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おまけ
影なる者達の務め Ⅷ
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「ぃ~~~~……っ、グリューエル、お前なあ!」
「ぐふっ」
つねられた頬を押さえながらうつむいた妹が、振り上げた右手の拳を私の胸に思いっきり叩き付けた。
殺そうとしていた相手なのだから当然と言えば当然だが、打ち方次第では一撃で心臓が止まりかねない場所だというのに、遠慮も容赦もまるで無い。
「この私に、あの万年発情期男と同じだらしなさ全開のデレ顔をしろとか、正気か!?」
「…………デレ顔?」
何の話だ?
「私は仮にも国王の片割れだぞ!? 『正統なる国王』を守護し、彼と共に戦い、時には彼の意を汲んで彼よりも先に立ち、彼が振るう剣となる、誰よりも才気と威厳に溢れ、誰よりも尊敬を集め、それによって内外の敵から国と民を護らなければならない立場の人間だ! その私に、『騎士・グエン』としてのアイツの顔ならばまだ解らなくもないが、そうではないアイツの締まりが無い顔を、しかも民の命が関わっている場面で演じろなどと……っ! 『ダンデリオン王』を狂人に仕立ててフリューゲルヘイゲンを内側から瓦解させたいのか、お前は!!」
顔を上げ、ピンと伸ばした右手の人差し指を私の鼻先に突き付ける妹。
ぼんやり見える彼女の表情は、うつむく前と比べて一層険しい。
本気で怒り、心からの本音を怒鳴っているようだ。
私は、グエンとそっくりな顔で感情を押し殺すな、人形みたいな目になるなと言っただけで、グエンの素顔を演じろとは言っていないのだが。
人前に出る『ダンデリオン王』を『光の鷲』寄りに設定した上で真剣な顔をやめろと言われたら、お調子者の素顔を演じるしかなくなる、という意味だろうか?
それは確かに、外聞が良くない……のか?
「……申し訳ありません。少々言い過ぎました」
「少々どころではない! 国王の沽券に関わる大暴言だ! 何をとち狂ってそんな愛国心を疑われるような恐ろしい世迷い言を吐いたのか知らないが、反逆罪に問われたくないなら二度と口にするな! 王国最強の騎士であろうと、庇うにも限度ってものがあるんだぞ! 限度ってものが!」
「…………はあ……。以後、気を付けます」
「十・分・にっ、気を付けろ!」
重症だな。
どうあっても、やはりフリューゲルヘイゲン王国の安寧を基準に考えてしまう妹も、本物の国王でありながら素顔のあり方を滅多斬りにされてしまった『光の鷲』も。
いったい、妹に何を仕出かしたんだ、あれは。
どう聴いても、お調子者で赦される域に収まっていないのだが。
夫婦の私生活にまで干渉するつもりは無かったが、久しぶりに師弟の関係を再確認する必要があるのかも知れない。
「第一、私に心だの感情だのを殺した覚えは無い! 仕事上、必要な時に必要な選択をしていただけの話だ! そこに私情を絡ませるなど、公人にあるまじき軽い心構えで玉座に就いたとでも思っていたのか! 無礼者が!」
予想通りの反論内容。
いつもの冷静さがあれば、現状でその言い分は通用しないと気付けただろうに。
「……人間の大半は『続けられない生き物』だと、私は思っています」
「また比喩か!」
「いいえ、言葉通りです。私が見てきた限り、人間は持続と継続を何よりも苦手としていました。仮に外部からの干渉を絶った環境で五十年間、少しのブレも無く全く同じ行動を執り続けようと決意しても、完遂できる者はいないか、いたとしても、ごくごく稀でしょう」
「だからなんだ」
「続けられない理由は一つ。感情があるからです」
鼻先に突き付けられている人差し指を掴んで降ろし、ふぅ、と息を吐く。
「人間には寿命があり、身体を取り巻く環境と状態は刻々と変化しています。そうした変化は、その前後の差異によって人間の心に疑問や好奇心、困惑や不安や挫折を生じさせます。そんな中、当たり前と言われる事を当たり前に続けるのは、感情を持つ人間にとって相当な苦痛を伴う事です。一般家庭の家事然り、上流階級の社交然り。貴女にも覚えがあるでしょう? 執務の休憩時間、とか」
「ぅぐっ」
妹は書類整理と暗記が好きではない。
他はそうでもないが、整理と暗記に関してだけは不規則な休みを頻繁に入れたがる。
毎回決められた時間の中で片付けているから誰にも気付かれてないとでも思っていたのか、私の指摘を受けてばつが悪そうに顔を逸らした。
「どういう訳か忘れる者が多いのですが、人間社会を形成しているのは現在を生きている人間です。生きている人間が、人間社会の中で生きていく為に、各々の役割を果たして相応の報酬を得る。それが仕事です。仕事に怠惰な押し付け合いや私情を持ち込んで社会を私物化されるのは大問題かつ大迷惑ですが、生きていく為の仕事で人間を人間足らしめている感情を切り離しては社会を形成する意味がありませんし、生きている人間から感情を完全に切り離すことなど決してできません」
妹は自覚するべきだ。
求められ、体現してきた『理想の指導者』に、個人としてのグローリアは含まれていなかった事。
公人として必要な時に必要な選択をしてきたからこそ、それができてしまっていたからこそ、無意識に抑圧されてきた感情が今になって暴走しているのだと。
フリューゲルヘイゲンの国王として理性的に務め続けた結果、グローリアとしての自分が押し潰されそうになって悲鳴を上げているのだと。
フリューゲルヘイゲン王国の脅威となる小説を封じ込める為、という大義名分が無ければ動けもしなかった『影の鷲』を、誰よりもグローリア自身が憎み、傷付けようとしているのだと。
「貴女は『もう一人の国王』であると同時に一人の人間です。貴女自身がどう思おうと、貴女も続けることが苦手な人間の一人なんです。『ダンデリオン=シュバイツェル』が民に夢を配る『理想の指導者』であり続けるほど、貴女個人の心や感情は死んでいく。そして、やがては『影の鷲』としての判断力にも影響を及ぼすでしょう。フリューゲルヘイゲンには大した利益が無いにも拘わらず、フィオルシーニの反対を押し切ってまでサーラ王女に移住の機会を与えんとしているように」
「……っ!」
ウェラントは血統重視の国柄。
ゼルエス亡き今、混乱状態に陥るウェラント王国をまとめ直す為には、侵略者を演じているリブロム王に実権を握らせるよりも、サーラ王女の血と名声を利用させるほうが手っ取り早く、確実だ。
大陸間侵攻を企む武装勢力が実在している以上、後継者不在で右往左往するウェラント王国がバスティーツ大陸の弱り目として集中攻撃される可能性は非常に高い。万が一武装勢力に制圧された後で侵攻の拠点を築かれようものなら、リブロム王の力一つでギリギリの線を保っているベルゼーラ王国も危うい。
つまり、サーラ王女をウェラント王国から遠ざける行為は、バスティーツ大陸全土にとって負の要素。フィオルシーニ皇国にとっても面倒事が増えるだけで、利益には一切繋がらない。
フィオルシーニ皇国に不機嫌な顔をされて困るのはフリューゲルヘイゲン王国であり、ダンデリオン両陛下だ。
小説への対処には無償での協力を約束してもらえたとはいえ、フリューゲルヘイゲンがウェラントで閉じる各方面・数々の取引は、フィオルシーニにも少なくない負担を求めるだろう。今回の件で、フリューゲルヘイゲンはフィオルシーニを相手に大きな借りを作ってしまった。その分、フィオルシーニ皇帝に一言「駄目」と言われてしまえば、ダンデリオン陛下は指一本も動かせなくなる。
それでもルビア王妃陛下を通して無理を実現させようとしているのは、オーリィード嬢の為だ。
オーリィード嬢が命を懸けてでも叶えたかった願いを、精神を病んでもまだ伸ばしている手を、サーラ王女にまで届けてあげたいと、グローリア個人が望んだから。
そう。
妹はとっくに『国王にあるまじき国益に反した行動』を執っている。
皇帝にはオーリィード嬢の意欲と力を落とさせない為だと伝えたらしいが、皇帝の後見を得たオーリィード嬢が万全な状態でフリューゲルヘイゲンの戦力に加わる事と、サーラ王女の隠匿に拘ったフリューゲルヘイゲン王国がフィオルシーニ皇国を始めとした上位の国々に睨まれる事。国王としてどちらを選ぶべきかは、冷静な頭で考えれば一秒も掛からずに解る筈だ。
妹の反論は、サーラ王女への使者でもある『ガーネット=フリージア』がウェラント国内に居る時点で破綻していた。
妹は、それに気付けていない事こそがグローリアの限界を表しているのだと、『影の鷲』の為にも自覚しなければならない。
グローリアが傷付けようとしている『影の鷲』もまた、妹が大切に護ってきた一面だからこそ。
「サーラ王女は……芽を出していないだけの、才女だ。国益が……無い、訳じゃ、…………っ」
逸らしたままの顔で口を開き、何かを言いかけて、唇を噛む妹。
自身の服の胸元をギュッと掴む右手がいかにも苦しげで、痛々しい。
「グローリア……」
「そこまでにしていただきましょうか、グリューエル様」
もう一押しか、というところで、女性の声に遮られた。
ほんの数時間前まで間近に聴いていたその声は、私に向けて、重くも鋭い威圧感を発している。
「こんな深夜に、こんな場所で、男女二人きりでじゃれ合っているなんて。御兄妹相手とはいえ、妬けてしまいますわ、グローリア様」
石畳にコツンと鳴るヒールの音。
月と星の輝きを背負って、左手側からシルエットを見せたのは。
「……ガーネット」
「ぐふっ」
つねられた頬を押さえながらうつむいた妹が、振り上げた右手の拳を私の胸に思いっきり叩き付けた。
殺そうとしていた相手なのだから当然と言えば当然だが、打ち方次第では一撃で心臓が止まりかねない場所だというのに、遠慮も容赦もまるで無い。
「この私に、あの万年発情期男と同じだらしなさ全開のデレ顔をしろとか、正気か!?」
「…………デレ顔?」
何の話だ?
「私は仮にも国王の片割れだぞ!? 『正統なる国王』を守護し、彼と共に戦い、時には彼の意を汲んで彼よりも先に立ち、彼が振るう剣となる、誰よりも才気と威厳に溢れ、誰よりも尊敬を集め、それによって内外の敵から国と民を護らなければならない立場の人間だ! その私に、『騎士・グエン』としてのアイツの顔ならばまだ解らなくもないが、そうではないアイツの締まりが無い顔を、しかも民の命が関わっている場面で演じろなどと……っ! 『ダンデリオン王』を狂人に仕立ててフリューゲルヘイゲンを内側から瓦解させたいのか、お前は!!」
顔を上げ、ピンと伸ばした右手の人差し指を私の鼻先に突き付ける妹。
ぼんやり見える彼女の表情は、うつむく前と比べて一層険しい。
本気で怒り、心からの本音を怒鳴っているようだ。
私は、グエンとそっくりな顔で感情を押し殺すな、人形みたいな目になるなと言っただけで、グエンの素顔を演じろとは言っていないのだが。
人前に出る『ダンデリオン王』を『光の鷲』寄りに設定した上で真剣な顔をやめろと言われたら、お調子者の素顔を演じるしかなくなる、という意味だろうか?
それは確かに、外聞が良くない……のか?
「……申し訳ありません。少々言い過ぎました」
「少々どころではない! 国王の沽券に関わる大暴言だ! 何をとち狂ってそんな愛国心を疑われるような恐ろしい世迷い言を吐いたのか知らないが、反逆罪に問われたくないなら二度と口にするな! 王国最強の騎士であろうと、庇うにも限度ってものがあるんだぞ! 限度ってものが!」
「…………はあ……。以後、気を付けます」
「十・分・にっ、気を付けろ!」
重症だな。
どうあっても、やはりフリューゲルヘイゲン王国の安寧を基準に考えてしまう妹も、本物の国王でありながら素顔のあり方を滅多斬りにされてしまった『光の鷲』も。
いったい、妹に何を仕出かしたんだ、あれは。
どう聴いても、お調子者で赦される域に収まっていないのだが。
夫婦の私生活にまで干渉するつもりは無かったが、久しぶりに師弟の関係を再確認する必要があるのかも知れない。
「第一、私に心だの感情だのを殺した覚えは無い! 仕事上、必要な時に必要な選択をしていただけの話だ! そこに私情を絡ませるなど、公人にあるまじき軽い心構えで玉座に就いたとでも思っていたのか! 無礼者が!」
予想通りの反論内容。
いつもの冷静さがあれば、現状でその言い分は通用しないと気付けただろうに。
「……人間の大半は『続けられない生き物』だと、私は思っています」
「また比喩か!」
「いいえ、言葉通りです。私が見てきた限り、人間は持続と継続を何よりも苦手としていました。仮に外部からの干渉を絶った環境で五十年間、少しのブレも無く全く同じ行動を執り続けようと決意しても、完遂できる者はいないか、いたとしても、ごくごく稀でしょう」
「だからなんだ」
「続けられない理由は一つ。感情があるからです」
鼻先に突き付けられている人差し指を掴んで降ろし、ふぅ、と息を吐く。
「人間には寿命があり、身体を取り巻く環境と状態は刻々と変化しています。そうした変化は、その前後の差異によって人間の心に疑問や好奇心、困惑や不安や挫折を生じさせます。そんな中、当たり前と言われる事を当たり前に続けるのは、感情を持つ人間にとって相当な苦痛を伴う事です。一般家庭の家事然り、上流階級の社交然り。貴女にも覚えがあるでしょう? 執務の休憩時間、とか」
「ぅぐっ」
妹は書類整理と暗記が好きではない。
他はそうでもないが、整理と暗記に関してだけは不規則な休みを頻繁に入れたがる。
毎回決められた時間の中で片付けているから誰にも気付かれてないとでも思っていたのか、私の指摘を受けてばつが悪そうに顔を逸らした。
「どういう訳か忘れる者が多いのですが、人間社会を形成しているのは現在を生きている人間です。生きている人間が、人間社会の中で生きていく為に、各々の役割を果たして相応の報酬を得る。それが仕事です。仕事に怠惰な押し付け合いや私情を持ち込んで社会を私物化されるのは大問題かつ大迷惑ですが、生きていく為の仕事で人間を人間足らしめている感情を切り離しては社会を形成する意味がありませんし、生きている人間から感情を完全に切り離すことなど決してできません」
妹は自覚するべきだ。
求められ、体現してきた『理想の指導者』に、個人としてのグローリアは含まれていなかった事。
公人として必要な時に必要な選択をしてきたからこそ、それができてしまっていたからこそ、無意識に抑圧されてきた感情が今になって暴走しているのだと。
フリューゲルヘイゲンの国王として理性的に務め続けた結果、グローリアとしての自分が押し潰されそうになって悲鳴を上げているのだと。
フリューゲルヘイゲン王国の脅威となる小説を封じ込める為、という大義名分が無ければ動けもしなかった『影の鷲』を、誰よりもグローリア自身が憎み、傷付けようとしているのだと。
「貴女は『もう一人の国王』であると同時に一人の人間です。貴女自身がどう思おうと、貴女も続けることが苦手な人間の一人なんです。『ダンデリオン=シュバイツェル』が民に夢を配る『理想の指導者』であり続けるほど、貴女個人の心や感情は死んでいく。そして、やがては『影の鷲』としての判断力にも影響を及ぼすでしょう。フリューゲルヘイゲンには大した利益が無いにも拘わらず、フィオルシーニの反対を押し切ってまでサーラ王女に移住の機会を与えんとしているように」
「……っ!」
ウェラントは血統重視の国柄。
ゼルエス亡き今、混乱状態に陥るウェラント王国をまとめ直す為には、侵略者を演じているリブロム王に実権を握らせるよりも、サーラ王女の血と名声を利用させるほうが手っ取り早く、確実だ。
大陸間侵攻を企む武装勢力が実在している以上、後継者不在で右往左往するウェラント王国がバスティーツ大陸の弱り目として集中攻撃される可能性は非常に高い。万が一武装勢力に制圧された後で侵攻の拠点を築かれようものなら、リブロム王の力一つでギリギリの線を保っているベルゼーラ王国も危うい。
つまり、サーラ王女をウェラント王国から遠ざける行為は、バスティーツ大陸全土にとって負の要素。フィオルシーニ皇国にとっても面倒事が増えるだけで、利益には一切繋がらない。
フィオルシーニ皇国に不機嫌な顔をされて困るのはフリューゲルヘイゲン王国であり、ダンデリオン両陛下だ。
小説への対処には無償での協力を約束してもらえたとはいえ、フリューゲルヘイゲンがウェラントで閉じる各方面・数々の取引は、フィオルシーニにも少なくない負担を求めるだろう。今回の件で、フリューゲルヘイゲンはフィオルシーニを相手に大きな借りを作ってしまった。その分、フィオルシーニ皇帝に一言「駄目」と言われてしまえば、ダンデリオン陛下は指一本も動かせなくなる。
それでもルビア王妃陛下を通して無理を実現させようとしているのは、オーリィード嬢の為だ。
オーリィード嬢が命を懸けてでも叶えたかった願いを、精神を病んでもまだ伸ばしている手を、サーラ王女にまで届けてあげたいと、グローリア個人が望んだから。
そう。
妹はとっくに『国王にあるまじき国益に反した行動』を執っている。
皇帝にはオーリィード嬢の意欲と力を落とさせない為だと伝えたらしいが、皇帝の後見を得たオーリィード嬢が万全な状態でフリューゲルヘイゲンの戦力に加わる事と、サーラ王女の隠匿に拘ったフリューゲルヘイゲン王国がフィオルシーニ皇国を始めとした上位の国々に睨まれる事。国王としてどちらを選ぶべきかは、冷静な頭で考えれば一秒も掛からずに解る筈だ。
妹の反論は、サーラ王女への使者でもある『ガーネット=フリージア』がウェラント国内に居る時点で破綻していた。
妹は、それに気付けていない事こそがグローリアの限界を表しているのだと、『影の鷲』の為にも自覚しなければならない。
グローリアが傷付けようとしている『影の鷲』もまた、妹が大切に護ってきた一面だからこそ。
「サーラ王女は……芽を出していないだけの、才女だ。国益が……無い、訳じゃ、…………っ」
逸らしたままの顔で口を開き、何かを言いかけて、唇を噛む妹。
自身の服の胸元をギュッと掴む右手がいかにも苦しげで、痛々しい。
「グローリア……」
「そこまでにしていただきましょうか、グリューエル様」
もう一押しか、というところで、女性の声に遮られた。
ほんの数時間前まで間近に聴いていたその声は、私に向けて、重くも鋭い威圧感を発している。
「こんな深夜に、こんな場所で、男女二人きりでじゃれ合っているなんて。御兄妹相手とはいえ、妬けてしまいますわ、グローリア様」
石畳にコツンと鳴るヒールの音。
月と星の輝きを背負って、左手側からシルエットを見せたのは。
「……ガーネット」
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