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【先行公開版】第一章 壁 - Wall -
小学校 - Primary School - 1
◯ベイト・ラヒア市・路上
道の両側の建物が崩れている。
埃っぽい空気の中を、ライラとエーリン、小学校に向かう。
がれきを避けたり、がれきの上を歩いたりするため、舗装された道を歩くより、はるかに時間がかかる。
ライラ「孤児たちは、昼間は授業を受けて、夜は校舎で私たち教師と過ごします」
エーリン「検問所で、今日から大きな作戦が行われると聞いたけど、大丈夫なの?」
ライラ「以前からこの地域はシオン国の砲撃と攻撃を受けていますが、学校が被害を受けたことはありません。学校には子供しか居ませんから、攻撃対象にならないのだと思います」
空から白いものがヒラヒラと、いくつも舞い落ちてくる。
拾い上げてみると、ゾットが持っていたものと同じビラ。
ライラ、ビラを読み上げる。
「『この地域にいるすべての人に告ぐ。ここは危険な戦闘地域で、安全ではない。直ちに南へ避難を』。
シオン国による退避勧告です。この地域を攻撃するから南へ行け、と。
退避勧告に従って北から逃げてきた家族が、南へまた移動させられています。
シオン国は、カナン地区の人々を南へ南へと追いやっているのです」
◯ベイト・ラヒア市・ショッピング街
広い大通りに出る。
両側の建物は全て破壊されているが、がれきが道の端に退けられているため歩きやすい。
ライラ「ここは、ショッピング街だったんですよ。
大通りの両側に、食料品店はもちろん、衣料品店から家具店、宝石店まで。必要なものが全て揃う場所でした。
人々は買い物を楽しみ、恋人たちはレストランやカフェのテラス席で語らい、子供連れの家族の笑顔と笑い声があふれていました。
そんな光景が、当たり前の日常として、ここにあったんですよ」
ライラ、楽しかった思い出を噛みしめるように話す。
◯ベイト・ラヒア市・アル・シマー小学校
2階建ての大きな小学校に到着する。
広い校庭があり、教室で子供達が元気に授業を受けている。
ライラ、エーリンと廊下を歩きながら説明する。
「この学校では、地域の子どもや孤児になった子どもが総勢150人ほど学んでいます。私の他に3人の教師が居て、学年別の授業をしています」
エーリン、教室を覗いて、
「みんな元気ね。私の娘も去年小学校を卒業したのよ。高学年の授業も見てみたいわ」
ライラ「今ご覧になっているのが高学年です。カナンの小学校は4年生までです。10歳までの子供たちしか居ないのです」
✕ ✕ ✕
別の教室では、生徒に交じって2、3歳の子供たちが座っている。
ライラ「あの幼児たちは孤児です。日中は生徒たちと同じ教室で過ごし、夜は学校で私たち教師と一緒に過ごします。
エーリンさんには、授業を受けない幼児や孤児たちのお世話をお願いしたいのですが、よろしいでしょうか」
エーリン「いいわよ。夜は私もここで過ごせるのかしら?」
ライラ「ええ。お願いします」
エーリン「よかった。よろしくね」
突如、
ドオオオーン
轟音とともに校舎が震える。
エーリン、身を縮めて、
「な、なにっ!?」
ライラ「シオン国の砲弾が近くに落ちたのです」
エーリン、青ざめる。
ライラ「砲撃の後にはシオン軍が来ますから、外に出ないでください。大規模な作戦が予定されているなら、今日は外出しないほうがいいですね」
エーリン、ドクドクしている胸を押さえる。
「こ、こういう事はよくあるの?」
ライラ、淡々と「ええ。日常茶飯事です。でも、学校は安全ですから」
道の両側の建物が崩れている。
埃っぽい空気の中を、ライラとエーリン、小学校に向かう。
がれきを避けたり、がれきの上を歩いたりするため、舗装された道を歩くより、はるかに時間がかかる。
ライラ「孤児たちは、昼間は授業を受けて、夜は校舎で私たち教師と過ごします」
エーリン「検問所で、今日から大きな作戦が行われると聞いたけど、大丈夫なの?」
ライラ「以前からこの地域はシオン国の砲撃と攻撃を受けていますが、学校が被害を受けたことはありません。学校には子供しか居ませんから、攻撃対象にならないのだと思います」
空から白いものがヒラヒラと、いくつも舞い落ちてくる。
拾い上げてみると、ゾットが持っていたものと同じビラ。
ライラ、ビラを読み上げる。
「『この地域にいるすべての人に告ぐ。ここは危険な戦闘地域で、安全ではない。直ちに南へ避難を』。
シオン国による退避勧告です。この地域を攻撃するから南へ行け、と。
退避勧告に従って北から逃げてきた家族が、南へまた移動させられています。
シオン国は、カナン地区の人々を南へ南へと追いやっているのです」
◯ベイト・ラヒア市・ショッピング街
広い大通りに出る。
両側の建物は全て破壊されているが、がれきが道の端に退けられているため歩きやすい。
ライラ「ここは、ショッピング街だったんですよ。
大通りの両側に、食料品店はもちろん、衣料品店から家具店、宝石店まで。必要なものが全て揃う場所でした。
人々は買い物を楽しみ、恋人たちはレストランやカフェのテラス席で語らい、子供連れの家族の笑顔と笑い声があふれていました。
そんな光景が、当たり前の日常として、ここにあったんですよ」
ライラ、楽しかった思い出を噛みしめるように話す。
◯ベイト・ラヒア市・アル・シマー小学校
2階建ての大きな小学校に到着する。
広い校庭があり、教室で子供達が元気に授業を受けている。
ライラ、エーリンと廊下を歩きながら説明する。
「この学校では、地域の子どもや孤児になった子どもが総勢150人ほど学んでいます。私の他に3人の教師が居て、学年別の授業をしています」
エーリン、教室を覗いて、
「みんな元気ね。私の娘も去年小学校を卒業したのよ。高学年の授業も見てみたいわ」
ライラ「今ご覧になっているのが高学年です。カナンの小学校は4年生までです。10歳までの子供たちしか居ないのです」
✕ ✕ ✕
別の教室では、生徒に交じって2、3歳の子供たちが座っている。
ライラ「あの幼児たちは孤児です。日中は生徒たちと同じ教室で過ごし、夜は学校で私たち教師と一緒に過ごします。
エーリンさんには、授業を受けない幼児や孤児たちのお世話をお願いしたいのですが、よろしいでしょうか」
エーリン「いいわよ。夜は私もここで過ごせるのかしら?」
ライラ「ええ。お願いします」
エーリン「よかった。よろしくね」
突如、
ドオオオーン
轟音とともに校舎が震える。
エーリン、身を縮めて、
「な、なにっ!?」
ライラ「シオン国の砲弾が近くに落ちたのです」
エーリン、青ざめる。
ライラ「砲撃の後にはシオン軍が来ますから、外に出ないでください。大規模な作戦が予定されているなら、今日は外出しないほうがいいですね」
エーリン、ドクドクしている胸を押さえる。
「こ、こういう事はよくあるの?」
ライラ、淡々と「ええ。日常茶飯事です。でも、学校は安全ですから」
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