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【先行公開版】第二章 灯火 - Torch -
首長会合 - Majlis of Sheikhs - 4
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◯カナン地区・東側の地域・草地・バスの中
首に鍵を下げた年老いた首長、カナン地区の地図を広げる。
首に鍵を下げた5人の首長が、その周りに集まる。
老首長「特別総会で加盟が否決される可能性も想定し、この計画を立てた。
まず決めたことは二つ。
現役の首長は、今回の出撃には参加しない。
そして、東側地域からは出撃しない。
我々が蜂起すれば、必ず報復攻撃があるだろう。
現役の首長には、自分の地域を守ってもらわねばならん。
東側から出撃しないのも、まだ砲撃を受けていない東側を、戦火に巻き込まぬためだ」
首長たち、うなずく。
老首長、地図の西側地域の上に指を置く。
「出撃は、西側地域から行う。
アッコ、ハイファ、ヤッファ、ナザレ、ベエルシェバ──それぞれの首長と志願者で編成した、5つの騎馬隊だ」
首に鍵を下げた5人の首長がうなずく。
老首長、指で西側地域の北部をなぞる。
「北ガザ県とガザ県は、すでにシオン軍にほぼ制圧されている。
軍事回廊にはシオン軍が常駐している」
そのまま指をノストルム海へ移す。
「ノストルム海もシオン軍に押さえられており、海上移動は困難」
老首長、指を南へ移動させ、最南端のラファフ県を指す。
「よって、ラファフの南の検問所を突破し、そこから出撃する」
老首長、顔をイスマイールに向ける。
「ここで問題が一つある。
南の検問所を越えた先はアッバース国。
アッバース国の国境警備隊に、我々が敵意を持たぬことを伝えてもらうことは可能か?」
イスマイール「お前たちが通過することに目をつぶるよう、手を回そう」
老首長「感謝する」
老首長、再び地図上に目を落とす。
南の検問所を起点に、シオン国へ向けて5方向に指を滑らせる。
「検問所を出た後、隣接する物資専門の検問所を経由しシオン国に侵入、5方向に分かれる。
南、南東、東、東北、北。
各部隊は、進めるだけ進め。
そして、障壁が建てられる時間まで、持ち堪えよ」
ベエルシェバ県首長「南は、俺の部隊が行こう」
老首長うなずき、カナン地区東側地域を指す。
「南東、東、東北に向かう部隊は、東側地域と繋がることを目標とする」
そのまま指をシオン国北部に向かって滑らせるが、途中で止める。
「日没までとなると、北限は…恐らくヤッファ」
ヤッファ県より北に位置する、アッコ県とハイファ県の首長を見る。
「…どうする。アッコ、ハイファの」
2人の首長、つらそうに目を伏せる。
アッコ県首長「…北は、ヤッファの首長が行くといい」
ハイファ県首長「…東北は、ナザレの首長だろう。
俺たちは、東と南東に向かう」
老首長「…すまん。こらえてくれ」
老首長、首に鍵を下げた5人の首長を見回す。
「時間も人員も足りん。
シオン軍との戦闘は、極力避けよ。
市街には入らず、国境を押し広げることに専念せよ」
老首長、カナン地区全体を囲むように、指で地図をなぞる。
「各々の点を繋げば線となり、線はすなわち面となる。
カナンの地を、再び取り戻すぞ」
5人の首長たち、力強くうなずく。
✕ ✕ ✕
イスマイール「南の検問所の突破には、新型銃が役に立つだろう」
イスマイールの脇に控えていたアッバース国軍の若い士官が、胸に右手を当てて首長たちの前に進み出る。
「カナンの諸首長に、心より敬意を表する。
私は、アッバース国ホラーサーン軍所属、大尉アリー・イブン・ファーティマーン。
この新型銃の操作と運用を指導する役目を仰せつかった」
アリー、左手に持っていた新型銃を、首長たちに見えるよう両手で掲げる。
「シオン国防軍の特殊部隊に配備されている銃と同じ型だ。
この新型銃は、装填方法が従来の前装式とは全く異なる」
アリー、手元のボルトを引いて薬室を開けて見せる。
腰の革袋から薬莢を取り出し、薬莢を薬室に入れてから、ボルトを押し戻す。
「以上で装填完了だ」
「おおっ!」
首長たちから、どよめきが上がる。
アリー、銃を肩に当てて構えてみせる。
「旧式の銃のように、装填のたびに立ち上がる必要がない。
体を伏せたまま、連続して射撃を行える。
発射速度も有効射程も、旧式とは比べものにならない」
首長たち、興奮と熱気に包まれる。
首長1「この銃があれば勝てる!」
首長2「シオン軍と互角…いや、それ以上だ!」
イスマイール「同型の銃が、外に1,300丁用意してある。
訓練期間は、今日を含めて2日しかない。1秒も無駄にせず、訓練を始めよ」
首長たち、一斉に立ち上がる。
イスマイール「決死隊といえど、生命を粗末にするな。生き延びてこそ、意味がある。
──お前たちの健闘を祈る」
首に鍵を下げた年老いた首長、カナン地区の地図を広げる。
首に鍵を下げた5人の首長が、その周りに集まる。
老首長「特別総会で加盟が否決される可能性も想定し、この計画を立てた。
まず決めたことは二つ。
現役の首長は、今回の出撃には参加しない。
そして、東側地域からは出撃しない。
我々が蜂起すれば、必ず報復攻撃があるだろう。
現役の首長には、自分の地域を守ってもらわねばならん。
東側から出撃しないのも、まだ砲撃を受けていない東側を、戦火に巻き込まぬためだ」
首長たち、うなずく。
老首長、地図の西側地域の上に指を置く。
「出撃は、西側地域から行う。
アッコ、ハイファ、ヤッファ、ナザレ、ベエルシェバ──それぞれの首長と志願者で編成した、5つの騎馬隊だ」
首に鍵を下げた5人の首長がうなずく。
老首長、指で西側地域の北部をなぞる。
「北ガザ県とガザ県は、すでにシオン軍にほぼ制圧されている。
軍事回廊にはシオン軍が常駐している」
そのまま指をノストルム海へ移す。
「ノストルム海もシオン軍に押さえられており、海上移動は困難」
老首長、指を南へ移動させ、最南端のラファフ県を指す。
「よって、ラファフの南の検問所を突破し、そこから出撃する」
老首長、顔をイスマイールに向ける。
「ここで問題が一つある。
南の検問所を越えた先はアッバース国。
アッバース国の国境警備隊に、我々が敵意を持たぬことを伝えてもらうことは可能か?」
イスマイール「お前たちが通過することに目をつぶるよう、手を回そう」
老首長「感謝する」
老首長、再び地図上に目を落とす。
南の検問所を起点に、シオン国へ向けて5方向に指を滑らせる。
「検問所を出た後、隣接する物資専門の検問所を経由しシオン国に侵入、5方向に分かれる。
南、南東、東、東北、北。
各部隊は、進めるだけ進め。
そして、障壁が建てられる時間まで、持ち堪えよ」
ベエルシェバ県首長「南は、俺の部隊が行こう」
老首長うなずき、カナン地区東側地域を指す。
「南東、東、東北に向かう部隊は、東側地域と繋がることを目標とする」
そのまま指をシオン国北部に向かって滑らせるが、途中で止める。
「日没までとなると、北限は…恐らくヤッファ」
ヤッファ県より北に位置する、アッコ県とハイファ県の首長を見る。
「…どうする。アッコ、ハイファの」
2人の首長、つらそうに目を伏せる。
アッコ県首長「…北は、ヤッファの首長が行くといい」
ハイファ県首長「…東北は、ナザレの首長だろう。
俺たちは、東と南東に向かう」
老首長「…すまん。こらえてくれ」
老首長、首に鍵を下げた5人の首長を見回す。
「時間も人員も足りん。
シオン軍との戦闘は、極力避けよ。
市街には入らず、国境を押し広げることに専念せよ」
老首長、カナン地区全体を囲むように、指で地図をなぞる。
「各々の点を繋げば線となり、線はすなわち面となる。
カナンの地を、再び取り戻すぞ」
5人の首長たち、力強くうなずく。
✕ ✕ ✕
イスマイール「南の検問所の突破には、新型銃が役に立つだろう」
イスマイールの脇に控えていたアッバース国軍の若い士官が、胸に右手を当てて首長たちの前に進み出る。
「カナンの諸首長に、心より敬意を表する。
私は、アッバース国ホラーサーン軍所属、大尉アリー・イブン・ファーティマーン。
この新型銃の操作と運用を指導する役目を仰せつかった」
アリー、左手に持っていた新型銃を、首長たちに見えるよう両手で掲げる。
「シオン国防軍の特殊部隊に配備されている銃と同じ型だ。
この新型銃は、装填方法が従来の前装式とは全く異なる」
アリー、手元のボルトを引いて薬室を開けて見せる。
腰の革袋から薬莢を取り出し、薬莢を薬室に入れてから、ボルトを押し戻す。
「以上で装填完了だ」
「おおっ!」
首長たちから、どよめきが上がる。
アリー、銃を肩に当てて構えてみせる。
「旧式の銃のように、装填のたびに立ち上がる必要がない。
体を伏せたまま、連続して射撃を行える。
発射速度も有効射程も、旧式とは比べものにならない」
首長たち、興奮と熱気に包まれる。
首長1「この銃があれば勝てる!」
首長2「シオン軍と互角…いや、それ以上だ!」
イスマイール「同型の銃が、外に1,300丁用意してある。
訓練期間は、今日を含めて2日しかない。1秒も無駄にせず、訓練を始めよ」
首長たち、一斉に立ち上がる。
イスマイール「決死隊といえど、生命を粗末にするな。生き延びてこそ、意味がある。
──お前たちの健闘を祈る」
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