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05 「南波 晃」
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半田勤労感謝の日(?)を終えた次の日。
国賓の為にと代行で誂えた家具を依頼主より先に破損などないか確認に来ていた。
「うん、大丈夫だね。このまま運んでください」
運送者にも同席してもらって異常がないことを一緒に確認したがどうやら問題ないようだ。
それにしても作りが繊細だなとトラックから運び出されて行く家具を眺める巽と秘書。
「こんな綺麗なのを毎年新調するなんて国は金持ちだな」
そう言ったのは巽だった。身内に対するゆるゆるな言葉は封印して外行きの喋り方で皮肉る。
「そうですね。企業としては税金取られまくりでたまったもんじゃないですね。まぁ贔屓してもらえるのでCROWで良かったです。」
「さっさと消費税上げて他の何に使うか分からない税金の方取りやめて来んねぇーかな。」
総一郎も愁弥も一緒になって愚痴る。
家具の運び出ししているCROWの社員と、同じく手を貸す納品先の国会議員らはここが何処か忘れているのだろうかと口を挟みたくなっていた。
今いるのは国会だ。法改正も話し合う様な場所で愚痴る勇気がある者など通常ならば居ないだろう場所だ。
しかし議員は税金で生きているので兎も角、会話が聞こえてた社員らは酷く頷きながら運び続ける。
「お疲れ様です、CROWの皆さん。
ちらっと聞こえたのですが税金の件は日本では災害が多いので仕方無いんですよ…すみませんが。」
そう説明した老紳士な依頼主のお偉いさんは周りに聞こえるようにきっちり説明する。
示し合わせたわけでは無いがいつからか数年に一度こういったやり取りをするようになったらしい。
新入社員や議員にこういったやり取りを見せることで国への不満を多少解消させる目的だ。
テレビ等の画面越しでは伝わらない事もある。
「そうですね。確かに災害が多いのでみんなでお金を出し合うのには反対しませんよ
取られすぎな気がするのも仕方ないですが、いつ自分がそれに助けられるかも分からないですからね
感謝してます」
「ご理解頂けて何よりです」
荷物が運び終わるまで老紳士と雑談して過ごした巽は本社に戻るとやっとひと息つけた。
「あの人ラスボス感凄くて半端なく疲れたっ」
「私もです。お茶入れてくるので少しお待ち下さい」
「俺のも頼む」
「はい」
秘書モードとなると愁弥の我儘も聞いてしまうらしい。
「あっ!あの椅子回収したよね?ホテルの方に回してあげて。チェックも怠らずにね」
「勿論手配しといた」
国賓向けの椅子は全国の色んな技術で作られた特産品で作られている。渾身の出来とも言えるものも有るし廃棄とされれば職人らは怒るだろう。
そこでCROWが不用品を一度引き受けるのだ。
物が物なだけに安ホテルには卸せないがVIPの泊まる様な高級ホテルや高級旅館には申し出があればそちらへ低価格で抽選販売する。
抽選に当たった所を一度下調べして引き渡しても問題無いのかも仕事のうち。
経営が傾いていたらそのまま高額転売されてしまう可能性があるからだ。それは困る。
因みに依頼主からは不用品をタダで引き受けてはいるがこちらもビジネスだ。過去に折り合いをつけて運搬料と処分費用として低価格で販売するならと言われたらしい。
きっと国相手に押し切ったのだろう事は想像に難く無い。
淹れたてのコーヒーを持って戻ってきた総一郎は急に
「こっち向いて」
とカップを手渡しながら巽の顔を覗き込む。
「なに?」
「…。今日はもう帰ろうか」
「どうした?」
「相当疲れたみたいだ」
「んー?あらホント」
同じように覗き込んだ愁弥も同意を示す。
そんなに疲れた顔しているのかとムニムニ自身の手で顔を触って見るが無論分からなかった。
「俺たちも今日片付ける予定の物はもう無いし帰るよ」
「運転手は午後休みだから俺が運転するわ」
帰り支度を済ませてエントランスを抜け駐車場へ向かう道中。
「黒川社長!」
呼び止められて振り返ると高校の同級生で現在CROWの一員である南波 晃が居た。
何か急用かと尋ねるとエントランスで見かけた時体調悪そうに見えたからと高校時代に巽の好んで食べてたお菓子を渡して去っていった。
「え?そんなに体調悪そうに見える?」
「俺たちと彼以外には分からないくらいだよ」
「あいつも巽のことよく見てるなー
いい友達で良かったな」
愁弥に問題無いと判断された南波は"純粋に友達として心配する良い奴"認定されていた。
ブラックリストには載っていない。
会社から20分の所にある家まで待てなかった巽は車内で寝てしまった。
「あの人と会うとほぼ毎回疲れた顔してないか?前も食器納品した時怠そうにしてたろ」
「…多分あの人の匂いだな」
「あー香水の匂いか。」
「あれは2つ混ぜて作ってあるし臭い。」
「自分で混ぜたのかねー良くない組み合わせではあるな。」
「おかえりなさい…?早いですね」
「あ、連絡し忘れてました。こうして愁弥が抱えても起きないくらいに疲れてるみたいなので暫くそっとしておいて大丈夫です」
「ベッド連れてくわ」
「よろしく」
「君たちは会社戻る?」
「いや心配なのでもう切り上げましたが?」
「ならちょっと買い物に行ってくるので留守番お願いしますね」
「分かりました、行ってらっしゃい」
三人が帰ってきたのはまだ14時前で昼飯を食べ損ねていた。半田が作り置きしてあると言う物を愁弥の分も冷蔵庫に取りに行った。
「あ、これか。半田さん察知能力でも有るのかな…いつも作り置きなんてしないのに」
「腹へったー」
「おかえり、巽起きなかった?」
「ぐっすりすやすやだった」
「そう」
レンジでほかほかになった遅めの昼食を頂く。
「いつもの事だけど半田さんのご飯美味いな。あの人はなんで黒川居るんだろうな」
「今更?確か半田さんは有名ホテルで働いてたけど鴻さんが気に入って引き抜いたって言ってたけど」
「鴻さん流石だな。絶対歴代一位のやり手だろ」
「すごいよな
…ん?なんか聞こえた?」
耳を澄ませるとドタドタと聞こえてきてすぐに階段を駆け降りる音だと気がついた。
廊下に出ると巽が走って此方へ向かって来た。
震えながら泣く巽をそっと二人で包み込むと更に泣きじゃくる。
「はぁっ…はぁっ…なんで居なかったのっ……ヒッ…ぅ…」
「ゆっくり息吐いて…」
はっはっと過呼吸気味になっていた巽に声をかけて落ち着かせると、次第に正常な呼吸になったタイミングでダイニングのソファーへ移動する。
「持てるか?」
「ん…ごめん、ありがとう…」
愁弥が温かいお茶を差し出し巽の隣に腰掛け、総一郎はその反対へ座った。
「怖い夢でも見たか?」
「……」
訊くとまたカタカタと震え出し愁弥は巽の肩を抱き総一郎はお茶の入ったカップごと手を握るが指先が冷えていた。
「半田さんは買い物に出掛けてるしまだ暫く帰ってこない。大丈夫だ」
「……あの時の…ことが……夢にでてき…て……ぼく…怖くって……でもあそこじゃなくて。おれの部屋だったのに…愁くんも…総くんもおれが起きたのに来て…くれ無くて…まだ夢の中にいるのかと思って怖かった……」
「悪い、一人にして」
「ごめんね」
「…ねぇ…暫くうちに泊まっていって欲しい…また夢に見たら怖いから」
「わかった」
「いいよ」
誘拐事件以降初めて自覚して二人に泊まって欲しいと願い、二人から了承の返事を貰うと巽の肌に漸く血色が戻る。
巽の気が紛れるよう暫くソファーでボードゲームをしていると半田が帰ってきた。
「「「おかえりなさい」」」
「ただいま。今日はいい牛肉貰ってきたので焼肉にしましょうか?」
「お!焼肉!何キロある?」
「2キロ無いくらいですかね。」
「1キロ俺が貰ってもいいですか!?」
「ふふっ どうぞ~」
牛肉に目が無い愁弥は半田の手にあった肉をまじまじとみて銘柄を当てる。
それにしても「貰った」とは。
言葉通り貰ったのだろう半田も鴻同様侮れないなと三人は思ったのだった。
国賓の為にと代行で誂えた家具を依頼主より先に破損などないか確認に来ていた。
「うん、大丈夫だね。このまま運んでください」
運送者にも同席してもらって異常がないことを一緒に確認したがどうやら問題ないようだ。
それにしても作りが繊細だなとトラックから運び出されて行く家具を眺める巽と秘書。
「こんな綺麗なのを毎年新調するなんて国は金持ちだな」
そう言ったのは巽だった。身内に対するゆるゆるな言葉は封印して外行きの喋り方で皮肉る。
「そうですね。企業としては税金取られまくりでたまったもんじゃないですね。まぁ贔屓してもらえるのでCROWで良かったです。」
「さっさと消費税上げて他の何に使うか分からない税金の方取りやめて来んねぇーかな。」
総一郎も愁弥も一緒になって愚痴る。
家具の運び出ししているCROWの社員と、同じく手を貸す納品先の国会議員らはここが何処か忘れているのだろうかと口を挟みたくなっていた。
今いるのは国会だ。法改正も話し合う様な場所で愚痴る勇気がある者など通常ならば居ないだろう場所だ。
しかし議員は税金で生きているので兎も角、会話が聞こえてた社員らは酷く頷きながら運び続ける。
「お疲れ様です、CROWの皆さん。
ちらっと聞こえたのですが税金の件は日本では災害が多いので仕方無いんですよ…すみませんが。」
そう説明した老紳士な依頼主のお偉いさんは周りに聞こえるようにきっちり説明する。
示し合わせたわけでは無いがいつからか数年に一度こういったやり取りをするようになったらしい。
新入社員や議員にこういったやり取りを見せることで国への不満を多少解消させる目的だ。
テレビ等の画面越しでは伝わらない事もある。
「そうですね。確かに災害が多いのでみんなでお金を出し合うのには反対しませんよ
取られすぎな気がするのも仕方ないですが、いつ自分がそれに助けられるかも分からないですからね
感謝してます」
「ご理解頂けて何よりです」
荷物が運び終わるまで老紳士と雑談して過ごした巽は本社に戻るとやっとひと息つけた。
「あの人ラスボス感凄くて半端なく疲れたっ」
「私もです。お茶入れてくるので少しお待ち下さい」
「俺のも頼む」
「はい」
秘書モードとなると愁弥の我儘も聞いてしまうらしい。
「あっ!あの椅子回収したよね?ホテルの方に回してあげて。チェックも怠らずにね」
「勿論手配しといた」
国賓向けの椅子は全国の色んな技術で作られた特産品で作られている。渾身の出来とも言えるものも有るし廃棄とされれば職人らは怒るだろう。
そこでCROWが不用品を一度引き受けるのだ。
物が物なだけに安ホテルには卸せないがVIPの泊まる様な高級ホテルや高級旅館には申し出があればそちらへ低価格で抽選販売する。
抽選に当たった所を一度下調べして引き渡しても問題無いのかも仕事のうち。
経営が傾いていたらそのまま高額転売されてしまう可能性があるからだ。それは困る。
因みに依頼主からは不用品をタダで引き受けてはいるがこちらもビジネスだ。過去に折り合いをつけて運搬料と処分費用として低価格で販売するならと言われたらしい。
きっと国相手に押し切ったのだろう事は想像に難く無い。
淹れたてのコーヒーを持って戻ってきた総一郎は急に
「こっち向いて」
とカップを手渡しながら巽の顔を覗き込む。
「なに?」
「…。今日はもう帰ろうか」
「どうした?」
「相当疲れたみたいだ」
「んー?あらホント」
同じように覗き込んだ愁弥も同意を示す。
そんなに疲れた顔しているのかとムニムニ自身の手で顔を触って見るが無論分からなかった。
「俺たちも今日片付ける予定の物はもう無いし帰るよ」
「運転手は午後休みだから俺が運転するわ」
帰り支度を済ませてエントランスを抜け駐車場へ向かう道中。
「黒川社長!」
呼び止められて振り返ると高校の同級生で現在CROWの一員である南波 晃が居た。
何か急用かと尋ねるとエントランスで見かけた時体調悪そうに見えたからと高校時代に巽の好んで食べてたお菓子を渡して去っていった。
「え?そんなに体調悪そうに見える?」
「俺たちと彼以外には分からないくらいだよ」
「あいつも巽のことよく見てるなー
いい友達で良かったな」
愁弥に問題無いと判断された南波は"純粋に友達として心配する良い奴"認定されていた。
ブラックリストには載っていない。
会社から20分の所にある家まで待てなかった巽は車内で寝てしまった。
「あの人と会うとほぼ毎回疲れた顔してないか?前も食器納品した時怠そうにしてたろ」
「…多分あの人の匂いだな」
「あー香水の匂いか。」
「あれは2つ混ぜて作ってあるし臭い。」
「自分で混ぜたのかねー良くない組み合わせではあるな。」
「おかえりなさい…?早いですね」
「あ、連絡し忘れてました。こうして愁弥が抱えても起きないくらいに疲れてるみたいなので暫くそっとしておいて大丈夫です」
「ベッド連れてくわ」
「よろしく」
「君たちは会社戻る?」
「いや心配なのでもう切り上げましたが?」
「ならちょっと買い物に行ってくるので留守番お願いしますね」
「分かりました、行ってらっしゃい」
三人が帰ってきたのはまだ14時前で昼飯を食べ損ねていた。半田が作り置きしてあると言う物を愁弥の分も冷蔵庫に取りに行った。
「あ、これか。半田さん察知能力でも有るのかな…いつも作り置きなんてしないのに」
「腹へったー」
「おかえり、巽起きなかった?」
「ぐっすりすやすやだった」
「そう」
レンジでほかほかになった遅めの昼食を頂く。
「いつもの事だけど半田さんのご飯美味いな。あの人はなんで黒川居るんだろうな」
「今更?確か半田さんは有名ホテルで働いてたけど鴻さんが気に入って引き抜いたって言ってたけど」
「鴻さん流石だな。絶対歴代一位のやり手だろ」
「すごいよな
…ん?なんか聞こえた?」
耳を澄ませるとドタドタと聞こえてきてすぐに階段を駆け降りる音だと気がついた。
廊下に出ると巽が走って此方へ向かって来た。
震えながら泣く巽をそっと二人で包み込むと更に泣きじゃくる。
「はぁっ…はぁっ…なんで居なかったのっ……ヒッ…ぅ…」
「ゆっくり息吐いて…」
はっはっと過呼吸気味になっていた巽に声をかけて落ち着かせると、次第に正常な呼吸になったタイミングでダイニングのソファーへ移動する。
「持てるか?」
「ん…ごめん、ありがとう…」
愁弥が温かいお茶を差し出し巽の隣に腰掛け、総一郎はその反対へ座った。
「怖い夢でも見たか?」
「……」
訊くとまたカタカタと震え出し愁弥は巽の肩を抱き総一郎はお茶の入ったカップごと手を握るが指先が冷えていた。
「半田さんは買い物に出掛けてるしまだ暫く帰ってこない。大丈夫だ」
「……あの時の…ことが……夢にでてき…て……ぼく…怖くって……でもあそこじゃなくて。おれの部屋だったのに…愁くんも…総くんもおれが起きたのに来て…くれ無くて…まだ夢の中にいるのかと思って怖かった……」
「悪い、一人にして」
「ごめんね」
「…ねぇ…暫くうちに泊まっていって欲しい…また夢に見たら怖いから」
「わかった」
「いいよ」
誘拐事件以降初めて自覚して二人に泊まって欲しいと願い、二人から了承の返事を貰うと巽の肌に漸く血色が戻る。
巽の気が紛れるよう暫くソファーでボードゲームをしていると半田が帰ってきた。
「「「おかえりなさい」」」
「ただいま。今日はいい牛肉貰ってきたので焼肉にしましょうか?」
「お!焼肉!何キロある?」
「2キロ無いくらいですかね。」
「1キロ俺が貰ってもいいですか!?」
「ふふっ どうぞ~」
牛肉に目が無い愁弥は半田の手にあった肉をまじまじとみて銘柄を当てる。
それにしても「貰った」とは。
言葉通り貰ったのだろう半田も鴻同様侮れないなと三人は思ったのだった。
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