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第2章
昇格試験
しおりを挟むどうもナギアです。
現在僕がいるのはイソーギス国の冒険者ギルド地下にある大きな訓練場にいます。
この訓練場は学校の生徒も使うことがあるので、ギルマスが特殊な魔法陣を訓練場のさらに地下に設置しているらしい。
特殊な魔法陣の効果は死ぬような攻撃を受けても訓練場から追い出されるというものだ。
だからなのか、目の前に迫って来る冒険者達は自分の得意とする武器で殺る気満々です..
「おらぁ!死ねやガキ!」
口の悪いハルバードを振りかざしてきたので、とりあえず避けて蹴り飛ばす。
「ぐふぉ!..」
「は!?」
「え?」
「ちょっ!」
吹っ飛んだ男は3人巻き込んで訓練場の端までいってしまった……多分威力出してないから少ししたら復帰するでしょう。
男を蹴り飛ばした事で他の冒険者達は舐めてかかる事を止めたようで、無闇に突っ込まず剣を構えナギアの動きを窺った。
Aランク冒険者 ケルファール side
俺の名はケルファール。様々なクエストを達成しAランク冒険者となった者だ。
今俺はSランク昇格試験を受ける為ギルドに向かうと他のAランク冒険者と受付嬢が少し揉めていた。話を聞くとSランク冒険者の試験官が体調不良になってしまったらしい..全くツイてない。
酒場で他の冒険者達と情報交換をしていると、受付嬢が声を上げた。
「Sランク昇格試験を受ける方に連絡致したます!試験官を代わりにやってくれる人が見つかったので、受ける方は受付にお集まり下さい!」
幸いSランク昇格試験を受けるAランク冒険者は帰っていなかったので、呼びに行ったりしなくて良さそうだ。
階段の方から白髪の老人が下りてきた..ここのギルドのギルドマスターだ。
「今回は試験官が特別じゃから、わしも見るぞ」
ん?試験官が特別?一体何を言っているんだ?
俺はその言葉の意味を知った時は驚いた……試験官はそこら辺で走っていそうな5,6歳の子供なのだ。
受付嬢が言うにはこの子供はSSSランク冒険者だと言う……ふざけるの止めてほしい。俺達はこの日のために鍛錬を積んできたんだ..子供もの遊びに付き合っている暇はない。
その場にいた試験を受ける冒険者は俺と同じような感情を抱き、受付嬢とギルマスに文句を言った。
「ほぉほぉほぉ、まぁ落ち着きたまえ。じゃあ、こうしようじゃないか..この男の子ナギア君を倒したものはSSSランクに昇格してやろう。他はわしが試合を見て判断しよう。出来るかい?ナギア君」
は?こんな子供を倒すだけでSSSランクになれるだと?……最初はツイてないと思ったがツイてるようだな!..しかし、誰から先にやるんだ?1番最初にやらないとあの子供が戦闘不能になってしまう..
「言い忘れていたのぉ、Sランク以上に上がりたいもの全員vsナギア君じゃよ。ルールは戦闘不能もしくは負けを認めれば終わりじゃ」
ククク、とうとうギルマスもボケてきてるようだな。そのボケに俺達は感謝しないとな。
ナギアという子供はギルマスに何か質問しているようだった。俺はちょうど聞いていなかったが、周りの怒りようだと子供に何か舐められた事でも言われたんだろう……さっさと終らせてSSSランクになるか。
受付嬢の開始の合図で俺達は一斉に子供に向かって走った。
子供は全く動かない..さすがに大人で武器を持った奴らが沢山来たらビビって動けなくなるよな。
大きなハルバードを持った男が一番最初にたどり着き子供にハルバードを振るったが子供は避けて男を蹴り飛ばした..は?
男は3人巻き込んで訓練場の端の方に飛んでいった。
本当にただの子供じゃないのか..嘘だろ?
俺達は子供に無闇に近づいては行けないと思い突っ込むのを止め、武器を構え子供の動きを窺った。
「あれ?来ないんですか?では、まずはこれを避けてくださいね~」
子供はまるで新しい玩具をもらったような無邪気な笑顔で空中に火の玉を出現させた……しかし、数が異常だった..俺の見たことある凄い魔法使いでも10個同時に制御していたが目の前の子供は100..200..数え切れない程生成していた。
「頑張ってね~」
子供がそう言うと火の玉は飛んできたが俺達はありえない光景に唖然としてしまった。魔法は真っ直ぐ飛んでいくか弧を描くように飛ぶのが普通だが、子供の火の玉は自由自在に不規則に飛んでいた..軌道が読めない..
俺達は必死に避けるが火の玉に当たったところは溶けてしまったり火傷したりしていた。
あるものは盾で防ごうとしていたが、盾を貫通し殺られてしまって、訓練場からギャラリーの方に飛ばされてしまった者もいた。
小さい火の玉だと油断したものは四散しない火の玉に貫かれギャラリーに飛ばされていく..すると俺含め7人程残った所で火の玉は全て消えた……何故だ?
「じゃあ次はコレだよ~」
子供は何処から取り出したのか1本の剣を持って構えた..どうやら剣術でかかって来いという事らしい。
「ここは拙者に任せて頂けぬか、隙を見てあの子供を殺るんだ」
「共闘しないと倒せそうにねぇよな..」
「気配は消せる奴は消せよ」
剣の半分しかない刀という武器を持った男は子供に突っ込んでいき刀を振るう..その動きは全く見えず子供も斬られた..ように見えた。
信じられない事に子供はずっと避けて様子を見ているようだった..
気配を消した3人の冒険者がいつの間にか後ろに周り子供に斬りかかった……さすがに死角を突かれれば勝てると判断したのだろう。
瞬間、刀の男と後ろに回った3人の冒険者が吹き飛んだ..
「殺気をだしてたら、丸分かりだよ?」
どうやら子供は斬られる前に剣圧で吹き飛ばしたようだ……めちゃくちゃすぎる..
「残りは4人だね~」
は?4人だと?どこにあと1人いるんだ..
「あれ?気づいてなかったの?気配消してあなたの少し後ろにいるじゃん」
俺の疑問に答えるように子供が言った..後ろを振り返るが誰もいな....いた..しかも小さな女の子だった。
何でここに小さな子供がいるんだ?....待てよ..こいつも試験を受けているという事か?..
最近の子供ってこんなにレベルが高いのか?
「リア!周りと協力とかしないの?」
「私の実力をこの人達は知らないから言っても無駄だと思ったから良いの」
どうやら試験官の子供と仲が良いようだ。
「じゃあ、次はコレを倒してみようか~」
男の子の影が大きく広がると黒い塊が出てきた..その塊はどんどん大きくなり訓練場の天井に届きそうな程まで膨張していった。
黒い塊は段々と形を形成していき過去のお話で聞いた化け物の姿となった……ヒュドラだ..
頭が7つあり、それぞれの頭は意思を持っているようにバラバラに動いていた。
「さぁ、頑張ってね!」
男の子はヒュドラの上で楽しそうに俺達を眺めている。
冒険者達のSランク昇格試験はまだまだ続くのだった……
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どうも!こんにちは
お気に入り数が1100を超えました!
ありがとうございます!
補足します!
火の玉はゆっくり飛んでます。シャボン玉が火の玉になって自由に飛び回っているイメージをして頂ければナギア君の優しさ?がわかりますよ!(弾幕ですね)
殺られてしまった冒険者達は訓練場からギャラリーに飛ばされ試合を見ています。
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