ニホンに引っ越そうと思っていた人達

nini

文字の大きさ
1 / 1

1

しおりを挟む
早紀江(さきえ)「とりあえず。ニホンについて調べたことを各自発表しましょう!まず東郷から。」

東郷(とうごう)「はい!ニホンとは、県の名前でありました!では次は雛茂どうぞ。」

雛茂(すうも)「はい!ニホンとは県の名前であり、市の名前でもありました!以上。」

早紀江「いや、それはもう誰もが知ってるのよ。他に何を調べたのか聞いてるの。」

東郷「うーん、、それはなぁ、、。雛茂が調べたから俺は調べていない!」

雛茂「ちょっと!それはないんじゃないですか東郷さん!俺だって調べてないんだから自分だけ逃げようとするのはずるいですよ!」

東郷「うるさいな!そうだ、早紀江は何を調べた?」

早紀江「うんと、まず。ニホンの人達は塩が染み込んだ野菜とか、靴下の臭いがするなっとうっていう豆とかが好きみたい。同じ国に住んでるのに全然知らないことばっかりだったわ。

雛茂「なんだよ。ケーキに関係ないことばっかりじゃねえか。」

早紀江「悪かったわね。はぁ。あと3日で引っ越しだっていうのに、、、このままじゃニホンの人達の口に合うケーキなんて作れないわよ、、、」

東郷「とりあえず、今日来るバイトとも話し合ってみないと分かんねえよ。もしかしたらそいつがすごい案出すかもしれないしな。まぁ期待はしてないけど。なぁ雛茂??」

雛茂「そうっすね!期待してないっす!」

早紀江「少なくともあんたらよりは役に立つわよ。」

カランカランとドアが開く。

福村(ふくむら)「あの、、、有栖屋さんですよね?」

雛茂「だれだお前?」

早紀江「ちょっと!!お客様になんて口の聞き方してるのよ馬鹿!すいません、、、。有栖屋ですが、どうしました?」

福村「ああ、僕客じゃないんですよ。バイトです。連絡した福村と言います。」

早紀江「あ!福村くんね!ようこそ有栖屋へ!これからよろしくね!」

福村「こちらこそ!あ、以前は他のパティスリーでバイトしてたんですけど、僕が働いてるとこが事故で焼けちゃったんで、こちらに。」

早紀江「あら、そうだったんだ。お気の毒にね」

東郷「おっ!お前がバイトかぁ。おい、お前ニホンってなんだか知ってるか?」

福村「えっ。あぁ。えーと、ワショクと呼ばれる食べ物があったり、裸になった男2人が土の上で塩をかけて体を押し付けあったり、漫画の生産がなんか半端ない県ですよね?」

東郷・雛茂・早紀江「ォォオオォォ..」

福村「あっ、でもこれ全部ケーキと関係無いですよね。すいません。」

雛茂「あっ!そっ、そうだよ!!!!関係無いこと長々話しやがって!俺だってなぁ、ニホンは本当はニホン県だけじゃなくて、ニホン市でもあるってこと知ってるんだぞ!!」

早紀江「雛茂、それは多分知ってることを自慢してるあんたが見苦しくなるだけだから大人しく福村くんの知識を認めたほうがいいと思うわよ。」

東郷「そうだ。お前なんでうちなんかにバイトに来たんだよ。あと3日で引っ越しちまうんだぞ?」

福村「だからですよ。僕、一度でいいからニホンに住んでみたかったんですよ!だからちょうどいいなぁと思って!」

雛茂「お前変な奴だなぁ。普通大手の所行くのが普通じゃ無いのか?」

福村「そんなことないですよ!少なくとも僕は、ある程度小さな所で頑張ってそのあと大手に行ければいいんで。」

東郷「早紀江、こいつ小さいって言ったけどいいの?」

早紀江「うん。だって小さいじゃない。」

東郷「うん。小さい。」

雛茂「小さいなぁ。」

早紀江「とりあえず、福村くん、早速だけど新商品についてなんかアイデアないかな?」

福村「あ、そうですね。うーん。今のままじゃだめなんですか?」

早紀江「うん。ニホンで売れるためにはやっぱりあっさりした感じのやつがいいみたいだから、今作ってるような生クリームゴッテゴテのケーキは売れないのよ。」

雛茂「でもあっさりしたケーキって言ってもなぁー。ないよなぁ。」

福村「それって、生クリームを減らすだけではダメってことなんですか?」

東郷「いいと思うんだけど、やっぱりなんか一気に変えないと今のままのちっぽけな売り上げで終わっちまいそうなんだよなぁ。」

早紀江「うーん、、、」

雛茂「うーん、、、」

福村「うーん、、、」

東郷「うぅーん、、、」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2日目。

早紀江「昨日は考えた挙句、結局何も思いつきませんでした。よって、引っ越しをしても方向性を変えないということになりました。

雛茂「はい!」

福村「すいません、、、。これじゃあ僕何のためにバイトで雇ってもらったのか分かんないですよね、、。」

早紀江「やめてよ福村くん。アイデアが出なかったのは有栖屋の従業員全員の発想の乏しさの結果なんだから。」

東郷「そうだよ。それに、ニホンには無いケーキはある意味注目浴びそうだしな。よし!もう考えるの終わり!寝よーっと。」

雛茂「俺も寝ます!」

早紀江「ったく。じゃあ福村くんももう自由にしてていいから。じゃあね。

福村「ん?え??もういいんですか?もう考えないんですか?」

早紀江「うん。だって思い付かないもん」

福村「はぁ。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

3日目

有栖屋 火事で全焼

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「やっぱり火は綺麗だ」
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない

文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。 使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。 優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。 婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。 「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。 優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。 父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。 嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの? 優月は父親をも信頼できなくなる。 婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

夫から「用済み」と言われ追い出されましたけれども

神々廻
恋愛
2人でいつも通り朝食をとっていたら、「お前はもう用済みだ。門の前に最低限の荷物をまとめさせた。朝食をとったら出ていけ」 と言われてしまいました。夫とは恋愛結婚だと思っていたのですが違ったようです。 大人しく出ていきますが、後悔しないで下さいね。 文字数が少ないのでサクッと読めます。お気に入り登録、コメントください!

友人の結婚式で友人兄嫁がスピーチしてくれたのだけど修羅場だった

海林檎
恋愛
え·····こんな時代錯誤の家まだあったんだ····? 友人の家はまさに嫁は義実家の家政婦と言った風潮の生きた化石でガチで引いた上での修羅場展開になった話を書きます·····(((((´°ω°`*))))))

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

処理中です...