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第6択
真実への選択
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山田の死に関して、当然、俺への聴取は欠かせない。よりにもよって、須藤が対面に座ったので、俺はあらゆる不安を抱えて答えていかなければならない。
警察署の取調室に入るのは初めてで、部屋は冷房が効いているのか、ヒンヤリと冷たく感じられた。
「山田君の死因は頭部強打による脳挫傷だそうよ」
「はぁ」
「事件性については調べているところ。事故ともいえるし事件の可能性もある」
「それで、まだ殺人事件と確定していない中で俺を呼んだ理由は?」
「当然、私が君を怪しいと思っているから」
冗談を言っている目ではない。本気で俺を犯人として逮捕する気満々な顔つきである。
「てっきり、殺人事件の容疑に掛けられているものだと思っていました。それでは、拘束される意味はないですよね。失礼します」
俺が立ち上がろうとしたとき、須藤の手が俺の両肩に伸びて下へとグッと押し返される。強制的にパイプ椅子に腰掛けさせられた俺はゴクリと生唾を飲み込む。
「見逃されると思ったら甘いよ。山田君の死亡推定時刻は14時頃。最後に会っているの人物が君だってことぐらい掴んでいるわ。街に整備されているカメラを隈なく探せば、すぐに証拠となる。さっさと白状したほうが楽になれるよ」
「何を言っているんですか! 確かに山田さんとは会話をしました。しかし、会話の途中で俺の意識は失ったんです」
「それを証明できる人は?」
くっ。誰かが病院に運んだことに違いはないが、その人物が誰かなど皆目見当もつかない。てっきり山田とばかりに思っていただけに、俺も整理が追い付かない。
「わかりません。目が覚めたときには病院の天井があったので。家族は俺が木野浜医療センターのバス停で倒れていたと聞かされたらしいですが、そこに行った覚えも目的もありません。――そうだ、家族に聞いてみてください。山田さんとは病院で顔を合わせて会話もしているはずです」
「そうね。それが刑事の山田ならね」
どうにも、山田は山田でも人違いであったようだ。
どこぞの山田さんが木野浜医療センター前のバス停で拾ってくれたってだけの話だったらしい。
須藤はテーブルに長い人差し指をトントンとしてリズムを刻む。貧乏ゆすりのように苛立ちを覚えているのか、あるいは考えるときの癖なのか。いずれにしても、恐怖を感じてしまう音だった。
「君はこれを殺人と思う?」
「いえ、そうは思いません」
即答したことに驚いたのか、その指は動作をピタリと止める。
「なぜ、そう言い切れるの?」
「当事者にしか分からない勘ですが……」
「構わない。話して」
「何者かによって淡々とハメられているのではないかと。勿論、俺がです」
「……続けて」
「白馬ペンションでの件も今回の件も、須藤さんの疑いの目は俺に向けられていますよね? もし、仮に俺が真犯人だとするのなら、疑いの目を向けられている時点で、俺の監視に入った山田さんを殺害することはないと思うんです」
これは中々それらしい力説を放ったのではないか。それなりの手応えを感じた。だが、須藤の顔色は変化しないまま、次の手札を口にする。
「山田君にある指令を出していたの。君に見つかるようなことがあれば、君を疑っている理由を全て話しても構わないと。どうしてか分かる?」
「……」
「追い詰められた犯人の行動は3パターン。その場で自首をするか、それでもやっていないと言い張るか。そして、もう1つは隠したいがために、事実を知っている人物を消そうとすること」
「俺がそれだと?」
「冷静さを失っていればね。ただ、まあ、意識を失ってしまったという筋書きはどうかな? あまり稚拙なものだと思うし、ある意味では考えにも及ばない展開だよね」
須藤の言わんとすることが掴めない。結局のところ、俺を真犯人の疑いから排除する気はないってことなのか?
彼女はマルボーロのカプセル入りメンソールに火を点して、煙を吹かす。
今の時代でも、取調室で吸うのが許されるのだろうか。非喫煙者の俺にとっては不愉快極まりない。
「うん、そうね。山田君の件は、多分、君の犯行じゃないんでしょうね」
煙の嫌悪感はあるものの、なんとか身に覚えのない罪を被らずに済んで安堵する。
「まだペンションの件と水森さんの件については検討中だから勘違いしないでね」
「ははっ、勘弁してくださいよ」
やはり、そう甘くはない相手だったか。
「ま、そっちの話は置いておいて、山田君を殺したのは誰だろうね。それに、どうして君は意識を失うことになったのかな? 何か長谷川先生と関わりがあるんじゃない?」
当然、尋問されることに変わりはない。
下手な嘘を吐いても恐らく彼女は既に答えを持っていて、簡単に嘘を見抜いてくるだろう。なるたけ正直に話すことにする。
「俺は頭に爆弾を抱えています」
「爆弾? 病気ってこと?」
「いえ、体の病気でも心の病気でもありません」
俺は事故に遭ってから発症した≪悪魔の脳≫について曝け出した。ただし、優衣や詩奈の件、白馬ペンションの事件においての係わりについてはひた隠す。
その話をしていると、段々と須藤の顔色が悪くなっていく。俺がふざけた話をしていると思って怒っているのだろうか。それにしては、体調が優れないような様子である。
「大丈夫ですか?」
「その現象を他に耳にしたことは?」
「長谷川先生が過去に似た現象で苦しむ人を教えてくれました」
「そう……。その中に小野塚って犯罪者がいたでしょ」
「え、あ、はい」
”やっぱり”と額に手を覆った彼女は、タバコの火種を灰皿に揉みつぶして大きな吐息をつく。何やら須藤にとってワケありな展開になったようで、特に小野塚という犯罪者に関与していると思われる。
「まったく、事例がないから真実を見逃すことになるのよっ」
これは自分に言い聞かせているようだ。どういう意味なのかは俺にはさっぱりだが、須藤も一応、人の子なのだなと冷静に思う。
「≪悪魔の脳≫って名付けたんだよね? いいわ。私もその謎について解明をしたいから協力するわ。でも、他に何も隠していないよね?」
彼女に助けを請うたわけではなかったのに、なぜか協力関係が結ばれようとしている。こうなってくると、反対に俺が隠してきたことがバレやしないかと危惧する。
「隠してはいませんが……」
「決まりね。私の推測だけど、小野塚の情報を教えた佐々木弁護士が行方知らずになったということは、情報を仕入れた長谷川先生にも危険が及ぶ可能性が高いと睨んでいるの。今は別の部下を先生に付けてはいるんだけど、私たちも早々に合流をしたほうがいいかも」
なぜこうも≪悪魔の脳≫をすんなり受け入れたのか、それも何故か解明まで本腰を入れて手伝ってくれようって言うのだから、気味が悪い。
「須藤さんは≪悪魔の脳≫について何を知っているんですか?」
「……まだ分からない。でも、それによって家族が殺されたのだとしたら、私の怨む相手は小野塚だけじゃなかったということね」
小野塚という男が強盗殺人鬼であったことは、先生の情報から既に頭に入っていた。
(そうか、須藤はその被害家族なのか)
今、彼女の胸の内は複雑なものであろう。
残虐非道である小野塚は己の犯罪を”何者かに操られている”という証言で刑を軽くしようとした。と、須藤の目線でなら思うだろう。
しかし、20年経過した今、同じような症状を訴える大学生が目の前に現れる。小野塚の言っていたことは本当なのか? その真偽を確かめるためには、大学生が発症している現象についても真実か虚偽かを判断しなければならなくなった。
もし、真実だと証明できれば――。
その時になってみなければ、須藤の考えなど理解に及ばないだろう。
いや、実に面白くなってきたじゃないか。
≪悪魔の脳≫が20年越しになって復活し、再び彼女を苦しめているというのは運命的なものを感じる。もはや、”やっぱり病気だった”という詰まらないオチになる可能性は低い。
≪悪魔の脳≫を使って俺たちを利用している”何か”が、存在しているのだ。
「であれば、真犯人を捕まえる必要がありますね」
俺は薄笑みを浮かべて須藤に握手を求めるのだった。
警察署の取調室に入るのは初めてで、部屋は冷房が効いているのか、ヒンヤリと冷たく感じられた。
「山田君の死因は頭部強打による脳挫傷だそうよ」
「はぁ」
「事件性については調べているところ。事故ともいえるし事件の可能性もある」
「それで、まだ殺人事件と確定していない中で俺を呼んだ理由は?」
「当然、私が君を怪しいと思っているから」
冗談を言っている目ではない。本気で俺を犯人として逮捕する気満々な顔つきである。
「てっきり、殺人事件の容疑に掛けられているものだと思っていました。それでは、拘束される意味はないですよね。失礼します」
俺が立ち上がろうとしたとき、須藤の手が俺の両肩に伸びて下へとグッと押し返される。強制的にパイプ椅子に腰掛けさせられた俺はゴクリと生唾を飲み込む。
「見逃されると思ったら甘いよ。山田君の死亡推定時刻は14時頃。最後に会っているの人物が君だってことぐらい掴んでいるわ。街に整備されているカメラを隈なく探せば、すぐに証拠となる。さっさと白状したほうが楽になれるよ」
「何を言っているんですか! 確かに山田さんとは会話をしました。しかし、会話の途中で俺の意識は失ったんです」
「それを証明できる人は?」
くっ。誰かが病院に運んだことに違いはないが、その人物が誰かなど皆目見当もつかない。てっきり山田とばかりに思っていただけに、俺も整理が追い付かない。
「わかりません。目が覚めたときには病院の天井があったので。家族は俺が木野浜医療センターのバス停で倒れていたと聞かされたらしいですが、そこに行った覚えも目的もありません。――そうだ、家族に聞いてみてください。山田さんとは病院で顔を合わせて会話もしているはずです」
「そうね。それが刑事の山田ならね」
どうにも、山田は山田でも人違いであったようだ。
どこぞの山田さんが木野浜医療センター前のバス停で拾ってくれたってだけの話だったらしい。
須藤はテーブルに長い人差し指をトントンとしてリズムを刻む。貧乏ゆすりのように苛立ちを覚えているのか、あるいは考えるときの癖なのか。いずれにしても、恐怖を感じてしまう音だった。
「君はこれを殺人と思う?」
「いえ、そうは思いません」
即答したことに驚いたのか、その指は動作をピタリと止める。
「なぜ、そう言い切れるの?」
「当事者にしか分からない勘ですが……」
「構わない。話して」
「何者かによって淡々とハメられているのではないかと。勿論、俺がです」
「……続けて」
「白馬ペンションでの件も今回の件も、須藤さんの疑いの目は俺に向けられていますよね? もし、仮に俺が真犯人だとするのなら、疑いの目を向けられている時点で、俺の監視に入った山田さんを殺害することはないと思うんです」
これは中々それらしい力説を放ったのではないか。それなりの手応えを感じた。だが、須藤の顔色は変化しないまま、次の手札を口にする。
「山田君にある指令を出していたの。君に見つかるようなことがあれば、君を疑っている理由を全て話しても構わないと。どうしてか分かる?」
「……」
「追い詰められた犯人の行動は3パターン。その場で自首をするか、それでもやっていないと言い張るか。そして、もう1つは隠したいがために、事実を知っている人物を消そうとすること」
「俺がそれだと?」
「冷静さを失っていればね。ただ、まあ、意識を失ってしまったという筋書きはどうかな? あまり稚拙なものだと思うし、ある意味では考えにも及ばない展開だよね」
須藤の言わんとすることが掴めない。結局のところ、俺を真犯人の疑いから排除する気はないってことなのか?
彼女はマルボーロのカプセル入りメンソールに火を点して、煙を吹かす。
今の時代でも、取調室で吸うのが許されるのだろうか。非喫煙者の俺にとっては不愉快極まりない。
「うん、そうね。山田君の件は、多分、君の犯行じゃないんでしょうね」
煙の嫌悪感はあるものの、なんとか身に覚えのない罪を被らずに済んで安堵する。
「まだペンションの件と水森さんの件については検討中だから勘違いしないでね」
「ははっ、勘弁してくださいよ」
やはり、そう甘くはない相手だったか。
「ま、そっちの話は置いておいて、山田君を殺したのは誰だろうね。それに、どうして君は意識を失うことになったのかな? 何か長谷川先生と関わりがあるんじゃない?」
当然、尋問されることに変わりはない。
下手な嘘を吐いても恐らく彼女は既に答えを持っていて、簡単に嘘を見抜いてくるだろう。なるたけ正直に話すことにする。
「俺は頭に爆弾を抱えています」
「爆弾? 病気ってこと?」
「いえ、体の病気でも心の病気でもありません」
俺は事故に遭ってから発症した≪悪魔の脳≫について曝け出した。ただし、優衣や詩奈の件、白馬ペンションの事件においての係わりについてはひた隠す。
その話をしていると、段々と須藤の顔色が悪くなっていく。俺がふざけた話をしていると思って怒っているのだろうか。それにしては、体調が優れないような様子である。
「大丈夫ですか?」
「その現象を他に耳にしたことは?」
「長谷川先生が過去に似た現象で苦しむ人を教えてくれました」
「そう……。その中に小野塚って犯罪者がいたでしょ」
「え、あ、はい」
”やっぱり”と額に手を覆った彼女は、タバコの火種を灰皿に揉みつぶして大きな吐息をつく。何やら須藤にとってワケありな展開になったようで、特に小野塚という犯罪者に関与していると思われる。
「まったく、事例がないから真実を見逃すことになるのよっ」
これは自分に言い聞かせているようだ。どういう意味なのかは俺にはさっぱりだが、須藤も一応、人の子なのだなと冷静に思う。
「≪悪魔の脳≫って名付けたんだよね? いいわ。私もその謎について解明をしたいから協力するわ。でも、他に何も隠していないよね?」
彼女に助けを請うたわけではなかったのに、なぜか協力関係が結ばれようとしている。こうなってくると、反対に俺が隠してきたことがバレやしないかと危惧する。
「隠してはいませんが……」
「決まりね。私の推測だけど、小野塚の情報を教えた佐々木弁護士が行方知らずになったということは、情報を仕入れた長谷川先生にも危険が及ぶ可能性が高いと睨んでいるの。今は別の部下を先生に付けてはいるんだけど、私たちも早々に合流をしたほうがいいかも」
なぜこうも≪悪魔の脳≫をすんなり受け入れたのか、それも何故か解明まで本腰を入れて手伝ってくれようって言うのだから、気味が悪い。
「須藤さんは≪悪魔の脳≫について何を知っているんですか?」
「……まだ分からない。でも、それによって家族が殺されたのだとしたら、私の怨む相手は小野塚だけじゃなかったということね」
小野塚という男が強盗殺人鬼であったことは、先生の情報から既に頭に入っていた。
(そうか、須藤はその被害家族なのか)
今、彼女の胸の内は複雑なものであろう。
残虐非道である小野塚は己の犯罪を”何者かに操られている”という証言で刑を軽くしようとした。と、須藤の目線でなら思うだろう。
しかし、20年経過した今、同じような症状を訴える大学生が目の前に現れる。小野塚の言っていたことは本当なのか? その真偽を確かめるためには、大学生が発症している現象についても真実か虚偽かを判断しなければならなくなった。
もし、真実だと証明できれば――。
その時になってみなければ、須藤の考えなど理解に及ばないだろう。
いや、実に面白くなってきたじゃないか。
≪悪魔の脳≫が20年越しになって復活し、再び彼女を苦しめているというのは運命的なものを感じる。もはや、”やっぱり病気だった”という詰まらないオチになる可能性は低い。
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