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14 「梅雨は嫌い」
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沖縄での視察と交渉も終えた夕方、本社に戻ると社内がざわついていた。
些細なことでも報告するようにしているのでこのざわつきはついさっき起きたのだろう。
「どうした?何か問題あったのか?」
「!先程大雨による滑落事故が起きたそうでそれに配送車が巻き込まれたと報告が…」
目の前にいた南波が答えると次いで総一郎も訊ねる。
「…社員が無事かどうかの報告はありますか?」
「まだ分かりません…あ、いまメールが入りました。無事だそうです。良かった…」
「無事で良かった。荷物はとりあえずいいから怪我してないかも聞いておいてくれ。とりあえず警察からも連絡来るだろうから社長室に繋げて」
「全国的に大雨ですからね…巻き込まれたのがうちの配送車でまだマシでしたね。あれは装甲固く作ってありますから」
「巽、無事だったんだからあんま気にすんなよ」
「うん」
今日起きたのは自然災害による事故で、両親と祖母を喪った車同士の事故じゃなかったがどうしてもそれを思い出してしまう。
両親らの乗っていた車も国の要人を乗せることのできる仕様の車だったのにぐしゃぐしゃになった。
先程警察からの連絡で土砂災害に見舞われた配送車は大量の土砂で流されたものの原型は留めているらしい。
きっと中身も余程無事だと思われるが荷物の送り先と依頼主には改めて連絡をしなくては。
「荷物の回収は?」
「手配しました。消防の方が手伝ってくれるそうです。それと運転手ですが軽い打ち身との事ですが万が一に備えて近隣の総合病院で精密検査してもらっています」
「配送が遅れることと破損の補償メールは今さっき終えておくった」
これだけ優秀なら代わりに二人に社長をやって欲しいものだと思わずには居られない。
「あまり心配しなくても大丈夫」
災害に巻き込まれたドライバーへ心配のため息だと思ったらしい。
「明日の予定変更してお見舞いに行こう」
「ドライバー本人から見舞いは不要だと連絡もらいました」
「自然災害なんだしあんま気に病んでると天気も相まってうつ病になっちまうぞ?」
「そうだね。無事だったんだしとりあえずもう考えないようにしておく」
優しい二人につい甘えてしまう自分は本当に弱い。
誘拐から戻った時も両親が亡くなった時も恋人のふりも付き合ってくれている彼らに何か恩返しはできないのだろうか。
「ねぇ2人は何かして欲しいことってないの?」
愁弥のマッサージを受けながら恩返しの内容を決めるために聞いてみるが
「俺は無いな」
「これといってないけど…どうしたの?」
「うーん…してもらってばかりだなぁって思って。ないんならいいや」
この2人なら遠慮なしに欲しいものを言うから本当に思いつくものがないんだろう。
そのうち何かしてあげられることを考えよう。
「………」
「………」
「…っ…」
「巽!」
「…ぇ…?」
「はぁ…呼吸整えて…」
「??」
言われるままに深呼吸してやっと気づいた。
「おれ濡れタオル持ってくるわ」
「…ごめんまた魘されてた?」
「そうだね。いつもならすぐに起きるのに全然目が覚めないからびっくりしたよ」
「ほい、タオルと水」
差し出されたペットボトルには飲みやすいようにストローがさしてあった。濡れタオルは愁弥が目元に宛ててくれている。
「しばらく魘されることなんてなかったと思うけど…」
「さくらが来てからはだいぶ減ったから俺たちも油断してた」
「まだ2時だし落ち着いたんなら改めて寝るぞ~」
「……」
(2人はもう寝たかな。
ひと月ぶりくらいに魘されたからか自分にびっくりしてなんか落ち着かない。
心臓がバクバク言ってる。
悪夢の内容なんていつもあんまり覚えてないのに今日はほとんど覚えてるな…
毎日触られてたこととか誕生日とか。
あいつの手の感触を思い出すつもりなんてなかったけど思い出してきちゃった
気持ち悪い…)
二人に挟まれるように寝ている巽は起こさないようにベッドから降りようとした。
「どうした?」
不意に愁弥に手を掴まれて咄嗟に振り解き浴室へ走る。
「…巽?」
「なに?どうしたの」
「…俺の手に怯えてた」
「巽は風呂か…一応俺が様子見てくるよ」
「頼む」
コンコンと総一郎が浴室へ続く扉を叩くが返事がない。
シャワーを使ってる音は聞こえるからノックが聞こえないだけだろうが少し心配だ。
部屋が離れているとはいえまだ深夜なので控えめに声をかける。
「巽、大丈夫?はいるよ」
部屋の扉以外には鍵は着いていないけど親しき仲にも礼儀あり、だ。
返事は無いが一言声をかけて脱衣所へ入っていく。
浴室の扉もノックするが返事がなく慌てて開いた先に巽は蹲っていた。
「巽!?どうした?なんで服着たまま…巽?」
シャワーを止めて揺すり起こすが先程同様すぐには起きなくて不安になる。
「愁!きてくれ!」
半田を起こしてしまうなどと考える余裕もなく大声で愁弥を呼びつけるとバタバタと走ってくる。
「!!巽!?…起きないのか?」
「あぁ。とりあえず息はしてるし寝てるだけかもしれないけど…服がずぶ濡れだし着替えさせたい」
巽の濡れた服をぬがし始めると同時に部屋の扉をノックする音が聞こえた。
コンコン コンコン
「夜中に失礼します。何かありましたか?」
3人がかりで巽の服を着替えさせて冷えた体を温める。
「朝一で医者を呼びますね。今日は一応会社は休みにしましょう」
「そのつもりです。すみませんこんな時間に」
「いいんですよ。さて私は戻りますね」
「半田さんありがとう」
「はい、おやすみなさい」
幼馴染み2人は巽が心配でその後は一睡も出来なかった。
朝8時。寝室で寝ていた巽が目を覚ました。
「…どうしたの?2人とも…ていうか…頭痛い…」
体を起こそうとした巽だがパタリとベッドに再び倒れ込む。
「医者呼んであるから診てもらおう」
「君達の方が病人のようだよ。心配しすぎて倒れるなんてないようにね」
早朝に呼びつけたが自然に起きるのを待った方が負担が少ないからと1時間ほど前に来てくれていた医者を半田の所へ呼びに行く。
「熱があるね。解熱剤渡しておくから朝と夜に。
もしかしたら更に熱が上がって薬が飲めないかもしれないから一応座薬も置いておくよ。
半田くんに…は任せちゃダメかな?
恋人なら君達がやってあげなさい。やり方は半田くんに聞けばいいから。
ではお大事に」
「え?俺そんなことした?全然覚えてない」
昨夜シャワーを浴びたまま寝ていたぞと教えられるが全く記憶になかった。
「そっか、まぁ寝ぼけてただけだろうけど夜中にふらっとどっか行かれるのは肝が冷える」
「半田さんにお粥作ってもらったから食べたら薬飲んで寝てな」
最近体調崩すことが増えたように思う。
医者には異常は見当たらないと言われたし身体的なものでは無いのは確かだ。
忙しいと自覚したからだろうか。
いや、多分梅雨のせいだろう。
天気と同じように鬱々とする。
薬を飲んで一息着くとチリンと微かな音と共ににゃーと可愛らしい鳴き声が聞こえて総一郎が扉を開いて招き入れてやる。
「おいで」
部屋に久しぶりに来たさくらは部屋の四隅を軽く確認してから巽のベッドへ登るとすぐに丸まって眠り始めた。
「巽も寝れないかもしれないけど横になって休んでて」
「俺はやる事あるから会社行ってくるな」
今日は各々が早急に片付ける用事があるとの事で2人とも出社してしまった。
忙しいのに体調を崩して、ますます自分の不甲斐なさに嫌気がさす。
沖縄ではとっくに梅雨明けしており晴れ晴れとした天気だったが東京はまだ梅雨明けには遠いようだ。
ベッドから窓の外を覗くと少し雨がパラついているのが見えた。
先程はシャワーを浴びたことを覚えていないと言ったがその前のことは本当は覚えていた。
魘されて起きた後に眠れなくてベッドを抜けた時に愁弥に手を掴まれてそれに怯えてしまったことを。
怖かった。
つい先日の練習で総一郎とキスをしようとしたのと同様に誘拐犯にされた事がチラついた。
幼馴染み2人が自分の嫌がることはしないとわかっていても幼い頃に植え付けられた恐怖心は忘れ去ることが出来ないのだと。
些細なことでも報告するようにしているのでこのざわつきはついさっき起きたのだろう。
「どうした?何か問題あったのか?」
「!先程大雨による滑落事故が起きたそうでそれに配送車が巻き込まれたと報告が…」
目の前にいた南波が答えると次いで総一郎も訊ねる。
「…社員が無事かどうかの報告はありますか?」
「まだ分かりません…あ、いまメールが入りました。無事だそうです。良かった…」
「無事で良かった。荷物はとりあえずいいから怪我してないかも聞いておいてくれ。とりあえず警察からも連絡来るだろうから社長室に繋げて」
「全国的に大雨ですからね…巻き込まれたのがうちの配送車でまだマシでしたね。あれは装甲固く作ってありますから」
「巽、無事だったんだからあんま気にすんなよ」
「うん」
今日起きたのは自然災害による事故で、両親と祖母を喪った車同士の事故じゃなかったがどうしてもそれを思い出してしまう。
両親らの乗っていた車も国の要人を乗せることのできる仕様の車だったのにぐしゃぐしゃになった。
先程警察からの連絡で土砂災害に見舞われた配送車は大量の土砂で流されたものの原型は留めているらしい。
きっと中身も余程無事だと思われるが荷物の送り先と依頼主には改めて連絡をしなくては。
「荷物の回収は?」
「手配しました。消防の方が手伝ってくれるそうです。それと運転手ですが軽い打ち身との事ですが万が一に備えて近隣の総合病院で精密検査してもらっています」
「配送が遅れることと破損の補償メールは今さっき終えておくった」
これだけ優秀なら代わりに二人に社長をやって欲しいものだと思わずには居られない。
「あまり心配しなくても大丈夫」
災害に巻き込まれたドライバーへ心配のため息だと思ったらしい。
「明日の予定変更してお見舞いに行こう」
「ドライバー本人から見舞いは不要だと連絡もらいました」
「自然災害なんだしあんま気に病んでると天気も相まってうつ病になっちまうぞ?」
「そうだね。無事だったんだしとりあえずもう考えないようにしておく」
優しい二人につい甘えてしまう自分は本当に弱い。
誘拐から戻った時も両親が亡くなった時も恋人のふりも付き合ってくれている彼らに何か恩返しはできないのだろうか。
「ねぇ2人は何かして欲しいことってないの?」
愁弥のマッサージを受けながら恩返しの内容を決めるために聞いてみるが
「俺は無いな」
「これといってないけど…どうしたの?」
「うーん…してもらってばかりだなぁって思って。ないんならいいや」
この2人なら遠慮なしに欲しいものを言うから本当に思いつくものがないんだろう。
そのうち何かしてあげられることを考えよう。
「………」
「………」
「…っ…」
「巽!」
「…ぇ…?」
「はぁ…呼吸整えて…」
「??」
言われるままに深呼吸してやっと気づいた。
「おれ濡れタオル持ってくるわ」
「…ごめんまた魘されてた?」
「そうだね。いつもならすぐに起きるのに全然目が覚めないからびっくりしたよ」
「ほい、タオルと水」
差し出されたペットボトルには飲みやすいようにストローがさしてあった。濡れタオルは愁弥が目元に宛ててくれている。
「しばらく魘されることなんてなかったと思うけど…」
「さくらが来てからはだいぶ減ったから俺たちも油断してた」
「まだ2時だし落ち着いたんなら改めて寝るぞ~」
「……」
(2人はもう寝たかな。
ひと月ぶりくらいに魘されたからか自分にびっくりしてなんか落ち着かない。
心臓がバクバク言ってる。
悪夢の内容なんていつもあんまり覚えてないのに今日はほとんど覚えてるな…
毎日触られてたこととか誕生日とか。
あいつの手の感触を思い出すつもりなんてなかったけど思い出してきちゃった
気持ち悪い…)
二人に挟まれるように寝ている巽は起こさないようにベッドから降りようとした。
「どうした?」
不意に愁弥に手を掴まれて咄嗟に振り解き浴室へ走る。
「…巽?」
「なに?どうしたの」
「…俺の手に怯えてた」
「巽は風呂か…一応俺が様子見てくるよ」
「頼む」
コンコンと総一郎が浴室へ続く扉を叩くが返事がない。
シャワーを使ってる音は聞こえるからノックが聞こえないだけだろうが少し心配だ。
部屋が離れているとはいえまだ深夜なので控えめに声をかける。
「巽、大丈夫?はいるよ」
部屋の扉以外には鍵は着いていないけど親しき仲にも礼儀あり、だ。
返事は無いが一言声をかけて脱衣所へ入っていく。
浴室の扉もノックするが返事がなく慌てて開いた先に巽は蹲っていた。
「巽!?どうした?なんで服着たまま…巽?」
シャワーを止めて揺すり起こすが先程同様すぐには起きなくて不安になる。
「愁!きてくれ!」
半田を起こしてしまうなどと考える余裕もなく大声で愁弥を呼びつけるとバタバタと走ってくる。
「!!巽!?…起きないのか?」
「あぁ。とりあえず息はしてるし寝てるだけかもしれないけど…服がずぶ濡れだし着替えさせたい」
巽の濡れた服をぬがし始めると同時に部屋の扉をノックする音が聞こえた。
コンコン コンコン
「夜中に失礼します。何かありましたか?」
3人がかりで巽の服を着替えさせて冷えた体を温める。
「朝一で医者を呼びますね。今日は一応会社は休みにしましょう」
「そのつもりです。すみませんこんな時間に」
「いいんですよ。さて私は戻りますね」
「半田さんありがとう」
「はい、おやすみなさい」
幼馴染み2人は巽が心配でその後は一睡も出来なかった。
朝8時。寝室で寝ていた巽が目を覚ました。
「…どうしたの?2人とも…ていうか…頭痛い…」
体を起こそうとした巽だがパタリとベッドに再び倒れ込む。
「医者呼んであるから診てもらおう」
「君達の方が病人のようだよ。心配しすぎて倒れるなんてないようにね」
早朝に呼びつけたが自然に起きるのを待った方が負担が少ないからと1時間ほど前に来てくれていた医者を半田の所へ呼びに行く。
「熱があるね。解熱剤渡しておくから朝と夜に。
もしかしたら更に熱が上がって薬が飲めないかもしれないから一応座薬も置いておくよ。
半田くんに…は任せちゃダメかな?
恋人なら君達がやってあげなさい。やり方は半田くんに聞けばいいから。
ではお大事に」
「え?俺そんなことした?全然覚えてない」
昨夜シャワーを浴びたまま寝ていたぞと教えられるが全く記憶になかった。
「そっか、まぁ寝ぼけてただけだろうけど夜中にふらっとどっか行かれるのは肝が冷える」
「半田さんにお粥作ってもらったから食べたら薬飲んで寝てな」
最近体調崩すことが増えたように思う。
医者には異常は見当たらないと言われたし身体的なものでは無いのは確かだ。
忙しいと自覚したからだろうか。
いや、多分梅雨のせいだろう。
天気と同じように鬱々とする。
薬を飲んで一息着くとチリンと微かな音と共ににゃーと可愛らしい鳴き声が聞こえて総一郎が扉を開いて招き入れてやる。
「おいで」
部屋に久しぶりに来たさくらは部屋の四隅を軽く確認してから巽のベッドへ登るとすぐに丸まって眠り始めた。
「巽も寝れないかもしれないけど横になって休んでて」
「俺はやる事あるから会社行ってくるな」
今日は各々が早急に片付ける用事があるとの事で2人とも出社してしまった。
忙しいのに体調を崩して、ますます自分の不甲斐なさに嫌気がさす。
沖縄ではとっくに梅雨明けしており晴れ晴れとした天気だったが東京はまだ梅雨明けには遠いようだ。
ベッドから窓の外を覗くと少し雨がパラついているのが見えた。
先程はシャワーを浴びたことを覚えていないと言ったがその前のことは本当は覚えていた。
魘されて起きた後に眠れなくてベッドを抜けた時に愁弥に手を掴まれてそれに怯えてしまったことを。
怖かった。
つい先日の練習で総一郎とキスをしようとしたのと同様に誘拐犯にされた事がチラついた。
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