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花相(かしょう)の誓い
しおりを挟む彼女が眠っているときに突然笑った。
翌朝話すと、夢の中で読んでいる漫画本が面白くて、笑いながら読んでいたというのだ。
どんな内容かと聞くと覚えていないと言った。
けれどとても面白かったのだと。
涙を流しながら眠っているときもある。
声が、今はもういない彼女の家族の名をつぶやいていた。
彼女の家族はまだ、死んだ両親と、生き別れた幼いままの妹なのだろう。
俺は、君の家族にはなれていないのか。
・・・当たり前か。
夫婦となって半年かそこらだ。
俺は君が涙を流しながら眠っているのを見る度に誓いなおす。
君が安心して帰ってこれる場所をつくろうと。
君が帰る場所を探して泣かないように。
夢の中でまで泣かないように。
君が微笑みながら夢の中で俺の名を呼んでくれるように。
家族という名の帰る場所が、
俺の元であるようにと━━━━
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