の照明が灯り、反射し、重なり合う。その明るく灯された甲板には、黒く巨大な生き物の腕の様なものが、抱える様に横断していた。それは4本あった。

「本体は、艦底か!?」

明花はるかの姿をしたメデナリンジェは、空中瞬足術エディアを魔法発動し、甲板から足を離し、飛行する。

近くにいた岩石王子はその巨大な腕を見つけるなり、高出力ブーツの底から火を吹かせ、加速して、腕にある仕込み剣で、黒く巨大な腕に突撃していく。

メデナリンジェは、戦艦本体から少し離れた位置から、左舷を見渡す。

巨大な肩が2つ見える。その外側に、脈を打つかの様に、黒い肌から赤い突起が現れ、ドクンと打ち鳴らす。そして肌の奥へ消えていった。

「こいつが、タコとか、よく言うわね、あの犬」

一見、浮き沈みをする血管の様な、致命的なダメージを与えられそうにも思われる箇所ではあったが、メデナリンジェはそこに触れず、左舷を抜け、艦底へと向かった。

この巨大な物体と一定の距離を保ったまま、艦底に近づくと、戦艦の影に隠れたその物体の頭が見えてきた。
 
巨大な黒い顔。その顔は、沢山の針で埋め尽くされていて、目鼻等がよく見えない。その針は、艦底に刺さっているが、奥には到達せず、装甲の表面に刺さっている様だった。

「こいつ…。やっぱり、大型魔物のゲディダル。この惑星にも、いるのか」

右舷から艦底までを行き来し、飛び回っている金属で完全武装の人が見える。明花より少し大きな身体をしている。

『メデナリンジェさん、こんな大きな人間を、見た事がないです』

心の声で、明花が驚き、震えながら話す。

「あら、明花。私もよ?だって、人間じゃないもの。魔物よ、魔物」

大型戦艦ベイオアルガは、海上まで移動している。ここならば、この大型の魔物を落としても、人的な被害はない。メデナリンジェは、集中して魔力を増幅させながら、策を練る。

海上から吹き上がる風に、明花の二つ結びの髪が暴れ、魔法戦闘服のスカートがはためく。

「あの魔物はね、あんな大きな図体をしているけれど、攻撃的な魔物ではないのよ。どちらかと言うと、反撃型の魔物。頭を攻撃すれば、頭の針がその方向に飛び、反撃する。肩の赤い脈を撃てば、そこから生み出されるエネルギーによる、自家製のレーザー攻撃で狙われる。ただ、こちらが何もしないと、相手も何もしてこない」

メデナリンジェは魔物ゲディダルをうかがいながら、そう言った。

『何の目的…で、あんな事』

明花が心の声で、そう言うと、メデナリンジェは魔物の頭を指差し、

「あいつの頭の針が艦底に刺さっているでしょ?あの針を媒体として、戦艦内のあらゆる情報を手に入れようとしているのよ。その対象が電子だろうと、生物だろうと、ね。情報を手に入れたら、帰っていくわ」

そう言った。

完全武装の人は、魔物ゲディダルの首や背中を狙い、エネルギー弾を放つ。しかし、ゲディダルは微動だにしない。

「あいつの身体の背面は、非常に硬いのよ。あの魔物の弱点は、胸の中心にある核。だけど、そこへの攻撃は、このままでは無理ね。艦底に貼りつく事で、その核を守っている。あんなにピッタリ貼りついていたら、機銃が艦底に備えてあったとしても、撃てはしないでしょうし」

『帰ってもらうのを、待ちましょう…』

メデナリンジェの言葉に、明花は心の声で消極的な言葉を返す。

「まあ、それもありだけど。私の身体じゃない訳だし、リスクは負えない。ただ、あの人達の情報が盗まれると、私の世界も困った事になり兼ねない。何とか、うまくやるわ。ただ、私1人じゃ、無理。だけど、もう少し待ってみようじゃない?救世主が、来るかも」

しばらくすると、甲板の方から大きな衝撃音がして、戦艦と巨大な魔物ゲディダルが振動する。

「ほらね?この大型戦艦で飼っている子猫ちゃんが暴れ出したわ。この魔物と艦底に隙間が空いたら、奴の核目掛けて、止めを刺すわよ!」
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