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第3択
隠蔽を貫く選択
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詩奈の隠蔽工作について語ろう。
彼女を殺害した翌日、洗濯した彼女の着衣を茜が身に付け、黒いキャップを深く被って俺と共に家を出る。駅の改札まで見送ると、あとは茜に任せることになる。
茜は彼女の免許証に記された住所を目的地に向かう。その間、彼女の心境はどれほど嫌なものだったのか、俺には測り知れない。
女子寮には本格的なセキュリティはなく、エントランスに鍵を差し込めば自動ドアが開き中に入れる仕様になっている。無論、詩奈の鍵は本人の持ち物から回収済みである。茜曰く、誰に怪しまれることなく茜の自宅に入り込めたようだった。
彼女の部屋がどのようなものだったのか聞いたが、ここは割愛しておこう。死んだ人間の個人情報を平気で流すほど、俺はマナーに欠けてはいない。殺人犯の言葉としては非常に矛盾しているが。
それはさておき、茜は詩奈に扮して彼女の部屋で1日過ごすことになる。詩奈の存在を他者に確認してもらう必要があったので、茜は近くのコンビニへ買い物するなどの外出を幾度かした。その間、女子寮の監視カメラにも偽詩奈が映りこんでいる。
店員との会話は避ける。なるべく印象付けをするなというのが長谷川先生の指示だった。その言いつけ通り、帽子を目深に被ってお茶だけを購入した茜は、詩奈の部屋でジッと地蔵になった。
茜自身、自分のDNAに繋がるものを残しておきたくないということだった。
長谷川先生曰く、行方不明だけでなら余程の事件性がない限りは指紋を取ったりDNA鑑定を提出したりするということはないそうだが、それでも茜は地蔵に徹した。
さらに翌日、茜は同じ服装のまま女子寮を出る。彼女は先生に指示されたルートを辿る。それは監視カメラが設置されていない死角を進むルート。どうやって先生が調べ上げたのかは不明であるが、詩奈の皮を脱ぎ捨てた茜は、ようやく自由の身になった。
「あービクビクした!」
「迷惑かけて悪いな、茜」
「ほんっとにそれ! だから、お兄。私の努力が無駄になるから絶対にバレちゃだめだよ」
よっぽど妹の方が肝が据わっている。兄のプライドとして、今まで妹に弱さを見せてこなかった。それが今や、茜に辛い重荷を背負わせ気を遣わせている。
長谷川先生が用意したワゴン車の中で茜は私服に着替えた。彼女が脱いだ詩奈の服と黒いキャップは先生が預かる。あとでまとめて燃やしておくということだ。
詩奈の遺体の処分について、俺は何も聞いていない。いや、聞く勇気が持てなかった。先生の口から聞かされるものとばかり思っていたが、彼は何も無かったかのように沈黙を続ける。家族全員が気になっている点ではあるが、誰からもその話題は振られなかった。無意識の内に詩奈の件を伏せようとしているのだ。
面倒なことは先生に任せ、当事者の俺といえば他人を巻き込むしか才能がないようだ。
▽
夏休み前、最後の1週は各科目で試験やらレポート提出やらでいつもより学生が多かった。当然というべきか、俺の友人たちは例の如く食堂に集っている。
「私、詩奈の家に行ってみようと思う」
俺が合流した時には、優衣の口からそんな言葉が飛んでいた。
「電話にも出ないし絶対に何かあったんだって。そうじゃなきゃ、試験日に欠席なんてしないよ」
「確かに詩奈に限ってそんなことはないよな」
腕組みをする憲司は眉間に皺を寄せる。その横でムラッセは俺に確認を取る。
「古文にもいなかったんだよね?」
「ああ」
無駄な質問をしてくるな。詩奈の姿を確認していれば、既に報告をしている。そもそも詩奈がこの場にいるはずはないのだ……。
「丸1週間、誰も詩奈と連絡を取っていないんだろ? 優衣の言うのように部屋で倒れているかもしれないし、早急に確認しに行ったほうがいいな」
憲司の発言に一同が賛同する。
最近、彼らとの会話は胸が苦しくなって仕方がない。軟弱なメンタルが悲鳴を上げている気もしないでもない。どうにか、詩奈の失踪がバレずに長引けばいいのだが……。
女子寮ということもあり、男性陣は女子寮の前で待機することに。ポーカーフェイスのウーバーは爪をガジガジと噛んで落ち着かない様子。詩奈に惚れ込んでいる分、詩奈の安否が気掛かりなのだろう。
優衣がエントランスから詩奈の部屋番号へとインターホンを鳴らす。
――当然、誰も出ない。
「やっぱり反応がない。管理人さんにお願いしてみる」
「そうは言っても、開けてはくれないだろ」
その言葉に優衣がキッと睨み、ムラッセはたじろぐ。
管理人室である101号室にインターホンを鳴らした優衣は、事情を説明して詩奈の部屋に上がらせてもらえるかと訊ねた。
「ごめんなさいね。プライバシーを保護する義務が私にはあってね。そういうことであれば、警察を介入させてくれないと対応はできないの」
女性の管理人に拒否された優衣は、エントランスから出てきて女子寮とされるマンションを見上げた。
「どうにか登って確認できないかな」
詩奈の部屋は3階に位置する。無理ではないかもしれないが、リスクが高い。俺を含めた男性陣が首を横に振った。
「お姉さん」
と、中年女性がエントランスを越えて外に飛び出てくる。どうやら女子寮の管理人さんのようだ。
「あー間に合ってよかった。プライバシーを保護する上で許可なく他人様を勝手に上げることはできないけれど、巡回という名目でなら私の方で確認してみるわ。えぇと、確か303号室で良かったかしら?」
「ありがとうございます。助かります」
優衣は管理人に自身の連絡先を教え、詩奈の安否が確認され次第連絡を送ってくれるように伝えた。
「実家にでも帰っているのかな?」
憲司がボソリと発言する。優衣やムラッセはどっちともつかぬ反応を見せ、ウーバーは相変わらず何を考えているか分からない無表情で黙っている。
そういえば、詩奈は家族と上手くいっていないような言い方をしていたな。それは運が良いことに、こちらの都合としては有り難い。両親と普段から連絡を取り合っていなければ、彼女の消息が絶えたとしても、すぐに気付かない可能性が高い。
(そういえば、詩奈のスマートフォンはどうしたのだろう?)
すべての後片付けを長谷川先生に任せてしまったことで、色々と不明瞭なところがある。
スマートフォンに掛かっていたロックは、詩奈の指紋を借りて解除。優衣にした強姦未遂の自白が彼女のスマートフォンに録音されていたが、それはこっそりと先生が消去してくれたらしい。
彼女のスマートフォンは、その後どうなったのか。先生が破壊をしたのか、あるいはまだ彼の手の中にあるのか。
しばらくは俺も家族も頭が真っ白な状態に近かった。だから、詩奈の処理の全貌が曖昧なのである。
「詩奈みたいに可愛らしくて優しい性格だと、誰かに誘拐された線もあるな」
ムラッセよ。本当の性格は中々腹黒い女だったぞ。
俺はそう暴露したいところだったが、その発言は自身を苦しめるだけに過ぎない。
彼女の言うように、家には盗聴器が仕込まれていた。
俺が彼女から目を離した隙に、家族の会話が聞き取りやすいベストポジションに数か所と設置していたようだ。とんだ芸当を持っていやがると、恐ろしくも尊敬まで抱きそうだった。
「そうだ。このタイミングで言うのも何だかって感じだけど、緒方の外出許可が下りたと連絡があったんだ。あいつ、”楽しみにしている”ってさ」
確かにこのタイミングで伝えられたメンバーはどういう顔をしていいか微妙なところだ。詩奈と連絡が付かない不安。だが、緒方のために想い出を作ってやりたいという思いもある。
「いいじゃんか。みんなで行こう」と、ようやくウーバーが口を開く。
「でも、詩奈が……」
「それまでにはきっといつもの笑顔で戻ってきているさ」
その言葉に優衣は小さく頷いた。
(おかしい……)
先程まで爪を噛んで落ち着かない様子だったウーバーが、今では冷静さを取り戻していることが気に掛かった。彼が詩奈に惚れ込んでいるのは間違いないこと。それなのに、どうしてああも他人行儀に変わったのかと。
――この日、≪悪魔の脳≫は発動しなかった。本当に気まぐれなもので、法則性もクソもない。と、思っていたが、自身で記したノートを見ているとある点に気が付く。
7日に1度、まったくもって発動しない日があることに気が付く。いや、今まで気付かなかったのが遅すぎたほどだ。
「すべて火曜日……」
そう、火曜日という1日だけは俺にとって自由であることが判明したのだ。これは重要かつ大きな光ともなった。俺は嬉しさのあまり家族に、そうして長谷川先生へと報告する。
彼女を殺害した翌日、洗濯した彼女の着衣を茜が身に付け、黒いキャップを深く被って俺と共に家を出る。駅の改札まで見送ると、あとは茜に任せることになる。
茜は彼女の免許証に記された住所を目的地に向かう。その間、彼女の心境はどれほど嫌なものだったのか、俺には測り知れない。
女子寮には本格的なセキュリティはなく、エントランスに鍵を差し込めば自動ドアが開き中に入れる仕様になっている。無論、詩奈の鍵は本人の持ち物から回収済みである。茜曰く、誰に怪しまれることなく茜の自宅に入り込めたようだった。
彼女の部屋がどのようなものだったのか聞いたが、ここは割愛しておこう。死んだ人間の個人情報を平気で流すほど、俺はマナーに欠けてはいない。殺人犯の言葉としては非常に矛盾しているが。
それはさておき、茜は詩奈に扮して彼女の部屋で1日過ごすことになる。詩奈の存在を他者に確認してもらう必要があったので、茜は近くのコンビニへ買い物するなどの外出を幾度かした。その間、女子寮の監視カメラにも偽詩奈が映りこんでいる。
店員との会話は避ける。なるべく印象付けをするなというのが長谷川先生の指示だった。その言いつけ通り、帽子を目深に被ってお茶だけを購入した茜は、詩奈の部屋でジッと地蔵になった。
茜自身、自分のDNAに繋がるものを残しておきたくないということだった。
長谷川先生曰く、行方不明だけでなら余程の事件性がない限りは指紋を取ったりDNA鑑定を提出したりするということはないそうだが、それでも茜は地蔵に徹した。
さらに翌日、茜は同じ服装のまま女子寮を出る。彼女は先生に指示されたルートを辿る。それは監視カメラが設置されていない死角を進むルート。どうやって先生が調べ上げたのかは不明であるが、詩奈の皮を脱ぎ捨てた茜は、ようやく自由の身になった。
「あービクビクした!」
「迷惑かけて悪いな、茜」
「ほんっとにそれ! だから、お兄。私の努力が無駄になるから絶対にバレちゃだめだよ」
よっぽど妹の方が肝が据わっている。兄のプライドとして、今まで妹に弱さを見せてこなかった。それが今や、茜に辛い重荷を背負わせ気を遣わせている。
長谷川先生が用意したワゴン車の中で茜は私服に着替えた。彼女が脱いだ詩奈の服と黒いキャップは先生が預かる。あとでまとめて燃やしておくということだ。
詩奈の遺体の処分について、俺は何も聞いていない。いや、聞く勇気が持てなかった。先生の口から聞かされるものとばかり思っていたが、彼は何も無かったかのように沈黙を続ける。家族全員が気になっている点ではあるが、誰からもその話題は振られなかった。無意識の内に詩奈の件を伏せようとしているのだ。
面倒なことは先生に任せ、当事者の俺といえば他人を巻き込むしか才能がないようだ。
▽
夏休み前、最後の1週は各科目で試験やらレポート提出やらでいつもより学生が多かった。当然というべきか、俺の友人たちは例の如く食堂に集っている。
「私、詩奈の家に行ってみようと思う」
俺が合流した時には、優衣の口からそんな言葉が飛んでいた。
「電話にも出ないし絶対に何かあったんだって。そうじゃなきゃ、試験日に欠席なんてしないよ」
「確かに詩奈に限ってそんなことはないよな」
腕組みをする憲司は眉間に皺を寄せる。その横でムラッセは俺に確認を取る。
「古文にもいなかったんだよね?」
「ああ」
無駄な質問をしてくるな。詩奈の姿を確認していれば、既に報告をしている。そもそも詩奈がこの場にいるはずはないのだ……。
「丸1週間、誰も詩奈と連絡を取っていないんだろ? 優衣の言うのように部屋で倒れているかもしれないし、早急に確認しに行ったほうがいいな」
憲司の発言に一同が賛同する。
最近、彼らとの会話は胸が苦しくなって仕方がない。軟弱なメンタルが悲鳴を上げている気もしないでもない。どうにか、詩奈の失踪がバレずに長引けばいいのだが……。
女子寮ということもあり、男性陣は女子寮の前で待機することに。ポーカーフェイスのウーバーは爪をガジガジと噛んで落ち着かない様子。詩奈に惚れ込んでいる分、詩奈の安否が気掛かりなのだろう。
優衣がエントランスから詩奈の部屋番号へとインターホンを鳴らす。
――当然、誰も出ない。
「やっぱり反応がない。管理人さんにお願いしてみる」
「そうは言っても、開けてはくれないだろ」
その言葉に優衣がキッと睨み、ムラッセはたじろぐ。
管理人室である101号室にインターホンを鳴らした優衣は、事情を説明して詩奈の部屋に上がらせてもらえるかと訊ねた。
「ごめんなさいね。プライバシーを保護する義務が私にはあってね。そういうことであれば、警察を介入させてくれないと対応はできないの」
女性の管理人に拒否された優衣は、エントランスから出てきて女子寮とされるマンションを見上げた。
「どうにか登って確認できないかな」
詩奈の部屋は3階に位置する。無理ではないかもしれないが、リスクが高い。俺を含めた男性陣が首を横に振った。
「お姉さん」
と、中年女性がエントランスを越えて外に飛び出てくる。どうやら女子寮の管理人さんのようだ。
「あー間に合ってよかった。プライバシーを保護する上で許可なく他人様を勝手に上げることはできないけれど、巡回という名目でなら私の方で確認してみるわ。えぇと、確か303号室で良かったかしら?」
「ありがとうございます。助かります」
優衣は管理人に自身の連絡先を教え、詩奈の安否が確認され次第連絡を送ってくれるように伝えた。
「実家にでも帰っているのかな?」
憲司がボソリと発言する。優衣やムラッセはどっちともつかぬ反応を見せ、ウーバーは相変わらず何を考えているか分からない無表情で黙っている。
そういえば、詩奈は家族と上手くいっていないような言い方をしていたな。それは運が良いことに、こちらの都合としては有り難い。両親と普段から連絡を取り合っていなければ、彼女の消息が絶えたとしても、すぐに気付かない可能性が高い。
(そういえば、詩奈のスマートフォンはどうしたのだろう?)
すべての後片付けを長谷川先生に任せてしまったことで、色々と不明瞭なところがある。
スマートフォンに掛かっていたロックは、詩奈の指紋を借りて解除。優衣にした強姦未遂の自白が彼女のスマートフォンに録音されていたが、それはこっそりと先生が消去してくれたらしい。
彼女のスマートフォンは、その後どうなったのか。先生が破壊をしたのか、あるいはまだ彼の手の中にあるのか。
しばらくは俺も家族も頭が真っ白な状態に近かった。だから、詩奈の処理の全貌が曖昧なのである。
「詩奈みたいに可愛らしくて優しい性格だと、誰かに誘拐された線もあるな」
ムラッセよ。本当の性格は中々腹黒い女だったぞ。
俺はそう暴露したいところだったが、その発言は自身を苦しめるだけに過ぎない。
彼女の言うように、家には盗聴器が仕込まれていた。
俺が彼女から目を離した隙に、家族の会話が聞き取りやすいベストポジションに数か所と設置していたようだ。とんだ芸当を持っていやがると、恐ろしくも尊敬まで抱きそうだった。
「そうだ。このタイミングで言うのも何だかって感じだけど、緒方の外出許可が下りたと連絡があったんだ。あいつ、”楽しみにしている”ってさ」
確かにこのタイミングで伝えられたメンバーはどういう顔をしていいか微妙なところだ。詩奈と連絡が付かない不安。だが、緒方のために想い出を作ってやりたいという思いもある。
「いいじゃんか。みんなで行こう」と、ようやくウーバーが口を開く。
「でも、詩奈が……」
「それまでにはきっといつもの笑顔で戻ってきているさ」
その言葉に優衣は小さく頷いた。
(おかしい……)
先程まで爪を噛んで落ち着かない様子だったウーバーが、今では冷静さを取り戻していることが気に掛かった。彼が詩奈に惚れ込んでいるのは間違いないこと。それなのに、どうしてああも他人行儀に変わったのかと。
――この日、≪悪魔の脳≫は発動しなかった。本当に気まぐれなもので、法則性もクソもない。と、思っていたが、自身で記したノートを見ているとある点に気が付く。
7日に1度、まったくもって発動しない日があることに気が付く。いや、今まで気付かなかったのが遅すぎたほどだ。
「すべて火曜日……」
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