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結婚するって本当ですか?2
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翌日。
確かめようにも本人とどう連絡をとればいいかわからない。
あのひと自分の電話番号やたらと教えるひとじゃないし。
他の先輩達に聞いても番号を知っている人はいないだろう。お互いの立場があるから。
命をかけて国を守る、そんな組織の将来有望な幹部候補生が、家のあとを継ぐと言って、姿を消してしまった。
そして、ある日突然現れた。
裏の社会に身を投じた者として。
これには皆びっくりしたもんだ。
彼の家は神社のはずなんだが。
何かいろいろ事情があったみたいで、今では若頭と呼ばれるまでになり、さらに驚いたのが、彼が率いる団体・組織は、国内の経済に影響を与える企業になりつつあるということだ。
元々変わったひとだった。
日本で最も頭の良い一流の某大学に入学したが辞めてしまい、わざわざ大学を受け直した変わり者。
彼はそんな経緯もあり有名だった。
うーん、
昨日と同じ悶々モヤモヤ。
心なしか頭も痛い。
おまけに、やけに視線を感じる。
ハイエナ達が私を見ている。
だが私はお前達の期待には答える気はない。
私はお前達のオモチャではないのだから。
私は冷静に仕事をこなそう。
店長たるもの、常にスタッフの手本にならなければいけない。
まずはブラウスのボタンのチェックから・・
あ、これボタン取れそう・・・
「・・・・・」
クソーッ!なんで取れそうになってるんだよ!!
「ブラウスのボタンを引きちぎった」
「冷静さを装っているがモヤりに支配されてキレ気味」
「見てて楽しい」
ボタンを引きちぎってしまった。
こんなんじゃ駄目だ。
ハイエナどもがこそこそ何か言ってるな。
そうだ、掃除をしよう。
こういう時は一心不乱に体を動かす仕事をするんだ。
私は雑巾を持ってウインドウのガラスの掃除を始めた。
ピカピカに磨いてやろうじゃないか!
ウインドウから見える外は人通りが多くなってきた。
昼近くなったから休憩時間か。
皆、寒そうだが道行くひとは笑顔だ。
吐く息が白い。
見上げた空の雲行きがあやしい。
雪が降るんだろうか?
冷え込みも厳しくなってきたようだし。
あれ?
見覚えのある黒塗り国産車が止まった
あ・・・、
仙道先輩ーーーーー!
キターーーーー!
私は手を洗い、ハイエナ達の横をダッシュで通り抜け、仙道先輩の元へと駆けつけた。
「早い」
「まるでご主人様をみつけたワンコ」
「悲嘆にくれる顔が見たい」
ハイエナどもが何か言ってる気がするが、気にしない。無視無視。
「先輩!」
私は満面の笑みで先輩に声をかけた。
「東雲」
相変わらずカッコいい。
今日はブルーのスーツ、スリーピース。
「ちょうどよかった。聞きたいことがあるんだが」
「はい?」
「俺の結婚話が出回ってるみたいだが」
「はい!聞きました、結婚するって」
━━━━━本当ですか?
「いや、」
「!!」
やっぱ間違いだーーーー!
東雲結、勝利ーーーー!
「もう結婚したんだ」
「━━━━━え?」
「籍だけ先に入れて、式はあとで身内だけで執り行う」
「━━━━━━━━」
「それで・・、・・東雲?」
「・・・もの・・」
ウソ・・。
「東雲?どうした?」
先輩の・・・
「裏切り者!!!」
私は先輩にそう叫ぶと店のバックヤードに駆け込んだ。
ハイエナ達が万歳三唱ドンチャンしながらよさこい踊ってるのが見えた。
勝利者は今宵宴で美酒に酔うのだろう。
私はバックヤードで机に突っ伏した。
昨夜から絶えずに鳴り続けるメッセージの着信音。
消音にしてたのだが、確認しなくては。
メッセージを開く。
昨夜の分から順に。
『勝利確定ーーー!』
『忘れてねーだろーな東雲ー!』
『女神は我に微笑んだりーー!』
『神様仏様仙道様ーー!』
『仙道ー!結婚オメ!!』
『5万、はよクレ!』
『5万円ーー!』
『ひゅーひゅー!ごまーんえーん』
『ねえねえ、今どんな気持ちー?』
『東雲ー?メッセージ見てるー?』
『振込先間違えるなよー!』
山ほど冷やかしのメッセージが入っている。
ほとんどが私と同じ民間企業就職組。
「くっそう・・・!!こいつら・・・!!」
いい気になりやがって!!
こんな奴らに合計約45万払わにゃならんのか?
新車の軍資金がなくなるーーー!!
『仙道京司朗は果たして結婚するのかしないのか』
国を死守する防衛の要の大学で、一番の有名人だった仙道京司朗。
結婚を心底否定し続けていた、モテすぎた男。
賭け事が不謹慎ならば私達はその代表なんだろう。
どんな世界にも不謹慎な連中はいる。
『俺達は聖人君子じゃねえんだよ!』と言ったのはどの先輩だったか。
各々、それぞれの正義を抱えて生きている。
時に正義はすれ違ったり、ぶつかりあったりしていた。
国でも個人でもそれは同じで、ひとつの正義に従うことができないなら、離れなければならない。
大学一の結婚否定派。
仙道先輩の結婚否定っぷりはあまりにも凄かったので、彼は賭けの対象になってしまったのだ。
賭け金は5万(勝利者への支払いは分割払いも可能)
賭け金受け取り辞退可能。
仙道京司朗は、
31歳誕生日までに結婚する。3名。
31歳から35歳誕生日までに結婚する。9名。
35歳から40歳誕生日までに結婚する。5名。
絶対結婚しない。1名。
その1名が私だった。
ちなみに私以外は全員男で私と同期が3人、あとは仙道先輩の同期と上の先輩達だ。
「だって、絶対結婚しないって言ったんだもの!信じて何が悪いんだよ!」
私は叫んだ。
ふいに影を感じた。
目の前のスマホが無くなった。
「残りはこいつらか」
座ってると、鍛えあげられた体と背の高さに拍車がかかって見える迫力の仙道京司朗先輩。冷や汗が首筋をつたる。
「・・・あ、仙道先輩・・か、返してください!スマホ・・!!」
取り返そうとした私をかわし、仙道先輩は誰からメッセージが送られてるかを素早く覗きみた。
「5人は居所がつかめたんだが、残りの4人がなかなかつかめなくてな」
「居所って・・・」
「俺を対象に賭けたんだって?」
仙道先輩はスマホ画面の新着メッセージを私に見せた。
『金、要らね!』
『ごめんなさい!もう要りません!』
『辞退辞退辞退ーーー!』
『真面目に生きていきますから!』
『さっきのメッセージは忘れてくれ!五万より命!』
「━━━━━━━━━」
いつバレてたんだ━━━━
「う、・・いや、・・・・その・・、つまりそのー、話の流れ上なんといいますか・・、決してそのー・・」
あー、いー、うー。
「お前は信じたんだな。俺の言葉を」
「・・・だって・・、言ったじゃないですか。絶対結婚しないって」
「そうだな。・・人生何が起こるかわからないな」
仙道先輩がふと笑った。
今までで見たことのない優しい笑顔だった。
気がつくと厳しい表情で、この人は心の底から笑うことがあるんだろうかと思っていたけど・・。
「・・先輩、ご結婚、おめでとうございます」
先輩そんな風に笑うようになったんですね。良かったです・・。
私は仙道先輩に心からの祝意を述べた。
彼を変えたのはどんな女性なんだろうか。
「ああ、ありがとう」
先輩は静かにそう言うと、
「さて、残りの4人に会ってくるか。公務員だろうが民間人だろうが『俺』を対象に賭け事なんてまずいだろう?」
スマホで私の頬をペシペシと叩く仙道先輩。
こ、怖ぇ
「・・・、も、申し訳ありません、、、」
やっぱり若頭だ。裏の男の迫力も満天。
自分の立場と相手の立場を理解している。
決して忘れてはいない。
「東雲」
「はい」
「結婚するなら教えろよ」
「・・・え、」
「式には出られない分、祝儀ははずんでやる」
仙道先輩はそう言うと帰ってしまった。
いや、多分、久しぶりの『再会』を果たすために。
スマホのメッセージ着信が再びうるさい。
『仙道に俺の居場所を教えるなよ!』
『俺は関係ないと伝えてくれ!』
『ごめんなさい!』
『メッセージ消してくれ!頼む!』
情報が伝わったみたいだなぁ。
「・・・」
シラネ。
バックヤードから店に出ると、洋平先生がハイエナ達を怒っていた。
何をしたんだ。
「だからどうしてこんなことになってるのよ!説明しなさい!アンタ達!」
「ですから洋平先生の新しい魅力を引き出そうと」
「やはりこれからの時代はウインドウも斬新な表現が求められているのではないかと思い」
「Excellent!JAPAN!」
「どこがよ!グリコの一粒で300メートルのかっこうしたマネキンのどこが斬新でexcellentなのよ!ここは大阪の道頓堀じゃないのよ!!直しなさい!」
なるほど、白いタンクトップに白いショートパンツ。
両手をあげて『寒くても元気』のキャッチコピーの元気さをアピールしているマネキンは、みようによってはフレディ・マーキュリーにもみえる。
季節感ゼロのウインドウを道行く人が笑っている。
だいたい誰が書いたんだこのキャッチコピー。
さっきまで無かっただろーが。ハイエナ達の手作りか?
「まったく!誰がアイツらを雇ったのかしら!」
それは同意する。
「専務のヘッドハンティングで」
「副社長のヘッドハンティングで」
「代表取締役がどうしてもと土下座して」
ハイエナ達が振り向き様に答えた。
私は気を取り直して仕事に没頭することにした。
45万払わずにすんでホッとしたせいか頭痛も消えた。
新しい車買える。嬉しい。
だがしかし・・・。
翌日。
確かめようにも本人とどう連絡をとればいいかわからない。
あのひと自分の電話番号やたらと教えるひとじゃないし。
他の先輩達に聞いても番号を知っている人はいないだろう。お互いの立場があるから。
命をかけて国を守る、そんな組織の将来有望な幹部候補生が、家のあとを継ぐと言って、姿を消してしまった。
そして、ある日突然現れた。
裏の社会に身を投じた者として。
これには皆びっくりしたもんだ。
彼の家は神社のはずなんだが。
何かいろいろ事情があったみたいで、今では若頭と呼ばれるまでになり、さらに驚いたのが、彼が率いる団体・組織は、国内の経済に影響を与える企業になりつつあるということだ。
元々変わったひとだった。
日本で最も頭の良い一流の某大学に入学したが辞めてしまい、わざわざ大学を受け直した変わり者。
彼はそんな経緯もあり有名だった。
うーん、
昨日と同じ悶々モヤモヤ。
心なしか頭も痛い。
おまけに、やけに視線を感じる。
ハイエナ達が私を見ている。
だが私はお前達の期待には答える気はない。
私はお前達のオモチャではないのだから。
私は冷静に仕事をこなそう。
店長たるもの、常にスタッフの手本にならなければいけない。
まずはブラウスのボタンのチェックから・・
あ、これボタン取れそう・・・
「・・・・・」
クソーッ!なんで取れそうになってるんだよ!!
「ブラウスのボタンを引きちぎった」
「冷静さを装っているがモヤりに支配されてキレ気味」
「見てて楽しい」
ボタンを引きちぎってしまった。
こんなんじゃ駄目だ。
ハイエナどもがこそこそ何か言ってるな。
そうだ、掃除をしよう。
こういう時は一心不乱に体を動かす仕事をするんだ。
私は雑巾を持ってウインドウのガラスの掃除を始めた。
ピカピカに磨いてやろうじゃないか!
ウインドウから見える外は人通りが多くなってきた。
昼近くなったから休憩時間か。
皆、寒そうだが道行くひとは笑顔だ。
吐く息が白い。
見上げた空の雲行きがあやしい。
雪が降るんだろうか?
冷え込みも厳しくなってきたようだし。
あれ?
見覚えのある黒塗り国産車が止まった
あ・・・、
仙道先輩ーーーーー!
キターーーーー!
私は手を洗い、ハイエナ達の横をダッシュで通り抜け、仙道先輩の元へと駆けつけた。
「早い」
「まるでご主人様をみつけたワンコ」
「悲嘆にくれる顔が見たい」
ハイエナどもが何か言ってる気がするが、気にしない。無視無視。
「先輩!」
私は満面の笑みで先輩に声をかけた。
「東雲」
相変わらずカッコいい。
今日はブルーのスーツ、スリーピース。
「ちょうどよかった。聞きたいことがあるんだが」
「はい?」
「俺の結婚話が出回ってるみたいだが」
「はい!聞きました、結婚するって」
━━━━━本当ですか?
「いや、」
「!!」
やっぱ間違いだーーーー!
東雲結、勝利ーーーー!
「もう結婚したんだ」
「━━━━━え?」
「籍だけ先に入れて、式はあとで身内だけで執り行う」
「━━━━━━━━」
「それで・・、・・東雲?」
「・・・もの・・」
ウソ・・。
「東雲?どうした?」
先輩の・・・
「裏切り者!!!」
私は先輩にそう叫ぶと店のバックヤードに駆け込んだ。
ハイエナ達が万歳三唱ドンチャンしながらよさこい踊ってるのが見えた。
勝利者は今宵宴で美酒に酔うのだろう。
私はバックヤードで机に突っ伏した。
昨夜から絶えずに鳴り続けるメッセージの着信音。
消音にしてたのだが、確認しなくては。
メッセージを開く。
昨夜の分から順に。
『勝利確定ーーー!』
『忘れてねーだろーな東雲ー!』
『女神は我に微笑んだりーー!』
『神様仏様仙道様ーー!』
『仙道ー!結婚オメ!!』
『5万、はよクレ!』
『5万円ーー!』
『ひゅーひゅー!ごまーんえーん』
『ねえねえ、今どんな気持ちー?』
『東雲ー?メッセージ見てるー?』
『振込先間違えるなよー!』
山ほど冷やかしのメッセージが入っている。
ほとんどが私と同じ民間企業就職組。
「くっそう・・・!!こいつら・・・!!」
いい気になりやがって!!
こんな奴らに合計約45万払わにゃならんのか?
新車の軍資金がなくなるーーー!!
『仙道京司朗は果たして結婚するのかしないのか』
国を死守する防衛の要の大学で、一番の有名人だった仙道京司朗。
結婚を心底否定し続けていた、モテすぎた男。
賭け事が不謹慎ならば私達はその代表なんだろう。
どんな世界にも不謹慎な連中はいる。
『俺達は聖人君子じゃねえんだよ!』と言ったのはどの先輩だったか。
各々、それぞれの正義を抱えて生きている。
時に正義はすれ違ったり、ぶつかりあったりしていた。
国でも個人でもそれは同じで、ひとつの正義に従うことができないなら、離れなければならない。
大学一の結婚否定派。
仙道先輩の結婚否定っぷりはあまりにも凄かったので、彼は賭けの対象になってしまったのだ。
賭け金は5万(勝利者への支払いは分割払いも可能)
賭け金受け取り辞退可能。
仙道京司朗は、
31歳誕生日までに結婚する。3名。
31歳から35歳誕生日までに結婚する。9名。
35歳から40歳誕生日までに結婚する。5名。
絶対結婚しない。1名。
その1名が私だった。
ちなみに私以外は全員男で私と同期が3人、あとは仙道先輩の同期と上の先輩達だ。
「だって、絶対結婚しないって言ったんだもの!信じて何が悪いんだよ!」
私は叫んだ。
ふいに影を感じた。
目の前のスマホが無くなった。
「残りはこいつらか」
座ってると、鍛えあげられた体と背の高さに拍車がかかって見える迫力の仙道京司朗先輩。冷や汗が首筋をつたる。
「・・・あ、仙道先輩・・か、返してください!スマホ・・!!」
取り返そうとした私をかわし、仙道先輩は誰からメッセージが送られてるかを素早く覗きみた。
「5人は居所がつかめたんだが、残りの4人がなかなかつかめなくてな」
「居所って・・・」
「俺を対象に賭けたんだって?」
仙道先輩はスマホ画面の新着メッセージを私に見せた。
『金、要らね!』
『ごめんなさい!もう要りません!』
『辞退辞退辞退ーーー!』
『真面目に生きていきますから!』
『さっきのメッセージは忘れてくれ!五万より命!』
「━━━━━━━━━」
いつバレてたんだ━━━━
「う、・・いや、・・・・その・・、つまりそのー、話の流れ上なんといいますか・・、決してそのー・・」
あー、いー、うー。
「お前は信じたんだな。俺の言葉を」
「・・・だって・・、言ったじゃないですか。絶対結婚しないって」
「そうだな。・・人生何が起こるかわからないな」
仙道先輩がふと笑った。
今までで見たことのない優しい笑顔だった。
気がつくと厳しい表情で、この人は心の底から笑うことがあるんだろうかと思っていたけど・・。
「・・先輩、ご結婚、おめでとうございます」
先輩そんな風に笑うようになったんですね。良かったです・・。
私は仙道先輩に心からの祝意を述べた。
彼を変えたのはどんな女性なんだろうか。
「ああ、ありがとう」
先輩は静かにそう言うと、
「さて、残りの4人に会ってくるか。公務員だろうが民間人だろうが『俺』を対象に賭け事なんてまずいだろう?」
スマホで私の頬をペシペシと叩く仙道先輩。
こ、怖ぇ
「・・・、も、申し訳ありません、、、」
やっぱり若頭だ。裏の男の迫力も満天。
自分の立場と相手の立場を理解している。
決して忘れてはいない。
「東雲」
「はい」
「結婚するなら教えろよ」
「・・・え、」
「式には出られない分、祝儀ははずんでやる」
仙道先輩はそう言うと帰ってしまった。
いや、多分、久しぶりの『再会』を果たすために。
スマホのメッセージ着信が再びうるさい。
『仙道に俺の居場所を教えるなよ!』
『俺は関係ないと伝えてくれ!』
『ごめんなさい!』
『メッセージ消してくれ!頼む!』
情報が伝わったみたいだなぁ。
「・・・」
シラネ。
バックヤードから店に出ると、洋平先生がハイエナ達を怒っていた。
何をしたんだ。
「だからどうしてこんなことになってるのよ!説明しなさい!アンタ達!」
「ですから洋平先生の新しい魅力を引き出そうと」
「やはりこれからの時代はウインドウも斬新な表現が求められているのではないかと思い」
「Excellent!JAPAN!」
「どこがよ!グリコの一粒で300メートルのかっこうしたマネキンのどこが斬新でexcellentなのよ!ここは大阪の道頓堀じゃないのよ!!直しなさい!」
なるほど、白いタンクトップに白いショートパンツ。
両手をあげて『寒くても元気』のキャッチコピーの元気さをアピールしているマネキンは、みようによってはフレディ・マーキュリーにもみえる。
季節感ゼロのウインドウを道行く人が笑っている。
だいたい誰が書いたんだこのキャッチコピー。
さっきまで無かっただろーが。ハイエナ達の手作りか?
「まったく!誰がアイツらを雇ったのかしら!」
それは同意する。
「専務のヘッドハンティングで」
「副社長のヘッドハンティングで」
「代表取締役がどうしてもと土下座して」
ハイエナ達が振り向き様に答えた。
私は気を取り直して仕事に没頭することにした。
45万払わずにすんでホッとしたせいか頭痛も消えた。
新しい車買える。嬉しい。
だがしかし・・・。
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