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第3章

お喋りな悪神

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ナギア side

老翁に投げられた何かを触れたことで自分の意識が飛ぶのを感じた。なので、ナギアは意識が飛ぶ瞬間までに待機させてる影に連絡と自分の力を一定以上出せないように制御した。

最悪だ...
このパターンって操られたりするか、この気絶している間に殺されるパターンのどっちかだよな......あれ?何で気絶してるのに自由に考え事が出来るんだ?

『どうも~!僕は神様だよ~』

真っ暗だった空間は突然白い空間に切り替わり、謎の靄がかった人影がハイテンションで声を掛けてきた。

あっ....こいつ悪神じゃね?..

『おう?凄いね!僕の事を知っているのかい!
とうとう、僕も有名な神様になってきたんだね~』

出しすぎた考え事は伝わるのか?
喋るように考えればそっちが伝わるみたいだから気をつけて考えなければね..

『ん?読めなくなったね....仕方ない』

靄がかった人影は指をパチンッ!と鳴らすと喋れる様になった。

そういえば、初めて神様と出会った時もこんなやり取りをしたな~
さて、少し隙をついて魔法発動させて悪神を消そうとしたけど、体は縛られているし謎の力で魔法が発動しないんだよな...無限収納インベントリも謎の力で阻害されて開けないから、対精神体用の剣も取り出せないんだよな。

『本当に君は油断できないね~
僕は親切かつ紳士だから教えて上げよう!
君は今、僕の呪いでスキルを使えない状態にしてるんだよ。ステータスは君を気に入っている神がいるのか見ることが出来ないんだよね~...「加護持ち」もしくはステータスが化け物のどちらかのはずなんだ。

....まぁ、初対面の神を見て「悪神」と答えたから前者が正解かな?
戦闘を見て来た限りだと、魔力は神すら凌ぐ量で他は人族の中では飛び抜けており、スキルの使い方にセンスはあるぐらいかな~』

うんうん、面白いくらい悪神は騙されている見たいだね。
僕は本気出したことなんてないし、リアも周りを気にしないで本気で戦ったことはない。
もう少し、この呪いとか言うやつが弱まれば出来れば無限収納が使えるのにな~

『...気に入らないな~
その余裕そうな感情は何なのかな?僕の事を馬鹿にしているのかな?
......ん?..あ、あはははは!』

ナギアの態度が気に入らないと悪神は機嫌悪そうな口調になるが、何かに気づいたのか突然笑いだした。

『君の前世は夜乃君だったのか~!
1番壊れなかった玩具で楽しませてもらったな~
あはは!思い出すだけで笑いが止まらないよ』

地球での出来事を思い出し馬鹿にするよう笑う悪神を見てナギアは少しイラついた。
いくら過去の出来事のお陰で役に立つことがあったと言っても、自分が不幸になった元凶が目の前で爆笑している姿を見るのは腹が立ったのだ。

『あれれ~怒ってる? おこなの?
ぷぷぷ、あの時はどんな気持ちだった~?

大好きな父親を母親の再婚相手に殺され、母親には愛など貰えず義父からは暴行の毎日。

クラスメイトから虐められ先生を頼れば先生にも悪質な虐めにあい、

してもいない罪を被せられ、

好きな人や友人に裏切られる。

拾ってこっそり育てていた猫を目の前で無残にも殺され川に捨てられたり、

両親が死んでから母親の妹に引き取られるも、そこの子供に虐めを受けながら耐える生活。

まだまだ沢山あるけど全部言ってたら終わらないね~

あはは、お腹痛いね~!
どんな気持ちだったの?教えてよ~

僕は君の絶望していく表情を見る事がたまらなく好きだったよ!
この世界で会えるなんて、これはもう運命だよね!
あ~、また楽しませてよ!』

悪神はナギアの過去を抽象的に思い出してはナギアを煽るように笑った。

ナギアにとって、悪神の煽ってくる行為は少し辛い程度にしか感じていなかった。自分の過去を思い出す事は辛い事ではあるが前世でそれなりに精神攻撃は慣れている。
ナギアは目の前で爆笑する悪神を無表情で見つめ続けた。

『ムゥー、反応薄くてつまんないねー。
そういえば、前に毛の生えたミートボールがお世話になったね~
僕の力を玩具に与えたのに君らはフルボッコにしてくれたよね。
せっかく第三形態まではなるようにしたのに第二形態で倒しちゃうんだもん...もっと抗うさまを見たかったな~』

え?あの肉団子って第三形態もあったのか..
いったいどんな姿何だろう?

『ちなみに第三形態は手足が生えるんだよ~』

うわぁ..考えてたこと伝わっちゃったよ..
まぁ、いいか..今頃影達が何とかしてるかな?
ある程度自分の体に制限かけてきたから大丈夫だろうし..
最悪は手足無くなった状態で目覚める事も覚悟しなきゃな....

『喋れる様になっているんだからいい加減喋ろうよ!そんなに僕が嫌いかい?
僕は君の苦しむ姿がまたみたいから、ちょっと弄っちゃおう~』

悪神はそう言うとナギアの目の前にモニターを出した。そこに映し出された光景にナギアは目を見開いた。

「え?...何で魔力にも制限を掛けたはずなのに....お前か..」

『えへへ~、君の掛けた制限とやらをとっぱらってみました!本当はステータスを10倍くらい跳ね上げて暴れさせようと思ったんだけど、君の中に存在する複数の意思に阻まれちゃったね~
君はビックリ箱みたいだね~』

モニターには操られたナギアが対立する影やリルリアに向かって魔法の雨を降らせているシーンだった。

影達が人のいない場所に移動してくれたお陰で人的被害はないが、この雨が全部地上で爆発すれば大地の神様に怒られる程荒れてしまうだろう..

『君の分身体ってどうして本体が操られているのに、それぞれ自由に動けるのか不思議だよ~
口調も性格の色も違うね。
どうしてかな?
教えてよナギア君~
僕も色々教えたでしょ~?』

悪神はナギアの隣まで移動し耳元でおねだりをするが、ナギアはずっとガン無視し続けた。

『教えてくれないなんてケチだなー
お!モニター見てよ!君の影が残り半分になっちゃったね~
そして、君の彼女をターゲットにしたみたいだよ。このままじゃ君の手で彼女が切られちゃうね~』

大丈夫..あれくらいの攻撃だったら、リアでもカウンターは余裕のはず..ぇ?....何で手を広げてる..の?
やだよ....止めて!..避けてよ!!!

目の前のモニターのナギアはリルリアを突き刺した。ナギアの頭の中は、リルリアがどうして避けずに剣を受けたのか理解が出来ずにいた。

『うわぁー、可哀想な彼女さんだ~
君の事を深く愛していたのに、君の手で殺されるなんて........超面白いよ!あはははは!!!

あれれ?泣いちゃったのかな?
君の手で彼女を殺した感想を教えてよ?ねーねー』

気がつけばナギアの頬には涙が流れていた。
自分の大切な人を、操られているとはいえ自分の手で剣を突き刺した事が相当ショックだったのだ。

『あはは!君の彼女健気すぎない~?
自分の腹に剣が突き刺さっているのに、キスしてるよ!
ヒューヒュー!熱いね~
あはははは..はは......は?噓でしょ..?』

縛られていたはずのナギアの体はいつの間にか解けており、悪神の呪いも解呪されていた。

「リア...後で説教してやるから少し待ってろ..」

リルリアがキスをした時に解除系の魔力が流れ込んできた。
どうやらリルリアが作った魔法らしく、体内や精神への呪いや状態異常、体の異変を取り除き全回復させる魔法のようだ。

ナギアはリルリアの行動を良くは思ってないが、とても感謝した。

『やばいな~、こんな時は戦略的撤退だよ~!
また遊ぼうね~....む?』

「駄目ですよ?逃しませんから..」

空間から逃げ出そうとする悪神を結界に閉じ込め逃げられないようにすると、悪神はいつもと違った笑みを見せた。

『おこだね~
人の身で神である僕に勝てると思わない事だよ?
その愚行は万死に値するね..』

そして、
謎の空間でナギアと悪神の戦いが始まるのだった....




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どうも!こんにちは

やっと悪神戦が始まります。
書いていて思ったのは国の方が忘れ去られている事ですね。

国の事もちゃんと書きますね!
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