4 / 22
【序章】白野恵瑠の物語
【序章】第四話『異能の覚醒、日常の崩壊《前編》』
しおりを挟む
それは、ほんの一年前のことだった。
私が、まだこの都市『カルデラシティ』に来る前。
生まれ育った地方都市で、当たり前のように過ごしていた頃――
『グラウンド・ゼロ』――。
数年前に発生した未曾有の異界化災害。
それを境に、世界には、異世界の魔力が現世に流れ込み、時に世界の姿形を変えてしまう『異界化現象』が発生するようになった。
その現象は、人間にも影響を及ぼし、特定の人間に『異能』の力が宿るようになったとも、ニュースで語られるようになっていた。
世界が変わってから、すでに何年かが過ぎていたけれど――
あの日までは、そんなのは、どこか遠くの、御伽噺の物語だと思っていた。
その頃の私は、高校二年生で、もうすぐ三年生になる時だった。
今とは違い、髪は長くて真っ黒で、瞳の色は茶色。耳も、普通の人と同じ丸みを帯びていた。
どこにでもいるような日本人の女の子。それが、白野恵瑠だった。
高校二年生の年の終わり、年明け後の春には三年生になるはずだった、十二月のある日。
「……あれ……?」
異変は、突然やってきた――
何の前触れもなく、授業中に胸の奥が熱くなるような感覚に襲われた。
(なに、これ……!)
視界が滲む。
心臓の鼓動が耳に響く。
息が苦しい。
体の奥が熱を帯びる。
それは、まるで体の内側から炎が噴き出すような――燃えるような感覚が全身に広がっていった。
「――あ、つ……っ、あ……っ!」
思考も、感覚も、まともに働かないまま、私は苦しさに耐えかねて――
椅子から立ち上がった。
その瞬間、教室に、衝撃波のような風が吹き荒れた。
悲鳴。倒れる机。割れる窓ガラス。舞い散る紙。驚愕する視線。
私の中から噴き出した『何か』が、止めようもなく周囲を巻き込んだ。
見たこともない『魔力』の奔流が、あたりを包み込んでいた。
そして、私は――そこで意識を失った。
目を覚ました時、私は病院のベッドの上にいた。
白い天井と、消毒の匂い。
ベッドの脇には白衣を着た知らない医師が立っていて、私を見下ろしていた。
私が目を覚ましたことに気づいた医師が、何が起きたのかを告げた。
「落ち着いて聞いてください。あなたは――『能力者』として覚醒したのです」
諭すように、だけど、淡々と語られていく言葉に、私は現実味を失った。
「あなたのように、魔力の適性を持つ者の中には、突如として『異能』に目覚める者もいます。目覚めた時、大抵は、今まで抑えられていた魔力が暴走し……そして、あなたのように倒れる。そして、中には能力に目覚めた事で、変異する人もいます」
その言葉が何を意味するのか、すぐには理解できなかった。
「深呼吸して、落ち着いて。この鏡を見てください」
医師が、用意した鏡を見せられた時――
私は初めて、自分の体に起きた『変化』を知った。
その変化に、私は思わず、目を丸くし、息を呑んだ。
そこに映っていたのは、昨日までの私ではない――まるで、知らない誰かが鏡の中にいた。
長く黒かった髪は、金色に。
茶色の瞳は、透き通るような翡翠色に。
そして何より――耳が、普通の人のものと違っていた。
長く、細く、先が尖って……まるで物語に出てくる『エルフ』のようだった。
「この変化は、一説によれば『魂の形』が肉体に表れてきた結果だと言われています」
淡々と話す医師の声が、今も耳に残っている。
「『健全なる精神は健全なる肉体に宿る』という言葉をご存じですか? 肉体が健康であれば、精神も健康になる――なんて、言われている言葉ですが、これは逆の事とも言えまして……『異能』の元である『魔力』とは『魂の力』とも言われているそうです。強い魔力を持つ者は、その魂の力に、肉体が引っ張られる……精神、いわば『魂の形』によって、身体そのものの形も変わる――つまり、内面により外見が作られる。特に白野恵瑠さんのように、潜在魔力量の大きな子は、その影響が顕著に出て、身体が変化しやすい……この変化は、魔力覚醒の際にまれに起きる現象だと言われてます」
そう、医者は静かに言った。
私はうなずくことも、拒むこともできなかった。
理屈ではわかっていても、心が追いつかなかった。
昨日までと、まったく違う自分の姿。
そして、私の魔力暴走で怪我をしたクラスメイトがいたという事実。
――その時点で、それまでの、私の「日常」は、終わりを告げた。
退院してからも、私は日常に戻ろうとした。
けれど、学校に戻った私を待っていたのは、異物を見るような視線だった。
「……なんかさ、あの子って、『化け物』らしいよ」
そんな言葉が、耳に届いたのは一度や二度じゃなかった。
容姿が変わった私を、クラスメイトは遠巻きに見るようになった。
暴走に巻き込まれて怪我をした子たちを中心に、私を『化け物』や『怪物』などと呼び、友達だった子も、徐々に距離を取りはじめた。
先生たちも、表向きには優しく振る舞っていたが、その目には怯えと困惑が滲んでいた。
そうして、私を腫れ物のように扱い、必要以上に距離を取った。
「怪物」
「化け物」
「いつ暴れるか分からない」
そう噂されるようになるまで、そう時間がかからなかった。
程なくして、教室の空気は、冷たく凍りついていき、私は学校での居場所を失った。
それでも、家族だけは私の味方でいてくれて、守ってくれる。
そう信じていた――
私が能力者になってしまった後、最初は、家族だけは私の味方でいてくれていた。
父も、母も、妹も。
変わってしまった私を前に戸惑いながらも、「大丈夫」と言ってくれた。
けれど、時間が経つにつれ、その支えも崩れていった。
家の前に、無言で投げ込まれた紙切れ。
匿名の誹謗中傷。
近所で聞こえる「あの家の子は……」という声。
日々募る、近所や周囲からの偏見や中傷に、やがて家族も耐えられなくなっていった。
父は会社で立場を失い、母は買い物にも出られなくなり、妹は、学校でいじめられるようになった。
「『あの子が』『お姉ちゃんが』、いなければ……」
味方だと思っていた家族は、次第に、私を見ないようになり、口数が減り、やがては――家の中でも、私の部屋に誰も近づかなくなった。
気づけば私は、誰にも話しかけられず、誰からも目を逸らされる存在になっていた。
外に出れば、家族共々、周囲からの非難の声と目に晒される為、次第に私は、部屋に閉じこもる日が増え、誰とも顔を合わせなくなっていった。
暗い部屋に閉じこもるようになった私の心は、いつしか、この部屋と同じように閉ざされていった。
そして、ある日。
政府の職員が家を訪ねてきた。
「現在、政府で行っている能力者保護政策の一環として、異能に目覚めた能力者の保護と育成が出来る環境を用意しております。そこで、娘さんの『異界管理都市』への移住をご提案したいのですが……失礼かと存じますが、今の環境が娘さんのためになるとは思えません。娘さんの未来の為にも、お考えいただけないでしょうか?」
保護。育成。新しい未来。
彼らはそう言っていた。
「……この子を、引き取ってくれるなら……ぜひお願いします。このままじゃ、うちは……あの子といるのは……もう、もう無理なんです……」
その言葉を口にしたのは――父だった。
母も、それに小さく頷いていた。
妹の姿は、そこにはなかった。
私にとって、それは最後の居場所を失った決定的な瞬間だった。
ああ、私は――もう、家族には要らないんだ……
移住の手続きは、あっという間に進んだ。
能力に目覚めた日から、ちょうど一年が経とうとしていた頃、都市に移住する日が決まった。
そして迎えた、都市移住の日。
駅のホームで、私は一人だった。
家族も、友達も、誰一人として見送りに来てはくれなかった。
私は、自分の顔を隠すように、パーカーのフードを目深に被って、ホームに入ってきた電車に乗り込み、生まれ育った街を離れていった。
移動中、付き添ってくれた優しげな職員が「不安なことがあれば、何でも相談してね」と優しく笑ってくれたけれど――その言葉は、どこか遠くに聞こえ、私の心には何も響かなかった。
私が、まだこの都市『カルデラシティ』に来る前。
生まれ育った地方都市で、当たり前のように過ごしていた頃――
『グラウンド・ゼロ』――。
数年前に発生した未曾有の異界化災害。
それを境に、世界には、異世界の魔力が現世に流れ込み、時に世界の姿形を変えてしまう『異界化現象』が発生するようになった。
その現象は、人間にも影響を及ぼし、特定の人間に『異能』の力が宿るようになったとも、ニュースで語られるようになっていた。
世界が変わってから、すでに何年かが過ぎていたけれど――
あの日までは、そんなのは、どこか遠くの、御伽噺の物語だと思っていた。
その頃の私は、高校二年生で、もうすぐ三年生になる時だった。
今とは違い、髪は長くて真っ黒で、瞳の色は茶色。耳も、普通の人と同じ丸みを帯びていた。
どこにでもいるような日本人の女の子。それが、白野恵瑠だった。
高校二年生の年の終わり、年明け後の春には三年生になるはずだった、十二月のある日。
「……あれ……?」
異変は、突然やってきた――
何の前触れもなく、授業中に胸の奥が熱くなるような感覚に襲われた。
(なに、これ……!)
視界が滲む。
心臓の鼓動が耳に響く。
息が苦しい。
体の奥が熱を帯びる。
それは、まるで体の内側から炎が噴き出すような――燃えるような感覚が全身に広がっていった。
「――あ、つ……っ、あ……っ!」
思考も、感覚も、まともに働かないまま、私は苦しさに耐えかねて――
椅子から立ち上がった。
その瞬間、教室に、衝撃波のような風が吹き荒れた。
悲鳴。倒れる机。割れる窓ガラス。舞い散る紙。驚愕する視線。
私の中から噴き出した『何か』が、止めようもなく周囲を巻き込んだ。
見たこともない『魔力』の奔流が、あたりを包み込んでいた。
そして、私は――そこで意識を失った。
目を覚ました時、私は病院のベッドの上にいた。
白い天井と、消毒の匂い。
ベッドの脇には白衣を着た知らない医師が立っていて、私を見下ろしていた。
私が目を覚ましたことに気づいた医師が、何が起きたのかを告げた。
「落ち着いて聞いてください。あなたは――『能力者』として覚醒したのです」
諭すように、だけど、淡々と語られていく言葉に、私は現実味を失った。
「あなたのように、魔力の適性を持つ者の中には、突如として『異能』に目覚める者もいます。目覚めた時、大抵は、今まで抑えられていた魔力が暴走し……そして、あなたのように倒れる。そして、中には能力に目覚めた事で、変異する人もいます」
その言葉が何を意味するのか、すぐには理解できなかった。
「深呼吸して、落ち着いて。この鏡を見てください」
医師が、用意した鏡を見せられた時――
私は初めて、自分の体に起きた『変化』を知った。
その変化に、私は思わず、目を丸くし、息を呑んだ。
そこに映っていたのは、昨日までの私ではない――まるで、知らない誰かが鏡の中にいた。
長く黒かった髪は、金色に。
茶色の瞳は、透き通るような翡翠色に。
そして何より――耳が、普通の人のものと違っていた。
長く、細く、先が尖って……まるで物語に出てくる『エルフ』のようだった。
「この変化は、一説によれば『魂の形』が肉体に表れてきた結果だと言われています」
淡々と話す医師の声が、今も耳に残っている。
「『健全なる精神は健全なる肉体に宿る』という言葉をご存じですか? 肉体が健康であれば、精神も健康になる――なんて、言われている言葉ですが、これは逆の事とも言えまして……『異能』の元である『魔力』とは『魂の力』とも言われているそうです。強い魔力を持つ者は、その魂の力に、肉体が引っ張られる……精神、いわば『魂の形』によって、身体そのものの形も変わる――つまり、内面により外見が作られる。特に白野恵瑠さんのように、潜在魔力量の大きな子は、その影響が顕著に出て、身体が変化しやすい……この変化は、魔力覚醒の際にまれに起きる現象だと言われてます」
そう、医者は静かに言った。
私はうなずくことも、拒むこともできなかった。
理屈ではわかっていても、心が追いつかなかった。
昨日までと、まったく違う自分の姿。
そして、私の魔力暴走で怪我をしたクラスメイトがいたという事実。
――その時点で、それまでの、私の「日常」は、終わりを告げた。
退院してからも、私は日常に戻ろうとした。
けれど、学校に戻った私を待っていたのは、異物を見るような視線だった。
「……なんかさ、あの子って、『化け物』らしいよ」
そんな言葉が、耳に届いたのは一度や二度じゃなかった。
容姿が変わった私を、クラスメイトは遠巻きに見るようになった。
暴走に巻き込まれて怪我をした子たちを中心に、私を『化け物』や『怪物』などと呼び、友達だった子も、徐々に距離を取りはじめた。
先生たちも、表向きには優しく振る舞っていたが、その目には怯えと困惑が滲んでいた。
そうして、私を腫れ物のように扱い、必要以上に距離を取った。
「怪物」
「化け物」
「いつ暴れるか分からない」
そう噂されるようになるまで、そう時間がかからなかった。
程なくして、教室の空気は、冷たく凍りついていき、私は学校での居場所を失った。
それでも、家族だけは私の味方でいてくれて、守ってくれる。
そう信じていた――
私が能力者になってしまった後、最初は、家族だけは私の味方でいてくれていた。
父も、母も、妹も。
変わってしまった私を前に戸惑いながらも、「大丈夫」と言ってくれた。
けれど、時間が経つにつれ、その支えも崩れていった。
家の前に、無言で投げ込まれた紙切れ。
匿名の誹謗中傷。
近所で聞こえる「あの家の子は……」という声。
日々募る、近所や周囲からの偏見や中傷に、やがて家族も耐えられなくなっていった。
父は会社で立場を失い、母は買い物にも出られなくなり、妹は、学校でいじめられるようになった。
「『あの子が』『お姉ちゃんが』、いなければ……」
味方だと思っていた家族は、次第に、私を見ないようになり、口数が減り、やがては――家の中でも、私の部屋に誰も近づかなくなった。
気づけば私は、誰にも話しかけられず、誰からも目を逸らされる存在になっていた。
外に出れば、家族共々、周囲からの非難の声と目に晒される為、次第に私は、部屋に閉じこもる日が増え、誰とも顔を合わせなくなっていった。
暗い部屋に閉じこもるようになった私の心は、いつしか、この部屋と同じように閉ざされていった。
そして、ある日。
政府の職員が家を訪ねてきた。
「現在、政府で行っている能力者保護政策の一環として、異能に目覚めた能力者の保護と育成が出来る環境を用意しております。そこで、娘さんの『異界管理都市』への移住をご提案したいのですが……失礼かと存じますが、今の環境が娘さんのためになるとは思えません。娘さんの未来の為にも、お考えいただけないでしょうか?」
保護。育成。新しい未来。
彼らはそう言っていた。
「……この子を、引き取ってくれるなら……ぜひお願いします。このままじゃ、うちは……あの子といるのは……もう、もう無理なんです……」
その言葉を口にしたのは――父だった。
母も、それに小さく頷いていた。
妹の姿は、そこにはなかった。
私にとって、それは最後の居場所を失った決定的な瞬間だった。
ああ、私は――もう、家族には要らないんだ……
移住の手続きは、あっという間に進んだ。
能力に目覚めた日から、ちょうど一年が経とうとしていた頃、都市に移住する日が決まった。
そして迎えた、都市移住の日。
駅のホームで、私は一人だった。
家族も、友達も、誰一人として見送りに来てはくれなかった。
私は、自分の顔を隠すように、パーカーのフードを目深に被って、ホームに入ってきた電車に乗り込み、生まれ育った街を離れていった。
移動中、付き添ってくれた優しげな職員が「不安なことがあれば、何でも相談してね」と優しく笑ってくれたけれど――その言葉は、どこか遠くに聞こえ、私の心には何も響かなかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる