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満月の中での変身!
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しおりを挟むそれからすぐにわたしたちは移動。
学校から少し離れた場所に、大人数用の高級車が停まっていた。
運転手付きでわたしたちが近づくと、深々とお辞儀をしながらドアを開けてくれる。
横切っていく保護者付+生徒の視線が……!
「あれ、橋崎さんじゃない?」とか「なんであいつが?」とかいう声が聞こえてくる。
目を三角にして睨みつけたアリナ姉さんに気圧され、みんな逃げるように去っていく。
「丸聞こえなのよ。聞こえるように言うから、まったくたちが悪いわ――莉緒は気にしなくていいんだからね」
「気にしません」
わたしは、アリナ姉さんにニコリとしながらそう返す。
「本当に? 本当に気にしてないの?」
「はい。わたし今、とっても嬉しいから」
「嬉しい?」
「だって、来られないって言ってたのに、お父さんやアリナ姉さんやレフくんまで来てくれたんです。それが嬉しくて、他のこと、気にする暇がないです」
「莉緒~あんた、なんていい子なの!」
感激したアリナ姉さんが目をキラキラさせて、車の中で抱き着いてくる。それもすごく嬉しい。
「教室の荷物、全部トランクに詰めたよ。すぐ出発できるけど、誰かと話したいってあるか?」
シオンくんがそう言いながら、車窓からわたしを覗き込んでくる。
「とくに……」
わたしが首を横に振ったのを確認して、シオンくんも車に乗り込んだ。
ゆっくりと車が動き出す。人が多いので、大きな道に出るまで徐行運転だ。
――そのとき、ゆっくりと流れていく景色の中に、伊月さんの姿を見つけた。
わたしは軽く頭を下げると、伊月さんは深々と頭を下げた。
「ごめん」と言っているように。なにに「ごめん」と言っているのか、たくさんあって、わからない。だから、
「……幸せに、って言ってもらえたほうが、いいなぁ」
と、呟いた。
「このまま新しい家に行くよ、みんな」
「All right!」
全員で返事して笑い合う。
わたしも一緒にはもることができて、大満足だった!
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