魔gic Operation Girl! HARUKA

sayure

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第1章 怨讐に女童

もう1人のmagic girl

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灰色の外套に電子バイザーをした、くせっ毛の金髪少女が、空を飛ぶ大型戦艦の甲板に立ち、地上を見下ろしている。

「異世界から出てきた奴、全く反応ないな。もう死んだとしたら、探すだけ無駄だろ…」

少女は、左耳を覆う丸型精密機を左手で操作し、電子バイザー上で応答を待つ。

電子バイザー上に出た表示を見て、少女は、あっ、と声を漏らし、そしてニヤリと笑った。

「こいつの方が、出たなッ!」

少女は甲板をカンカンと足音を立てて走り、戦艦の外へ身を投げた。

melkeja'al'inメルケジャ  アールィンolgeteオルゲートォ!!」

少女が言葉を発すると、それに戦闘ブーツが反応し、青い光の線が走る。そして、一気に加速し、地上へ向かって飛び去っていった。



海辺に林と廃れたアパートのある一帯。影から影へと移る物体がいる。跳ねる様にして、軽快に移っていく。

それに気づいた6歳くらいの男児が、鼻を垂らしながら、興奮気味に叫び、ぎこちない歩き方で、物陰へ駆けていく。

「あれ?」

そこには、何もいなかった。

「あれ?」

男児は見回し、影へと動く物体を探す。地面を蹴っても、何も出て来ない。

「がーっ!!」

興味の対象が、猫に移り、男児は逃げる猫を追い回す。

それを見て、影になっている地面から、すっと顔を出す物体。

「助かったナァァ、ガキィ。執拗に探せば、お前の心臓はなかったゾォォ…」

真っ黒で艶のある頭、そこに顔というものはない。ただ、呼吸をするかの様に、一ツ目が、出たり引っ込んだりしているだけだ。

「あの方の復活の時までェ、できるだけ我々魔幻を集めておかないとねェェェ!」

真っ黒の物体は、地面から姿を出し、全身真っ黒の身体をうねらせる。

その時、上空から、電子バイザーをした少女が風を切り裂く音を響かせ、真っ黒の物体に急接近する。それに気づいた真っ黒の物体は、急いで地面の影の中へ身を沈ませようとする。

真っ黒の物体が沈む直前、上空から迫る少女が、真っ黒物体を瞬時に蹴り飛ばし、日の当たる場所へと追いやった。

「ギギャ!ヤメてヤメてヤメてェェ!!」

真っ黒の物体は、悲鳴を上げながら、高速回転で転がり、土埃を巻き上げる。

少女は、ゆっくりと、地面に足をつける。

「散々逃げてくれたな、クーペ。もうお前のご主人様はいないんだぞ。お前も…」

クーペと呼ばれた真っ黒の物体は、一ツ目を頭上から浮かばせ、

「ケキャ!ご主人様は死んではおらぬわ、ボケェエェ!?」

そう言い、真っ黒の物体は、身体をよりうねらせらせ、色を変え、そして明確な人型へと姿を変えていく。

「ようこそ、魔幻のだい、だぁい好きな、貴女へ。ドルヴァスク魔幻男爵様の側近、このクーペが、貴女を全てが腐敗に満ちた魅惑の第七地獄へと、ご招待致しましょう」

真っ黒の物体から、身長は2メートル程度の、細身で、血の通っていない白塗りをした様な肌色の男へと変身し、両目を鮮血に染めた視線を、不気味に少女へ向ける。

桜夢さくらゆめ優美瑠ゆみる、ご主人様の屈辱を、この私めが、晴らさせてもらいましょうか!?」

クーペの声に、桜夢優美瑠と呼ばれた少女は、フン、と鼻で笑った。

「今まで、ずっと逃げていたくせにさ!」

「お前ごときに、逃げるわきゃねーだろォォ!バァカ!!」

クーペは、口から大量の透明の液体を、優美瑠に向けて吐き出す。

優美瑠は、身体をひねらせ、空に舞って、それをかわす。

クーペは、優美瑠の両足首を目掛けて、腕をしならせ手を伸ばした。

優美瑠は、クーペの伸びる手を蹴り飛ばし、後転宙返りをしながら、呪文を詠唱する。

j'elgo.deloure.gedders!ジエルゴ   デルオール  ゲェッダー!

何もない空から突如、雷をまとう槍が三本出現し、次々とクーペに襲いかかる。

クーペは、その槍を1本、2本と鞭の様にしならせた腕で弾くが、帯電された槍の電圧は1億ボルトを超えており、温度は3万度、その腕は瞬時に、引火し、激しく燃え上がった。

「この…!テェメェェェ!!」

クーペの腕から肩、そして身体に燃え移っていく。

優美瑠の肩から胸元までに続く金属製の魔力増幅装置。中央に制御装置、その左右に縦長の緑色発光のゲージが2本ずつある。

ゲージ4本の内、1本が今の魔法で使われ、ゲージの色が消えている。

クーペは、奇妙な強がりの笑いを響かせ、優美瑠に近づこうとする。

「このクーペを倒したと、思…うかね?正確には…、私の一部を倒した、そういう事だよ。この、クーペを倒したいのなら…。残りの2体を、探し、倒す事だね…」

美優瑠は、フン、と笑い、

「大した事ないな」

そう言った。

クーペは、真っ黒な物体に戻り、燃え上がる炎に従う様に、身動きをしなくなった。

「バイバーイ」

優美瑠はそう言って、口を突き出し、チュッと音を鳴らす。

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