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20 侍従
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ジョニーを後継にと正式に任命され、ハイドラ、タジオ、ジョニーで宰相執務室を使うこととなった。
元々4人で作業できるようにと机は揃えられているので特に改装などはしなかったがそれが仇となる。
書類などが渡しやすいように手の届く距離にあるからだ。
固定されているが宰相の立場であるハイドラが一言『動かしたい』と言えば聞き入れてくれるはずなのだがそれをしない。
「ジョニー、こちらは貴方の方で処理できる筈ですが?」
「タジオがやった方が早いだろうと思って回してあげたんだけど」
「こら2人ともちゃんと仕事しなさい」
ハイドラ(宰相席)を挟んでの言い合いはハイドラに咎められたことで一旦終えるがこんなやり取りが任命されてからひと月続いている。
完全に引き継ぐのには最低1年かかるのだからストレスも相当になりそうでタジオは憂鬱だった。
「貴方達は何がそんなにお互い気に入らないのかな?」
「全部です」
「こういうところかな」
睨み合う2人の真意などとっくに見抜いているだろうにわざと口にさせるハイドラの行動がタジオにはまだまだ悟ることが出来ない。
「ジョニー、貴方はからかっているだけでしょう。
タジオ、君は全部と言ったが本当は違うところにあるね?言いなさい。」
「……国王陛下の侍従という栄誉を賜ったというのに何故今更宰相という立場を取りに行こうとするのかが理解できません。
国王陛下の侍従と宰相ではほとんど給与も変わらないですし、国王陛下に仕えている状態でも多少は口出しも許されていたでしょう。
それにジョニー程の頭があればハイドラ様よりも先に宰相という立場になれた筈です。
それらが全てひっかかり何か裏があるのではと、失礼ながら調査させて頂きましたが何も出ませんでした。
ラグレイ様の真意をお聞かせ願いたいです。」
「ふふ、だそうだよ?ジョニー、出来れば説明してあげて欲しい」
「…揶揄っていた事に対してはすまない。
陛下の侍従を辞めたいと思ったのはだね…」
珍しく何やら言い淀む彼を見つめると困った顔で話を続ける。
「あの方は私を慰みものにしていたからで─」
「はい!?」
「タジオ」
黙って聞くようにと口元に人差し指を添える仕草に普段なら色気を感じるタジオだったが先の衝撃的な発言に気を取られてそれどころではなかった。
「週に3回ほどね。…さっき言っていた調査とやらではこの情報はなかったのかな?王室にも入れるだろう?」
「あ、入れますが…なるほど。(嫌そうな顔して報告していたのはそういう。)申し訳ありません。徹底しておらず本人に言い難いことを。」
「いや。
君からでないのなら…アルペンジオ様はどこで仕入れたのか助けてくれると書簡を頂いたんだ。
最初は勿論ただの侍従として雇われた事に誇りを持っていたのだけど3年ほど前に急に『夜に部屋に来い』と言われて行ったら…という事だよ。
宰相なんて疲れそうな事は元々するつもりもなかったのだけどアルペンジオ様が声をかけてくれたからこれを言い訳に逃げようとね。
私も46だし疲れるんだ。ご老人の相手は。」
タジオは無意識にハイドラの方へ寄るが拒まれる。
「調査は徹底的に。そう言ったはずだね?」
鋭い目付きに萎縮したまま説教を食らうこととなった。
元々4人で作業できるようにと机は揃えられているので特に改装などはしなかったがそれが仇となる。
書類などが渡しやすいように手の届く距離にあるからだ。
固定されているが宰相の立場であるハイドラが一言『動かしたい』と言えば聞き入れてくれるはずなのだがそれをしない。
「ジョニー、こちらは貴方の方で処理できる筈ですが?」
「タジオがやった方が早いだろうと思って回してあげたんだけど」
「こら2人ともちゃんと仕事しなさい」
ハイドラ(宰相席)を挟んでの言い合いはハイドラに咎められたことで一旦終えるがこんなやり取りが任命されてからひと月続いている。
完全に引き継ぐのには最低1年かかるのだからストレスも相当になりそうでタジオは憂鬱だった。
「貴方達は何がそんなにお互い気に入らないのかな?」
「全部です」
「こういうところかな」
睨み合う2人の真意などとっくに見抜いているだろうにわざと口にさせるハイドラの行動がタジオにはまだまだ悟ることが出来ない。
「ジョニー、貴方はからかっているだけでしょう。
タジオ、君は全部と言ったが本当は違うところにあるね?言いなさい。」
「……国王陛下の侍従という栄誉を賜ったというのに何故今更宰相という立場を取りに行こうとするのかが理解できません。
国王陛下の侍従と宰相ではほとんど給与も変わらないですし、国王陛下に仕えている状態でも多少は口出しも許されていたでしょう。
それにジョニー程の頭があればハイドラ様よりも先に宰相という立場になれた筈です。
それらが全てひっかかり何か裏があるのではと、失礼ながら調査させて頂きましたが何も出ませんでした。
ラグレイ様の真意をお聞かせ願いたいです。」
「ふふ、だそうだよ?ジョニー、出来れば説明してあげて欲しい」
「…揶揄っていた事に対してはすまない。
陛下の侍従を辞めたいと思ったのはだね…」
珍しく何やら言い淀む彼を見つめると困った顔で話を続ける。
「あの方は私を慰みものにしていたからで─」
「はい!?」
「タジオ」
黙って聞くようにと口元に人差し指を添える仕草に普段なら色気を感じるタジオだったが先の衝撃的な発言に気を取られてそれどころではなかった。
「週に3回ほどね。…さっき言っていた調査とやらではこの情報はなかったのかな?王室にも入れるだろう?」
「あ、入れますが…なるほど。(嫌そうな顔して報告していたのはそういう。)申し訳ありません。徹底しておらず本人に言い難いことを。」
「いや。
君からでないのなら…アルペンジオ様はどこで仕入れたのか助けてくれると書簡を頂いたんだ。
最初は勿論ただの侍従として雇われた事に誇りを持っていたのだけど3年ほど前に急に『夜に部屋に来い』と言われて行ったら…という事だよ。
宰相なんて疲れそうな事は元々するつもりもなかったのだけどアルペンジオ様が声をかけてくれたからこれを言い訳に逃げようとね。
私も46だし疲れるんだ。ご老人の相手は。」
タジオは無意識にハイドラの方へ寄るが拒まれる。
「調査は徹底的に。そう言ったはずだね?」
鋭い目付きに萎縮したまま説教を食らうこととなった。
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