宰相様は抱き枕がほしい【完結】

うなきのこ

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2 休暇が欲しい

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  休憩していた30分程の間に、公爵らの資料を元に精査してくれたリストを受け取り一応確認する。『処理しろ』とは言っても『全て殺せ』と言っている訳では無い。そこが面倒なのだが。公表するべきものと内々で片付くものとを綺麗に分けてくれたタジオへ紅茶で労う。

「(一度これでいいのか陛下へお伺いを立てなくては)」
  片付けるべき仕事の優先順位を間違えると、陛下が八つ当たりをしてくるのでリストの件は早めに済ませなくてはならない。
  休憩前に出しておいた先触れの時間にタジオと執務室を出て謁見を済ませ、問題がないことを確認した。

  謁見後、宰相と同じくなんでも熟せる躾けられた影へ実行に移すようリストを渡して、執務室に戻る途中。廊下で数人の公爵らに捕まった。
「宰相様にまたお力を貸していただきたく-」
「色々と解決方法を出し合ったのですが-」
「我らではどうにもできないことが-」
「宰相様でしたらより良い解決へと導いてくれるでしょう-」
  ハイドラよりも長く生きていても脳は活用出来ていないようだと内心毒吐どくづく。
「そうですね、それなら若輩の私が助言する程でもない様に思います。皆様が考えたその方法で解決するかと思いますよ?」
  角が立たないように発言する。
  その後も廊下で10分ほど会話をし、休憩を挟んでも尚、顔色の良くない宰相へタジオが声をかけようと口を開きかけ--
「!!宰相様!?」
「ハイドラ様!!」
  --補佐がいるとはいえ宰相の抱える仕事は膨大。半年も休暇のなかったハイドラは心労と睡眠不足で倒れた--


  本来なら城の近くに作る宰相邸宅は、ハイドラが仕事以外であまり人と関わりたくないと発言したために、アルペンジオ邸は馬車で30分程の少し遠くにある。

「(少し頭痛のある程度だったのだがな。倒れるほどとは)」
  目を閉じたまま、どこか他人事のように寝台でかえりみる。かといって反省はして居らず未処理であった仕事へと思考を巡らせる。
「ハイドラ様、起きていますね?仕事のことはしばらく考えないように。」
  倒れたハイドラをアルペンジオ邸の寝室に送り届けたタジオは、起きた時に備えて傍で待っていた。
「!!タジオ、ここ(寝室)にいたのなら気配は消さないでくれ。吃驚した。」
「失礼しました」
  あまり反省していない声音で返事が返ってくるがハイドラは気にしない。

  ハイドラを心配する医師とタジオに止められて寝る選択肢しかない2日ばかりの休暇を過ごしながら、陛下にはこれを機に長期休暇を申請しようとハイドラは画策する。仕事熱心ワーカホリックでも休暇が欲しいという欲はあった。本音は公爵たちに嫌気が差していたのだ。
「(一応後継は居るのだし、宰相の私が居なくてもそれなりに国は動くだろう)」
  ほぼ頼りのない国王陛下以下家臣らへ全てを投げ打った。

  後日
『体調が優れないため療養する』
と通達し長期休暇をもぎとり、公爵たちが慌てている様子をハイドラの優秀な影(諜報員)が
『(宰相様が居らず城が慌ただしいが大した)問題は起きていない』
と報告した。影も良い休暇を過ごして欲しいと考えての発言であった。
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